ちょっと田舎で暮らしませんか?   作:なちょす

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皆さん、こんにチカ。
そしてお久しぶりです、なちょすです。

ちょ田舎放ったらかして何やってたんだと⋯すみません。好き放題やるスタンスでこの作品の結末を考えたてたんですが、改めて沢山の人に見てもらってるって思ったらちょっと怖くなりました。
いけませんね、人の目を気にしやすいってのは⋯。
けどもう大丈夫です。同時連載しまくって逆に吹っ切れました。

それではちょ田舎第22話、どうぞ!


クリスマスライブと秘密の特訓

約束の日。

浦の星女学院スクールアイドル部の部室には、にこちゃんと穂乃果⋯伝説と呼ばれたスクールアイドルグループの元リーダーと部長が居た。

 

幼馴染み達はダンスを踊り、歌を聞かせ、この2人の前で結果を待つ。

彼女達はやりきった⋯ほんの少し緊張はしていたけど、それでも最後まで笑顔だった。

後は⋯答えを聞くだけ。

 

「じゃあ言わせてもらうけど⋯⋯まだ足りないわね。」

「っ⋯そう、ですか⋯。」

「そこの1年生!」

「ずらっ!?」

「ぴぎっ!?」

「よはっ!?」

 

相変わらず特徴的な1年生の子達。

 

「キャラは良いわ。でも動きに少し遅れが出てる。体力作り、もう少し頑張んなさい。次、そこの3年生!」

「は、はいっ!!」

「ダイヤ⋯。」

「ガッチガチね〜。」

「体力的には余裕有りそうだけど、もっと自信持ちなさい。素材はいいし、動きも出来てるんだから。最後に2年生⋯。」

「はい。」

「何に緊張してるか分からないけど、その笑顔をもっと自然に出しなさい。気負う必要なんて無いの。そんくらいで丁度いいのよ。」

「笑顔⋯。」

「でもこれでライブ出来るね、にこちゃん♪」

 

穂乃果が口を開いた。

『ライブが出来る。』

勿論Aqoursの皆はキョトンとしてるけど、これはサプライズとして取っておいた案だったから、知らなくて当然だ。

 

「もう言っていいのかい?穂乃果。にこちゃん。」

「大丈夫!にこちゃん最初からそのつもりだったから!」

「ライブって⋯何の話ですか?」

 

 

「Aqoursに、クリスマスだけのスペシャルライブをやってもらおうって話。やったね、皆。」

 

 

「へ?」

『えぇええええええっ!?』

「うわ、ビックリした。」

「こっちがビックリだよ!!」

「どういう事ですの!?」

「どういうって⋯言葉通りの意味なんだけど⋯。皆にはクリスマスライブをやって欲しいんだ。ラブライブ前に君達が、応援してくれる皆の為に送る聖夜の贈り物。」

「あっはは!ナッツん気取るね〜♪」

「よしてくれ穂乃果。結構恥ずかしいんだ⋯。」

 

Aqoursが駆け抜けてきたこの1年。ずっと側で見届けてくれたこの町の人達やファンに送る、最高のステージ。

彼女達のこの輝きを、見て欲しかった。

勿論こう思うのは僕の勝手な願いだし、我儘にもなってしまう⋯。

だから、これをやるかどうかは彼女達次第。

 

「で⋯どうする?新世代のリーダーさん?」

「にこさん⋯。」

「答えはすぐじゃなくても大丈夫だよ!ちょっと会場設営に手間取ってるしまだ時間もあるから⋯」

「やります!!」

 

憧れを前にして⋯誰よりも輝きを求めた一人の少女は、力強く答えた。

 

「多分⋯今なんです。今やらなきゃ、きっと輝きに届かない気がするんです。それに、皆にまだ感謝の気持ちを伝えられてない⋯だから、やりたいです!やらせてください!」

「⋯⋯ふふっ。そう言うと思ってたわ。」

「準備は私達に任せて、皆は練習がんばってね!あ!千歌ちゃん、連絡先交換しようよ!」

「うぇええっ!?ほ、ほほほ穂乃果さんと⋯!!穂乃果さんと連絡先⋯えへへぇ⋯///」

「千歌っち?その顔人前でしちゃダメよ??」

 

和気藹々と話が進み、これで次の目標は決まった。Aqoursが輝きを掴むために⋯沢山の人達へ想いと歌を届ける為に。

再び笑顔を見せた少女達は、前を向いて歩き出した。

 

3人の少女を除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わった⋯ようやく仕事が終わった⋯⋯。」

 

事務室で進めていた今日の仕事がようやく終わった。何だか今日は量が多かった気がするな⋯まぁ統廃合の件もあるから仕方ないといえば仕方ないし、それが嫌というわけじゃない。むしろ最後の仕事になるんだから、いつもより気を張ってしているぐらいだ。

今日は彼女達の練習も休みだから、穂乃果やにこちゃんと話をした後は各自解散となった。

千歌ちゃんは最後までニヤニヤしてたけどね。

 

「さて、そろそろ帰ろうかな。」

「⋯⋯ナツキ⋯。」

「ん?あれ、まるちゃんにルビィちゃんに善子ちゃん。どうしたんだい?」

「実は⋯お話がありまして⋯。」

 

僕の元へ来た1年生3人組は、あまり浮かない顔をしていた。今日は練習も休みだというのに皆練習着に着替えて、何かあったんだろうか。

 

「ルビィ達の練習を見てくれませんか⋯?」

「良いけど⋯どうしたの?」

「ほら⋯体力が足りないって言われちゃったし⋯。」

「皆の足を引っ張りたくないから⋯練習しようと思ったんですけど⋯。」

「ルビィ達だけじゃどうしたらいいか分かんなくて⋯。だから、μ'sのアシスタントをしてた夏喜さんにお願いしたいんです!」

「皆⋯気持ちは分かるけど、ライブも近いし無理はしない方が⋯。」

「お願いナツキ!アンタしか頼れないの!このメンバーで⋯3年生と活動出来るのも少ししかないから、失敗したくないのよ!!」

「千歌さん達にとっても大事なライブだから⋯まるたちが迷惑かけるわけにはいかないずら!」

 

意志を持った言葉。彼女達は必死に考えて、悩んで⋯全てはクリスマスライブをやりきる為。

残り少しで終わってしまうこの毎日に、最高の思い出をつくる為。

本当にこの子達は、素直で真っ直ぐで⋯優しい子達だな。

 

そんな言葉をぶつけられて断る程、非情な人間じゃないつもりだよ。

だから⋯やる事は一つ。

 

「⋯分かった、やろう。僕で良ければいくらでも手伝うよ。どうせなら他のメンバーを驚かせちゃおうか。」

「ナツキ⋯!」

「ありがとうございます!」

「ただ本番が近いのは確かだから、過剰な練習量はやらないよ?」

「大丈夫です!」

「よし!なら準備運動して場所変えようか。こっちも後は施錠だけだから、皆も準備したら校門で待っててくれるかな?」

「えぇ、分かったわ。」

 

最後の仕事を終えて場所を変えた僕達は、取り敢えず基本的な練習メニューからランニングと筋トレを選んで行うことに。明日は休日だから、彼女達の意思で今日は僕の家に泊まっていくことになった。

筋を伸ばしたりしないようしっかり準備運動をして、Aqoursが練習で走ってるコースをランニングする事になったんだけど⋯。

 

「ゲホッ、ゲホッ⋯!皆⋯大丈夫、かい⋯?結構走って、来たけど⋯!」

「えっと⋯まる達は大丈夫ですけど⋯。」

「あはは⋯。」

「アンタが一番グロッキーじゃない⋯。」

 

3Km弱走ってきた僕の体は既に満身創痍。対する1年生は、多少息が上がってるもののまだいけそうだ。

どうだいこの惨めな姿を。

平均的かと思ってた僕の体力は、この数年で見るも無残に落ちぶれていたよ⋯ぐすっ。

 

「少し休む?」

「いや!これで僕が休んだら皆の練習を見てる意味が無い!大丈夫!最悪這いずり回ってでも付いていくから⋯!」

「ホラー映画じゃないんだから⋯。」

「でも夏喜さんだったら怖くないかもです!」

「笑っちゃうかもしれないずら♪」

「せめて怖がってくれ⋯。」

「走れるんなら行くわよー。」

「あ、待って!待ってください!!」

 

結果───走行距離6km。

いかにこの子達が普段走り込んでるかを、身をもって体験したよ。

ここまで来てようやく皆へたり込むぐらい疲労が来てるけど、僕はもう砂浜にうつ伏せで倒れていた。

 

キッツ⋯。

 

「よし、じゃあ筋トレもやっておこうか!時間も経ってるし、あんまり遅くまでは出来ないけどね。」

「せめて地面から顔を離して言って欲しいずら⋯。」

「動けないんだ⋯もう、今日はここに泊まろうか⋯。」

「馬鹿言わないでよ⋯。」

 

まぁ実際ここでゴロゴロしてても埒が明かない。恐らく明日筋肉痛になるであろうこの貧弱な体にムチを打って、彼女達の筋トレとか見てあげないと⋯。

 

「それじゃあ腕立てと腹筋を軽く50回、いってみようか。」

『ごじゅ⋯!?』

「ん?」

「50⋯ですか?」

「うん。2セットほど。」

「鬼ずらぁ⋯。」

「果南さんとか曜さんが居たら大喜びしてるわ⋯。」

 

そんなに衝撃的な事を言っただろうか⋯?何にせよここで皆にはある程度筋力もつけてもらわないとね。

まるちゃんとルビィちゃん、僕と善子ちゃんに別れてひたすら筋トレをする。

 

「ふっ⋯!うぅ〜⋯!!」

「35。さぁ、あと15回頑張って善子ちゃん!」

「キッツ⋯!」

「ここが正念場だよ。お腹に力を入れて、一気に来て。」

「そんな、こと⋯!言われてもぉ⋯!にゃあっ!!」

 

36回目。

言葉通り彼女は勢いよく来たけど⋯。

 

「⋯えっと⋯⋯36?」

 

オデコがぶつかりそうになるぐらいまで近づいてくるとは思わなかった。

回数だけ伝えると、彼女は両手で顔を隠して砂浜へパタリと倒れてしまった。

 

「あ〜⋯善子ちゃん?ナイス勢い!!」

「うっさい⋯///」

「何2人でイチャイチャしてるずら?」

「してないわよっ!///」

「良いなぁ善子ちゃん⋯。」

 

横の2人から言葉が飛んでくるが、あれはイチャイチャと言えるのだろうか⋯。というかルビィちゃん、良いなぁってどういう事⋯?

 

結局、本格的に暗くなるギリギリまで僕達の秘密の特訓は続いた。明日はダンスも見てまたランニングして⋯いや、その前に筋肉痛が待ってるか⋯。

家に帰る際、軽くランニングして行こうと話していた僕達は⋯この最後のランニングがトドメになることをまだ知らなかった。

 

でもそれは明日の話でしたとさ⋯。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早く早く〜!ラーメン屋さん閉まっちゃうよ〜!!」

「はぁっ⋯!はぁっ⋯!ま、待って〜!!」

「あそこの女の子達も頑張ってるんだから、もっと頑張るにゃ〜!」

「ふぇええ〜⋯あ、あれ⋯?あの子のリストバンド⋯⋯そっか。」

「どうしたの?かよちん。」

「⋯⋯ううん、何でもないよ♪いこっ、凛ちゃん。」

 




鞠「Hello,everyone!皆元気にしてたかしら〜♡」

ダ「長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした⋯。」

果「なんかここに立つのも久しぶりだね。」

鞠「制作上の都合ってやつよ!なんにしても、1年生ってばホントにcuteよね♡」

ダ「ルビィが可愛いのはいつもの事ですが⋯ああいう風に思ってくれる1年生を見るのは、何だか感慨深いですわね。」

果「それだけ皆が成長してるってことだよ。次回は私達なんだから、頑張んなきゃね!」

鞠「次はマリー達とナツキのスイートな1日よ♪」

ダ「自信を持つという言葉を、誰かさんがおかしく解釈してしまったが故に起きた悲しい事件⋯。」

果「うん⋯出来ればさっと見て全部忘れてほしい⋯。」

鞠「まだ気にしてるの?しょうがないわね〜⋯それじゃ、次回のちょ田舎!」

ダ「キャラ作りと!」

果「決め台詞!!」


鞠ダ果『あなたも、ちょっと田舎で暮らしませんか?♪』


P.S.ぷちぐる始めました。海未ちゃん使ってる『なちょす』っていうのがいたら私です。HPT千歌っち欲しいなぁ⋯。

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