緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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武偵高校に行く、カゲヨシくん


第二十六話 ランクが決まった

カゲヨシ入学まで、あと一週間

 

 

 

 「もうちょっと早く言ってくれよ」

 

俺はかばんをまとめた後うち(イ・ウー)のリーダーに言う。

なんだよ、今日武偵高校の教師陣と話し合いをするって、

 

 「しかもお前まで同行するのかよ、シャーロック」

 「もちろんだ。私の可愛い息子分が敵陣に挨拶しに行くのだ。それ以前に私がいたほうが良いだろう」

 

俺の前にはいつものシャーロックとは思えないほど近代的な服装を着た男が立っている。早いとこ言えば変装だ。だが唯の変装ではなく、前の人物が分からなくなるほど高度なものだ。

 

 「行くぞカゲヨシ君」

 「へいへいっと……」

 

半ばあきれた状態で俺はシャーロックの腕をつかみテレポートを発動させる。

目の前の景色が消え、新しい景色へと変わる。

そこは学校の前であった。時間は昼ごろしかも平日なので生徒たちはいない。

 

 「わっ」

 

そこでロングの女性が倒れる。

 

 「い、いきなり、ひ、人が、ひ、人が、何処から………」

 

かなり気が動転しているそうだ。

それでも顔には見覚えがある。シャーロックに出発五分前に教師の顔は覚えておけと言われたので覚えた。彼女の名前は高天原ゆとり、原作ではキンジのクラスの担任をやっていた。

 

 「大丈夫ですよ、それほどあやしい者じゃありません。」

 「いきなり転移してきたんだから、その言葉に不安を感じる。」

 

そこで先生ははっとし、何かに気付いたかのような顔をする。

 

 「も、もしかしてシャーロック・ホームズさんと、黎那・S・影儀(レイナ・スキャッグス・カゲヨシ)さんですか?」

 「久しぶりにフルネームで呼ばれた。」

 「はい、その通りですよマダム。」

 

そしてニコリとギザばスマイルを浮かべる。

誰もそんなスマイル欲しくないです。

 

 「あ、すいません。お待ちしていました。こ、こちらです。」

 

ずれた眼鏡を治し歩き出す。

この人絶対にドジっ子パターンの人だ。

だいたいこんな人は何もない所でつまづいたり―――――

 

 「わわっ!」

 

――――――した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま高天原先生に案内され、一つの部屋にたどりつく。

先生が扉を開けると中はそれほど狭くなく、長方形の机には数人の教師が座っていた。

高天原先生は一礼して扉を閉めて去って行った。

 

俺とシャーロックはその教師達と面と向かって見ている。

綴梅子、欄豹、南郷、そして無線機が置いてある(おそらく諜報科のチャン・ウーだ)。

そして真ん中に校長、緑松武尊。

 

 「時間どおりですね。まず学生になるには必要最低限の事ですけど、できるようですね」

 

緑松は優しく微笑むが完全に喧嘩を売っているようにしか見えなかった。

 

 「イ・ウー(我が校)の生徒でもそれぐらいできますよ。それとも武偵高校では珍しい事なんでしょうか?」

 「おい、シャーロック」

 「ふふ。いやなになに、無法者共の集まりと聞いていたもので不安だっただけですよ。」

 「校長。」

 

喋るのを止めてくれた。ちょっと内心ひやっとしたぞ。

そして校長の隣にいる欄豹、GJ。

 

 「それでそこにいる坊主が?」

 「はい、この子がそちらに留学する子です。」

 

とりあえず一礼。

その後緑松は何もいわず俺を見ていた。

ただただ見ていた。

なぜだか校長の周りにいた教師達がそわそわし始めた。

緑松の能力か。

 

 「……何か?」

 「いや。何も。」

 

校長は深く背もたれによりかかった。

南郷は立ち上がり。

 

 「話をすすめます。この前の条件の件ですが、了承していただけましたか?」

 「はい、俺もそれで大丈夫です。」

 

そう答える。

たしかに特に不満も無い、指摘すべき点は無い。

 

 「それでは急ですが、武偵ランクの試験を行いたいと思います」

 「了解しました。」

 

 

 

 

 

 

そのまま俺とシャーロックは他の教師に連れて行かれる。

場所は、人がいないコロッシアム。

 

そして試験官を務めるのは、

 

 「知っとると思うけど、欄豹や。それじゃぁ、いっちょやりますか」

 「おお、こわいこわい。」

 

あんな女性相手にしたくないです。

これだから行き送れるのだよ。

 

欄豹は銃を引き抜く、S&W M500当たると痛いマグナム弾を使用しているリボルバー。

大きな轟音と共に50口径の銃弾が飛び出す。

 

 「なんのこの程度!」

 

その銃弾を素手ではじき地面に叩き落とす。もちろん気力で手の表面をコーティングしてあるので痛くは無い。

欄豹は驚かず笑い走ってきた。

左手を突き出す。それを右手で払いのける、その隙を狙い右手で握った銃と共に拳を振りかざす。左手で止めるが欄豹は手首を動かし銃だけこちらを狙い引き金を引いた。銃声が耳元で鳴り響く。弾は頭に当たるが俺に傷を付けずに地面へと落ちた。

 

 「これも意味ないんか。ほぼ零距離やったのに。」

 「さすがにさっきのはちょっと衝撃がくるな……」

 

 

俺は当たった場所を軽く触る。当たり前だが何もない。

そろそろ反撃しますか。

俺は棺桶を立てる。

 

 「お?御開帳ってか?」

 「だな。でも中身はいつもと違うぜ。」

 

棺桶を開ける、中には釘やらなんやら色々入れてある。だがそれはあくまでも通常の時である。今回は面白半分でつくったスキャッグスが入っている。

 

 「なんだそりゃあ?」

 

棺桶の中には人が入っていた。綺麗な顔立ち、服装、容姿、ぱっと見れば人に見えるだろう。だがこいつは人ではない。

 

 「試しに作ってみたかったんだよな。」

 

 

 

 

 

 

 

 「なるほど、面白いものを作るな。」

 

私はそう呟きコロッセオの外から戦っているカゲヨシ君を見る。

 

あれは自動人形、人形と言っても操る必要がない完全自立型である。もちろんある程度は主人であるカゲヨシ君が握っているであろう。

まさかここまで作るとは、彼の作品は少し過去のスキャッグスの当主とは違ったところがある。そこを見るのも一興。

 

 

 

 

 

 「二対一になるけどいいよな、先生?」

 「は!調子にのりよって。グダグダ言うな、かかって来いや。」

 

 「敵を捕捉、攻撃を開始します。」

 「おっしゃ、行け、 S(エス)!!」

 

人形は棺桶の横にかけてある青色の大剣を持ち欄票に突っ込んでいった。

俺は援護するように銃弾を放つ。欄豹は弾を殴った。

 

 「は!?」

 

一瞬何が起こったかわからなかった。

 

 「はっ、ちょろいな。」

 

なんと欄豹さんは手にナックルダスター(メリケンサック)をつけていました!

それではじいたのか……

 

 「なんて人外な!」

 「お前に言われとぉ無い!」

 

右手で銃を撃ちながら左手でSの攻撃を防ごうとする。

Sはつねにその防御を読み剣を振るう。

 

 「そのまま押せS!」

 

大剣を力任せに押し欄豹を下がらせる。

俺はその隙を突き前にでる。欄豹はおれに気付き左手を引き俺をお向かい撃つ準備をする。

 

 「いっけぇえ!」

 

釘を抜き欄豹に向け突撃する欄豹はナックルでそれを受け止める。

おたがい一歩も譲らない、そのまま力を込める。

 

 「くそ、めんどくせぇな!」

 

俺は銃を召喚して気で動かし、引き金を引く。

 

 「撃てぇえ!」

 

No.15  打撃砲(ブロウ・キャノン)

大きく太い砲身は欄豹を捉えている。

欄豹はそれに気づき逃げようとするが、それよりも早く俺の糸が彼女を捕まえる。

打撃砲の砲撃は欄豹を巻き込みアリーナを破壊する。

 

 「これで、どうだっ。」

 

俺は荒れた息を整える。

砂煙が消え始め、見えた。

ボロボロになりながらでも立っていた

 

 「おいおい、まじかよ。アンタ本当の人外だろ。」

 「はっ、お前に言われたくないわボケ。」

 

フラリと揺れ地面に倒れた。

どうやら限界だったらしい。いや逆によく立っていられたな。

 

 「これで試験を終了します。」

 

スピーカーから緑松の声が聞こえた。

どうやら終わりらし。

 

世界にはこんな化け物じみた存在がいるんだな。

 

 

 

 

その後の試験は簡単だった。

 

的撃ち。狙撃。

格闘。

銃の修理、改造。

乗り物の整備、改造、操縦。

捜査や遺品捜査。

情報収集、尋問。

通信や無線やオペレーター。

怪我をした人への対処。

そして口説き。

 

完璧にこなしたよ、全て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「カゲヨシくん、あなたのランクが決まりました。おめでとうございます!あなたは全て、Rランクです!」

 

きゃー、と一人ではしゃぐ高天原先生。

この人はまともだな。

 

 「よかったカゲヨシ君。これで君も晴れて真のバグキャラだ!」

 

シャーロック俺は元からそうです。(自覚有)

 

 「こちらが生徒証明書です。」

 

そう言われ書類の束と生徒手帳を渡される。

表紙には所属校と名前が書いてある。

 

 「カゲヨシくん、私のクラスになります。」

 「よろしくお願いします。」

 「はい!では、ようこそ、武偵校へ」

 

高天原先生はうれしそうに何処かへと行った。

俺はシャーロックとホームへと帰る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま。」

 「おかえり。」

 

出迎えに来たのは我が妹の巫女霊夢だった。

 

 「長かったわね。」

 「ちょっとな。おかげで今日生徒証明書をもらったよ。」

 「そう。いつ行くの。」

 「五日後だそうだ。」

 「そっか。」

 

霊夢はそう言い立ち去った。

俺は夕食を食べる前に部屋へと戻り、本を開けた。

 

 「こぁ、聞こえるか?。」

 『はい、聞こえますよ、マスター。』

 「今日のNo.3 自動人形(オート・ドール)Sの事だ。もうちょっと動きを機敏にできないか?」

 『これ以上外装を削ると脆くなってしまいますし。帰るとしたら武器ですかね。』

 「なら、剣を軽量化してその分機動力に回したらどうだ?」

 『かなり突撃仕様なっていますね。まぁやってみます。』

 「頼む。」

 

俺は本を閉じ机の上に置いてあった生徒証明書を見た。表紙を開くとそこには俺のフルネーム、血液型、誕生日、武偵ランクなどが書いてあった。写真に写っている俺はぶっちょ面だった。

鼻で笑いそれを机に投げ食堂へと歩き出した。

今日の夕飯は何かな?

 

 

 

 

 

 




コミケ行ってきます!!
できれば予約投稿で更新をできるようにします。

もし次話がなかったら、ストックがなくて、家にいないということです。

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