ニードレス・オーダー 【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】   作:概念

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ご迷惑をおかけしました!

※8/7 22:50 改行の修正を入れました
※8/8 6:30 ティオナ→ティオネの間違いを修正しました


03.

団長に紹介すると言われてついて行った道中の二人は凄まじいの一言。

 

会話はほとんどなく捕虜のような気分だったことはこの際置いておこう。

 

襲われることは少なかったが出てきたモンスターはそのほとんどが一撃で塵にされていた。

 

表情もほとんど動かすことはなく、流れ作業に近い感覚なのだろう。

 

こう言う光景に何か見覚えがあると思っていたらそれはいつもの特異点での戦闘風景だった。

 

指揮をとる必要すらない障害に対しては英霊が個々に対応していく。

 

その時もこんな風景を見ていて同じような感想を抱いていた。

 

それにしても英霊じゃない人が此処までの力を持てるって一体…

 

合流地点に到着すると5人の武装した集団が集まっていた。

 

武装と言ってもそんなにゴツゴツとした装備ではなく比較的軽装だ。

 

比較的と言うか目のやり場に困るような女性たちもいるが…

 

「おかえりーアイズ、ベートは帰ってこなくても良かったのに。」

 

「あぁ!?うるせーぞバカゾネス、テメェは悪口しか言えねぇのか!」

 

「ベートだけにはねー」

 

なにやらすごい険悪なんだけど

 

「おかえりアイズ、その人は?」

 

目のやり場に困る人その2が俺に気づいたらしい。

 

「その事で、団長に話が…」

 

なにも予兆は無かった。

 

しかし突然、壁が裂けた。

 

崩れるわけではなく裂けたのだ。

 

その中から音もなく人ほどある大きさのアリがその鋭い顎を開きながら現れた。

 

この後に起こったことはこの先、いやもしかしたら一生後悔する事になるかもしれない。

 

さっきと同じように足はもう動いていた

 

アリの狙いは『1番幼い男の子』

 

まだ間に合う!

 

そう思い決死のダイブを敢行するっ!

 

が俺が飛んだと同時、男の子も動いていた。

 

持っていた身の丈以上ある槍を素早く構えアリを一突き。

 

それだけでアリは塵へと変わっていた。

 

残されたのは…

 

慣性の法則に従って空中に浮かぶ惚けた顔をした俺、その先にいる驚いた顔をする男の子。

 

結果は当然…

 

ドンガラガッシャーン

 

男の子もを巻き込んで派手に転がってしまう。

 

「いたた、大丈夫?」

 

「僕は大丈夫だが…」

 

「ゴメン、余計な事したみたいだ。君は俺よりずっと強いんだな。」

 

ナデナデ

 

いつもマシュにしているようにその子の頭を撫でていた。

 

「「・・・・・・・!?」」

 

俺とその子以外の空気が凍りついてることも知らずに。

 

「な、な、な…」

 

「ははっ、君は頭を撫でるのが上手いね。」

 

「おう、これは俺の二つと無い特技だからな。」

 

やっぱり人の頭を撫でてる

 

ビュォン!

 

と和むなー…え?

 

何かが顔のすぐ横をかすめていった

 

「おい…その汚い手を団長から退けろ…っ!」

 

右頬に熱い感触

 

手を当ててみると血が出ていた

 

「ヤバイヤバイヤバイ!ティオネがキレた!」

 

「あわわわわわ…」

 

「誰か止めろぉ!死人が出るぞ!」

 

「止めるって誰がっすか!?」

 

騒然とする周囲。

 

一歩、一歩と此方に歩んでくる『恐怖』

 

「退けろって言ってんだよこのッ…」

 

目の前に迫る拳

 

あ、これ俺死ん…

 

「ティオネ、やめるんだ。」

 

その一言で拳が 鼻先で止まり風圧だけが自分の顔を叩いた

 

「でも!」

 

「僕の事を心配してくれたんだね、ありがとう。でも僕にだって善意と悪意の判断ぐらい出来る。この子に悪意はないよ。」

 

何がどうなってるか理解が追いつかない。とりあえず、生きてて良かった…

 

「立てるかい?」

 

そう言って手を差し伸べてくれる男の子。

 

軽く服についた土埃を払ってからその子はアイズに向き直る。

 

「アイズ、この子は?」

 

「ミノタウロスを掃討した後に出会った人で…名前はフジマルリツカ、記憶が無くなってなにも知らない…らしい?」

 

「胡散くせぇ野郎だからフィンの所に連れてって判断仰ぐかって話になったんだよ、団長様。」

 

ベートはニヤリと笑いながらそう告げた。

 

団長と呼ばれた男の子はフムと少しだけ考えるとこっちに向き直る。

 

「申し遅れたね、僕の名はフィン・ディムナ、僭越ながらロキファミリアの団長をさせてもらっているものだ。」




ライブ、楽しかったです(やはりプリパラは信用できるコンテンツ)

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