ポケットモンスターミューズ   作:sunlight

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この小説はオリジナル展開です。
今回、フルボッコ要素があります。
リクエストなされたポケモンも登場します。



クラス最強とのポケモンバトル

キーン コーン カーン コーン

 

 

今日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り穂乃果たちのクラスの生徒たちや担任はまっすぐ校庭のバトルフィールドに向かった。

 

 

穂乃果がバトルフィールドに着くとたくさんの生徒たちがバトルフィールドの周りに集まっていた。それも穂乃果たちのクラスだけではなく他のクラスや上級生や下級生までいた。

穂乃果はこの人だかりに驚いて思わずあたりを見渡すと生徒会長と副生徒会長も野次馬に紛れてバトルフィールドの近くにいた。

生徒会長を見つけると穂乃果は顔をしかめた。

(何で生徒会長がここに… 私のバトルなんて見ないはずなのに… ん? まてよ… あっ! あの生徒会長、もしかして私がこのバトルに負けたら『私に勝ったのはやっぱりマグレよ!』って言ってポケモンリーグへの出場をやめさせる気だな!)

穂乃果は生徒会長を横目で睨みながらバトルフィールドに向かった。

 

 

 

 

バトルフィールドに着くとすでに岩川が待っていた。岩川は穂乃果をニヤニヤしながら見た。

「やっと来たか、にしても、やっぱり、俺のポケモンバトルはこうギャラリーが多くないとな〜」

「あなたがみんなを呼んだの?」

穂乃果が岩川に聞くと岩川は穂乃果に指を突きつけながら返した。

「ああ! そうだ! お前のふざけた噂は全校生徒に広まっててな! だから俺がお前の実力は嘘だと言うことを証明してやるって言ったらこんなに集まったのさ! まあ、どうせお前は俺に負けるんだけどな!」

「……」

岩川は自分の実力に絶対的自信を持っているようだ。そして岩川の自慢話が始まった。穂乃果はそんな岩川ともう会話するのが嫌になり黙ることにした。

そして、別のことを考えていた。

(なるほど… 生徒会長はやっぱりそういう目的で来たのか…)

穂乃果は生徒会長がこのポケモンバトルを見に来たのは岩川の話を聞いて自分が負けるところを見るためだと思った。

穂乃果はまだ自慢話をしている岩川と見下すような目で見ている生徒会長を見て誰にも気づかれないようにニヤリと笑った。

 

 

(私も今日くらいは本気でポケモンバトルしよう… 私の大切な親友たちを侮辱したんだから容赦はしないよ…)

そう思いながら穂乃果は自分のモンスターボールを撫でた、穂乃果の意思に答えるようにボールが揺れた。

 

 

 

「あのー そろそろポケモンバトルを始めてもいいですか?」

まだ自慢話をしている岩川にいい加減にうんざりしていたのか審判を務める担任の先生が聞いた。

「ああ! 俺は準備OKだ!」

「私もです」

2人の返事が返って来ると担任は右手を上に挙げた。

「これより、岩川大輔と高坂穂乃果のポケモンバトルを始める! 使用ポケモンは3体どちらか全てのポケモンが戦闘不能になればバトル終了です! では試合開始!」

担任はそう言うと右手を勢いよく振りおろした。

 

 

「おい、ちょっと良いか?」

「何?」

穂乃果がポケモンを出そうとすると岩川が穂乃果に話しかけた。穂乃果はうんざりしていたが顔に出さずに聞き返す。

「お前にチャンスをやるのさ! お前がこの俺に負けるのはもはや確実だろ? だからお前がここで俺にクラス代表の座を返して謝れば許してやるぜ? こんな大勢の前で大恥かくのは嫌だろ?」

「くだらないこと言ってないでさっさとポケモン出しなよ」

岩川は胸を張って慈悲をかけるように穂乃果に言ったが穂乃果は気にせず涼しい顔で言い返したため岩川はカンカンに怒った。

「んだと! この俺に謝らなかったこと後悔させてやるぜ! いけ! アーボック!」

『シャーッ!』

「後悔するのはあなただよ… ファイトだよ! オニドリル!」

『クワーッ!』

岩川はどくタイプのアーボック、穂乃果はノーマル、ひこうタイプのオニドリルを繰り出した。

2人がポケモンを繰り出しポケモンバトルが始まった。

 

 

「先手必勝! アーボック! 雷の牙!」

『シャーッ!』

「オニドリル! 上昇してかわして高速移動!」

『クワッ!』

オニドリルにとって弱点であるでんきタイプの技、雷の牙でまっすぐ突っ込んで来るアーボックをオニドリルは上昇することで躱し高速移動をした。

「怯むな! アーボック、毒針だ!」

「躱して、ドリルライナー!」

アーボックの毒針を高速移動で上がった素早さで躱しアーボックにとって効果抜群のドリルライナーを決める。毒針を放っていたアーボックは避けれずドリルライナーをくらってしまいふっ飛ばされる。

『シャーッ‼︎』

ドガーン!

「続けてドリルくちばし!」

アーボックがふっ飛ばされたところに高速移動で上がった素早さで追いつく、地面に叩きつけられて煙が巻き上がるが特性がするどい目のオニドリルには関係ない、砂煙の中でアーボックを見つけ出しドリルくちばしを決めた

『シャー!』

アーボックの悲鳴が砂煙の中から聞こえた。

煙が晴れるとフラフラしながらなんとか立っているアーボックの姿があった。

「良いよ! オニドリル、その調子! 」

『クワーッ!』

「何してんだ! しっかりしろ!」

『シ、シャー…』

笑顔でオニドリルに穂乃果はそう言うとオニドリルは力強く返事をする。反対に一方的に攻撃されているアーボックは岩川の呼びかけにも苦しそうな返事をするだけだ。

「これで決めるよ! オニドリル、ドリルライナー!」

『クワーッ!』

オニドリルがアーボックにとどめのドリルライナーを放った時

「アーボック! 締め付ける!」

『シャッ!』

ガシッ‼︎

『クワッ!』

アーボックはオニドリルのドリルライナーが決まる前にくちばしに締め付けるを決めた。オニドリルが苦しそうに顔を歪める。

「ヘヘッ! どうだ!」

岩川が技が上手く決まり調子良さそうに言う、会場のにいる誰もが穂乃果に対して不利な状況だと思ったが穂乃果はふふっと小さく笑い。

「オニドリル! アーボックの締め付けるを受けたまま上昇!」

『クワーッ!』

『シ、シャッ…⁉︎』

「「「えっ!」」」

穂乃果の指示を受け、オニドリルはアーボックの締め付けるを受けたまま上昇した。アーボックは逆さ吊りになりオニドリルに連れ去られる。アーボックはまさかの展開に戸惑っている。岩川もそれは同じだ。会場の人間までも驚いていた。

「オニドリル! そこで高速移動!」

『クワーッ!』

オニドリルがアーボックを逆さ吊りにしたまま高速移動をする。アーボックは締め付けるをしたままなのでオニドリルから逃げられない。しかし、締め付けるをやめて逃げようにもここは空中、締め付けるをやめてしまえば真っ逆さまだ!

「ア、アーボック! 何とかしがみつけ!』

『シャッ… シャッ…』

 

 

 

スルッ

 

 

 

『シャーッ‼︎』

アーボックはオニドリルの高速移動に何とかしがみついていたがやはりダメージとオニドリルの素早さについていけず真っ逆さまにフィールドに落ちていった。

「今だ! オニドリル! ギガインパクトでとどめ!」

『クワーッ!』

地面に落ちていくアーボックが地面につかないうちに2度の高速移動で上がった素早さで追いつきノーマルタイプの大技であるギガインパクトを決める。

ドガーン!!!!

『シャーッ!』

「アーボック!」

アーボックはギガインパクトで地面に強く叩きつけられ砂煙が巻き上がる煙が晴れると目を回したアーボックの姿があった。

「ア… アーボック…」

 

「アーボック戦闘不能! オニドリルの勝利!」

ワァァァァァァァァァ!!!!

審判が判定を言うのを合図に会場が熱気に包まれた。穂乃果の勝利に会場が盛り上がる。

「さすがです!」

「良いよ! 穂乃果ちゃん!」

「穂乃果先輩! 頑張れー!」

当然、海未、ことり、真姫もその中にいた。

穂乃果は笑顔で3人に手を振って答えた。

 

 

「う、嘘だ… 俺のアーボックが負けるなんて…」

その頃、岩川はアーボックが戦闘不能になったことが信じられなくて放心状態になっていた。しかし、そんな岩川を正気に戻したのは穂乃果の言葉だった。

「落ち込んでないで早く次のポケモン出しなよ。クラス最強なんでしょう?」

「‼︎」

岩川はこの言葉で我に返って穂乃果を見た。

「そうだな… 今のは絶対まぐれだ! 後の2体で高坂なんかコテンパンだ! なんてったって俺はクラス最強なんだからな!」

1人で言っている岩川をよそに穂乃果は岩川に見えないように俯いて呟いた。

「その威勢がいつまで持つかな…?」

穂乃果はそう言うと不敵に笑った。

 

 

 

 

 

 

「次はお前だ! 頼んだぞ! ニョロボン!」

『ニョボ!』

「オニドリル、ありがとう、ゆっくり休んでね、じゃあ、次は、ファイトだよ! サザンドラ!」

『ギャーーフ‼︎』

岩川はみず、かくとうタイプのニョロボン、穂乃果はオニドリルを引っ込めて、あく、ドラゴンタイプのサザンドラを繰り出した。

2人がポケモンを繰り出し再びバトルが始まった。

「相性はこっちが有利…! ニョロボン! 冷凍ビーム!」

『ニョロー!』

「サザンドラ火炎放射で相殺!」

『ドラー!』

岩川のニョロボンがサザンドラにとって効果抜群の冷凍ビームを放つが穂乃果のサザンドラが火炎放射を放ち相殺する。

「何⁉︎ それなら、ビルドアップからの爆裂パンチ!」

「空を飛ぶでかわして!」

岩川の指示でニョロボンがビルドアップで攻撃力を上げサザンドラにとって効果抜群の爆裂パンチを放つがサザンドラは空を飛ぶでかわし、空高く飛び上がる。

「ニョロボン! サザンドラが降りてきたら爆裂パンチだ!」

『ニョロッ‼︎』

ニョロボンがサザンドラの空を飛ぶの攻撃が来たら爆裂パンチを放つために攻撃体制をとりサザンドラの攻撃を待つ。誰もがサザンドラが大ダメージを受けると思っていた。

(成る程… 良い判断だ… でもね…)

穂乃果も良い判断だと思っていた。

しかし…

「サザンドラ、空を飛ぶ攻撃!」

『ギャーフ!』

サザンドラが上空から勢いよくニョロボン目掛けて急降下してくる。ニョロボンが爆裂パンチの準備をしサザンドラに狙いを定める。

(よし! いける!)

岩川が攻撃も決まったと思い思わず頰が緩む。

「サザンドラ! 急降下しながらトライアタック!」

「何⁉︎」

『ニョロッ⁉︎』

「「「ええっ⁉︎」」」

しかし、穂乃果の予想しなかった攻撃に岩川とニョロボンが驚く、会場の人間も驚いていた。

驚いたせいで岩川もニョロボンの指示が咄嗟に出来ずにニョロボンも動けなかった。

ドガーン‼︎

『ニョロー!!!!』

防御なしに受けたサザンドラのトライアタックにニョロボンが吹き飛ぶ。

「ニョロボン‼︎」

「今だ! サザンドラ! 流星群でとどめ!」

『ギャーーフ!!!』

穂乃果の指示を受けてサザンドラがドラゴンタイプの大技の流星群を放つ。無数の隕石が地上に降り注ぐ、トライアタックで吹っ飛ばされたニョロボンは逃げれず流星群に直撃し煙が巻き上がる。煙が晴れるとフィールドには目を回して動けなくなったニョロボンの姿があった。

「そ、そんな… ニョロボン‼︎ 起きろよ! ニョロボン!」

岩川がニョロボンに何度も呼びかけるがニョロボンは起き上がることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「二、ニョロボン戦闘不能! サザンドラの勝利!」

「…ワァァァァァァァァァ!!!!」

審判の声に会場に再び盛り上がる。

しかし、会場の人間たちは少なからず驚いていた。

岩川とて伊達にクラス最強とは言っていない。実力は十分ある。それにタイプ相性も良く、どう見ても穂乃果の方が不利だった。

それなのに穂乃果のサザンドラにニョロボンは一撃も与えることが出来なかった。

岩川も信じられなかった。

「嘘だ! こんなの!」

「どこが嘘なの? 私は反則なんてしていないよ? あなたも見ていたでしょう? クラス最強なんだから言い訳なんて見苦しいよ、早く最後のポケモンを出しなよ」

「っ! いけ! バンギラス!」

『グァーフ‼︎』

岩川が穂乃果に言うと穂乃果は涼しい顔で返したので岩川は怒り、なかばヤケクソでポケモンを出した。

「気の早い人だね… サザンドラ、ありがとう、ラストはあなただよ! ファイトだよ! ゲッコウガ!」

『コウガ!』

岩川は、いわ、あくタイプのバンギラス、穂乃果はサザンドラを引っ込めて、みず、あくタイプのゲッコウガを繰り出した。

両者がポケモンを繰り出し最後のポケモンバトルが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンギラス! 破壊光線!」

『グァーフ‼︎』

バンギラスの口から黒い強大な光線がゲッコウガに向かって飛んでいく。

「何? 隙だらけになるのに… ゲッコウガ! 影分身でかわして!」

『コウガ!』

ドガーン!!!!

バンギラスの破壊光線が直撃してゲッコウガがダメージを受けたと思ったが影分身で出来た破壊光線が命中しゲッコウガは無傷ですんだ。

「ゲッコウガ! ハイドロポンプ!」

ドドドドドドドドドドドド‼︎

ブファーーーーーン!

『グァーーー!』

バンギラスの破壊光線を影分身でかわしバンギラスにとって効果抜群の水タイプの大技のハイドロポンプを決める。

バンギラスも防御をしようにも破壊光線をうった後は動けなくなってしまう為そのままノーガードでハイドロポンプを受けてしまいバンギラスは大ダメージを受けてしまった。

「バンギラス! しっかりしろ! ギガインパクト!」

「ゲッコウガ! もう一回影分身!」

岩川がバンギラスにノーマルタイプの大技のギガインパクトを指示する。穂乃果はさっきと同じ手である影分身をゲッコウガに指示する。

「2度も同じ手を食うか! バンギラス! 分身をなぎ払うようにギガインパクトだ!」

『グァーフン!!!!!』

岩川はさっきのかわされた方法を防ぐ為にバンギラスに片っ端からギガインパクトをするように指示する。

「そうくると思った。ゲッコウガ! 影うち!」

『コウガ!』

ゲッコウガが影分身の分身をなぎ払うとゲッコウガはそのギガインパクト目掛けて影うちを放った。

ドガーン!!!!

ゲッコウガの影うちとギガインパクトが衝突し煙が巻き上がる。

「ハッハッハ! お前は馬鹿か? みすみす突っ込んでいくなんて」

岩川が大笑いしていると穂乃果はふっと軽く笑った。

「どっちが馬鹿か見て見たら?」

「あ?」

穂乃果は煙が巻き上がる方を指差した。なんとそこにはゲッコウガが無傷でバンギラスに影うちを放っているところだった!

「ば、馬鹿な⁉︎ ギガインパクトは確かに命中したのに!」

信じられない光景に岩川が驚く、会場の他の人間も同じだ。

「驚いている暇はないよ! ゲッコウガ! もう一回ハイドロポンプでフィニッシュ!」

『コウガ‼︎』

ドドドドドドドドドドドド!!!

ドガーン!!!!!

『グァーフ!!!!』

「バンギラス‼︎」

ゲッコウガの放ったハイドロポンプがバンギラスに決まった。効果抜群の技を受けたバンギラスはもうフラフラだ。

『グァ… クフッ…』

バタン

バンギラスはバタリと倒れ力尽きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「審判、判定を…」

岩川が呆然と倒れたバンギラスを見ていると、穂乃果が審判に声をかける。

「バ、バンギラス戦闘不能! ゲッコウガの勝利! よって勝者、高坂穂乃果!」

ワァァァァァァァァァァァァァ!!!!

「良くやったね、 ありがとう! ゲッコウガ」

『コウガ!』

審判も呆然としていたが穂乃果の声で我に返った。戸惑いながら審判が結果を言うと会場が再び歓声に包まれる。

「すごいぞ!」

「穂乃果がクラス最強に勝った!」

「あんなに強いなんて…」

次々に穂乃果に対して賞賛の声が届く。

「穂乃果ちゃん! すごい!」

「流石です! 穂乃果!」

「パーフェクトな勝利ね…」

当然、海未、ことり、真姫もその中にいた。

穂乃果は笑顔で手を振ってその声に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘…」

一方、生徒会長は信じられないと言うような顔をしていた。あの時のポケモンバトルで自分に勝ったのは単なるまぐれだと思っていたがこのポケモンバトルを見ているとそうとは言えなくなってしまったからだ。

決して、岩川のポケモンたちが弱いわけではない。穂乃果のポケモンたちが強すぎるのだ。

そんな呆然としている生徒会長の肩にポンと誰かが手をおいた。

生徒会長が振り向くとそこにはいつになく真剣な表情の副生徒会長がいた。

「なあ、絵里ち、あの子ただ者じゃあらへん、もう許可してもええんやないか?」

「そんなこと絶対に認めないわよ… 私の方が正しいと証明してやる…」

副生徒会長が生徒会長に言っても生徒会長は聞かない、如何やら何がなんでも認めないようだ。

「希、私にはまだ奥の手があるのよ。ちょっと今度の週末を利用して里帰りしてくるわ」

「それってまさか…」

「ええ、アレを取りに行くわ。ロォーシーアン地方よ。私はあの娘にだけは絶対に負けたくないから」

生徒会長は副生徒会長にそう言うと「もうここには用はない」と言い去っていった。

「絵里ち…」

残された副生徒会長は生徒会長の背を寂しそうに眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、嘘だ! こんなの嘘だ!」

その頃バトルフィールドでは岩川が試合の結果に納得がいかず喚いていた。

「クラス最強の俺が高坂なんかに負けるなんてあり得ない! そうか… 俺は無意識に手加減をしたんだな…」

自分の敗北を意地でも認めなず自分自身に言い訳をする岩川にみんなは呆れた顔だ。

誰がどう見ても手加減をする暇もなく圧倒的な実力の差だったと言うのに。

「俺は手加減をしたんだ…そうだ、そうに「いい加減に現実を見たら?」‼︎」

自分勝手な言い訳をし続けている岩川にみんながうんざりしていると岩川の言葉を穂乃果が遮った。

「負けたんだから潔く負けを認めなよ。貴方は今、相当格好悪いよ? それに、貴方の攻撃は隙だらけだったし…」

「ど、どういうことだ!」

穂乃果が呆れ顔で岩川に言うと岩川が言い返す。

「3戦目、なんで初っぱなからバンギラスに破壊光線を指示したの?」

「そんなの決まってんだろ! 強力な攻撃だからだよ!」

岩川が自信満々に言い返すと穂乃果は額をおさえた。

「まあ、破壊光線は確かに強力な攻撃だけど使った後はしばらく動けなくなるんだよ? それにバンギラスとゲッコウガでは素早さは圧倒的にゲッコウガが上なわけだから、ゲッコウガに攻撃を当てられに来たようなものだったよ? 貴方の作戦は当たったら有利なだけで、反面、私の時みたいにかわされたら隙だらけになってしまう、それに貴方は全然気付かずにその後もギガインパクトを指示した、まあ、ギガインパクトで影分身の分身をなぎ払ったのは良かったと思うけど」

「…ち、ちょっと待て!」

穂乃果が岩川に説明をしていると岩川が口を挟んだ。

「バンギラスがギガインパクトで攻撃した時、何でお前のゲッコウガは無傷だったんだ⁉︎ もしかして、お前は反則をしたのか⁉︎」

岩川がそう言うと穂乃果は呆れたようにため息をついた。

「貴方はゲッコウガの特性を知らないの?」

「俺を馬鹿にしているのか⁉︎ 激流だよ!」

「もう一つあるでしょう? 夢特性って言って非常に珍しく特性が、私のゲッコウガはその夢特性である変幻自在なんだよ」

『コウガ』

穂乃果が岩川にそう言うとゲッコウガがまるで『そうだ』と言っているように頷いた。

「……」

穂乃果に自分の主張を完璧に論破され岩川はもう何も言えなかった。

 

 

 

 

 

そして何も言えなくなり黙って俯いた岩川の前に穂乃果は立った。

「貴方は何故、このポケモンバトルに負けたか分かる?」

「そんなの俺のポケモンたちが弱かったからに決まってんだろ…」

岩川は不貞腐れたように言うと穂乃果は首を横に振った。

「違う、貴方のポケモンたちは十分強かった。クラス最強と言われるだけはあった」

「じゃあ、何でおれはお前に負けたんだ!」

岩川が穂乃果にそう怒鳴り返すと穂乃果は岩川を冷たい目で見た。

そしてこう言った。

 

 

 

 

「それが分からないのなら貴方は一生井の中のケロマツだよ…」

 

 

 

 

穂乃果はそう言うとゲッコウガをボールに戻し、岩川に背を向けてバトルフィールドから出て行った。

岩川が後ろで「どう言う意味だ‼︎」と言っているが穂乃果は無視した。

(貴方が負けたのは貴方自身が弱かったから… ポケモンたちは弱くない。 それに気づかないとずっとそのままだよ…)

穂乃果は岩川に背を向けたまま自分の心の中で呟いた。

 

 

 




ご指摘、感想よろしくお願いします。
バトルシーンがうまく書けたかどうか評価をお願いします。

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