緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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trip ends,Kageyoshi

ペース早いでしょ?
短いんだぜ、コレ……


第三十二話 皆で旅行、三日目後半

 

 

 

 「何よ、変なことある?」

 「いやなんもないよ」

 

ただ、ただ霊夢の服に驚いただけだ。

なんとなく巫女服に見慣れているから、普通の服を見る事が斬新なのだ。

 

 「それじゃあ行こうか」

 「だな」

 

俺達は行く先もないのにただただ歩き出した。

 

 「それでカナと何してたの?」

 「普通に町歩いたり、イルカを見に行ったりしたな」

 「イルカ?」

 「そうイルカ」

 

ただ歩く。

ただただ町の中を歩く。

 

 「それじゃ、ひと足早く晩飯食べるか?」

 「そうね、でも重い食べ物は却下よ」

 「俺も同じことを考えていたよ」

 

グアムに来てからハンバーガーやステーキとお腹にくるような物しか食べていなかったのだ。ここらでちょっと軽いものを食べたいが、あまりあった店が無い。

 

 「まぁあるきながら探すか」

 「そうね」

 

俺と霊夢は肩を並べて歩く。

 

 「そういえば二人揃って歩くのは久しぶりだな」

 「そうね、最後はいつかしら?」

 「覚えてないな」

 「私もよ」

 「一番記憶に残っているのは旅していたころだな」

 「あの頃はよかったわ」

 

あまり一緒にはいれなかったが、一時期一緒に旅と言えるほど大掛かりではなかったが世界を見ていた時期もあった。

 

 「でもまたカゲヨシは何処かに行っちゃうのね」

 「つっても日本だよ。そこまで遠くじゃないだろ」

 「それでも会えないじゃない」

 

なんでそんなに甘えてくるんですか?

 

 「兄離れは必要だぞ」

 「そうね、でもまだちょっと先でもいいじゃない」

 「おいおい……」

 

少々あきれる。

確かに今は必要ないのかもしれないがいずれそうなるだろう。

それに俺は命の危険がある職業に就くんだ、まぁ致命傷すら負わないけどな。

 

 「それよりあなたは武偵高校に行くんでしょ?」

 「ああ、そうだ。私も後々行くわ」

 「は?」

 「大丈夫よ、シャーロックに許可はもらったし、必要無くなる時期かもしれないしね」

 「本気か?」

 「本気。何より学校っていうものを体験してみたいわ」

 「あっそ」

 

どうにでもなれ。

それより妹が学校に通ってくれることは嬉しい。

これで霊夢はイ・ウーという狭い世界から出て、もっと広い世界を知れる。

 

 「あなたは知ってるの?」

 「何を?」

 「シャーロックの事」

 「知らないわけがないだろ?」

 「でしょうね」

 

シャーロックはもう長くない。

俺や幹部勢は知っている。

 

 「それよりなんでお前は知っている」

 「私は勘がいいのよ?それよりシャーロックからコグニスを継承しているのよ?」

 「ああ、そうだったな」

 

この前やたらと嬉しそうに言っていたけど。

さすが霊夢である、勘を進化させ予知にしたらしい。

訳わからん。(←俺の正直な感想である。)

 

 「それじゃあもうそろそろ、どっかお店入るか」

 「私もお腹が空いたわ」

 「適当に決めますか」

 

俺と霊夢は目に入った店に入り

そのお店で晩飯を終わらすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べた後は霊夢を部屋に送った。

 

あとはいつも通りソファに座っている。

 

思えばこの三日間色々あったが思い返してみれば楽しかった。

 

 「何やってんだよ、速く入れよ」

 「さすが、かな」

 

ノックをせずに入ってくる人物。

世界最強の探偵、シャーロック・ホームズである。

 

 「最後はやっぱお前か」

 「ん?私意外にも来たのかね?」

 「わかってるくせに」

 「……まぁ、そうだね」

 

扉を閉めて俺の向かい側に座る。

 

 「それで?どうなすった」

 「いや君との最後の会話がいつになるかわからないのでね」

 

最後の―――

まだシャーロックは死なない。でも一年以内、正確的には夏休みあたりである。

もうすぐ、死んでしまう。あのシャーロックが、死んでしまう。

 

 「時とは、儚いものだな」

 「だな」

 「君の成長をもう少し見ていたかったよ」

 「俺もあんたからもっと色々な事を教わりたかった」

 

お互い言いたかった事を言う。

もっと時間があれば、俺はもっと知れたかもしれない。

 

 「ならば帰ったら私と一戦交えよう」

 「いいね、それ。あの時みたいに」

 

――――初めて俺とお前が本気で戦った時の様に

 

 「では夜も遅い私はもう寝よう」

 「速いな」

 「老人は夜更かしをしないのだよ」

 「そうか、おやすみ」

 「良い夢を、カゲヨシくん」

 

シャーロックは席を立ち部屋を出て行った。

 

また戦うのか、あんな人外と。

 

俺は席を立ちベッドニ倒れこむ。

この三日間の疲労によりすぐにでも眠る事は出来た。

 

どうしよう

 

よみがえるシャーロックとの戦い。

あのときは押しきれたかも知れなかったが、予想外な物を持っていたから負けてしまった。シャーロックに勝つのにはあれをだす以外なさそうだな。

 

俺は少々未来に不安と楽しさを抱えながら眠った。

 

 

 

 

 

 

 




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残☆念
今です!!


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