僕の家族が全員殺された。
僕の家族は皆強くて決して弱くなかった。
けど、死んだ。
「君も標的だから殺す・・・!」
「・・・」
僕もこれから殺される。それは、変わらない事実だし、変わらない未来だ。僕は言われるがままに目の前に立つ、美少女に殺されるだ。悪くない人生だったかな。
首に冷たい刃先が当たる。
「葬る」
瞬間僕の首は半分切られ、赤い血と共に意識が途絶えた。
◆
体が暖かい、ここが天国? それとも地獄かな? 地獄ならこんなに歓迎されていないか。
「死ぬにゃ、ちっと早すぎんじゃないのかい?」
「貴方は?」
僕は硬いベットから立ち上がるとそこには、白髪の身長約
170cm前後の男の人が椅子に座りながら僕を見ていた。
「私かい? ふっ・・・良くぞ聞いてくれた!」
いいから早く言えよ、本音が漏れてしまった。焦らしプレイは嫌いだ。
「私の名前はリイナだよ・・・よろしくなのかな?」
「はいはい、よろしく」
「君は?・・・待って思い出す・・・」
リイナは僕の前で顎に手を置いて考えだした。
ようやく思い出したのか、「あっ」と言葉を出し。
「君は確か・・・シナ君だっけか?」
「なんで知ってるか分からないですが正解です・・・」
この人とは前から会っている? かは知らないけれど・・・この人はあの
「リイナさんひとつ聞いて言いですか?」
「一つと言わず沢山聞いてくれたまえ」
僕は首の辺り触りながらリイナさんに低い声で聞く。
「僕は何で生きてるんですか・・・?」
「何でだと思う?」
その疑問にはどこにも答えは無かった。僕が知っている限
りでの話だが。
「正解はね~魔法だよ~」
魔法と言う言葉を聞き、この人本気で殴ってやろうかと思ったが、リイナさんがある物を見せた時それは確信に変わった。
「まさか・・・帝具・・・?」
「あーれー? なんで知ってるの? もしかして君も魔法使いなのかな? 」
リイナさんは小指に着いている指輪型の帝具を僕に見せつけながら言った。
「そう、私の帝具『死霊(アンデット)』だよ」
僕が何で生きているのかを大体把握出来た。この人はこの帝具を使い僕を蘇らせたのではなく、操っているんだ。
「貴方は、僕を自由に操れる…僕をどうする気ですか?」
「別に、どうもしないって…ただ同情してあげたんよ!」
薄気味の悪い笑い方で僕の方を見てリイナさんは笑った。
同情か…されるくらいならあのまま綺麗に死にたかった。
「私が同情してあげたってことはそれなりに目的があるんだけどね」
目的? 一生下僕とか、死ぬまで奴隷とか?
下僕と奴隷はあまり変わらないか…?
「目的…何? 僕に何かしろっていうの?」
「私のためではなく、君のためだよ…どうだい? あの黒髪美少女ちゃんを殺したいと思わないかい?」
美人のあの人を僕が殺す…!?
そんなこと考えてもいなかったし、思って見なかった。
僕は、聞いてみる…
「僕が、殺せるの?」
リイナは笑顔を作り、高めのトーンで答える。
「それは、君次第だよ」
その、一言で僕は目標を生み出した。
「殺す…いや、殺したいと!」
「うん、その一言がき聞ければ安心だ」
こうして、僕は新たな生きる目標を見つけた、いや、みつけさせられたのかもしれないな…この人に。