緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~ 作:シャラシャラン
やっと会えたね、カゲヨシくん
第三十五話 偶然の出会い
波に揺られて数時間。
到着したらすぐに武偵高校の教師が向かいに来てくれた。
「おはようございます」
車から出てきたのは高天原先生だった。
どうやら俺が入るクラスの担任の講師らしい。
まだ他の教師達よりかなり良いので嬉しい。担任が欄豹になった暁にはノイローゼになるだろう。それより身投げの確率の方が高そうだ。
「それでは移動しましょう」
他の武偵が車のドアを開け、俺は中に入る。
車は計三台。真ん中には俺が乗っている車である。
「明日は始業式なので準備しておいてくださいね。今日は寮に荷物が届いていますのでそれを確認した後学校内を見学してもらいます。この入学式の前日なので強襲科や他の所にも多数生徒がいると思いますよ。もしかしたら友達を作れるかも知れませんね」
隣に座っている高天原先生はにこやかに喋る。
明日が入学式。
「それとあなたがスキャッグス家の最後の生き残りであるという情報はもう流しています。恐らく他の大国はあなたにアプローチをかけようとするでしょう。もちろん悪い意味も含めてです。それは国に限らず周りの人もです。しばらくは見に周りに注意してくださいね」
「はい、わかりました」
と言われても簡単にどうこうされる俺ではないけどな。
そんな事を話しているうちに到着した。
武偵校の男子寮の前である。
そのまま車を降り先生についていく。
「カゲヨシくんの部屋は最上階のVIPルームになります」
「……ん?」
「はい。さすがにスキャッグスの跡取りとなるとちょっとは特別扱いしないといけないので……不快に思ったのならすいません」
エレベーターに乗って最上階まで行く。
この階には部屋がなんと三つしかない。そして一部屋につき一人である。通常ならば一部屋を四人でルームシェアーするのだが。そこをなんと独り占めという訳だ。贅沢な。
「これが鍵です」
そう言われカードキーを渡される。
こんな広い部屋を一人で使うのか。
「それでは学校の方に向かいましょう」
高天原先生に言われ、来た道を戻りまた車に乗る。
それから五分後には東京武偵高校の正門に到着した。
俺は車か下りて先生の後ろを付いていく。どうやら護衛はここまでらしい。黒グラサンの人たちとはさよならだ。校内を歩くと確かに生徒が歩いている。そしてほとんどが俺の顔を見た瞬間驚き凝視してくる。どうやらもう既に有名人らしい。
「こっちです」
先生に案内されたのは強襲科。俺が通う武偵校の学科である。正直硝煙臭い、換気をしろ、換気を。中には一部の生徒が的撃ちをやっていたり組手をしていた。
「ここが強襲科です。カゲヨシくんの科がここになります」
「わかりました」
さっさとここを出よう。
ここには血の気の多い奴しかいないのか?
すぐにまた他の科に歩き始めた。
諜報学部にはほとんど誰もいなかった。先生曰く、あまり諜報科の生徒は作戦が無い限りここにはいないらしい。まぁ自主的にここに来ている生徒もいるらしい。次には通信学部である。まぁ拷問関係だな、綴先生が臭かったです。その変なタバコやめましょう。探偵学部にはなんと理子がいた。手を振るぐらいにしておいた。それより探偵科だったのか。忘れていた。兵站学部にはまぁ変わった人たちがいた。先生によれば平賀彩と河城にとり、は主席生徒らしい。……やはりここにもいたか東方キャラよ。というかまだまだいそうだな。ちょっとはこの学園生活も面白くなりそうだな。衛生学部には特に目立つ生徒もいなかったと思ったら思わぬ伏兵が、教師だった。どうやら教師の名前は八意永琳というらしい。そして最後に研究部である。原作では超能力の研究機関としてでてきたな。詳しくは知らない、中には入れてもらえなかった。
「足早に歩きましたがいかがでしたか?」
「ええ。面白そうですね」
特にこの先の学園生活がね。
「それでは私はここで」
「はい。今日はありがとうございました」
先生に一礼して俺も帰る事にした。
バスにのり男子寮に戻り部屋に入る。
まだまだ時間はあるので部屋の中に山積みされているダンボールを開けていく。この中に見られたら危ないものなんて何一つない、中身や服やちょっとした整備道具や調理器具である。武器などは基本スキャッグスで行こうと思っていたが、やはり普通の銃は一丁必要なので以前エルと交換した中折れ式リボルバーを使う事にしている。でも意外にもう一つハンドガンが欲しい。明日買いに行こう、お金はいくらでもあるので最悪お取り寄せだ。
一通り箱を開け服などはタンスに入れてある。
ここまで部屋が広くて大きいと逆に困る。
俺は時計を見て時間を見る。針は六時を指していた。
「もうこんな時間か」
俺は財布を持って部屋に鍵をかけ一階に向かう。食材もないので自炊もできない。だから買いに行こう。俺は最寄りのコンビニに向かう。これからこのお店にはお世話になるだろう。俺はお弁当と紙パックの飲み物を手に取り、デザート代わりにシュークリームをとろうとする。すると誰かと手がぶつかる。
俺は左を見ると隣の男性と視線がぶつかる。
「「あ……」」
同時に同じことを言う。
この暗い感じ、主人公の遠山キンジじゃないですか!?
俺は素直に驚く。まさか初めて会うのが寮の下のコンビニだとは思わなかった。
「あのコレ」
指を指したのは最後のシュークリーム。
「あ、どうぞ」
「いえいえどうぞうどうぞ」
あ、これは無限ループしそう。
同じ事を考えたのか主人公君も何も喋らなった。
「「じゃんけん、ぽん」」
俺はグーを、彼はチョキを出した。
俺の勝ちである。
「では頂きます」
シュークリームをもらっていく。
すぐにお会計をする。そして俺は彼が用を済ませるのを待つ。
「俺はカゲヨシだ。よろしく」
「俺はキンジだ。よろしくな」
握手をする。この時期のキンジは色々大変だったと思うがそこまで暗くは無かった。兄、ではなく姉の事を引きずっているかと思ったが、もう元気になっているっぽいな。一応カナからキンジのことを頼まれている。
「今日ここに来た。よろしく」
「今日?ああそういえば教務科からメールが来ていたな。君だったのか」
「俺が転入生だ。フルネームは黎那・S・影儀だ」
「スキャッグス!?」
キンジがおどろく。
どうやらもう世間には広まっているらしい。
やっとスキャッグスの名前が復活したと、しみじみ感じる。
「き、君があの!?」
「俺がスキャッグスだ。あと君ってのはやめてくれ。カゲヨシで頼む」
「お、おう。じゃあ俺はキンジって呼んでくれ」
やった!
さっそく主人公を下の名前で呼ぶ権利を手に入れたぞ!
「同じ男子寮なのか?」
「ああ。一番上の階だけどな」
「さすがVIP。違うな」
「やめてくれ。あまり特別大遇されるのは好きじゃないからな」
そんないちいち驚かれるとむずむずする。
やっと有名になってきたのはいいけど、ちやほやされるのは好きではない。
俺はキンジと別れ自分の部屋に戻る。
しばらくはここに住むか。最悪紅魔館に寝泊まりするのもいいかもしれない。そういえば吸血鬼組はいつ日本に来るのだろう?後でメールでもしておこう。
今日は主人公のキンジと知り合えた。
この先もっと色々な人と知り合えるだろう。しかも東方のキャラクターも存在しているのだから、もっと楽しくカオスな学園生活を送れるだろう。
楽しみだなぁ、まったく。
あれlovのランクが落ちてきた。
ヤバイなんとかせねば。
それより闇ノ者つよし。