緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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将来を考える、カゲヨシくん


第二十五話 この先のために

 

 

 「カゲヨシくん。」

 

 「ん、なに?」

 

 「君にお屋敷をあげよう。」

 

 「は?」

 

 

カゲヨシ15歳、いきなり大きなお屋敷をもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「正直いらない。」

 「えー。」

 

アップルパイをほおばり言う。

うん、いらない。

いきなりシャーロックに呼ばれて言われたと思ったらこれだ。

そして紙束を渡される。

中にはお屋敷の写真や広さが書いてある。

 

 「いや、やっぱもらいます。」

 

 「うん。あげるよ。」

 

そして紙をめくっていく。

 

 「これ元々ブラドの奴じゃん。」

 

 「ああ、そうだ。この家は元々ブラドの別荘だったのだが君が殺しちゃったしね。なんで今は持ち主無しなのだよ。いずれ君は本拠地が必要になるだろう、その時に何か役に立つだろう。存分に使ってくれたまえ。」

 

 「それでは遠慮なしでもらうよ。」

 

そのまま紙をもらい向かう。

紅鳴館へと向かう。

………の、だがあんな大きな家一人で済むのいやだしね。

ほんとブラドはあんな場所にボッチでいたけど、どうかしているよ。

 

 「っつわけでいくぞ吸血鬼とその他もろもろ。」

 

 「いや、なんで私たちが。」

 「フランも引っ張って来い。」

 「い、妹様もですか?」

 「うん、あの引き籠りだ。あとついでに霊夢もだ。」

 

 「わかりました。」

 

咲夜はお辞儀し、消えた。

おそらく時間を止めて迎えに行ったのだろう。

 

 「それじゃあ準備して行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

潜水艦(ホーム)から十分ちょっと(準備時間込み、テレポート使用)。

 

屋敷の周りを赤色のレンガを囲んでいる。大きな鉄の扉をくぐると大きな庭がある。その先には大きな屋敷がある。そこが元ブラドの屋敷「紅鳴館」である。

 

 「で・す・が。ここはこれから紅魔館にします!」

 

 「原作どおりね。」

 「霊夢そんなこと言っちゃ駄目よ。」

 「メタ発言は禁物です。」

 「ね~、お姉さま。私速くクーラーの下でHaloやりたいよー。」

 「フラン。あなたは少し外に出る必要性があるわ。ずっとFPSばっかやっていちゃ駄目よ。」

 「大丈夫だよ。Armored Coreもやっているから。」

 「妹様。どっちもゲームです。」

 

 「俺の話を聞け。」

 

話が大きくそれている。

そしてフラン、そんなゲームやっているのか。

後でオンライン一緒にやろうぜ。

 

 「ここはこれから俺らの拠点にする。

  以前から言っていた通り俺の夢はスキャッグス家の再建だ。まずやはり土台が必要になる。ってことでまず家だ。そして次は部下だ。昔スキャッグス家はマフィアだった。なのでスキャッグス・ファミリーとか言われていた。俺は絶対に一人ではできない。そこでだ、俺はお前たちの力を借りたい。レミリアや咲夜達がいれば百人力、いやそれ以上だろう。そこを見込んで頼みたい、危険かもしれないが俺についてきてくれないか?」

 

 「いきなりシリアスね。」

 

 「当たり前だ。これにはお前らの命が関わってくる。」

 

 「うん、そうだね。」

 

あっさりと答えるフラン。

かなりめんどくさそうだ。

そんなにHaloがやりたいか。

 

 「私は別にかまわないわよ。」

 「お姉さまに同じ~。」

 「私はカゲヨシさんについていきます。」

 「一応私は妹分だし、兄貴分を助けるのは私の仕事だと思うしね。」

 「正直に一緒にいたい、って言えばいいじゃないですか。」

 

 「わ、私はそんなこと思ってない!」

 

こぁに指摘され恥ずかしくなった霊夢が顔を真っ赤にして声を上げる。

 

 「無理して来る事ないんだぞ。」

 

兄貴の俺としては可愛い妹を巻き込みたくない。

 

 「ばかじゃないの。私は好きでイ・ウーにも来ているんだし、これ以上何も驚かないし、面白いことをのがせないわ。」

 

 「ほら決まったわ。全員一緒よ。」

 

 「ならうれしい。」

 

うれしい。

これ上ない程嬉しい。

なんとなく付いてくる事はわかっていたが、一応確認をとっておきたかった。

 

 「それじゃあ中見てみるか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ひろーい。」

 

 「だな。」

 

かなり部屋がある、二階建て、そして地下もある。

大きすぎる、そして地下には金庫がある。

なかには価値が高いものもある。

 

 

そして理子の十字架もある。

 

 

 「レミリア、これはやはり返すべきなのだろうか?」

 

 「どちらでもいいんじゃないかしら?これはあのイロカネでできているんでしょ?なら今後の為にも置いておいたら?」

 

 「でもこれ理子の母親の形見みたいな物だぞ?」

 

 「なら秘密で研究したら?正直イロカネなんて簡単に手に入る物じゃないしね。」

 

 「そうか……」

 

なるほど、理子には悪いがこのイロカネは有効利用しよう。

なるべく壊さないようにしよう。

 

 「よっしゃ、もっと地下行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なんだここ?」

 

 「どうやら図書館のようですね。」

 

地下深く入ったところ、そこは広い図書館だった。

大きな本棚、何メートルあるんだろう?

 

 「蔵書数はんぱないだろうな。」

 「これだけあれば外にでる必要性もないだろうな。」

 「だね。」

 

ドサッ

なにか重いものが倒れる音がした。

すぐ振り向き銃を構える。一応ここは元ブラド宅だから何かあってもおかしくない。ので一応機敏に動き、どんな事にも敏感でいるようにしている。

一番近い本棚の角から音がした。

手で咲夜を制し、ゆっくりと近づいていく。そして角を曲がり見る。

そこには紫色のパジャマの用な服を着た子が倒れていました。

 

 「お、お腹空いた………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ~。久しぶりに食べ物を食べたわ。」

 

ナプキンで口元をふく。

一通り料理を食べた彼女はこの図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。

食べながら彼女の話を聞いていたのだが、無理矢理ここに居させられていたらしい。

どうやら彼女は本好きでここに居座っているようだ。もうこの館の主はいないのに。

 

 「ブラドは私を外には出してくれなかったのよ。監禁状態よ。」

 「なるほど。強制的にひきこもりにされたのか。」

 「まぁ、今はあまり気にしていないけどね。」

 

そう言い本を手に取り広げ読もうとした時何かに気付いたかのように顔を上げる。

 

 「そういえばあなた達はここに何の用があって来たの?」

 「この家俺の物になるから、よろしく。」

 「あっそう………………え?」

 

しばらくたってからのつっこみだった。

聞き返されたのでありのままの事を言う。

 

 「なるほどこの家の新しい主ね。とりあえずよろしく。」

 「ああ、こちらこそ。」

 

とりあえず握手をして後、俺はこの屋敷をもっと歩き回ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま。」

 「おかえり。」

 

家宅訪問して満足した俺は今日の事をシャーロックに報告する。

 

 「とりあえず満足。」

 「それはよかった。正直こちらでもあの家をどうするか悩んでいたのだよ。まぁやはり君はブラドを殺したのだし、敗者の物を奪っても大丈夫だろう。気にいってくれたなら何よりだ。」

 

コーヒを口に運ぶ。苦味が広がる。

この先の事を考える。

 

 「なぁ、シャーロック。」

 「ん?」

 「やっぱりよ。スキャッグス家を元に戻すんだったら、表でも商売するべきなのだろうか?」

 「……………」

 

俺の問いに対してシャーロックはただ何も言わなかった。

父さんの代で、かなりスキャッグスは世間の表側でも活躍していた。

だが元をたどれば裏商売が主流だった為その道は絶えずにいた。

 

 「やっぱり表にでるべきだよな」

 「もし君がスキャッグス家を元通りにしたいのなら、それは必要だろう。しかし……」

 

シャーロックの言いたい事はわかる。

世間一般ではスキャッグス家は絶えたのだ。そこでいきなり俺が出てきた注目の的だ。最悪もう一度狙われる可能性だってでてくるのだ。大抵は返り討ちにできる自信はあるが、意外な所に化け物がいるかもしれない。

 

 「でも俺は夢を叶えたい。」

 「そうかね。その意思があるのはわかった。」

 

コーヒーカップを大きく傾け最後の一口まで飲み干す。

シャーロックは一瞬戸惑うようなしぐさを見せ、机の戸を引き一枚の書類を出してきた。

俺はそれを受け取る。おおきな封筒であった。端っこには「東京武装探偵高校」と書いてある。

 

 「これは……!」

 「東京武偵高校の入学関係の書類だ。」

 

中を開ける。そこには願書などが入っていた。

 

 「いつかそう言う事は予測できていた。私としては君には行ってほしくないのだがね。やはり夢の為ならばしかたない。留学を許可しよう」

 「い、いいのか!?」

 「ああ。」

 「よっしゃ!!」

 

 「だが、条件付きだ」

 

俺は喜びを抑えシャーロックの話を聞く

 

 「武偵高校と私が直々に話に行った。」

 「まじかよ。」

 

驚きを隠せない。

いきなり百年前もの有名人が出てきたらおどろくだろう。

 

 「その一、君は武偵関係の人たちに技術提供する必要はない。その二、君がイー・ウー所属だと公言してはならない。その三、教務課(マスターズ)がだす極秘任務にはある程度参加するべし。その四、もし君がイー・ウーとして活動している時を発見された場合君は逮捕されても文句は言えない。その五、カゲヨシくんはスキャッグス家の生き残りだと公言すること。」

 「ん?最後のいいのか?」

 「まぁ、それほど大したことではないのでオッケーにした。逆に名前が広がると色々と便利だろう。」

 「かもな。」

 

いや、あきらかに注目を浴びて苦労するパターンだぞ。

書類を持ちシャーロックに言う。

 

 「ありがとう。」

 「いや、なんの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に帰り武偵高校の書類に目を通す。

どうやらこの時期から入るのは微妙だから二学期の初めに入ることになったらしい。ちなみに強襲科(アサルト)になるらしい。正直どこでもいい。Rランクとる勢いでやってやる。

 

 「こぁ、俺のオリジナルの制作状況は?」

 『もうすべておわりました』

 

本の中にいるこぁに話しかける。

どうやらもう終わっているらしい。

先代たちが作った武器に頼ってばかりなのも嫌なので自分でオリジナルスキャッグスを作ることにしたのだ。

 

 「これでいいかな。」

 

本を閉じてライトを消す。

そしてベッドに寝転がる。

 

俺がここから出た後、霊夢はどうしようか?

レミリア達には常に紅魔館で待機してもらおう。

咲夜はそこで住みこみで働くだろう、吸血鬼姉妹は大丈夫だろう。そういえば幽香には何て言おう。いまだにしつこく勝負しようって追いかけて来るんだよな。さすがに東京までは来ないか。もしかしたらしばらくの間は平和かもしれないな。

 

 「は~」

 

でも東京武偵高校に行けば間違いなく原作メンバーズと深くかかわりあってしまう。いやもうかなり深い奴もいるけど。でも、どちらかと言うと俺は関わってみたい。せっかくこんな素晴らしい世界に居るのだから。

 

 「はは……」

 

楽しくなっていた。

ああ愉快だ、まったく愉快だ。

この先が楽しくてしょうがない。

待ち遠しいな―――――

 

 「ふふ………」

 

 

 

 

 

 

 

 


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