緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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なんだかんだいってうれしい、カゲヨシくん


第三十一話 皆で旅行、三日目前半

 

 

 

 

 「おはよう」

 「……おはよう」

 

霊夢に起こされる。

 

 「あんたにしては珍しいわね。こんなに遅くに起きるなんて」

 「ああ、ちょっとな、昨日に色々あってな、疲れて、夜もな、疲れたんだよ」

 「カゲヨシも大変ね」

 「わかるか?」

 「なんとなくね」

 

霊夢はベッドの端から立ち上がり部屋を出て行く為に扉に歩き出した。

 

 「今日は皆で食べるんだから、起きなさいよ」

 「はいよ」

 

俺は重たい体を起こしシーツから出た。

このまま中に入っていたらまた寝てしまいそうだ。

 

いつもの動きやすい服に着替えて朝食を得れるフロアに移動する。

食券を出して中に入る、奥の方に全員で陣取っているのがわかった。

 

 「おっはよー!カゲくん!」

 「おはようカゲヨシ」

 「すまん、遅れた」

 「いやかまわないよ。遅れたといっても一、二分だからね」

 

俺が席に座ろうとした時軍全斜め前にいるカナと目がある。

笑って手を振り返してくれるが、俺の心中は穏やかではない。

昨日の出来事が脳内リプレイ、まったく穏やかではない。

ごまかすために速く座る。

 

 「それでは最後の旅行の最後の一日だ。存分に楽しもうではないか」

 「イエーイ!」

 

理子が一人で盛り上げている。

今日で最後俺はどうしようか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「部屋に居たいけど、コイツらが」

 

 「私を放っておくわけね?」

 「そのおはらい棒を降ろそう」

 

霊夢に必死に言い聞かせる。

暴力はいけない、お兄さんそんな子に育てた記憶ありませんよ。

 

 「あら私は?」

 

そしてもう一人は、例の人、カナである。

この人は何を考えているんだ?

 

 「帰って下さい」

 「ひどいわね」

 「もう勘弁して」

 「あら私何かしたかしら?」

 

ニコリと妖艶な笑みを浮かべる。

コイツっ!俺に言わせるつもりか!?

 

 「何かあったの?」

 「イヤナニモアリマセンヨ」

 

霊夢さん。

そんな疑いの目で見られても言えないことだって……

 

 「あのね私実は」

 「言わなくていいだろ!」

 

 「なら今日は私と付き合ってね?」

 

 「うぐっ……」

 

お前達はそんなに俺を非釣りまわした楽しいのか?

俺は楽しくないぞ!何も問題が無かったらいいけどな!

 

 「待ちなさい、私は!?」

 「ならこうしましょう。午後の四時まで私が独占するけど、それから先は霊夢に譲るわ」

 

あれ?

俺かなり関わってるのに、俺抜きで話が進んでる?おかしくね?

 

 「……わかったわよ、ほら行きなさい」

 「じゃあね。ほら行きましょ」

 

助けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は変わって、お昼頃。

カナに、「五分後にロビーで集合よ。遅れたら……ね……?」と言われた。

完全に脅されています。

え、なに、ヤンデレなんてこと、ないよね?

 

 

 「お待たせ」

 「待ったよ」

 「気の利いた事を言いなさい」

 

俺に求めるな。

カナは相変わらず綺麗な私服である。

 

 「それでは何処に行きましょうか?」 

 「帰ろうぜ?」

 「ではまずお昼ご飯を食べに行きましょうか?」

 

無視されました。

 

 

 「いや昼飯はいいだろ、どこか食べ歩きでもしようぜ」

 「そうね、そうしましょう」

 

俺がそう言った直後カナは俺の腕にしがみつく。

そして指をからめるようにしてから手をつなぐ。

 

 「何やってんだ」

 「いいじゃない。男なんだから小さい事は気にしちゃ駄目よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気にしちゃ駄目よ?

無理だろ、そんな事、そんな体を密着させたりされたら気にせず何ていられない。

そんな事をしているご本人はかなりご満足の様だが、俺はそうはいかない。

理性が飛びかねない。

 

 「あらおもしろそうね」

 

カナがとある看板の前でとまる。どうやら水族館の看板だが今はちょっとしたイベントで期間限定のツアーがあるそうだ。イルカを身に行くそうだ。しかも水槽の中のではなくて、生で見るらしい。

 

 「行きましょう、カゲヨシ」

 「おおせのままに」

 

適度に答えて機嫌を損ねないようにする。

船がでるのには時間があるらしく、その時間は水族館で潰すことにした。水中トンネルの中を歩いたり、亀に触ってり、そんな事をした。

 

そして船の出発の時間である。

どうやらある程度大きな船である、中にはフードコートがあったり、くつろげる場所がある。俺らは色々と勘違いされながら船に乗った。

 

 「海がきれいね」

 「だな」

 

船の策につかまり意見を言う。

 

 「あらここは『お前の方が綺麗だよ』とか言わないの?」

 「そんなギザなこと言うか」

 「初日はあんなこと言ったのに?」

 「好きで言ったんじゃねぇよ。何より恥ずかしかったからもう言わない」

 

なにが『カナは気品さにあふれて――――』だよ。

 

 「ま、間違ってないんだけどな」

 「え、何が?」

 「いや、なんにも」

 

俺は後ろを向く。

綺麗に光る海。うっとうしいぐらい青い空。そして隣にはおどろくぐらいの美女。

ちょっとした俺の恥ずかしさがなければロマンチックな状況なんだけどな。

 

 「あイルカ」

 

俺はすぐに振りかえり海の方を見える。

海の下を泳ぐ白い物が見える、カナのいうとおりイルカである。

すると大きく飛ぶ。

 

 「はぁ~、すげぇな。初めて野生のイルカ見た」

 「私もよ」

 

そのまま俺達はイルカを眺め続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ私とはここまででね」

 「だな」

 

午後四時、俺はカナとホテルの一階にいる。

ここでカナと別れてから霊夢と合流する。

 

 「ちょっと普通だったけど楽しかったわ」

 「これが普通なんだよ。昨日はおかしかっただけだ」

 

昨日はアレはアレで楽しかったけどな。

やっと普通な一日が楽しめた感じだった。

 

 「私と一緒にいても良かったでしょ?」

 「ま、そうだな。一緒にいれてよかったよ」

 「え?……あら、そう……」

 

ちょっとそっぽ向かれる。

そのままカナは後ろを向き、

 

 「またあなたの部屋に遊びに行くわ」

 「もう来るんじゃねぇよ」

 「そう言って、嬉しかったくせに」

 「うるせぇ」

 

 「それじゃあもうすぐ霊夢が来るから帰るわ」

 「おう、じゃあな」

 

俺は手を振りカナを見送る。

次は霊夢か、コッチも大変そうだな。

 

ちょっと待ちますかね?

 

 

 

 

 

 

 

 




結構間が空いたな……

すまんな
お   ま   た  せ

次は、霊夢かな……

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