緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~ 作:シャラシャラン
これで終わりだよ、カゲヨシ君
―――――シャーロック。ホームズ―――――
旅行から帰って来た。
武偵高校に行くまであと一日。
今日がイ・ウーにいる最後の日である。
そして、俺とシャーロックの一騎打ちの日
「卒業試験」の日である。
旅行帰りですぐ決闘とかどうかしている。
どうも毎度おなじみカゲヨシです。
とうとうシャーロックとの戦いがやってまいりました。
「楽しみだな」
ここ最近は戦っていない。
主な理由は俺が出ると速攻で片が付いてしまうし、なにより俺と対峙できる敵がいない。
好敵手がいないというのはここまでつらいことなんだな。
俺に勝てる人間、それは今のところシャーロック唯一人だろう。
だが今の俺なら、スキャッグスを自由に作れるようになった今なら。
「準備はいいかね?」
「おう、いいとも」
俺は手の革製のグローブを確認する。
今回は勝ってやる。
「では、始め!」
カナの一言で俺とシャーロックは同時に動く。
シャーロックは前へ、俺は後ろへ、いきなり杖の剣を引き抜き俺に切りかかる。それをかわしながら武器を召喚する。
釘で剣を受け止め左手で掴みかかろうとするが足をはらわれる。そのまま空中で回転してから銃を抜く。空中で狙いを定めて撃とうとしたが、いつのまにか接近されていた。
「やべ」
「成長はしたがまだまだであるな」
そのまま見えない何かに叩き落とされる。
痛みで顔がゆがみ、頭を打ったのでめまいがするが追撃が来る前に立ちあがり落下攻撃を避ける。
「出し惜しみはなしだ!」
そして
「
俺の目の色が一瞬かわり元の目に戻る。
これなら行ける。
右だな。
左手の釘で右から来る攻撃を防ぐ。
「なるほど、未来を視るのか。私の予知の様だな」
「そこまで正確じゃないよ」
「なら打ち砕いてみせよう」
また見えない何かに突き飛ばされる。
すると無数の突きが俺を襲った。全てを防げはしなかったので、顔をかすったり服を切られたりされたがまだまだ大丈夫。
「こいよ、お前を超えてやる」
「君の壁になってあげよう」
両方にやりと微笑む。
そしてまた衝突した。
「うわーカゲくん派手にやってるな」
「本気で戦わなければいけないのだろう」
ここは闘技場の上の階で、下の階で戦っているのをリアルタイムで見れるのである。
この部屋にはかなりの人が集まってきている。今まであまりホームに戻ってこなかった奴もいる。それほどこの戦いは見ごたいがあるものなのである。
「それにしても勝てるのかしら?」
「私はカゲヨシが勝つと思うわ」
カナが唐突にそんな事を言う。
「根拠は?」
「勘かしら?それより彼、何か隠し持ってそうだし」
「いつもの事じゃろ。大方訳の分らん武器だろう」
パトラは皆が思っていることと同じ事を考えていた。
少年であるが、仮にもスキャッグスの生き残り、イ・ウーのNo.2.は只者ではない。彼は組織の中では恐らく最強や人外の部類に入るであろう。
「いつ終わるのかしら?」
「飽きるの早」
上で雑談混じりで話をしている間、下はそれどころではなかった。
「おらぁ!」
触れたら燃やせるが、相手も簡単には触らせてくれない。
「まったく速いな」
「触れてほしくないのでな」
するとシャーロックが手をコートの中に入れた。
――――来るか。
俺は一旦攻撃を止めて、構える。
「行くぞ、カゲヨシ君」
「来いよ、今度こそ勝ってやる」
「ふふ。いい威勢だ」
シャーロックは真っ白な両刃のさやに入った真っ白な剣を出す。
長さはちょっと長くそしてスリムな刀身。
何より目を見張るのが鞘に彫ってある大きな『S』の文字。
「No.0
シャーロックははっきりとそう言った。
その剣を抜いた瞬間、あいつの姿が消えた。
《右》
頭を下げて剣を避ける。
危なかった、フューチャー・ゲイザーが無かったら死んでいた。
「ほう、よけるのか」
「それは一回見たことがある」
初めてシャーロックと戦ったときに一発KOされた技だ。
それ以前に一回見た技は覚えれるし際限もできる。
忘れがちだがチートの中に学習能力UPという物があってだな。
「効果付与、炎」
シャーロックの剣に炎が発生する。
やはり、名前から想定していたけど属性関係か。
「
初めて使うスキャッグスだ。
「
作り方は本に書いてあったが効果がトチ狂っていた。
それにこんなもの使う機会がないだろう、と思いながらも作っていた。
効果は至極簡単、スキャッグスが非常に使いやすくなるだけ。
「だけ」と言ったが効果は絶大である。
体をスキャッグスを使いやすいようにあわせるのだ。
初代スキャッグス当主は武器が高性能すぎるため凡人では使いきれなかった。ならばその高性能の武器を使える人間を作ればいいのでは?
「人が武器をつくる」のではなく「武器が人を作るのだ」。
「
体中でスキャッグスを動かす。
右目と左目でゲイザーとゴーストを使い分ける。左手にフレイムを持ってくる。
例えば今シャーロックが目の前から消えて、俺の背後から斬りかかろうとしている。
そこで俺は影を操り黒い壁を作る、それで剣を受け止めすぐに影を針や剣などに姿を変え攻撃を加える。ちょっとした自動攻撃や自動防衛がついた物である。
「貫け、No.69
槍が現れすぐにシャーロックを襲うがその音速を超えた槍は受け止めれなかった。
『ッ!!』
上の階で戦いを見守っていたイ・ウーのメンバーは驚いた。
あのシャーロック・ホームズを傷つけたのだ。
今まで彼が血を流す場面を見た者がいるだろうか?
いやいるはずがない。彼にはどんな技も見切れる完璧な予測能力があるのだ。
なのに―――――
「はは。これは面白い物を見た」
肩を槍で貫かれてる本人は言う。
「まさかこの僕が貫かれている未来を、僕自身が見る事になろうなんてね」
「簡単に避けれる槍なんて作らねぇよ」
「だろうね」
槍を掴み無理やり引き抜く。
それを地面に落とさず刃をこちらに向ける。
「こいよ」
「言われなくとも」
もう一度消える。俺が気付くよりも先に影が反応する。
また後ろか。
後ろを振り向きもう一度シャーロックを視界にとらえる。
こんどは剣ではなく槍を構えて突進してきた。
「貫け!」
俺は影を何重にも作り壁を作る。
真っ白の槍は黒い壁を次々と貫き俺の体を貫く。
そう来たか。俺は体に槍が刺さったまま後ろに下がる。
慢心はいけないな、まだ俺は勝ってないんだぞ。
「まだまだ」
「こっちも」
「No.6
「効果付与、雷」
俺は大きな紺色の大剣を、シャーロックはスキャッグスの剣に雷を付ける。
先に俺が走り剣でたたき割るように斬るがかわされ、大きな隙を突かれるが影が俺を守る。少々邪魔になって来たので影は防衛一筋にしている。
次にジャンプして空中で回転してから斬る。シャーロックはそれを剣で防ぐ。
「君はこの剣を壊す気か!?」
「スキャッグスだ。その程度壊れるもんか」
仮にもNo.0。重い剣戟の一つや二つで折れるか。
俺の隙を狙い攻撃を仕掛けてくるが基本的に防げるものは自力で防ぎ、無理のあるものは影に任せてある。対してシャーロックは俺と違い何も使わず、俺の攻撃を防ぎ完璧に回避している。安定した攻防が続いているが、非常に進まないし終わりもしない。
「ならけりを付けてやる!」
「これで終わらそう」
「纏え、深淵!!」
「効果付与、光!!」
今まで俺を守っていた影が全て剣に集まる。そしてシャーロックの剣は光輝いている。
「うらああああああああ!!!!」
シャーロックと同時に走り出し、アリーナの丁度真ん中でぶつかる。
精一杯走り剣を振る。
光と闇がぶつかり、戦いが終わる。
大きな爆発がアリーナを飲み込む。
振動は上の階まで届いた。
その場にいた全員が振動で宙に浮き飛んだ。
「カゲヨシ!」
「ちょ、これは!?」
「ヤバイだろ!」
「おい何人か制御室に行って艦内の安全確認だ!!」
「担架と応急道具持ってこい!医療室も開けておけ!!」
真っ先に走り出したのは霊夢であった、その後にも何人か続く。潜水艦内は非常に慌ただしかった。色々な人が走り回ったいた。
「カゲヨシ!!」
霊夢が扉を壊しアリーナの中に入る。
アリーナの壁には無数の傷があり、へこんでいたり抉れていたりと様々な状態であった。
そんな中二人は―――――
「まったく成長とは早いものだな」
「子供は物覚えが速いし、成長ははやいんだぜ」
「そうだな……」
笑いながら肩を組んでお互い支えあいながら歩いていた。
「俺の勝ちだな」
「ああ。君の勝ちだ」
勝者、黎那・S・影儀
これで原作が始まるぜ!!
さぁこれで東方キャラも増えるぞ