ポケットモンスターミューズ   作:sunlight

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この小説はオリジナル設定かつ性格改変です。


修羅場と生徒会の許可

「ちょっと貴女、いきなり穂乃果に何の用ですか?」

 

「そうだよねぇ〜 こんなところでいきなり抱きつくなんてどんな常識をしているのかなぁ〜」

 

昨日、帰り道にチンピラに絡まれていた時に穂乃果が助けた真姫の登場に穂乃果が固まっていると海未とことりが能面のような顔で真姫に詰めよる。

 

「…何? 貴女たち 私は今、この人と話をしているんだけど」

 

しかし、真姫は気の強い性格なのか、海未とことりの言葉にも物怖じせず強気な姿勢で返す。

 

「はぁ⁉︎ もともと穂乃果ちゃんは私たちと話していたんだよ!」

 

「嫉妬かしら? 見苦しいわね〜」

 

「なっ! いきなりでてきて抱きつくような常識のない人には言われたくないですよ! この泥棒猫!」

 

「何ですって⁉︎」

 

穂乃果はそこまで聞いてようやく我にかえった海未とことりは真姫に穂乃果を取り囲んで鋭い視線をぶつけ合っていた。3人とも今にも殴り合いを始めそうな顔をしている。

 

「ち、ちょっと… みんな…」

 

「「「なあに?」」」

 

穂乃果が3人の争いを止めるため声をかけると3人はさっきと全然違う眩しいほどの笑顔を穂乃果に向けた。

穂乃果はそんな3人を見て背筋が寒くなったがそんなことに構っている場合ではない。

 

「け、喧嘩はダメだよ! こんなところで!」

 

穂乃果は出来るだけの作り笑いで3人に言い争いを止めるように言った。

 

「でも…」

 

「でもじゃない! ほら、真姫ちゃんも謝って!」

 

穂乃果に言われ3人は渋々向き合う。

 

「すいません、少し言い過ぎましたー」

「私もごめんなさいー」

「それはどうもー こちらこそー」

 

あまりの棒読みの謝り方に穂乃果はため息が出そうになった。海未とことりは穂乃果関係のことになると誰が相手だろうが一歩も引かないのだ。しかし、穂乃果には2人がなんでそこまで意固地になるのかわからなかった。

 

(なんで、海未ちゃんもことりちゃんもいつもあんなに私のことになると意固地になるんだろう)

 

穂乃果がそう考えていると「あの…」と声がかけられた。その方を見ると真姫が穂乃果の方をさっきとは全然違う頰を赤くして恥ずかしそうな顔で見ていた。

 

「あ、貴女の名前を教えてください…」

 

さっき海未とことりと言い争う時とは全く違う消え入りそうな声で穂乃果に聞いた。

そういえば、昨日はあまりにも怖くて逃げ出しちゃったから名前を教えてなかったな、と穂乃果は思い自分の名前を教えた。

 

「高坂先輩ですね これからよろしくお願いね」

 

穂乃果に真姫は笑顔で言い最後に海未とことりに鋭い視線を向けた後に1年生の教室に向かった。

あまりの態度の違いに穂乃果が呆然としていると

 

 

 

 

 

 

バキッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが壊れる音がすぐ後ろから聞こえた。それは海未が靴を取り出すために開けた下駄箱の取っ手だった。

海未の握力により下駄箱からとれた取っ手はもう使い物にならないくらい握りつぶされていた。

 

(うわぁ… 海未ちゃんってすごい握力だなぁ…)

 

穂乃果が顔を引きつらせながらそう考えていると後ろから声が飛んだ。

 

「フ、フフフ… あの生意気な1年生風情が… 私の穂乃果に手を出そうなんざ100万年早いんですよ…!」

 

俯いているせいでどんな表情しているのかは見えないが海未の背後からドス黒いオーラが見えているのでいつもの彼女とは思えないくらいの恐ろしい表情をしているのは間違いない。

 

「そうだよね〜 いくら後輩といえども私の穂乃果ちゃんに手を出すのは許せないなぁ〜…」

 

海未の隣にいることりからも似たようなドス黒いオーラが出ていた。

 

 

「は、早く教室に行こう! 遅刻しちゃうよ!」

 

そんな2人を見て穂乃果はこのままではマズいと悟り早く教室に行こうと2人に促す。

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ! ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、海未とことりが穂乃果の両肩をつかんだのだ。勿論2人の背後からはドス黒いオーラが出たままで、能面のようなかおをしていたが、

何故両肩をつかまれ、そんな恐ろしい表情をされるのか訳が分からない穂乃果の疑問に答えるように2人は穂乃果の耳もとで言った。

 

 

「「後で、ゆっくりあの真姫って娘のことを説明してもらうからね(もらいますからね)」」

 

 

 

穂乃果はそんな2人が恐ろしすぎて頷くことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー放課後ー

 

「酷い目に遭った…」

 

ぐったりしたような顔で穂乃果は呟いた。

 

あの後、穂乃果は真姫との関係を休み時間のたびにことりと海未に根掘り葉掘り聞かれすっかり疲れ果ててしまっていたからだ。

 

「さあ、 生徒会へ許可をもらいに行こう!」

 

「そうですね! まあ、理事長の許可をもうとってありますから心配はないですね!」

 

「そんなに上手くいくかなあ…」

 

海未とことりが必ず許可をもらえると思っているようだが穂乃果はそうは思わなかった。

 

「雪穂に聞いた人物像では『いいよ』と簡単に言う人ではないと思うんだけど…」

 

海未とことりに聞こえない声で穂乃果は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー生徒会室ー

 

「認められないわ」

 

(やっぱり…)

 

生徒会室に穂乃果たちが入るとそこには金髪長い髪をポニーテールにしている青い瞳の人と紫色がかかった長めの黒髪をおさげにしている人がいた。ことりと海未が生徒会長に自分たちが考えた廃校を阻止する案を話し許可を貰おうとしたが即座に否定された。

海未とことりは納得のいかない顔をしていたが穂乃果はある程度予想はしていたのであまりショックは受けなかった。

 

「貴女たち、ポケモンリーグを甘く見てるんじゃない? そもそも本戦に出場するだけでも大変なのよ? エントリーするのは自由だけど去年、本戦に出場出来たのはこの音ノ木坂の生徒でも私1人だったのよ? それでも優勝どころか入選すら出来なかった、貴女たちが出場したところでこの音ノ木坂学園の看板に泥を塗るだけだわ」

 

生徒会長が穂乃果たちを青い瞳で睨みつけながら厳しい声で言う。

 

「廃校の問題は私たち生徒会がなんとかするわ。貴女たちもこんなくだらないことにうつつを抜かしている暇があるなら残りの学校生活をすこしでも有意義に過ごすことね」

 

海未とことりは俯いてしまった。ポケモンリーグのレベルの高さは知っていたがここまでとは思わなかったのだろう。自分たちが穂乃果にポケモンリーグの出場を薦めたのは幼い頃からバトルの強い穂乃果を見ていたからだが、そのレベルの高さならさすがの穂乃果でも入選するのは無理だろうと思ったのだ。

生徒会長は何も言わずに俯いた海未とことりから視線を移し今度は2人とは違い何も言わなかった穂乃果を見た。

 

「貴女もそう思うでしょ? 2人は貴女のことを強く推薦していたけど学園最強の私でも入選できなかったポケモンリーグに貴女なんかが入選できるとは思わないわ」

 

穂乃果はさすがにムカッとしたが顔にはださないように努力した。

 

「そんな言い方「「そんな風に言わないでください!!!!」」⁉︎」

 

穂乃果が言い返そうとしたとき隣から鋭い怒号がとんだ。

いきなり怒号をあげたのは穂乃果の隣にいた海未とことりだった。

2人は生徒会長をキッと睨みつけた。

 

「貴女は… どうして貴女は穂乃果をそこまで否定するんですか⁉︎ まだ、バトルもしていないのにどうして穂乃果が弱いと決めつけるんですか⁉︎」

 

「わ、私はそんな風には…」

 

「私たちの事はいくら侮辱しても構いません! だけど、穂乃果ちゃんをそこまで言うなんて許せません!」

 

「……!」

 

顔を真っ赤にして興奮しながら生徒会長に怒鳴る海未とことりに対して生徒会長はおし黙り、穂乃果は声が出なかった。

2人は私のためにここまで怒ってくれている。こんな私のために…

 

 

 

 

 

 

 

「まあまあ… みんな落ち着き…」

 

 

 

 

 

 

 

突然、場の雰囲気を変えるような間延びした声が生徒会室に響いた。

その声の主はさっきから蚊帳の外だった副生徒会長だった。

副生徒会長は笑顔で続けた。

 

「絵里ちも落ち着き… 熱くなっても何も解決しないで?」

 

「……」

 

副生徒会長の言葉に冷静さを取り戻したのか生徒会長も落ち着く。

海未とことりはまだ不服そうにしながら生徒会長を睨みつけた。

副生徒会長は穂乃果を見た。

 

「貴女の名前は穂乃果ちゃん…やったっけ?」

 

「あ、はい」

 

副生徒会長が穂乃果に聞くと穂乃果がそうだと返す。

副生徒会長はフウと息を吐くと続けた。

 

「そんなに強いか弱いかでもめるんやったら絵里ちと穂乃果ちゃんとでポケモンバトルをすればええやん そしたらハッキリするやろ?」

 

 

「な、何で私がこんな娘なんかと…」

 

 

予想しなかった副生徒会長の提案に生徒会長がたじろいだ。

 

「いいでしょう! 受けて立ちます! この際白黒ハッキリつけましょう!」

 

「いいよね! 穂乃果ちゃん!」

 

海未とことりが穂乃果に聞くと穂乃果は「え? うん…」と頷いた。

穂乃果もこの生徒会長だとは言え言われっぱなしは癪だったからだ。

そんな穂乃果たちを見て生徒会長も思ったのか小さく舌打ちをして椅子から立ち上がった。

 

「いいわ! 受けて立ちましょう、でも条件があるわ」

 

「条件?」

 

生徒会長がだした条件というものに生徒会長以外が聞くいた。

 

「もし、貴女に私が勝ったらもう二度とポケモンリーグに出場するなんて言わない事よ!」

 

穂乃果に指を突きつけながら言う生徒会長に海未とことりは目を見開いてたじろぐが、穂乃果は挑戦的にニヤッと笑った。

 

「ふーん… 面白い…」

 

穂乃果はそう呟くと生徒会長に言った。

 

「それじゃあ、20分後、校庭のバトルフィールドでバトル開始です」

 

「わかったわ… せいぜい足掻くことね」

 

生徒会長はそう言うと生徒会室を出て行った、その後を副生徒会長もついて行った。

 

 

 

 

 

 

「本当に大丈夫ですか…? 穂乃果…」

 

「学園最強が相手だったらさすがの穂乃果ちゃんでも…」

 

自分たちから言い出したことだとは言えさすがに相手が学園最強は心配になってきたのか海未とことりが心配そうに穂乃果に言う。

 

 

 

「大丈夫だよ… 2人とも… 学園最強だなんて所詮井の中のケロマツだろうしね…」

 

 

 

 

穂乃果はふふっと軽く笑い校庭にあるバトルフィールドに向かった。

 

 

 




ご指摘、感想お待ちしております。
それにしても穂乃果のキャラが…

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