浪漫の貴公子、なちょすです。(は?)
まずは、投稿がかなり遅れてしまい申し訳ございません。生存しています。
ライブ参戦したり、兄姉と3人で釣り遠征したり、仕事で後輩の面倒を見たりetc...ようやく落ち着いて投稿出来るので、これまで通りのペースで上げていきたいと思います。生暖かい目で見ていただければ嬉しいです。
それではちょ田舎第6話、どうぞ!
『ねぇダイヤ、やっぱり私はいいよ。果南とダイヤの友達でも男の人に会うのは…。』
『大丈夫ですわ鞠莉さん。多分あなたが思ってるような人では無いですから。』
『そんな事言われても…。』
『あれ?ダイヤちゃん、どうしたの?』
『ぴぎゃっ!?あぁ、夏喜さんでしたか。驚かさないでください。』
『ははは、ごめんごめん。そっちの子は…OK分かった。えー、ハロー!アイムNatuki!!』
『あの…日本語話せるんですけど…。』
『うそーん。』
『人の話はちゃんと聞きなさいな…。こちらは小原鞠莉さん。私と果南さんの友達というか、幼馴染みになりますわ。』
『そういう事ね。僕は夏喜だよ。って、さっき言ったか…宜しくね、マリー。』
『マリー??』
『あぁ、嫌だったらごめん!なんかそう呼びたくなったというか、なんというか…。』
『マリー…マリー…うん!気に入った!あなた素敵ね。その呼び方貰ってもいいかしら?』
◇
ここは、Aqoursが通う浦の星女学院。
「もぅ疲れたよ〜…。」
「元はと言えば、貴方が仕事を溜め込んだからじゃないですか。」
いつもと変わらず、僕は今日ものんびりと1日を過ごしている⋯はずだった。
「ダイヤちゃんこの書類は?」
「あぁ、そちらの片付けてねBOXへ。大体あなたはいつもいつも…」
「もう!相変わらずダイヤってば硬度10のプリズムヘッドなんだから。」
「そっちのダイヤでもなければ輝いてもいません!!」
どうしてこうなった…。
〜島原家の朝〜
「いや〜、よく寝た。今日は何をしようかな?」
「することないなら手伝って欲しいなぁ。」
「まぁ手伝えることなら…は?」
「good morning夏喜!!シャイニーな朝はむかえられたかしら?」
「何でいるのさ。」
「ほらほら、早く着替えて学校行くわよ!」
「え、いや、話が読めな───。」
「ま〜り〜さ〜ん!!!」
「きゃー☆鬼が来ちゃった!早く行くわよ夏喜!」
「うわ!ちょ、待って待って!タ゛レ゛カ゛タ゛ス゛ケ゛テ゛ェ~!!」
「夏喜さん、チョットマッテテー!!ですわ!」
「いや狙ってないからねぇええええええ!!!」
とまぁ、半ば無理やり拉致られたのだが…ここ女子高じゃなかったっけ??
「大丈夫ですか夏喜さん?」
「まぁ、振り回されるのは慣れてるから…はは…。」
「貴方も苦労人ですわねぇ…。」
お人好しなのだろう。
「あー!ダイヤばっかりイチャイチャしてずるいわよ!」
「んなっ!?///誰がそんなこと!///」
「赤くなっちゃって本当可愛いんだからぁ☆」
プチンッ
おっと、何かが切れた音がするぞ。
「夏喜さん、あの金髪を黙らせますわ。手伝ってください。」
「は、はい…。」
「ちょっと耳を…。」
「ふむふむ…それでいいのかい?」
「えぇ、十分です。」
「でもあの鞠莉ちゃんだよ?」
「あぁ見えて、Aqoursで1番押しに弱いですから。それに、見たくありませんか?余裕を気取ってる鞠莉さんが真っ赤に慌てふためくところ。」
あの鞠莉ちゃんが慌てふためくところか…ちょっと悪い気もするしそんなの…
「見たい。」
「でしたらお願いしますね。」
はっ!?つい口が!!
まぁ朝から連れ回されたからこれぐらいは許してもらえるはずだよね。
「鞠莉ちゃん。」
「ん?どうしたの夏喜??」
彼女の方へと歩みを進める。
改めて見るとなんていうか…綺麗に成長したなぁ。昔はもう少し幼さがあったんだけど、今では十分1人の女性だ。
「んっんん!!」
「ほら、あんまり見とれてるとダイヤが嫉妬ファイヤーだよ??」
ごめん鞠莉ちゃん、あれは『やっておしまい!』の合図だよ。
指示通り徐々に顔を近づけていく。
「あの、夏喜?顔が近い…よ?///」
「『マリー』。」
「へっ?///」
「髪にゴミが付いてるよ。」
「ありがとう…じゃなくて!!///い、今マリーって…。///」
「ん?昔は良くそう呼んでたじゃないか。」
「そうだけど…///」
さらに顔の距離を近づけると、彼女は小さくビクッとする。
追い打ちをかけるように耳元で囁く。
「ねぇ。」
「ひゃい!///」
「溜まってる仕事全部終わらせたらさ…ご褒美、あげるね。」
「っ!!///」
と、ここまでが作戦だ。何を言うかはアドリブでって言われたからそれっぽく⋯あくまでそれっぽく言ってみたさ。
「よくあんなセリフすらすら出てきますわね…。」
「まぁ、こんな感じのが良いのかな〜って…引かないでくれよ。」
「いえ、引いてるわけではありませんが、貴方の女性に対する接し方に少し寒気がしただけです。」
「そっちのが酷い!?けど、本当にこれで大丈夫なのかい?」
「ふふ、嘘だと思うのなら後ろをご覧なさい?」
そこにはさっきまでのだらけっぷりが嘘のような理事長の姿が。てか仕事早すぎない??
「ほらダイヤ、話してるといつまでも仕事が終わらないよ!!」
「全く、だったら最初からやってくださいな。」
呆れた顔で見つめるものの、どこか嬉しそうな顔のダイヤちゃん。聞いた話だと、3年生は2年もの間すれ違いがあったらしい。
あの3人が喧嘩するなんて考えられなかったけど、きっと2人共今の時間が幸せなのだ。勿論果南ちゃんも。
「ちょっと飲み物買ってくるよ。何か飲むかい?」
「milk teaが良いなぁ☆」
「炭酸でなければお任せしますわ。」
「了解。」
理事長室を後にして自販機に向かう。
玄関先にあるのはどこの学校も変わらないものなのか、以外とすぐ見つかった。
お金を入れて、買おうとした時。
視界が暗転する。
『どこ?〇〇〇、どこー??』
ねぇねぇ、次何食べよっかー?
あ、りんご飴食べたい!
『うぅ、どこぉ…?』
花火楽しみだねー!
目を覚ます。いや、現実に戻った⋯んだよな。
今までよりも頭痛が強くなっている。そろそろなにか起きるっていうことなのだろうか…。
飲み物を買って部屋に戻ると、2人が心配そうにこっちを見ている。
「どうしたんだい?」
「いや、どうしたもこうしたも…。20分も経ってますのよ?」
20分??今まで通りだと一瞬だったはずだ。
「い、いやぁ、初めて来るから迷子になっちゃって…。」
「嘘よ。だったらなんで…泣いてるの?」
「え?」
誰が?僕が?
そう言われて初めて気づく。頬に触れると生温い湿った感覚。泣いていた。
「あ、れ?なんだこれ…?」
「夏喜さん、何かあったのではないですか?」
「私達にも言えない事?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど…言っても信じてもらえるかどうか…。」
「あら、心外ですわね。」
「off courseに決まってるじゃない!」
「貴方は変な嘘をつく方ではありませんしね。」
そうして、内浦に来てから度々起こってることを2人に話した。さっきの夢のことも。
「…なんとも不思議な話ですわね。」
「花火大会で迷子の子供ねぇ…ルビィじゃない?」
「人の妹をなんだと思ってるんですの!?まぁ、迷子になりますが。」
「そういえばそろそろ花火大会ねぇ…何か関係してるとか?」
「0ではないですわね。」
「繋がるかどうかは分からないけど、昔じいちゃんに言われたんだ。『お盆ってのは不思議な日なんだ』って。」
「どんな風に不思議なの??」
「それがよく覚えてないんだ…その頃の記憶がまるっと無いみたいで…。 」
そう、記憶が無い。
忘れてるだけかとも思ったが、その前の記憶は確かにある。その言葉を言われた年の記憶だけが抜け落ちているようだ。
「その忘れてしまった記憶に何かあるのかもしれませんね。ふと思い出したりしないですか?」
「ん〜…ごめん、今は何も。」
「無い記憶がヒントって言うなら今は何も出来ないわね。ここは様子を見ましょう。」
自分で言うのもなんだが、こんな嘘みたいな話を信じてもらえて嬉しくなってくる。
普通だったら寝ぼけてるとか言われたっておかしくないのに…。
「なんだったら、私の家を一部屋貸切にしましょうか!そしたら、マリーが付きっきりで見てあ、げ、る♡」
「鞠莉さんっ!貴方という人はこんな時まで破廉恥ですわ!///」
「ん〜?様子を見るって話なんだけど、何が破廉恥なのかなぁ〜??ダイヤのムッツリさん☆」
「んまーーーーっ!?///」
「ふふっ…あははははは!!」
さっきまでの悩み事が嘘みたいだ。こんなやり取りをしてる彼女達を見てるとなんだかこっちまでおかしくなってくる。
「あら、ようやく笑ったわね!」
「やはり貴方はそっちの方が良いですわ。」
「ありがとう2人共。じゃあ残りの仕事も終わらせ───」
「もう終わってますわよ?」
「…ですよねー。」
「じゃあこのまま駄弁ってましょうよ。どうせ2人共暇でしょ?」
「まぁ…。」
「暇ですけど。」
「はい決定!じゃあ夏喜、ご褒美頂戴!!」
そういえばそんな約束もしたなぁ。
⋯ヤバイ、何も考えてない。
「え、えーと…ご褒美って何あげればいいのダイヤちゃん!」
「はぁっ!?貴方のアドリブなんですから分かるわけないでしょう!」
「ね〜ぇ?」
「いや、思わず口に出たというか…何かないかい??(泣)」
「なんかシャイニー☆って言っておけばいいんじゃないんですか??」
「ねぇってば…」
「扱い雑じゃない!?」
「元はと言えば貴方の口から出た言葉でしょうが!!」
「…ぐすっ。なんで無視するのよぉ…。」
鼻をすする音でようやく2人で事の重大さに気付く。
鞠莉ちゃんを放ったらかしにしてしまった。
泣いちゃってるじゃん!何やってんだ僕は!これ果南ちゃんに見られたら間違いなく『楽しかったね、ナツ…。』とか言いながら夏の終わりを迎えるパターン!!
「わぁああ!ごめんごめん!!無視してたわけじゃないんだ!」
「…もういいもん。夏喜は無視するしダイヤはイチャイチャしてるし…。」
「だっ、だからイチャイチャなどは!!///」
「つーんだ。もう知りません!」
「マリー、ごめんよ。ちょっと御褒美考えてなくてさ…。だから、一つだけ言うこと聞いてあげるよ。出来る範囲でだけど…。」
正直これしか思いつかない。乙女心が難しいのは今までのことで経験済みだから、向こうに任せることにした。
「…何でも?」
「うん。」
「じゃあハグして?☆」
「鞠莉さん、夏喜さんと言えども男性の方にそういう事を要求するのはどうなんですの?」
「だって果南に聞いても真っ赤になって教えてくれないんだもん!!(ドキドキしてヤバイから)ちょっとハグを控えるとか言うし!私は絶対チョロるとか言うし!!」
あぁ〜…あの時のか…。
うん、控えるってことはそうだよね。やっぱりもっとイケメンで男らしい人とハグしたかったんですよね…。
チョロるって何?
「まぁ、僕でいいのなら…。」
「off course!じゃあはい、ハグっ!!」
飛び込んでくる彼女を抱きとめてまず思うこと。
その…胸が…。
いや、なにこれ、果南ちゃんも色々ヤバかったけどそれ以上…?
成長の仕方がワールドワイド!!
「あの〜…マリー?」
「……。」
「鞠莉ちゃ〜ん??」
「……///」
さっきまで元気だったマリーが、真っ赤になって無言で俯いている。
「チョロりましたわね。」
「チョロるって何なの?」
「いえ、こちらの話ですわ。ニブチンには分かりませんので。」
「さっきからちょいちょいキツくない!?」
うぅ、泣きそう…。
「ダイヤも…やってみて…///」
「はぁっ!?///で、出来るわけないでしょうっ!?///」
「良いから!大丈夫だから!!味わっておきなよ!!!」
「ちょっ、そんな押さなくても…ぴぎゃっ!?」
転びそうになる彼女をなんとか抱きとめる。
軽いなぁダイヤちゃん。後綺麗になった。あんなに泣き虫だったのに、The☆大和撫子!って感じだよ。
「な、夏喜さん!///」
「ははは、怪我してない?」
「してませんけど…こんな、抱き…抱きしめ…///」
「あぁごめん、嫌だったよね。すぐに避けるから。」
彼女から体を離そうとした時、きゅっと袖を引っ張られた。
「…別に、嫌なんて一言も言ってないですわ…///」
「あー!!ダイヤばっかりずるーい!!」
「誰のせいでこうなったと思ってるんですの!?///」
「ナツキもデレデレしちゃって!マリーも混ぜてよっ!!抱いて!!」
「いや、その言い方は誤解うぉっ!?」
言い終わる前にもう1人が飛んでくる。
「ん〜!ナツキのここは落ち着くわねぇ…果南の次にだけど☆」
「はは…恐縮だね。」
スクールアイドル2人に男が1人。ん〜、ファンに殺られるかなん??
色々とやってたらもういい時間である。
理事長室にも、下校のチャイムが鳴り響く。
「っと、もうこんな時間ですか。2人とも、準備して早く帰りますわよ。」
「え〜、硬いこと言わないで泊まらない?」
「理事長が何馬鹿なこと言ってるんですか。それに、私達だけ泊まったら他のメンバーからどんな目に合わされるか…。」
「…そうね、帰りましょう。」
Aqoursって上下関係どうなってるんだろう⋯。
「夏喜さんも、よろしいですね?」
「まぁ、朝から色々あったしね…今日は帰りたいかな?てか、女子高にいる時点で大分落ち着かなかったけどね…。」
「あら、そうなの?ナツキの事だから大興奮してるかと思ったのに。」
「僕をなんだと思ってるんだい??」
「とーにーかーく!まだ部外者の夏喜さんが下校時間後に残ってると色々と問題ですから!帰りますわよ!」
「は〜い。」
ちゃちゃっと荷物をまとめて帰る頃、玄関で鞠莉ちゃんに、こっちに来てから仕事はあるのかって聞かれた。
…恥ずかしい話何も考えてない。今はまだ貯金を崩しながら生活してるけどこれから先どうなるか。バイトでもしようかなぁ…。
「夏も後半って感じね〜…。意外と夏休みって退屈だわ。」
「練習もやって課題もやって、やる事はあるでしょう?」
「課題なんて終わってるわよ!果南じゃないんだから!!」
果南ちゃん、そんなとこまで変わってないなんて…可哀想に⋯。
「…むっ。」
「果南さんどうしたずら??」
「なんかバカにされた気がした。」
「じゃあ、私達はこっちだから帰るわね☆」
「2人とも気をつけてね。」
「夏喜さんも、また会いましょう。」
2人と別れる前に、鞠莉ちゃんの携帯がなる。
「んもー、誰よこんな時に!!」
「いいじゃないですか。重大な事かも知れませんわよ。」
「…ダイヤ、これ。」
「?あぁ…。」
怒ったと思ったら今度は2人でニヤニヤしてる。そして鞠莉ちゃんがキラッキラした瞳でこちらを見ている。
「ねぇナツキ、私貴方のメアド持ってないんだけど、教えてくれないかしら??」
「え、でもこの間LINE教えなかったっけ?」
「そうだけど、それじゃあ色々連絡出来ないじゃない。だからお願い♡」
「はぁ…まぁ良いけど…。」
それからアドレスを教えて、その日は本当にお開きとなった。
そして次の日、事件は起こる。
「うーん…バイト、バイト…やっぱり沼津まで行かないとあんまり見つからないかぁ。」
ブーッブーッ
『メールを受信しました。』
「うん?誰だろうこんな朝から。」
『島原 夏喜 様
この度の書類審査の結果、浦の星女学院の用務員兼スクールアイドル部顧問として正式採用となりましたことをお伝えします。新学期からよろしくね♪あ、生徒会長のダイヤはもう知ってるけど、他のメンバーにはまだナイショだよ?マリーとの約束♡チャオ〜!☆ 浦の星女学院理事長 小原 鞠莉』
「…は?」
拝啓 母上、貴方の息子は女子高で働くらしいです。
千「こんにちは!高海千歌です!太陽みたいに輝く笑顔で、皆にハッピーを届けるよ!」
夏「元気だね千歌ちゃん。読者さんが置いてけぼりだよ?」
千「だって私が最初に出てきたのに次回予告は最後なんだよ!?」
夏「唐突だったからね作者さんも。」
千「まぁ良いけど…次回は何の話なのー?」
夏「夏が暑くて蝉がうるさいね、肝試ししようかって話だよ。」
千「もう11月も終わりだよ?」
夏「…そうだね。」
千「雪国生まれの作者が風邪何回ひいたか分からないぐらい寒いんだよ?」
夏「それ以上いけない。」
千「もっとこう…〇〇死す!みたいな感じじゃなくていいの??」
夏「いやいや、バトルものじゃないからね?これ。」
千「次回、アブラゼミ、死す!」
夏「はい、おフザケはこのくらいにして…それでは、次回のちょ田舎!」
千「蝉の唄と!」
夏「肝試し!」
千夏「「あなたもちょっと田舎で暮らしませんか?♪」」
P.S.今更ながら2期最高すぎません?