ちょっと田舎で暮らしませんか?   作:なちょす

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皆さん、こんにチカ。
溢れ出るなちょすが止まらない、パトスです。
失礼、噛みました。
全国のリトルデーモンの皆さん、G'sは買いましたでしょうか。ヤバイですね、よっちゃんポスター。推しがどうとか関係無しに堕天しかけました。
ちなみにパイちゃんの武道館にも行ってまいりました。まさかスノハレが…ノーブラが…また聴けるなんて思わなかったです(泣)えみつんパイちゃん、ありがとう…。

それではちょ田舎第9話、どうぞ!


夏の終わりと線香花火

夏祭りの日が終わってから4日たったある日。

3人の少女が僕の家に来ていた。

 

「みかん…。」

「堕天…。」

「ハグぅ…。」

 

あぁ、可哀想に…こんなに疲れきってしまって…。

きっと激闘が繰り広げられたのだろう。だからこそ僕は皆に尋ねる。

 

「終わったの?課題。」

『終わるかぁーーーーーーーっ!!!!』

 

絶賛夏休みの課題中。

あるよねぇ…誰しも若いうちは必ずやるよ。

このやり取り今日3回目だけどね。

 

「もー!なんで夏休みなのに課題なんてあるのーー!?」

「そりゃ学校だもの…でも意外だな、てっきり補習してた3人かと思ってた。」

「ナツ…曜はね、裏切ったんだよ…。」

「そうよ、てっきり身も心も堕天したと思ったのに…。」

「善子ちゃんはまたなんで?」

「灼熱の炎の中、このヨハネと相なる存在達が闇より現れたのよ!」

「夏の間に見たいアニメとやりたいゲームが沢山あったと。」

「ナツ良くわかったね。」

「そりゃあ…なんで分かったんだろ??」

「ナツ君お腹空いた〜…。」

「ヨジデーならあるけど。」

「何それ?材料は?」

「ヨジデー。」

「あんた最近グル〇ル見たでしょ…。」

 

面白いよね、グ〇グル。

まぁ冗談はこの辺にしておいて、理事長に直々に頼まれてるからちゃんと進めてあげないと。

でないと新学期早々ダイヤちゃんのお叱りが飛んできちゃうからね。

何故か僕も。

 

「もう少ししたらご飯にしよう。だから後ちょっとだけさ?」

「む〜…ナツ君の鬼ぃ…。」

「悪魔ぁ…。」

「堕天使ぃ…。」

「いや堕天使がそれ言っちゃうかい?」

 

ん〜、参ったぞ。どうにかしてやる気を上げて欲しいけどんだけどなぁ…。

鞠莉ちゃんにやったやつが効くかな。

 

「じゃあ皆が取り敢えず一教科終わらせたら好きに甘えさせてあげ『やる!!///』Oh…。」

 

食い気味で返事が来た。

皆物凄い勢いで課題を進めていく。最初からこうだと有難いんだけどなぁ…。

てか、好きに甘えさせるって言ったけど皆顔がマジ過ぎるよ?

 

「あ、あの〜…好きにって言ったけど出来る範囲で…。」

『………!!』

 

あ、全然聞こえてないやつだ。えぇいなるようになるさ!

夜道には気を付けよう。

 

「…で、こうなると…はは。」

「…別にいいじゃない///」

 

膝の上で頭を撫でられながら善子ちゃんが言う。

 

「そうそう、減るもんじゃないし♪」

 

後ろから抱きつきながら果南ちゃんが言う。

 

「課題も一段落したから休憩ってことで!おいし〜!!☆」

 

僕がみかんを食べさせてる千歌ちゃんが言う。

絵面ヤバイよね。JKを手懐けてる22歳社会人男。

明日の朝刊の一面飾ったりしないだろうか…。

 

「もう夏休みも終わりかぁ…。」

「ナツと出会って肝試しをして祭りに行って。」

「結構色んなことしたわね。」

「でもでも!最後に皆で思い出作りたくない!?」

「どうしたの千歌ちゃん?藪からスティックに。」

「突っ込まないよ?まだあれをしてないんだよ!」

「あれって…何かあったっけ?」

「あれだよあれ!夏の風物詩といえば??」

『あ、あぁー…。』

 

 

 

「で、今日は花火なんだね。」

「Oh,Fireworks!!マリーの熱いpassionもすこぶる滾ってきたわ!!」

「でもさ…買いすぎじゃない?」

 

そう、手元にあるのはお得パックの手持ち花火5つにネズミ花火、パラシュート、線香花火…あと何故か打ち上げ花火。

 

「こんなに使いきれるかな…。」

「大丈夫じゃないかな?よっちゃんとか絶対8本ぐらいでやるだろうし。」

「ギランっ☆ 」

「花火やるのって、なんだか久しぶりだね花丸ちゃん!」

「そうだねルビィちゃん!中学校ぶりくらいずら?」

「でも打ち上げ花火なんてどこでやるんですの?」

「No problem!!もう使用人が船で待機してるから☆」

「これだから金持ちは…。」

「まぁ、プライベートビーチ付きの別荘の段階で薄々感じてましたが…。」

「でも本当に貸切でいいのかい?急だったし家の人も大変だったんじゃ…。」

「いいのよ、どうせ使ってなかったし。そ、れ、に!皆でhappyな事した方が一石二鳥じゃない!!♪」

 

それもそう…なのかな?持ち主がいいって言うならいいのかもしれないけどやっぱり気にはしてしまう。

いや、僕だけか?皆楽しんでるし僕だけ気にしてるのか?

歳なのか…?。

 

「じゃあ最初は何からやろっかー?」

「よーちゃん、よーちゃん。ちょっとこっちに…」

「ん?どうしたの?…ぷふっ!いいねそれ!!」

 

千歌ちゃんと曜ちゃんが、顔を赤くしながら歩いてくる。

 

「ね、ねぇナツ君…?///」

「私達さ…その…ナツ君に渡したい物があって…。///」

「ん?なんだい??」

「はい、これ!」

「え?」

「ネズミ花火!」

「は?」

「「ファイヤーーーーーー!!!!!!!!!」」

「どわぁああああああああっ!!??」

「「あはははははははははっ!!!!!!」」

 

可愛い顔してやる事が怖すぎる!!

足元に6つ投げるとかヤバいってあっつ!!!!

この数年で一番変な声出たよ…。

 

「いやー笑った笑った!!」

「ナツ君ゴメンね〜♪」

「ふ…ふふふふふ…。」

 

この幼馴染たちは…本当に…貰ったものには『お礼』が必要だよね☆

 

「ナツ君…その持ってるのって…。」

「ま、まさか…!」

「考えてる事は、一緒だよ?♪行け!チューチュートレイン!!」

「「わぁああああああああっ!!!!」」

「Oh!とってもCRAZYな遊びしてるじゃない!マリーも混ぜて〜!」

「ラグナロクの開戦のようね…!ヨハネ、参戦!!あっつ!?」

 

こうして3人から始まった第1次ネズミ大戦は、9人全員を巻き込む形で拡がっていったのだった…。

ネズミ花火は人に投げるものではありません!!

 

「つ、疲れたずらぁ…。」

「花火してたはずなのに…なんでこんな…。」

「あはは、私は楽しかったよ?♪」

「どこぞのシャイニーが…投げすぎなんですわ…。」

「まあまあ、ここらでひと休憩にしましょう?」

 

そういうと鞠莉ちゃんは懐からトランシーバーを取り出した。

 

「ハーイ、私よ。そろそろお願いしていいかしら??」

『畏まりましたお嬢様。』

 

次の瞬間、目の前の海から轟音が鳴り響く。

 

『わあーーーーーっ!!』

 

夏の夜空に咲いた大輪の花。

この景色を見てるのは、今ここにいる僕達だけ。

それだけでこの時間が特別なものに感じた。

 

「……。」

「梨子ちゃん、泣いてるの?」

「あはは…なんだか夢を見てるみたいで…こんな近くで見た事無かったし、千歌ちゃんも曜ちゃんも…皆も近くにいるから…。」

「梨子ちゃん…。」

「TAーーーーーMAYAーーーーー!!!」

「今なんて言ったの!?」

「あら?日本だとこうやって言うんじゃないの??」

「そんなネイティブな発音で言いませんわ!」

「綺麗だねぇ…。」

「ふふ、この大輪の花はヨハネの美しさを彩るのに相応しいわね。」

「…ねぇ、ルビィちゃん、善子ちゃん。まる達、ずっと一緒にいようね。」

「何よ、突然。」

「えへへ、何か言いたくなっちゃって…。卒業までよろしくね?」

「…馬鹿ね、ずら丸は。卒業までなんかじゃ足りないわよ?」

「ずっと、ずーっと3人で一緒にいようね!」

「…!うん!!」

 

打ち上げ花火。

人が作り出した想いを乗せた華。

それは、心を写すものだと思う。

この場所で同じ空を見上げる僕達の気持ちは、きっと1つだから。

 

 

 

「さぁ、そろそろ締めに入りましょう!♪」

「いよっ!待ってましたぁ!!」

「線香花火大会ーーーっ!!」

「大会なの?これ…。」

「ずっと思ってたんだけど、なんで線香花火だけ他のより少ないの?」

 

確かに他のが5袋とかだったのに線香花火は1袋しかない。

 

「ん〜、なんでだろ?買う時にこれだけ一つで良いかなって思ったのよねぇ…。」

「じゃあそういうものなんじゃない??」

「さ、準備してやろうよ!もうワクワクしてきちゃった!」

 

皆で円になって線香花火に火をつける。

 

「あ!落ちちゃった!」

「ルビィも…。」

「ふふ、まだありますからのんびり楽しみましょう?」

「おぉ!ナツ君長持ち!」

「ふふん、これだけは自信あるからね〜。」

 

皆でやった線香花火。どれだけやっていただろうか。

それぞれが手に持っているのが最後の一本になった。

 

「これで、本当に終わりだね。」

「ちょっと寂しいずら…。」

「またみんなでやりに来れば良いじゃない。何度でも。」

「それじゃあ着火!」

 

花火が火花を散らしてる最中、ルビィちゃんが口を開く。

 

「ルビィ、昔は線香花火ってあんまり好きじゃなかったなぁ。」

「What?どうして??」

「落ちちゃう瞬間にね、皆で遊んだ時間が終わっちゃう気がするの。ずっと続けばいいのになって思ってたんだ。」

「なんだか分かる気がする。時間は有限なんだって教えられる気がするんだよね。」

「…僕は、それでも好きかな。」

「なんでですか?」

「時間は有限で楽しい事には終わりが来て…それでも、今が終わったらまた次の何かが始まる。」

 

季節が変われば、また次の季節が始まる。

そしたらそこでしか出来ない楽しい事が待っている。

自分では怖くて進めない事を後押ししてくれている感じがする。

 

「それに、なんだかスクールアイドルみたいじゃない?」

「スクールアイドル?」

「うん。限られた時間の中で、精一杯輝こうとしてるスクールアイドルに。」

「限られた時間の中で…。」

「精一杯輝く…。」

 

傍から見たら小さな光かもしれない。

けど憧れや夢、強い意志を持ったその光は力強く…確かにそこで輝いているから。

 

『あっ。』

 

そこまで話した時、線香花火が落ちた。

 

「まさか…全員同じタイミングで落ちるなんてね。」

「良いんじゃない?これもAqoursらしくてさ。」

「ふふっ、そうかもね。」

「よし!名残惜しいけど、今日は片付けて終わろっか!」

「ナツ君…!」

「ん?どうしたの千歌ちゃん。」

「ありがとう…なんかね、スクールアイドルの事、ちょっと分かった気がする。どんなに願ったって、3年生の皆は卒業しちゃうし時間も過ぎていって…ちょっと不安だったんだ。このままでいいのかなって。」

「千歌…。」

「でも違うんだよね!だからこそ、駆け抜けるんだよね!私達はAqoursだから…私達らしく最後まで!!」

「そうよ千歌っち!私達はまだまだ現役なんだから!」

「千歌さんの気持ちは、私達にちゃんと届いていますわ。」

「だからちゃんと引っ張っていってよね、リーダーさん?♪」

「うん!」

 

皆と再会して、色々なことを経験してきたこの夏ももう終わる。

けどこれは始まりだ。

次の季節へ。

彼女達の新しいステージへ。

 

「「千歌ちゃん!」」

「「「千歌!」」」

「「「千歌さん!」」」

「すぅ…。1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

「7!」

「8!」

「9!」

「ナツ君!!」

「…10!」

 

『Aqoursーーー!!サーーーーンシャイーーーーーン!!!!』

 

これからはもっとよろしくね、皆。




果「何か始まるってことは、終わりに繋がるだなんて…考えてもみなかった。いや、考えたくなかったんだ…。」

鞠「そんな事言っても課題は終わらないよ?」

ダ「だからこまめにやっておきなさいとあれほど…。」

果「鞠莉、私は鞠莉が大好きだよ。」

鞠「果南…///」

果「だから…課題を見せてくれないかなん?」

鞠「ヤダ☆」

ダ「あと1教科じゃないですか。教えるぐらいはしますから自力でやりなさい受験生。」

果「ぶーぶー!(๑˘・з・˘)」

鞠「ところで次回からはどうなるの?」

ダ「2年生のサイドストーリーを挟むらしいですわよ?」

果「てことは本編まで3つ開くんだね。みんな忘れちゃわないかなぁ。」

鞠「まぁ大丈夫でしょ!それじゃあ、次回のちょ田舎は番外編!」

果「Act.1『普通怪獣の災難?』!」

ダ「Act.2『あなたの胸へヨーソロー!』!」

鞠「Act.3『桜内さんは眠れない』!」


鞠ダ果『あなたも、ちょっと田舎で暮らしませんか?♪』

P.S.感想、評価、UA…本当にありがとうございました…!夏喜達のストーリーを、これからも宜しくお願いします。

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