Fate/night of Apocrypha   作:完全院

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灰の陣営

我々、灰の陣営は冬木潜入前に落ち合う事は事前に連絡済みだ。

場所は東京都の秋葉原の特に人気のあるコスプレ喫茶。

理由は単純に日本人離れしたメンツにそれぞれの服装が独特である為の配慮だ。

獅子郷さんや、蒼崎燈子、エルメロイ君はまだいい。

オルガマリーもギリギリセーフだとしよう。

しかし、ダーニックの正装はもう完全にコスプレだし、カレンに至っては戦闘服で来る始末。

クールに澄ました顔してる割にはノリノリですね。

……………個室にしといて良かった。

 

「今回、灰の陣営を取りまとめ役を担わせて頂くサザール・オッズマンだ。サーヴァントのクラスはランサー。真名はエルキドゥ。今回の戦争の最大の不安要素であるアーチャー・ギルガメッシュを抑える役割を担っている。すでに聞き及んで理解されてると思うが冬木のマスターが開幕早々同盟を組み緊急時のシステムである追加召喚が行われた。更にルーラーの召喚も確認されている。言っておくがルーラーは戦争の調停役を担っている。こちら側から敵対行動をしなければ攻撃される事はまずない。そして、開幕早々敵対者同士であるはずのマスター達が同盟を組んだ。大聖杯に異常が見つかった可能性が大いにある。それの解明と対処が参戦に対する前提条件だ。それをくれぐれもそれを忘れないでくれ。

 

ーーーーーーさて、状況の説明も終わった事だし自己紹介をしよう。これから背中を預ける者の名前を知らないのは嫌だろう?」

 

「では、私から。

 

カレン・オルテンシア。聖堂教会より監督役として参戦します。サーヴァントはジャック・ザ・リッパー、アサシンです。」

「ママ、あの人殺しちゃダメ?」

銀髪ショートヘアの幼女は俺を見ながらナイフを取り出す。

「まだダメです。お仕事が終わってからなら構いませんが。まだダメです。」

胃が痛い上に頭が痛い。カレンめ、なに殺人幼女呼び出してるんだよ。しかも、「まだ」を強調するあたり「いつか」やらせる気だな。痴女母k………………

「なにか?」

オレハナニモオモッテマセンヨ。

「では次の方に自己紹介をしてもらいましょうか。」

 

「蒼崎燈子。サーヴァントはヴィクター・フランケンシュタインの名もなき怪物。クラスはバーサーカー。取り敢えず呼ぶ時はフランか、クラス名で呼んでやってくれ。フランケンシュタインと呼ばれるのは不快らしいのでな。」

「ウゥゥゥゥゥ…………」

やはり、フランちゃんは可愛い、フランちゃんは正義。と考えてると蒼崎がニタァっと笑みを浮かべ口パクで何かを伝えて来る。

<ロ・リ・コ・ン>

断じて違う。

(マスターが望むなら、あの姿になっても構わないよ。お代は高くつくけどね。)

(……………やめておく。)

悩んでしまった。くそう、これじゃ言い逃れはできないじゃないか。

 

「獅子郷界離だ。クラスはセイバー、真名はモードレッド。一次的な同盟だがよろしく頼む。」

おお、反逆の騎士とはありがたい。向こうに青王がいるのは確実だからな。どの王様か、までは分からなかったけど第四次の災害が起こってるということはいるのは間違いないだろう。すごくありがたい。モードレッドだけならば。

 

「ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア。アーチャー・トリスタンが私のサーヴァントだ。」

そうなのだ。あのヒトヅマニアの片割れのアノ、トリスタン郷だ。そして今尚、俺とモードレッドに殺気を送ってる張本人だ。聞いた話によるとダーニックが使った触媒で獅子郷さんが召喚を行いその時にモードレッドがその触媒である円卓の欠片を踏み砕いてしまったのだ。

胃が痛い。仲間同士で殺し合いとかマジでやめてくれないかな?そういうのはジャックちゃん一人で間に合ってるから。

 

「エルメロイ二世だ。そしてこの方が「征服王イスカンダルだ。余は嬉しく思うぞ。この戦争で一時的にとはいえ余の幼き頃の夢を叶えられるのだからなぁ。」ハァ…………」

第四次の一騎がいるのはありがたい。そしてこのまま指揮権を渡して逃げてしまいたい。この王様ならきっとこの亀裂と爆弾だらけの陣営をうまく纏められるだろう。しかし残念かな、それをしてしまうと今度は協会の方から首を切り落とされかねない。なぜなら、英雄王の足止めはエルキドゥにしかできない。

 

「オルガマリー・アニムスフィアです。未熟ながらキャスター・ソロモンのマスターとして最大限努力しますのでよろしくお願いします。」

この礼儀正しい上に出来る女モードの彼女は別世界ではカルデアの所長を務めるオルガマリー・アニムスフィア本人である。彼女がチキンを発動してないのは単に後方支援中心のキャスターのクラスである事、グランドクラスのソロモンを引いた事、そして連れ出す際にアニムスフィア郷にこの戦争中は必ず彼女を守り通す事をセルフギアススクロールにて誓わされたからである。

胃が痛い。どうしよう?人理消滅とかしないよね?お兄さんというかおじさん心配で頭が割れそうだよ。

 

「よし、自己紹介も終わったし、そろそろ解散しようか。明日から冬木に潜入後すぐに拠点を作り調査を始める。」まずは、大聖杯があるあの洞窟からだな。アンリマユ君が居てくれればいいんだけど。正直このSN世界線が転生者によるものだったとか笑えないし。転生者同士でうえきの法則の様なバトルとか嫌すぎる。


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