ポケットモンスターミューズ   作:sunlight

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この小説はオリジナル設定です。
酷評が多いですが書きました。
公安委員会のポケモンはリクエストを参考にしました。


傲岸不遜な公安委員会

公安委員会と穂乃果とのポケモンバトルが始まろうとしていた頃、海未たちは穂乃果を追っていたムクホークを探していた。

『ホーク!』

「ムクホーク! 穂乃果は見つかりましたか⁉︎」

『ムーク!』

海未たちの元へ戻ってきたムクホークは穂乃果の居場所に連れて行く一鳴きすると翼を羽ばたかせさっきの空き地に向けて飛んだ。

海未たちもムクホークの後について行き一直線に空き地に向かう。

 

 

 

 

 

ー空き地ー

一方、その頃空き地では小宮、奈良、近衛の3人が穂乃果を取り囲んでモンスターボールを構えていた。

荒川と岩尾は後ろにいて動かない。

穂乃果もモンスターボールを構えて身構える。

 

 

3対1なんて側から見れば卑怯だと思えるが穂乃果はそんなことを言っても公安委員会は聞く耳を持たないだろうということを知っていたので言わなかった。

穂乃果は真正面から公安委員会とバトルする気で挑む。

 

 

公安委員会と穂乃果が鋭い目をしながら睨み合う。

辺りに緊張が走り、それが頂点に達したときお互いがモンスターボールをなげポケモンを繰り出した!

 

そして、穂乃果と公安委員会とのバトルが始まった。

 

 

 

 

「私のポケモン、ファイトだよ! ガブリアス!」

『リアース‼︎』

穂乃果はいつもの掛け声とともに勢いよくモンスターボールをなげ、ドラゴン、じめんタイプのガブリアスを繰り出した。

近衛たちの後ろにいる荒川と岩尾は穂乃果のガブリアスを見て『あの時自分たちに勝ったポケモンだ!』と言った。

その時、

 

「おい、こんな奴お前らだけで十分だろ? わざわざ俺が出なくても良い…」

 

奈良と近衛もポケモンを繰り出そうとしたとき小宮がポケモンを繰り出すのをやめ、モンスターボールをポケットに戻した。

小宮はどうやら公安委員会のメンバーが2人もいれば穂乃果を倒すなんて簡単だと思ったらしく自分が出るまでもないと言った。

奈良と近衛は驚いたものの『いいぜ! あんな奴一捻りだ!』と言った。

そして、バトルに参加しない小宮は荒川たちと一緒に後ろに下がった。

小宮は穂乃果のことを侮っているようだが、荒川と岩尾は少し心配だった。

荒川と岩尾は穂乃果の実力を身を以て感じたからだ。

荒川と岩尾がそう考えているのをよそに奈良達もモンスターボールからポケモンを繰り出した。

 

「いけ! ツンベアー!」

「頼むぞ! クリムガン!」

 

『ベアー‼︎』

『ムガー‼︎』

 

公安委員会の奈良と近衛はこおりタイプのツンベアーとドラゴンタイプのクリムガンを繰り出した。

相性は若干穂乃果が不利だが穂乃果は少しも焦った様子は見せない。

ツンベアーとクリムガンは穂乃果のガブリアスをかなりの強敵だと認識したらしく体を強張らせいつになく緊張の面持ちだったが、奈良と近衛はそれに気づかない。

 

「ふーん… お前のガブリアスは結構強そうなポケモンだが、俺たち公安委員会にお前なんかのポケモンが敵うわけがないな…」

 

「空き地の時は荒川たちが油断したからだけのこと、今回はそうはいかないぜ… 公安委員会は学園の正義だ、その公安委員会に楯突いたんだからお仕置きをしないとなぁ…」

 

奈良と近衛は穂乃果を見下した目で見で嘲笑ながら不快な言葉を言った。

どうやら、やる前から自分たちの勝利を確信しているようだ。

しかし、穂乃果は気にした様子もなく返す。

 

「ポケモンバトルはやってみないと結果なんてわかりませんよ? それにくだらないおしゃべりをするならこっちからいきますよ?」

 

穂乃果の挑発の返しにプライドの高い奈良と近衛はわかりやすく怒った。

 

「んだとコラァ‼︎ てめぇ、俺たちは公安…「ガブリアス、ツンベアーに瓦割り!」 …⁉︎」

 

奈良が穂乃果に言い返そうとする怒鳴り声を遮り穂乃果がガブリアスに奈良のツンベアーへの瓦割りの指示を出した。

ガブリアスは持ち前のすさまじいスピードでツンベアーに突っ込んでいき脳天から瓦割りを決めた、奈良もツンベアーも会話に気を取られていて反応が咄嗟にできずに瓦割りを防御もなしに受けてしまった。

効果抜群の技にツンベアーは地面に倒される。

 

『ベアー!』

 

「お、おい! ツンベアー! しっかりしろ!」

 

奈良は効果抜群の技を受けて倒れたツンベアーに怒鳴る。横では近衛が倒れたツンベアーを見てクリムガンに慌てて指示を出す。

 

「ク、クリムガン! りゅうのいかりだ!」

 

『ムガーー‼︎』

 

クリムガンの口から輝く紫色の波動の攻撃がガブリアスに向かって飛ぶ。 りゅうのいかりはドラゴンタイプの技だ。 ドラゴンタイプであるガブリアスがくらえば大ダメージを受けることは間違いない。

しかし、

 

「ガブリアス! ドラゴンダイブでかわしつつ、クリムガンに攻撃!」

『ブリアース‼︎』

 

 

クリムガンのりゅうのはどうをガブリアスはドラゴンダイブの攻撃で高く飛ぶことにより避け、クリムガンにとって効果抜群であるドラゴンダイブを食らわせた。

 

ビューーー!!!

 

 

 

ドガーーーーーーーーン!!!!

 

 

クリムガンは効果抜群のドラゴンタイプの技を決められて吹っ飛び、空き地の端の方まで飛ばされた。

 

「ク、クリムガン! しっかりしろ!」

 

「こうなったら……! おい! 2人がかりで攻撃だ!」

 

近衛がクリムガンまで攻撃されたことに焦ると、奈良が今度は2人がかりで攻撃しようと近衛に提案する。

本来なら卑怯なやり方だが悪名高い公安委員会がそんなことに気を配るはずもなくクリムガンとツンベアーが起き上がったのを見て、クリムガンとツンベアーに指示を出す。

 

 

「「きりさくだ‼︎」」

 

『ムガー!』

 

『ベアー‼︎』

 

奈良と近衛の指示を受け2体はガブリアスに爪を鋭く尖らせきりさくを放つ。

しかし、穂乃果はガブリアスに避けろとの指示を出さず、ガブリアスもきりさくを避けようとしなかった。

避けようとしないガブリアスを見て2人はいけると思った。

しかし、

 

 

「ガブリアス! すなあらし!」

 

『リアース!』

 

 

フシャァァァァァァァァァァァァァァァァ……!

 

 

『ムガー⁉︎』

 

『ベアー⁉︎』

 

ツンベアーたちがきりさくをガブリアスに放つ直前に穂乃果はガブリアスにすなあらしを指示した。

地面から竜巻のように巻き上がったすなあらしが至近距離にいて避けられないツンベアーとクリムガンにもろに決まる。

ツンベアーとクリムガンはすなあらしの砂のおかげで動きにくい状況でもなんとかきりさくを当てようとするが、ガブリアスの特性、『すながくれ』でガブリアスの姿を上手くとらえれずすなあらしのなかで右往左往しているばかりだ。

さらに、すなあらしのおかげで体力がどんどん削られていた。

この好機を穂乃果が見逃すわけもなく、

 

 

「今だ! ガブリアス! 最大パワーで流星群!」

 

『リアース‼︎』

 

 

ヒューーーーーン……

 

 

ピカーーーッ‼︎

 

 

 

 

ドガガガガガガガーーーーン!!!!

 

 

 

すなあらしで動きが止まったツンベアーとクリムガンにガブリアスがドラゴンタイプの最強の技である流星群をフルパワーで放った。すさまじい威力をもったたくさんの隕石がツンベアーたちをめがけて降り注ぎ煙が巻き上がった。煙が晴れるとちょうどすなあらしも晴れ、空き地の真ん中に目を回して地面に埋もれているツンベアーとクリムガンの姿があった。

 

 

「そんな…… ツ、ツンベアー⁉︎」

 

「クリムガン⁉︎」

 

 

近衛と奈良が信じられないと言うような顔をした。

2人だけではなく後ろにいた荒川たちも同じような顔をしている。

公安委員会が呆然としているとその中で穂乃果が「戦闘不能ですね…」と小さく呟いた。

呆然としていた公安委員会の奈良と近衛の2人も穂乃果の言葉で我に帰り、悔しそうに舌打ちをしながらポケモンをモンスターボールに戻した。

2人が次のポケモンをだそうとすると、

 

 

「待て……」

 

 

後ろから誰かが低い声で近衛と奈良がモンスターボールからポケモンを繰りだそうとしている手を掴んだ。

近衛と奈良が驚いて後ろを見るとそこには険しい顔をした小宮が立っていた。近衛たちは小宮に何で止めるのか言おうとしたが小宮がただならぬ威圧感を出しながら「もう、お前たちは下がっとけ…」と言うので2人はその威圧感による恐怖で言葉が喉に引っ込んで何も言えなくなってしまった。

 

 

小宮はその威圧感を出しながら近衛たちを押しのけて穂乃果の前に立って言った。

 

 

「お前はどうしても俺たちに従わずに逆らう気なんだな… それなら、俺が相手になってやるよ…! 2度と俺たちに逆らうだなんて思えなくなるように正々堂々とポケモンバトルでな!」

 

 

小宮のこの言葉に公安委員会のメンバーも穂乃果も驚いた。

まさか、真っ向からポケモンバトルをすると言うなんて思わなかったからだ。

穂乃果は動揺を抑えながらも小宮に言い返す。

 

「ふーん… 公安委員会の口から正々堂々だなんて言葉が出るとは思いませんでしたけどね… まあ、いいですよ、ルールはなんですか?」

 

「6vs6のフルバトルで勝負だ」

 

「「「⁉︎」」」

 

小宮の言葉に近衛たちは目を見開く。

公安委員会のNo.3とも呼ばれる小宮の実力はかなりのものだ。それは自分たちがよく知っている。

フルバトルならずポケモンバトルで小宮に今まで勝ったのは自分たちの知っているなかでもNo.1の宮下とNo.2のやつだけだ。

他に勝てる人で思いつくのは学園最強と呼ばれる生徒会長ぐらいだ。

そんな、音ノ木坂学園の実力者がいくら強いとは言え『一介の女子生徒に本気のフルバトルを申し込む』なんて付き合いの長い自分たちが知ってる中でも一度もなかったことなのだ。

近衛たちが驚くのも無理はない。

 

 

近衛たちはこれならさすがの穂乃果も引き下がるだろうと思ったが穂乃果は笑顔で小宮に答えた。

 

 

「分かりました。 その勝負、受けて立ちます!」

「「「⁉︎」」」

 

 

またもや驚いて目を見開く近衛たち、公安委員会のメンバーのポケモンバトルのレベルはこの学園の中でもかなり高い。穂乃果に負けた近衛たちはどちらかと言うと公安委員会の中でもバトルの腕はかなり下の方だ。だから、穂乃果はそれなりに強いだけだと思っていたが、まさか、公安委員会の中でもNo.3の実力を持つ小宮とのポケモンバトルを受けて立つとは思わなかったのだ。

受けて立ちますと言った穂乃果に対して小宮は不敵に笑いながら言った。

 

「良いのかぁ? 俺は公安委員会のNo.3だぜ? お前が俺に勝てるとは万に一つの可能性もないと思うけどなぁ…」

 

「そうでしょうか? ポケモンバトルは実際にやってみないと分かりませんよ?」

 

小宮の挑発にも乗らず笑顔のまま落ち着いた声で返す穂乃果に小宮はムッとした。

今まで、公安委員会No.3だと言えばこの学園の生徒ならあらかたの奴は自分にバトルする前から諦めて負けを認めたからだ。

しかし、自分の前にいる穂乃果は諦める様子は微塵もなかった。

小宮は穂乃果のそんな態度も気に食わなかった。

そして、心の中で『こいつを圧倒的な力で負かす‼︎』と決めた。

 

 

小宮はあまりの急展開に理解が追いついていない近衛たちに『バトルフィールドを準備しろ』と命令した。

この空き地の近くの廃ビルにはバトルフィールドのラインを引くための特殊なラインカーを置いているらしく、近衛たちは小宮の指示通り特殊なラインカーでバトルフィールドの引き始めた。

 

バトルフィールドのラインを近衛たちが引いている中、小宮は穂乃果に近づき、不敵に笑いながら言った。

 

 

「おい、高坂穂乃果、一つ賭けをしねーか?」

「賭け?」

小宮の言葉に穂乃果は疑問で返した。

いきなり話しかけてきた小宮に驚きつつも嫌な予感しか漂わせないその『賭け』と言う言葉に穂乃果は警戒心を強める。

そして、その警戒心を強めただけの答えが返ってきた。

 

 

「俺がお前に勝ったらお前のポケモン全部寄越しな、公安委員会に逆らった罰としてな…! 公安委員会に逆らった悪い生徒は学園警察としてキッチリお仕置きしねーといけないからなぁ…」

 

 

穂乃果は小宮からの言葉に目を見開いた。凛や花陽たちの時と同じようにポケモンバトルに勝ったら相手のポケモンを奪うという卑劣な行為だからだ。

穂乃果は改めて公安委員会の卑劣さを認識した。

穂乃果は少し考えてから小宮に返した。

 

 

「なら、もし、私が貴方に勝ったら貴方が今まで人から奪ったポケモンやお金を全部返してその人たちに謝ってください」

 

 

穂乃果の言葉に小宮は『なんで俺がそんなこと⁉︎』と言ったが穂乃果の『リスクは平等にするのが正々堂々とした勝負です』と言われ言い返せなくなった。

何にしろ正々堂々としたポケモンバトルで勝負だと言ったのは他ならぬ自分なのだから。

小宮は舌打ちをしながらその条件を飲んだ。

 

 

「フン… でも、俺がお前に負けるなんてことはあり得ない… お前は自分のポケモンを俺に寄越すことになるのはやる前から決まっていることだ…!」

 

 

穂乃果を見下した目で見ながら嘲笑する小宮はまた不快な言葉を穂乃果に投げつける。

しかし、穂乃果は気にした様子もなく返す。

 

 

「そうでしょうか? まあ、それは実際にポケモンバトルをした方が早いでしょう… そろそろライン引きも終わりますよ…」

 

 

穂乃果がラインが引かれてバトルフィールドになった空き地を指差すと小宮と穂乃果はそれぞれの立ち位置に立った。

 

「近衛、お前が審判をしろ…」

「あ、ああ…」

 

立ち位置に立つと小宮が近衛に審判をしろと命令した。

近衛は戸惑いながら頷いてバトル開始の宣言をするために真ん中に立ち、右手を高く上げた。

 

「これより、小宮正伸と高坂穂乃果のポケモンバトルを始めます! 使用ポケモンは6体どちらか全てのポケモンが戦闘不能になればバトル終了です! なお、ポケモンの交換は自由とみなします! 両者ポケモンを!」

 

近衛はそう言うと両者がポケモンを繰り出すように指示を出した。

近衛の開始の宣言により、穂乃果と小宮はそれぞれ1体目のポケモンを繰り出す。

 

 

「俺の1体目はこいつだ! いけ! ワルビアル!」

『ビアーール‼︎』

 

 

「ワルビアルか… それなら私は、ファイトだよ! ルカリオ!」

『バウーッ!』

 

 

小宮はあく、じめんタイプのワルビアル、穂乃果はかくとう、はがねタイプのルカリオを繰り出した。

両者がポケモンを繰り出したところで近衛がバトル開始の宣言をする。

 

「それでは、バトル開始!」

 

近衛はそう言うと右手を勢い良く振り下ろした。

そして、穂乃果と小宮の6vs6のフルバトルが始まった!

 

 

 

 

 




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