あけましておめでとうございまーーーーーす!遅い!
なちょすです!!
ダイヤちゃん誕生日おめでとう!遅い!!
今年も夏喜君共々、皆様のお世話になります。
そしてラブライブ!サンシャイン!!オリジナルストーリー黙々と制作中ですよ!次は異世界でのバトルものですってよ奥さん!
田舎⋯しゅき⋯。
それでは新年一発目のちょ田舎第11話、どうぞ!!
今日は練習が休みの休日。せっかく秋なのだからと、千歌ちゃんの思いつきでそれぞれが秋にまつわる事をする事に。
『秋』。
この季節に、人は様々なものを当てはめる。
例えば芸術の秋。
「梨子ちゃん⋯これなに?」
「え?象だよ??」
「ど、独創的だね⋯。顎から鼻が出てる。」
例えば読書の秋。
「やっぱり本を読むのは落ち着くずらぁ。」
「アンタそれ⋯4冊目?」
「花丸ちゃんは早いねぇ⋯あ、このアイドル可愛い♪」
例えば運動の秋。
「かなーん!パスパース!!」
「よいっしょお!!」
「ぴぎゃっ!?なぜ3人でドッジボールなんですか!!しかも2対1で勝てるわけないでしょう!!」
「ん〜、平和だ。」
秋は基本的に過ごしやすい。空気も澄み渡って空が高く見えたり、暑すぎず寒すぎずで運動に適したり、夜の時間が長くなり始めて読書や音楽に身を委ねる事だってできる。
所謂『天高く馬肥ゆる秋』ってやつだね。
「あ、ナツ危ないよー?」
「へ?うぉあっ!?」
顔面スレスレをボールが飛んでいく。髪の毛が2~3本持ってかれたんだけど⋯。
「し、死ぬかと思った⋯。」
「いや〜、ダイヤがなかなか当たらなくてさぁ。」
「私のせいにしないでくださいます!?」
「出来ればテンション上げて知らせて欲しかったな⋯。」
何を考えてたんだっけ⋯。
あ、そうそう。もうそろそろ野菜の収穫の時期が来る。今年は皆もいるし顔合わせがてら手伝ってもらおう。
「皆ちょっといいかな?」
「ん、どしたのナツ君?」
「芸術の秋、運動の秋、読書の秋⋯でももう一つ、やってないのがあるよ。」
「え?何かあったっけ?」
「ん〜⋯秋はもう満喫してるけどな⋯。」
「食べ物!!食欲の秋ずらぁ!!」
「はい、マルちゃん正解!」
『あぁ〜!』
「ということで⋯実は皆に手伝って欲しいことがあるんだよ。」
「良いよー!時間はあるし!」
「ダイヤに当たらくてマリー疲れちゃったから手伝いの方が良いわ♪」
「私の方が疲れてますわ⋯。」
「でも一体何をするの?」
「僕がお世話になってた人のところに、ね。」
子供の頃、よく爺ちゃんと遊びに行っては野菜や果物の収穫を手伝っていた人。
この町の人達はその人の事をこう呼んでいた。
『タエ婆ちゃん』と。
富士山が良く見える大瀬崎。ここには天然記念物であるビャクシンの樹林が拡がっていて、大瀬崎の先端には伊豆七不思議の1つである『神池』がある。海に近いところで20m、標高も1m程しかなく、海水も入ってくるというのに淡水の池としてコイやフナ・鯰が生息している。このハイテク化が進んだ現代においても、水深が不明と言われている謎の池である。
僕達がやってきたのはその大瀬崎の近くにある少し小高い山だ。
「着いたよ皆。お疲れ様。」
「ふぃ〜⋯バス停から結構歩いたねぇ⋯。」
「くくっ⋯堕天使である私には⋯この程度⋯ふっ。」
「息整えてから言っても説得力ゼロだよよっちゃん。」
「おっきい畑だね!これ全部収穫するの?」
「そうだよ。多分居るはずなんだけど⋯あ。」
畑の中央付近。遠目でも分かる曲がった背中。頭から手ぬぐいを巻いて顎の下で結んでいる、THE婆ちゃん。
10年ぶりに会うその人に声を掛けるために歩いていく。
ヤバい⋯なんか緊張してきた。覚えてなかったらどうしよう⋯。
「タエ婆ちゃん。」
僕の声で、目の前の老人は顔を上げる。しわくちゃでどこか優しげな顔も、あの時とは変わってない。
いや、ちょっとシワが増えたかな?
「⋯ナツ坊かぇ?」
「うん。ただいま⋯タエ婆ちゃん。」
懐かしい呼び名に、ちょっぴり目頭が熱くなったのは内緒だよ?
「あれまぁ、おっきぐなったなぁ⋯。」
「はは、婆ちゃんはちっちゃくなったね?」
「ババはもう年だもの!んにゃ〜元気そうで良かった良かった⋯。今日はどうしたの??」
「もうそろそろ収穫の時期だろうなって思い出してね。手伝いに来たんだよ。」
「助かるなぁ⋯。ところで後ろの子達は?」
「僕の⋯あ〜⋯教え子?になるのかな?皆、この人がタエ子さん。タエ婆ちゃんだよ。」
「は、初めまして!!えと、浦の星女学院のスクールアイドル、Aqoursです!」
「千歌さん、そっちじゃなくて名前の方が⋯。」
「あっそっか!!」
「ふふ、ならばいいでしょう⋯この堕天使ヨハネの名をその身にしっかりと⋯!」
「止めるずら?」
「あっはっは!元気な子達だねぇ。ここじゃなんだし、上がっておいき。何にもないところだけどね。」
「じゃあお言葉に甘えてお邪魔します。」
こうして久々の再会は無事成功し、Aqoursの皆は自己紹介をしながら談笑の時間となった。
「ナツ坊が先生だなんて、何があるのか分からないもんだねぇ⋯。」
「お婆ちゃん!ナツ君の子供の頃ってどんな感じだったの!?」
え⋯。
「そりゃあ勉強が苦手で運動も苦手で爺さんの背中に隠れてる事の方が多かったよ。後は人見知りで照れ屋さんですぐ泣いちゃって⋯。」
「ははは、今のナツからは想像出来ないね!」
「でもちょっと可愛らしいですね♪」
「うぐぐぐぅ⋯!」
なんだこれ!自分の子供時代を幼馴染みJK達にバラされる恥ずかしさ!
野菜の収穫に来たはずなのに僕の恥ずかしい話が彼女達に収穫されてる!!
「でもねぇ⋯優しい子だったよ、ナツ坊は⋯。喧嘩なんか出来ないのに他の子を助けようとしたり、自分の事は後回しにして生き物と触れ合ったり⋯。」
「へ〜⋯ナツ君がねぇ⋯?」
「⋯何だい曜ちゃん?」
「にしし、別に?」
「ボロボロになって帰ってきて、その度に『この子にみかんちょーだい!』って⋯いやぁ可愛かったねぇ⋯。」
「タエ婆ちゃん、ストップ!待って!僕の心が持たない!!」
こっちに帰ってきて初めて自分でも顔が赤くなってると思う。子供時代の話がここまでキツイとは思わなかった⋯!
皆ニヤついてるし!!
「でも今のナツ坊はカッコよくなったねぇ!こんなに可愛い子達に囲まれてるもの。」
『かっ、かわっ!?///』
お⋯標的が変わった⋯!
乗じるなら今のみ!!
「そうだね。幼馴染み達が可愛すぎて辛いよ。」
「そう思ってんなら!!///」
「もっと気付けこのっ馬鹿ナツキっ!!///」
「うぼぁっ!!」
ここでJkからの強烈なボディブローとアッパーのコンボ技!!これには僕も思わずダウン!!
「ずらっ」
「うゆっ」
「あふっ⋯」
純情2人組からの優しいビンタで無事撃沈。
「ナツ坊は昔っから女の子の気持ちがわかってないねぇ。はっはっは!!」
「はは⋯乙女心は難しいね⋯。ところで今日の収穫分はどうすればいいかな?」
「そうだねぇ⋯これだけいたら半分くらいは出来そうだね。」
「よし!じゃあ皆婆ちゃんと野菜の収穫だ!」
『おーーー!!』
婆ちゃんの畑にやってきた僕達はグループに分かれた。
トマトやナスを収穫する1年生チーム。
ミカンやキノコ類を収穫する2年生チーム。
カボチャやジャガイモを収穫する3年生チーム。
ちなみに僕とタエ婆ちゃんは、収穫しながら他のチームの手伝いをする事になってる。
昔僕がタエ婆ちゃんから教わったそれぞれの収穫方法を皆に教えると、飲み込みが早くてすぐに実践してくれた。
作業開始から20分。ちょっと皆の様子を見てみよう。
「おーい皆ー。」
「あ、ナツキ。」
「順調かい??」
「もっちろん!順調ずら!!」
「虫に触れなくて泣きついてきたのに良く言うわね。」
「善子ちゃんだって半べそかいて夏喜さん探してたずら。」
「ううう、うっさい!!///」
「あはは⋯でも結構取れたね♪」
「うん、皆飲み込みが早くて助かるよ。もう少しで休憩だからお願いね。」
『はーい。』
いや〜やっぱり1年生チームは良いね。素直な妹感が滲み出てる。
いや、他の子達が素直じゃないってわけじゃないよ?甘やかしたくなるやつだよ?
⋯何を考えてるんだ僕は。
次は2年生チームか。多分だけど⋯梨子ちゃん曜ちゃんがくろうしてるんだろうなぁ。
「あ!ナツくーん!!」
「ちょお!千歌ちゃん危ないって!!」
「ハシゴがぁ!ハシゴがぁっ!!夏喜君手伝って!!」
⋯やっぱり。
「ねぇねぇナツ君このミカンすっごい美味しいよ!!」
「そうかい?でもその前に2人に言わなきゃいけないことあるんじゃない?」
「うっ⋯ごめんなさい⋯。」
「次からは気をつけてね?」
「わりと本気で焦ったよ⋯。」
「ははは、まぁ怪我がなくて良かったよ。ところで2人はミカンを食べたかい?」
「ううん、食べて無いよ。」
「そっか⋯じゃあミカン娘代表の千歌ちゃん!2人に味見をさせてあげてください!!」
「かしこまりました!夏喜先生!!」
そう言って3人でミカンを食べ合う2年生。婆ちゃんのミカンは食べた人を笑顔にする力がある、と思う。
あの3人を見てると、そんな事を頭にふと思ってしまう。
さて、最後は3年生チームだね。
彼女達には1番重労働を頼んじゃって申し訳ないと思ってる⋯。
「わーーーお!Amazing!!」
⋯問題なさそう。
「やっ、皆。調子はどう?」
「あらナツキ!ここのカボチャは凄いわね!こんなに綺麗なの見たことないわ!♪」
「鞠莉ってばずっとこんな調子でさ⋯。」
「ははは、珍しかったのかもね。果南ちゃんの方は?」
「ジャガイモは半分まで終わったよ?」
「早っ!!ちなみにダイヤちゃんは?」
「あら、ずっと足元にいるじゃない。」
鞠莉ちゃんに指摘されてゆっくり足元に目を落とすと、畑の上にうつ伏せで気をつけのまま倒れたダイヤちゃん(作業着)が。
「ちょちょちょ!!ダイヤちゃん!?」
「あ⋯夏喜さん⋯この黒澤ダイヤ⋯一生の不覚⋯。」
「え、えぇ〜⋯何があったのさ⋯。」
「収穫してる時に手にめっちゃ虫ついてたらしいよ?」
「そのまま倒れちゃってダイヤったらほんとに可愛いんだからぁ♡」
いや、それは僕でもビビる⋯。
「ナツ坊!そろそろ休憩だよー!!」
「あぁ!分かった!!」
タエ婆ちゃんの指示の元休憩に入る僕達。
それからは夕方までかかってそれぞれが半分くらいを収穫し終えることが出来た。
すっかり遅くなった頃、タエ婆ちゃんの方から夕飯の誘いを受けたので皆であやかることに。
「あー、お腹空いたずらぁ⋯!」
「おやおや。それじゃあ頑張ってくれた皆の為に、ババが特製カレー作ってあげようかね!ナツ坊、作り方教えるから手伝ってくれるかい??」
「もちろん!皆はテーブルとかの準備、お願いね?」
「任しといてよ!」
婆ちゃんの野菜を使った特製カレーはかなり美味しい。野菜がふんだんに使われていてここの味も感じるが、それらが邪魔することなくお互いのいいところがカレーと上手く交わってる⋯そんな感じだ。
子供の頃から好きだったカレーを僕が教えて貰えることになるなんて。
「婆ちゃん、炒め具合こんな感じ?」
「そうそう、上手いじゃないかナツ坊!」
「ふふ、これでも一人暮らししてますから。」
「早いとこ嫁さん見つけなきゃあねぇ⋯。」
「⋯何も言えない。」
「あっはっは!でもまぁこれで、ババの役目も終わったようなもんだよ。こうしてまたナツ坊が来てくれたしねぇ⋯。」
そう口にするタエ婆ちゃんの横顔が、何だか寂しく見えてしまった。いや⋯本当に寂しく思ってるのは、きっと。
⋯僕だ。
「そんなこと言わないでよ婆ちゃん。収穫の時期だけじゃない、また皆を連れていつでも来るからさ。」
「本当に皆いい子だねぇ⋯孫が増えたみたいで嬉しい限りだよ。」
「もちろん。マルちゃんも言ってたよ。『お婆ちゃんがもう1人出来たみたいで嬉しい』って⋯。皆初めて会ったばっかりなのに、タエ婆ちゃんが大好きでしょうがないんだ。」
「そうかい⋯じゃあ、まだまだ長生きしないとねぇ⋯。」
それだけ言葉を交わす。
台所には静かな笑い声と、カレーの匂いだけが漂っていた。
「じゃあいただきまーす!!」
「ん〜美味しいずらぁ〜⋯♡」
「辛すぎず甘すぎずで丁度いいねこれ!」
「野菜も美味しい!こんなの食べたことない!!」
「そんなに褒められるとババも照れるよ。みーんなが頑張ってくれたからこんなに美味しいんだよ?」
「えへへ⋯///私達役に立てたかな?」
「もちろんさね!毎日来て欲しいくらいだよ!」
「来る来る!!」
「オラも手伝うずら!」
「いや⋯君達学生だから⋯。」
皆で収穫した野菜。
タエ婆ちゃんの思い出のカレー。
こんな日が来るなんて、子供の頃は考えても見なかった。またこんなのんびりとした休日が来て欲しい、なんて⋯ちょっと欲張りかな?
それでも僕らは、過ぎていく時間を忘れて沢山お喋りをして1日を終えるのだった。
善花ル『皆さん、こんにチカ!!』
ル「まずは新年あけましておめでとうございます!」
花「めっきり寒くなって、作者さんも寝正月を過ごしてる中、皆さんはお元気でしょうか?」
善「⋯アンタ達この短時間で慣れすぎじゃない?」
ル「え、そ、そうかなぁ⋯。」
花「どっか可笑しかったずら?」
善「いや、逆にラジオMCばりにスムーズでビックリしたわ⋯てかそれ私と千歌とダイヤの役じゃない!!」
ル「善子ちゃん、それ以上いけないよ。」
花「まる達は別なんだよ⋯この二次創作という沼からは抜けられないの⋯ずら。」
善「そこまで言ったらずら言わなくて良いじゃない⋯てかアンタらのがよっぽどメタ発言よ!?」
ル「それじゃあ次回のちょ田舎!」
善「無視すんな!!」
花「1年生と!」
ル「本屋さん!」
善「あなたも⋯」
善花ル『ちょっと田舎で暮らしませんか?♪』
P.S.URめっちゃ出てビビりまくりこぴー