ちょっと田舎で暮らしませんか?   作:なちょす

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曜's Side story
今日はナツ君とお出かけの日〜♪しかも2人で!!
新しい衣装の材料選びを手伝ってもらったり、ブラブラ散歩したり⋯考えただけでワクワクしてきちゃった♪
あれ?でもこれってデートっていうんじや⋯。
どどどどどどうしょう!?///
緊張してきちゃったよぉー!!///


Act.2 あなたの胸にヨーソロー!

「ふんふんふ〜ん♪よし、格好はこれで大丈夫!」

 

この週末、きっと今までの人生で一番楽しみにしてたって、自分でも言いきれる。

だって今日は⋯。

 

「ナツ君とお出かけ楽しみだな〜!♪」

 

そう、幼馴染みのナツ君とお出かけ!

金曜日に盛大に噛み散らかして約束しておいた甲斐があったよぉ⋯。

 

「曜ちゃーん、夏喜君来たわよー?」

「はーい!!」

 

階段を駆け下りて玄関へ向かう。

 

「ナツ君、おっはヨーソロー!!」

「おはヨーソロー、曜ちゃん。朝から元気だね。」

「楽しみだったもん!ゴメンね沼津まで来てもらって⋯。」

「気にしなくてもいいよ。この間迷子になったから勉強がてらね⋯はは⋯。」

 

自分の故郷で迷子になるんだ⋯普段と違う一面にちょっと笑ってしまう。

ってか気づかなかったけど⋯。

 

「ナツ君メガネしてたっけ??」

「あぁこれは⋯お、お洒落⋯的な⋯??」

 

ん〜⋯カッコイイ⋯///

もしかして私が初めて見ちゃったりするのかな?だとしたら嬉しいかも!

 

「似合ってるよナツ君!!」

「そう??おしゃれマイスターの曜ちゃんに言われたら自信つくかも。」

「ははは、何それ!」

「夏喜君、今日はよろしくお願いね??」

「分かりました、お母さん。」

「あら!お義母さんだなんてまだ気が早いわよ〜♪」

『え?』

「あれ?その為のデートじゃないの??」

『え??』

 

で⋯デデデ、デートぉっ!?///

 

「違うよ!///ナツ君とは全然そんなんじゃっ⋯!///」

「ははは、そうですよお母さん。曜ちゃんぐらいピュアッピュアで可愛い子だったら僕より合う彼氏が出来ますよ。」

「居ないし出来ないし予定も無い!///好みのタイプだってナツ君みたいな人なんだから!!///」

『え???』

「あ⋯///」

 

うわーーーー自爆したーーーー!!!///

 

「⋯お母さん。」

「えぇ⋯我が娘ながら⋯。」

『可愛い。』

「うるさいっ!!///時間なくなっちゃうから行こう!!///」

「おわっ、ちょ、曜さーん!?あ、行ってきまーす!」

 

あまりの恥ずかしさに玄関を飛び出した。

すっかり男の子の手になった、大好きな人の手を握って。

 

 

 

「疲れた〜⋯。」

「急に走り出すからびっくりしたよ。」

「誰のせいだと思ってるのさ!///」

「お母さん!」

「そうだけど⋯そうだけど〜⋯!!」

 

腑に落ちないよ!!

 

「さ、まずはどこへ向かいますか?船長?」

「む〜⋯じゃあ衣装で使う生地を買いに行こ!」

「了解であります!ところで⋯これ、どうしよっか?」

 

ナツ君が不意に左手を持ち上げる。

手、繋いだまんまだった⋯///

 

「その⋯い、嫌だった?」

「いや全然。むしろ曜ちゃんは良いの?」

「⋯それ言わせる?///」

 

本当に⋯いつまでたっても鈍感な所だけは変わらないんだから。

 

「私は大丈夫⋯だから⋯むしろその⋯腕、とかでも⋯///」

「ん、ゴメンよく聞こえなかったけど⋯もう一回いいかい?」

「何でもない!!///ほらほら、出航であります!!」

「ヨーソロー!!」

 

最初に来たのはよく材料とか買ってるお店。

アイドルやる前からコスプレとか好きだったけど、やり始めてから本格的に訪れるようになったんだ。

可愛いものには弱いしね♪

 

「うーん⋯次の衣装どうしようかな⋯。」

「コンセプトってお店で考えてるの?」

「ある程度は纏めてるんだけど、実際お店で材料見た方が値段とか材質とか変わってくるからね。」

「そっかぁ⋯色々と考えることが多くて大変なんだね。あ、これとかどう??」

 

ナツ君が持ってきたのは水色の手触りのいい生地と白いレース。

 

「これを使ってメンバーカラーの人魚とか。」

「おぉ〜⋯ナツ君意外とセンスある?」

「ナインマーメイド⋯いける!」

「ゴメン、ネーミングセンスは皆無だったね。」

「夏喜ショック⋯。」

 

梨子ちゃんといいナツ君といい、東京でマーメイド流行ってるのかな?

 

「でもそれでやってみよっか。」

「言っといてあれだけどそんなポンって決まって大丈夫??」

「そこはこの曜ちゃんの腕の見せどころであります!それに、ナツ君のアイデアって言ったら多分皆着るからね♪」

「そういう事なら大丈夫⋯かな?」

 

しっくりきてないナツ君を置いといて取り敢えず9人分の材料を揃える。

う〜ん、部費から出るとはいえ結構な量だなぁ⋯。

 

「いやー買った買った!」

「すごい量になったね。」

「まぁいつもの事だからね。」

 

にしても9人分はやっぱり重いなぁ。いつもやってるとはいえ中々慣れることが出来ない。

 

「曜ちゃん、貸して。」

「え?」

「よっと⋯はい、これで両手が空いたよ。」

「いやいや、全部は悪いから私も持つよ!」

「ははは、大丈夫大丈夫。伊達に男子やってないからね!それよりも曜ちゃんの手が空いてる方がこっちとしても助かるからさ。」

 

この間カニすら持てなかったのにいきなりこうだもんなぁ⋯///

でもやっぱり。

 

「じ、じゃあ左手の分だけ私に貸して!⋯手、繋げない⋯から⋯///」

 

ナツ君はキョトンとしてる。

何か言ってよ!!///

 

「そっか!じゃあお願いしてもいいかい?」

「うん⋯///」

「じゃ、行こっか曜ちゃん。」

 

今私はどんな顔をしてるんだろう。

恥ずかしくて顔が熱い。手を繋いでくれるこの人に何もかも見透かされているようで、ドキドキする。

絶対分かってないだろうけど⋯伝えられたらどれだけ楽だろう。

 

あなたが好きです、なんて。

 

 

 

「海だーーーー!!!!」

「ヨーソローーーー!!!!」

「やっぱりここの海はいいねぇ⋯。」

「そうだね!夕日も綺麗だし今日は絶好の海日和!♪」

「曜ちゃんは毎日じゃない??」

「そうかも!」

 

材料を買うだけのはずだった今日は、2人で色んなお店を歩き回るなんちゃってデートになった。

コスプレもしたしね!

 

「にしても効いたなぁ⋯曜ちゃんの『お兄ちゃん呼び』。」

「うっ⋯///忘れてたのに⋯///」

「女の店員さんなんか『尊みッ!!』って言いながら鼻血吹いて気絶してたもんね。」

「ナツ君だって立ちながら気絶してたじゃん!!///」

「あっはは!そうだっけ?」

 

くぅ〜⋯なんか1日やられっぱなしであります!///

ふとナツ君の方を向くと、夕日を見ながらぼんやりとしている。

 

「どうしたの?」

「夕日ってさ⋯すっごく綺麗だけどちょっと寂しいよね。楽しかった1日がもう終わるんだなぁって教えられてるみたいでさ。」

「そうだね⋯。ナツ君は、その⋯楽しかった?」

「もちろん!長い間会えなかった分もあるけど、色んな曜ちゃんが知れた気がするよ。」

「えへへ⋯そっか///じゃあ⋯ほりゃ!!」

「わぷっ!?」

 

ナツ君の顔に水をかける。

 

「あっははは!油断大敵だよ?ナツ君♪」

「ふふ⋯良いでしょう船長殿⋯お返しであります!」

「ふみゃっ!?」

 

唐突に始まった水かけ合戦。

服がびしょ濡れになることも忘れて、今はただこの時間を全力で楽しむんだ。

それがいつか来てしまう終わりに向かうものだとしても。

 

「ねぇ、ナツ君。」

「ん、何だい?」

「今日が終わったらさ、また皆で海に来ようよ!次は今日に負けないくらい楽しく!いつでも、いつまでも!!」

「⋯あぁ、そうだね。それは名案⋯だ⋯。」

 

ナツ君の動きが止まる。まるで錆び付いたロボットのように首を背ける。どうしたんだろう?

 

「ナツ君?どうしたの?」

「⋯いやあ⋯その⋯怒んない?」

「私がナツ君を怒ったりしないって♪」

「曜ちゃんのようちゃんが、青空jumpingハート⋯。」

「へ?」

 

忘れてた。

服着たまま海に入ったってことは⋯///

自分の体に目をやるとピッチリと肌に吸い付いた服から下着が見える。

 

「っ!!///」

 

急いで手で隠すけどいつからこんなことになってたか気付かない⋯///

 

「⋯見た?」

「ん、ん〜?何のことで⋯」

「言ってくれなきゃこの話を肥大化させてAqoursにバラします。」

「すいません素敵な水色でした!!」

 

自分で聞いておいて顔がまた熱くなる。

見られてたんだよね⋯///よりにもよってナツ君に⋯!///

 

 

 

~曜ちゃん's Story~

 

『隠さないで曜ちゃん。』

『だ、ダメだよナツ君⋯///誰かに見られたら///』

『もっと見せて欲しいな⋯曜ちゃんの色も、表情も。』

 

 

 

 

「ああああああああああ!!!/////」

「あ、あの〜⋯渡辺さん?」

「ヨーソローーーー!///」

「ぐっはぁっ!!」

 

見られたんなら隠せばいいよね!!///

ナツ君の胸にダイブする。もう2人でびしょ濡れだ。

 

「よ、曜ちゃん⋯?」

「ねぇナツ君⋯また、一緒に海に来て欲しいな。」

 

恥ずかしくて顔をあげれない。きっと真っ赤になってるのかもしれない。

これが、今の私が言える精一杯の言葉。

 

「⋯僕でよければいつでもいいよ?」

「⋯うん///」

 

いつか⋯ちゃんと言葉にするからそれまで待っててね、ナツ君♪

 

 

 

「ねぇ曜ちゃん。」

「ん?」

「どうやって帰ろっか。」

「あ⋯///」




な「皆さん、こんにチカ!」

曜「ヨーソロー!!」

な「いや〜いい思いしてるね曜ちゃん。」

曜「まぁ恥ずかしい思いもしたけどね⋯///」

な「是非、私にもお兄ちゃんと!!」

曜「死んでも嫌。」

な「そんなマジトーンで⋯うっ⋯。」

曜「次は梨子ちゃんだよね??」

な「そだね!皆のおかげで次の本編もまとまってきたしいつでもいける感じだよ。」

曜「じゃあ私も千歌ちゃんも恥ずかしい目にあったから梨子ちゃんにも色々と頑張ってもらおうよ!」

な「曜ちゃん結構ズバズバくるね。」

曜「だって恥ずかしいじゃん!///」

な「ははは、人生そういうこともあるって!それじゃあ!」

曜な「「次回もお楽しみにー!♪」」

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