緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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デートする、カゲヨシくん


第二十三話 媚薬again2

 

フランス、パリ 10:00

どうも十六夜咲夜と申します。

私は今フランスのパリにます。

なぜこんな場所にいるかと言うと

あのイー・ウーのNo.2のカゲヨシ様にお誘いを受けたからです。

(それよりこの服恥ずかしいな)

理子さんや夾竹桃さんに何をすればいいか訊いた所。

「まず服だよ!」

理子さんにそのような事を言われ。

二時間ぐらい着せ替え人形として遊ばれた。

私はやめるように言いたかったのだが服を選んでくれているので何も言わなかった。

よって今着ているのは白色の花柄のブラウスにジーンズ、といういつもメイド服を着ている私にとっては違和感があった。

自分の服を見直しているとケイタイが鳴った。

「もしもし?」

『カゲヨシだ。今どこにいる?』

「え、もう着きましたけど。」

『お、いたいた』

通話が勝手に切れる。

すると後ろから足音が聞こえてきたので振り返る。

「よっ」

赤と黒のチェックのパーカーを着ている。

カゲヨシ様だった、ちょっと斬新だった。

この様な普通の服も着るんだ。

「お、おはようございます。カゲヨシ様。」

「こんな場所だし様付はよそうぜ。」

「ですが……」

どんな事があろうと目上の人だし。

しかも一応元貴族、やはり礼儀としてメイドとして当たり前の行為なのだ。

「今日だけでも呼び捨てにしよう。」

「い、いえ。」

「ならせめて、さんでもいいから。」

彼はそう言いいつもと違った笑い方をした。

いつもの悪巧みや悪魔のような笑みではなく。

その歳に相応しい笑みだった。

「わかりました。」

私も同じように笑い。

カゲヨシさんの隣を歩き始めた。

「そんじゃ、行きますか。」

 

 

そんな新婚の様な雰囲気を纏いながら歩く二人を見ている人達がいた。

「うわー、どっからどう見てもあれはカップルだよ。」

「やはり私の薬はすごい。世界一ぃ。」

「あんた達ねぇ……」

その一団は理子、夾竹桃、霊夢とレミリアとこぁだった。

なぜ幽香がいないか知らないが、今頃ジャンヌは部屋の中で泣いているだろう。

特に咲夜に先を越されたことについてだ。

「帰ったらちゃんと謝るのよ?」

「わかってるよ。もうれいむんはもう心配症なんだから。」

主に心配しているのはこの後のあんた達だよ。

ちなみにれいむんとは私のことだ。

「よーし、レッツ尾行だ!!」

理子は私達が目立つぐらい声を上げ手を空に突き出す。

カゲヨシ、今だけは許してね。

私、こいつ止めれないから。

「それじゃあ、どっか行きたい所あるか?」

「いえ。特には……」

正直に答える。

「ここに来るのは初めてなんだよな。それだったら一通り有名な場所まわろうか。」

「わかりました。」

私はそのまま彼の隣を歩くつもりでいたが、

いきなり手を握られる。

そんな行動に驚き、顔を覗き込む。

「いやか?」

「い、いえ。決してそんな事は……」

顔をそらしてしまう。

普段の私だったら考えられない。

自分でも顔が暑くなっているのがわかる。

それでも手を振り切るようなことはしなかった。

「それじゃあ、行こうか。」

私は返事ができずそのままエッフェル塔の方へと手を引かれて行った。

イラッ

なんだあの紳士は、誰だ。

そう思いたくなるぐらい別人だった。

「咲夜が簡単に手懐けられている。」

「それより今までああやって自分の事を異性として見てくれる人がいなかったからじゃない?ほらあきらかに反応が初心だし。」

理子が手を繋いで歩いている昨夜を指差す。

顔を真っ赤にして歩いている。

少しムッとする。

「あれ~?れいむんどうしたの?なんだか羨ましそうだけど?」

いらずらをしているような笑みを見せてくる。

言えない、一度も手を繋いだことがないだなんて。

「ち、違うわよ。全然しんなことなんか考えていないんだから。」

「そんな事ってなんですか?霊夢さん。」

こぁが無駄な質問をしてくる。

正直羨ましい。

私でも手は繋いだことはない。

そんな歳ではないからだ。

「ほら遅れるわよ。」

レミリアに注意され我に返る。

小走りで理子たちの後を追うがそれはまるで少し遅れている自分を急かせるような感じだった。

そのまま手を引かれてエッフェル塔が建っている広場につく。

あまり私は外に出たことはないがこれは知っている。

一度だけ見たことはある。

と言っても任務の帰りに目に入ったぐらいだが

「登ってみるか。」

また手を引かれてエレベーターに乗る。

道中の景色もすばらしく綺麗だった。

頂上に着くとそこには私たちと同じ様に色々な人がいた。

そして同じ様に男女の組み合わせもいた。

それを見ると私達二人がどのように見えているのかもわかってしまう。

また顔が暑くなる。

「お土産でも買って帰るか?」

「はい。お嬢様にも何か買っていかなければなりません。」

仕事のことを考え気を紛らわし。

地上に戻る。

ショーケースの中の置物を見て行く。

やはり場所が場所なのでエッフェル塔の置物が多い。

「私はこれを買います。」

「俺はこれだな。」

そう言い髪飾りを二つ手にとった。

「一つは霊夢のな。」

「もう一つは?」

「咲夜の為。」

墓穴を掘った。

また顔が赤くなる。

「お?照れてるのか?」

「そんなことありません!!」

私は追いかけてくるカゲヨシ様を無視しながらレジへと向かった。

「わぁー!りこりんこれ欲しい!!」

「理子、静かに。」

「変な薬飲んでも主は霊夢さんを忘れていない件について。」

こぁが置物を見ながら言う。

嬉しいけど、後ろでニマニマ笑っている理子がうざい。

「うっさいわね。それよりちょっとは静かにしなさいよ。」

「ふっふっふ。嬉しいんだねぇ、そうだよねぇ?」

私はウザい理子を黙らすために重い一撃を腹にいれる。

そのままもう一回殴る。

「お遊びはそれぐらいにしてもうそろそろ止めに入るわよ。」

「そ、そうね。」

理子がお腹を摩りながら立ち上がる。

今度は立てなくなるぐらい力を込めよう。

「実はあの薬はねちょっとね危険でね、もうそろそろ解毒薬を撃ち込まないとね。」

そう言い夾竹桃が取り出したのは銃のような注射器だ。

「これをカゲヨシに撃つ。でも相手はカゲヨシだから本当に隙がある時にしか無理よ。」

まぁ、そうだろう。

仮にもイー・ウーのNo.2だそう簡単に薬とか盛ったりできる相手ではない。(先に言っておくが、今回は偶々運が良かっただけだ)

それよりちゃんと後始末はするのね。

「ほら後を追うわよ。なるべく静かにね。」

この熱意と本気を他のところで使って欲しいわ。

 


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