緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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進みたまえ、カゲヨシくん


第三十四話 see ya forever, and let's meet in somewhere alse in this world

 

 

 

 

 「まずおめでとう。君は晴れてこのイ・ウーを卒業するわけだ」

 

 「卒業つってもここが家なのは変わりないよ」

 

 「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

シャーロックはにこやかにほほ笑む。

今日は俺がイ・ウーにいる最後の日である。

いや今日出発ね。

 

 「それでは君にこれを託そう」

 

シャーロックが取りだしたのは真っ白な剣。

スキャッグスのNo.0である。

 

 「お前がこれを持っていた経緯を聞いていいか?」

 「単純に私は初代スキャッグスと仲が非常によかっただけだよ」

 

それでこんな剣をもらえるのだろうか?

確か初代スキャッグス当主、ジークフリード・スキャッグスは気難しい人だって聞いたけど。まったくシャーロックの人脈には驚かされる。

 

 「もうすぐ時間だな最後に歩きながら話そうじゃないか」

 

席を立ち俺は荷物を持って潜水艦内の通路を二人だけで歩く。

なんだか異常に静かである。

 

 「君をイ・ウーに入れたのを私は昨日のように感じるよ」

いきなり淡々としゃべりだした。

 「私は今まで生きてきて一番楽しかった時を過ごせたと思っている。まだあんな小さかった君が大きくなって私に勝つとは思っていなかったよ」

 「俺もさすがに勝てるとは思ってなかったぜ」

 「子供の成長は恐ろしい。気付いたら大人になっているのだ。君はこれから大変な人生を歩むだろう。だがカゲヨシくん、絶対に立ち止まってはいけない。自分が歩んできた道を振り返り後悔をしてはいけないよ。ただ歩き続けるのだ。君ならできる。スキャッグス家の再建だって君なら出来るだろう。私はそれを見守っているよ」

 「やめろよ。死ぬのは今じゃないだろ?」

 「それでも、もうすぐだよ。戦争もすぐに始まるだろう」

 「だな」

 「次に抑止力になり得るのは君なんだ」

 「俺があんたみたいに?」

 「この私に勝った君ならできるよ」 

 「んな馬鹿な」

 「戦争になったら君は名を売る機会も出るだろう。チャンスを逃すなよカゲヨシくん」

 「ああ、わかっているよ」

 

俺は潜水艦の出口の近くにたどりつく。

そこには霊夢や幽香、吸血鬼一家とジャンヌと夾竹桃とカナがいた。

 

 「見送りかい?」

 「ええそうよ」

 

カナが一歩前に出る。

 

 「あなたと一緒の仕事は数少なかったけど学ぶことも多かったわ。何よりあなたと一緒にいるととても楽しいのよ」

 

綺麗な笑顔。

だがその後ろの一部の女性陣の顔は穏やかじゃ無いんだよ。

 

 「また会う機会はあると思うけど、その時はよろしくね」

 

カナは後ろに下がる。

何これ?転校のする友達に一人ずつメッセージを言っていく見たいなイベント。

恥ずかしいな。

 

 「向こうでもがんばってね」

 「お前と離れるのは苦しいが、また会えるからな。元気でいろよ」

 

夾竹桃とジャンヌは短く済ませてくれた。

今度は幽香だった。

 

 「あなたとは初めてロシアで会ってからここまであなたと一緒にいて良かったと思うわ。あなたと殺しあうのは楽しいわ。また何かあったら呼んでね、すぐに行くから」

 「それは心強いな」

 

正直援軍として幽香を呼んだら勝ち確定のようなものだ。

こんな人間いっぱいいてたまるか。

最後には霊夢が前に出てきた。

 

 「そうね私は特に言う事ないわね。私はすぐに武偵校に向かうしね」

 「いいなぁー。私も行きたいわ」

 「霊夢はいいだろう。だがカナ、お前は駄目だ」

 

完全に行方不明扱いだからな。

そんな人間が戻ってきたら一大事だろ。しばらくは潜水艦内で静かにしていてくれ。

 

 「それじゃあお先にいってらっしゃい」

 「おう行ってきます」

 

俺はトランクを引きずり潜水艦の扉を開ける。

今回は魔法を使って転移ではなく船に乗って行く。なので潜水艦はいま海面に浮上している。珍しく潜水艦の上から太陽を見る。

 

 「それじゃあな」

 

 「元気でな」

 「バイバイ」

 「風邪ひいちゃ駄目よ?」

 「ではまた」

 

 「カゲヨシ(・・・・)

 

俺はシャーロックに引き留められる。

しかも下の名前だけで。

 

 「元気でいるのだぞ」

 「わかってるよ」

 

俺は振り向かずただただ歩き潜水艦に隣接してある船に乗る。

中には俺しかいない。

 

 「元気でやるよ。俺は死にはしないよ。それぐらいお前の予測でもわかるだろ?」

 

 

 「……そうか。では行くがよい、武偵たる者、世界に雄飛するがよい!」

 

 

俺はボートのエンジンをかける。

後ろから俺の名を呼ぶ声がする、だが振り向かずにただ進んだ。

恐らくこれからシャーロックに会う事は難しいだろう。

ある程度武偵の監視がつくと思う。

これが最後、そう思うと悲しくなってきた。

 

 「―――――いってきます」

 

 

 

 

 





これで
イ・ウー滞在編は終了!!

次からは原作関与です!

そして告知ですが新しい小説を作りました。
原作はソードアート・オンラインです!!

よければどうぞw(露骨な宣伝)

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