ちょっと田舎で暮らしませんか?   作:なちょす

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皆さん、こんにチカ。

あんちゃんに手を振り返されて惚れてしまったなちょすです。
もう二日間最高でした。18人の女の子達が、ライバーの為に全力で頑張ってくれてるんだなぁって改めて感じました。
思わず涙です。
本編もまだまだ頑張っていく所存ですのでよろしくお願いします!

それではちょ田舎第3話、どうぞ!


船乗り少女と潜水少女

『みてみてナツ君!うちっちーがいるー!♡』

『曜はうちっちーが大好きだもんね♪』

『ははは、楽しんでもらえてよかったよ。』

『ねーねーナツ、あっちのお魚さんも見に行こうよ!』

『内浦のお魚コーナー?おもしろそう!よーし、じゃあまだまだ皆で水族館を楽しもう!!』

『『おーーーー!!』』

 

 

 

 

 

 

風鈴の音で目が覚める。夏といっても、朝の早い時間はわりと涼しくて、それが少しだけ気持ちいい。

 

「夢…か。最近よく見るなぁ。」

 

皆と過ごしていたころの記憶。それが内浦に帰ってきてからよく夢に見るようになっている気がする。

 

「まだ早いよね。二度寝…やめとこう…。」

 

ここで寝てしまったらきっともう起きれなくなってしまう。

そう思って体を起こそうとすると…

 

 

むにゅ。

 

 

むにゅ?

こんな感触、僕は経験したことがない。

恐る恐るその感触がした右手の方を向く。するとすやすやと寝息を立てる一人の少女が。

 

っていうか曜ちゃんだった。

ご丁寧に右腕をガッチリholdingして。

 

「何故にWhy…?」

 

とりあえずこのヨーソローホールドを外さなくちゃ。余った左手を外そうとすると、

 

 

むにゅ。

 

 

左手は果南ちゃんにしっかりとハグされてましたよ。

え?どうして?そういうお年頃かなん?しかも果南ちゃんに関しては足も絡んでるから左足が全く動かない。

やっぱり右から外そう。

 

「起こしちゃったらゴメンね、曜ちゃん。」

 

 

むにゅっ。

 

 

「んっ…///」

 

 

⋯⋯⋯。

小鳥のさえずりが部屋に響き渡る。

これが朝チュンかぁ。

そしてさりげなく右足に絡んでくる曜ちゃんの足。

これ、高海家の人に見つかったらなんて説明すれば…。

 

 

「ナツ君おっは…よー…。」

 

 

 

\(^o^)/

 

 

 

「ねぇナツ君、朝から3人でなにしてるのかな?」

「待って待って千歌ちゃん、色々と誤解だからっ!!」

 

むにゅん。

 

「んぅ…///」

 

ここでそれはダメだって果南ちゃぁぁぁんっ!!

 

「ふ~ん…本当?曜ちゃん。」

「え”っ曜ちゃん!?」

 

振り向くと少し顔を赤くして服がはだけかけてる曜ちゃんが。

 

「…朝から大胆だねナツ君///」

「そんな服はだけてなかったよね!?」

 

あれ?じゃあ果南ちゃんは??

 

「…ふふっ。」

 

起きてるぅ!千歌ちゃんから見えないからってニヤついてるよ!

えっ、じゃあ僕は最初っから幼馴染ズに嵌められてたの!?

 

「で?最後に言うことはありますか島原さん?」

 

ヤバイ、千歌ちゃん目が座ってる。ここは上手い事言わないと。

 

「えと…2人共とても柔らかかったです。」

 

両サイドが一瞬にしてボンっ!と赤くなる。

これは…やっちゃったかな?☆

 

 

 

「ナツ君の…バカーーーーーーーーーーーっ!!!!」

 

 

 

22年間でいっちばん痛いビンタが飛んできた。

 

 

トロフィーを獲得

朝チュン

曜、果南と朝を迎える

 

カンカンミカン

朝チュンを千歌に見つかる

 

 

 

 

 

 

「朝から酷い目にあった…。」

「ゴメンねナツ君!」

「あんまり気持ち良さそうだったからついね♪」

 

ついね、であんな事件を起こすなんて末恐ろしい…

あの後千歌ちゃんにも「千歌は知りませんっ!」って言われちゃったし。

 

「ところで今日はどうしたの?」

「あれ?鞠莉ちゃん言ってなかったっけ?『毎日交代で面倒見てあげる』って。」

「だから今日は私と曜が来たんだよ。」

「なるほど…。確かに一人だとちょっと大変だし助かるよ。お願いしていいかい?」

「もっちろん!曜ちゃんバリバリ働くよー!!」

「あ、でも朝みたいなのはなるべく控えてね。」

「もしかして、一緒に寝るのとか嫌だった…かな?」

「いや、僕はいいんだけど、幼馴染でもいい男女だからね。ああいう事は好きな人が出来たらやってあげると良いよ。」

 

僕だって男だから嬉しくないわけじゃないけど彼女達には大事にしてほしいからね。

 

「…はぁ。」

「だからなんだけど…。」

「ん?ゴメン何か言ったかい?」

「いーえ!何も言ってませんよ島原さん!」

「乙女心が分からない方には分かりませんよ島原さん!」

 

拗ねてしまった。なんか今日アタリ強くない?

もしかしてこれが巷で噂の幼馴染いびり?

 

「あ、でも感触は柔らかかったよ!」

「「うるさい馬鹿ッ!!///」」

 

そんな会話の後、昼までかかって3人で掃除をした部屋は見違えるほど綺麗になった。

 

「やーだいぶ良くなったね!他に手伝う事ある?」

「いや、荷物が届くのは明日だから今日は特にないかな。」

「あ、じゃあじゃあ久しぶりに水族館行かない??」

「いぇ~い、待ってました果南ちゃん!」

「もしかして『みとしー』かい?」

 

みとしー。伊豆・三津シーパラダイスの事である。

駿河湾に面した水族館で、様々なショーはもちろん、ここにしかいない生き物やタカアシガニとの触れ合い、クラゲ万華鏡水槽は有名だ。

ちなみに曜ちゃんが好きなうちっちーもみとしー出身。

 

「そう!なんといっても今日はうちっちーが来るんだよぉ!」

「あっはは、相変わらず曜はうちっちーLOVEだねぇ~。」

「もっちろん!昔もらった貝殻のブレスレットもばっちり着けてきたからね!」

 

なんだか10年前をもう一度繰り返しているみたいだ。

頭の中、記憶のピースが一つはまったみたいな感じ。そんなことを考えていた時、視界にノイズが走った気がした。

少しだけ、本当に少しだけ頭痛もした気がする。

 

「…なんだ?今の。」

「ナツ君?」

「ボーっとしてるけど大丈夫?」

 

気づいたら二人の顔が近くにあった。結構考えてしまっていたらしい。

心配をかけないように2人の頭を優しくなでる。

 

「わっ、ナツ君くすぐったいよぉ…///」

「ちょっと、どうしたのさ?///」

「ん~?なんだか子供の頃みたいで二人が可愛かったから撫でたくなったんだよ。」

「かっかわ!?///」

「そういう事さらっと言うんだもんなぁ…///」

「ははは、じゃあ準備して出かけよっか。」

 

適当に昼食を済ませた僕達は、みとしーへとやって来た。

ここはこの時期になると家族連れやカップルで賑わう。特にうちっちーが来る日は大盛況だ。

 

「ナツ君、あの魚可愛くない?あ、あっちの魚は笑ってる~!」

「ねえねえナツ、ふれあいコーナーだって!ちょっとこのカニ持ってみてよ!」

「で、デカいな…重っ!?」」

「あっははは!ナツ君しっかり~!」

「ほらほら、男の子でしょ?♪」

 

そういう彼女らは軽々と持ち上げる。僕の筋力って女子高生以下なのか…。

久しぶりの水族館に思わず3人ではしゃぎまくってしまった。

館の終盤まで来た時に、館内放送が鳴り始める。

 

『皆様、本日はみとしーへお越し頂きありがとうございます。今日はうちっちーが遊びに来てくれました!これから係のお姉さんとお散歩をするので、写真を撮ったりいーっぱいお話してあげてくださいね!』

 

「あ!うちっちー!」

 

丁度僕たちの居た場所の近くからうちっちーが出てきた。曜ちゃんは無邪気な子供のように一直線。

やれやれ、と苦笑いしながら果南ちゃんと僕も続く。

 

「こんにちは!」

「わぁ、元気な子が来てくれたねうちっちー!あなたのお名前は?」

「渡辺 曜であります!」

「曜ちゃんって言うんだね!え、なになに?うちっちーが『僕に昔ヨーソローを教えてくれた子だよね!』だって!」

「覚えててくれたの!?」

「ふむふむ、『後ろの子がハグをしに来てくれた果南ちゃん』だって?」

「あ、私も覚えててくれたんだ!」

「今日は後ろの男の子とデートかな??」

「うぇっ!?いや、その…///」

「まぁ、なんというか…///」

 

2人が困ってしまっている。それはそうだ、僕とデートと思われるのも彼女たちにとっても迷惑だろう。

 

「いえ、幼馴染が久々に集まったので遊びに来たんですよ。だから全然デートってわけじゃない「「ふんっ!!」」でふぅっ!!」

 

2人分の足が飛んできた…。え?なんで?選択肢間違えた?

夏喜乙女心分かんない…。

 

最後は皆で写真を撮影してうちっちーと別れた。すれ違いざまにお姉さんに「相変わらずだね。ファイトだよっ♪」と言われてしまった。

あの人どこかで見たことあるような…まぁいっか!

こうして僕達は水族館を後にした。

 

 

 

 

 

 

家に帰ってきた僕達は晩御飯にするために、曜ちゃんリクエスト「ハンバーグ」を作ることにした。

 

「ナツ君、これ私やっておくね。」

「じゃあ私お風呂洗ってくるよ~。」

「ごめんね2人共色々任せちゃって…」

「いいっていいって!もともと手伝う予定だったし!」

「ハンバーグも私が食べたいって言ったからね…。」

 

そういうと2人はそれぞれの仕事に入る。台所には僕と曜ちゃんのふたり。彼女は慣れた手つきで作業をこなしている。

聞くとAqoursの衣装も彼女が作っているらしい。この子に弱点はあるのだろうか…?

 

「曜ちゃんは何でもできるんだねぇ…。」

「あはは、そんなこと無いよ。よくそう言われるんだけどさ、私は別に完璧になりたいわけじゃないから…。」

 

少しだけ曜ちゃんの顔が曇る。きっと彼女には彼女にしかない悩みもあるのかも知れない。

この子の性格からしたら、一人で頑張るタイプなんだろうな。いつもより少しだけ小さく見えた彼女の頭をそっと撫でる。

 

「曜ちゃんは曜ちゃんだよ。ちょっと人より色んな事が出来るだけの女の子。僕にとっては、大切な幼馴染だから。頼りないかもしれないけどさ…なんかあったら頼ってね?」

「えへへ、ありがとねナツ君///」

「それにしても一家に一人は欲しいなぁ、曜ちゃん。いいお嫁さんになれるよ。」

「おっ、おおおおお嫁っ!?///」

 

 

曜ちゃん'sストーリー

「ただいまー。」

「ナツ君おかえり~!上着もらうね。」

「ありがと。明日は休日だからゆっくりできるよ。」

「あ、じゃあご飯にする?お風呂にする?それとも…ヨーソローにする?///」

「…私は朝までキャプテンと航海の旅に出たいであります。ご一緒してもらってもよろしいですか?」

「ヨ、ヨーソロー…///」

 

 

「はわわわわわわわ/////」

 

 

はわわわ言い出してしまった。どんな妄想してるんだろうか。

 

「曜ちゃん?」

「無理無理無理、恥ずかしすぎるよぉ…///いや、そもそもなんでこっち方面で考えてるのさ私!!」

「渡辺さーん。」

「う~、ナツ君が変なこと言わなければ良かったんだよぉ…顔見れないよぉ…///」

「よーうちゃんっ!」

「わひゃっ!?」

 

可愛らしい声をあげて尻もちをついてしまった。

 

「大丈夫?そろそろ果南ちゃんも来るからパパッと作っちゃおうか。」

「あ、うん、そうだね!…あれ?」

「どうしたの?」

「腰、抜けちゃった…。」

「……。」

「……。」

「…ふふっ。」

「あ"ーーーっ、笑ったぁっ!!!///」

 

そんなになるまで考え込んでたのが可愛らしい。なんだ、やっぱり普通の女の子じゃないか。いや、普通よりもだいぶピュアッピュアな子だ。

 

「あっはは、後は僕がやっておくから居間で休んでていいよ。あ、動けないのか…ちょっと失礼するよー。」

「え?うわ!ちょちょ、これってお姫様…///」

「曜ちゃん軽いね。夏喜ビックリだよ。ちゃんと食べてる?」

「食べてるよ!てか恥ずかしいよ!てかもう大丈夫だよ!///」

「はいはい、そのまま大人しくしててくださいよー。」

「たっだいまー…って、どういう状況?」

 

風呂掃除を終えた果南ちゃんが苦笑い。確かに傍から見たらイチャついてる様にしか見えないねこれ。

視線が痛い。

 

「ナツ、なにしたの?」

「いえ、私はただ声をかけただけであります!!けっしてやましい事はしてません!」

「あっはは、まぁ大方妄想トリップした曜がビックリして腰抜かしたんだろうけど。」

「エスパー?」

「何年幼馴染してると思ってるのさ。ほら、後は私が引き継ぐから曜を置いといで。」

「あぁ、ありがとうね。」

「にひひ、それにしても曜ちゃんは腰抜かすぐらい真面目にどんなことを考えてたのかなぁ…?♪」

「うぅう…///」

 

曜ちゃんは体育座りのまま手で顔を隠してしまっている。耳は真っ赤っかだけど。

 

そんなことがありながらも、なんとか夕食を食べ、しばらく居間でくつろいでいた。

曜ちゃんはよっぽど疲れたのかうとうとしていたのでベッドを貸して先に寝させてあげた。

 

「曜ちゃん、楽しそうだったね。」

「久々にナツに会えて嬉しかったんだよ。私もだけどさ。」

 

そういうと果南ちゃんは右肩に頭を乗せてきた。少しほっぺを膨らましてるのは気のせいだろうか?

 

「どうしたんだい?」

「別にぃ…ただ私がお風呂掃除してる時に随分楽しそうだなぁって思っただけ。」

「…もしかして寂しかった?」

「うるさい。///」

 

この子もスキンシップをよく取ってくる方だけど、今日は曜ちゃんもいたからひょっとしたら我慢してたのかもしれない。

 

「ねぇ果南ちゃん。初めて会った時のこと覚えてる?」

「10年前のこと?」

「そう、果南ちゃんがハグしよ、って言って抱きついてきたこと。」

「よく覚えてるねそんなこと。///」

「そりゃもちろん、大事な思い出だからね。」

「ん、そっか…。」

「いいよ、今なら思いっきり甘え倒して。夏喜君は何でも要望に応えましょう。」

「…じゃあ…ハグ、しよ?」

 

彼女が正面に回ってそっと抱きついてくる。この年になるとハグも別の意味に感じて変に緊張してしまう。

けど彼女も緊張してることは、心臓の鼓動で伝わってくる。

 

「ヤバ…男の子の身体だ///」

「そりゃ10年も経ってますから。果南ちゃんもその…すごい当たってる…。」

「ん?なに…が…あっ///」

 

流石に気づいたみたい。

 

「ナツのエッチ///」

「ごめん!ちょっと離れようか?」

「ううん、今はもう少し…このままで…。」

 

それからどれだけそうしていただろうか。安心したのか満足したのか果南ちゃんはすやすやと眠ってしまった。

曜ちゃんが寝ている布団まで運んでいく。こんなにはしゃいだのは僕も久しぶりだったかもしれない。

今日はどこで寝ようかな、なんて考えていると服の袖を果南ちゃんがきゅっと掴んでいる。

 

「ん…ナツ…君…。」

 

隣からは曜ちゃんの寝言。

あぁ、今日は離れられないなぁ。

そう思いながらも昔に戻ったみたいで、実はちょっと嬉しかったり。

 

布団の端っこにお邪魔して、今日も1日を終えるのだった。




ル「み、みなしゃんこんにちは!えと、黒澤…ルビィです…。後書きガンバルビィ!」

花「おはな~まる!同じく一年生の国木田 花丸です!」

ル「どどどどうしよ花丸ちゃん!予告なんてやったこと無いよぉ!!」

花「大丈夫ずらよルビィちゃん、投稿者さんが二人で話してればいいっていってたずら。」

ル「えぇ…それで大丈夫なのかなぁ…。」

花「次回はいよいよオラたちの番だね。」

ル「曜ちゃんと果南ちゃんはお出かけしてたね。ルビィ達はどうしよっか?」

花「せっかくだしオラ達も夏喜さんとお出かけしちゃおっか!」

ル「うん!夏喜さん喜んでくれるかなぁ…♪」

花「それでは次回のちょ田舎!」

ル「文学少女とアイドル少女!」


花ル「「あなたもちょっと田舎で暮らしませんか?♪」」

P.S.イチャコラさせると文章なっが(笑)

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