fate×メガテンもの(旧名・間桐慎二のデビルサマナー(短編))   作:メガテニスト(偽)

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やっと出てきますよ、セタンタ君。




セタンタとの出会い 後編

ヴィヴィアンを仲間にした僕たちは、再度進むことにした。

 

「今までの出現悪魔からすると、ここはスコットランド系の悪魔が支配する

 異界みたいね。」

 

バロウズはそう言った。

 

「それでぇ、スコットランドの悪魔が展開した異界なのはわかったんですが

 肝心のそいつはどこにいるんでしょうねぇ。このままあてもなく進むとかいやですよ?

 わたくし。」

 

こっちも同感だ。何かないのか?

 

「ちょっと待って…。あら?何かが反応してる…これは…

 ねえ、ちょっとさっき手に入れたゲイボルク見せてくれる?

 ……やっぱりだわ。この槍から何か反応がある。どうやら方向を指し示しているみたい。

 もしかしたら、この槍、持ち主のところに戻ろうとしているのかも。」

 

持ち主?持ち主ということは、クー・フーリンか?

 

「ゲイボルクの持ち主は複数いたけど、その可能性は高いわね。

 どうする?行ってみる?」

 

他に当てもない。行ってみるだけ行ってみよう。

そういうわけで、反応の指し示す方向へ向かった。

結構な距離を歩いたので、道中、かなりの悪魔に襲われた。

クー・シー、ピアレイ、クー・シー、デュラハン、クー・シー、ケルピー、

クー・シー、クー・シー、クー・シー…。

クー・シー多いな!おかげでアイテムも充実した。

デュラハンは武器として、鞭を落とした。攻撃に使ってきたやつだろうか?

5つくらいニワトリの死骸手に入れたけど。これ本格的にどうしよう…。

と、そこで視線に気が付いた。タマモからだ。

…欲しいのか?と問うと、コクリとうなずいた。

 

「それを眺めていると獣の本能が刺激されまくるんです。

 こう、がぶっといきたくなる。みたいな?」

 

なるほど、本能なら仕方ない。ほら、一つやるよ。ついでにここらで休憩しよう。

さすがに長時間歩きっぱなしで疲れた。

 

「賛せーい。ねえねえサマナー、おかしちょうだい。おなかすいちゃった。」

「おいらたちもー。」

「わたしもよ。」

「わたくしもです。」

 

ほいほい、順番な、順番。はい、はい、はい、は…い…?

気が付くと見知らぬ人物…悪魔がいることに気が付いた。誰だお前!

 

「これは失礼。私はニスロク。しがない悪魔でございます。」

 

「ニスロク。第二級の魔神、ベルゼビュート(ベルゼブブ)の料理長、美味による誘惑

 と食卓の楽しみの権威者とされているわ。堕天前のニスロクはエデンの園の禁断の樹

 の守衛を担当し、得意料理はその果実を使ったものだそうよ。

 天使のころ、守護していた国を唯一神に滅ぼされ、

 愛想をつかして堕天したらしいわ。

 もとはセンナケリブに崇拝されたアッシリアの神だそうよ。」

 

「おや、私も知られたものですね。」

 

あんたが誰なのかは分かった。で、なんのようだ?

 

「実は…。食料とマグネタイトを分けていただけないかと思いまして…。」

 

食料とマグネタイトを?

 

「ええ、お恥ずかしいことに。ここの悪魔は大体徒党を組んでいるでしょう?」

 

まああったやつはだいたい組んでいたな。デュラハンは違ったけど。

 

「私一人ではどうしても数の差でやられてしまうのです。

 そうして何も補給できずにさまよっていたところなのです。」

 

なるほど。いいぞ。ほら、マグネタイトと食料。

 

「ありがとうございます!お礼に何か調理してご覧に入れましょう!」

 

お、いいのか?じゃあ…

そのとき、ニワトリの死体を食べようとしているタマモの姿が見えた。

そうだ!こいつ料理できるか?

 

「ニワトリの死体ですか?朝飯前ですとも!」

 

よし!おーいタマモ、ストップ!それ調理してくれるってよ!

 

「ええ~おあずけですかぁ?…まあ、ちょっとはしたないかなー

 って思うところもありましたけども。」

 

そういってニワトリの死体をニスロクに渡すタマモ。

受け取ったニスロクはすぐさまどこかから取り出したナイフを使って

死体をさばき、また服から取り出した調味料をふりかけ、

魔法を使って炎を出し、直火で焼いていく。魔法って…

つーかなんでナイフと調味料はもってたんだ。

 

「料理人だから、でございます。」

 

そうかい。

ニスロクは焼き終わった肉を取り出した皿に盛りつけていく。

かなりいいにおいがする。一切れフォークで刺して、口に運んだ。

 

「うーんデリシャス!最高の素材に、最高の焼き加減!

 そして最高の加減のあじつけ!ああ、し・あ・わ・せ…。」

 

「おいしいね!おいしいよ!」

 

「「いくらでも食えそうだホー!」」

 

「おいしいわ!」「おいしいわ!」「おいしいわ!」

 

うん。たしかにうまい。ただ焼いてあじ付けしただけなのにこれほどうまいとは、

シンプルだからこそ引き立つ技術。あんた凄腕の料理人だな。

だてに伝説になってないわけだ。

 

「お気に召していただけたようで恐悦至極。」

 

僕たちは料理をあっという間に平らげた。

ふう食べた食べた。ところであんた、これからどうするつもりなんだ?

 

「そうですね、どうしましょうか。なぜここにいるのかもわかりませんし。」

 

そうだな。あんたスコットランドの悪魔ってわけじゃないし。

 

「まあ、スコットランドの悪魔限定というワケではないわ。多いというだけで。

 召喚されることもあるんじゃない?」

 

そうなのか。……なあ、

 

「はい、なんでしょう?」

 

あんたさえよかったら僕の仲魔にならないか?行く当てとかもないんだろ?

 

「それは…そうですね。しかし…うーむ。」

 

それに思いっきり料理させてやるぞ。うちには最新の調理器具もある。

こんなのとか。

 

「ほほう!これはこれは…。

 …………ええ!わかりました!そこまで言うのならあなたの仲魔になりましょう!

 私はニスロク。こんごともよろしく!」

「堕天使ニスロクLv23炎を使うのが得意なだけあってアギ系がとくいよ。

 そして、刃物を使った攻撃も得意みたい。」

 

なるほど。物理もできるアタッカーか。こいつは頼もしい。

 

さてと、休憩したし、また探索再開だ。

そうしてまた歩き続けると、大きな川があった。とてつもなく横幅が大きく、

100mはあるんじゃなかろうか?さてどうしよう。反応はこの先なんだよな?

 

「ええ。そちらを指し示しているわ。…あら?これ流れているの

 淡水じゃなくて海水みたいね。」

 

ふーん。これ海水なのか。と、何かが聞こえてきた。泣き声だ。

声のするほうへ行くと、近くの岩場で泣いている女がいる。なぜこんなところに?

異界にまきこれたのか?疑問に思いながらも話しかける。

なあ、何であんた泣いてんだ?

そう声をかけると、最初は驚いたものの、話始めた。

 

「毛皮を奪われて帰れなくなっちゃったの。取り返そうと思ったけど、

 私弱いし、奪ったやつが強くて…。」

 

「データ解析あなた、セルキーね。そいつはどこにいるの?」

 

僕たちが取り返してやる。その代わり、ボクたちのお願いを聞いてくれないか?

 

「ほんと!あいつはあそこの森にいるわ。首がない馬に乗ってて、

 自分の頭を抱えてるやつよ。」

 

デュラハンか。よし、いくぞ!

 

森に入るとすぐにそいつは見つかった。今度は鞭の代わりに剣を持っているな。

そいつはこちらに気づいて突進してきた!うお、かなり早い!

とっさに避けたがそいつが通った後はまるで嵐が通ったみたいだった。

こいつかなりやばいぞ!デュラハンは振り返ると再度突進してきた。

僕は銃で撃つが、構わず突進してくる。くそっ、あまり効いていないみたいだ。

近接攻撃をしようにも、早すぎて攻撃できない!それに直線状にいる必要があって、

危険すぎる!どうにかする方法がないか…機動力を奪えればいいんだが…

そうだ!!僕はある作戦を思いついた。

 

みんな!こっちだ!川の方向へ逃げろ!

 

「何か作戦があるんですね!了解!」

 

川の方向へ向かって走る。それを見逃すデュラハンではなく、突進してくる。

デュラハンはすれ違いざまに、剣で斬りつけてきた。とっさに刀で防御するが、

吹き飛ばされてしまう。何とか無事ではあるが、刀が刃こぼれしてしまった。

くそっ、高かったんだぞこれ!悪態をつきながらも川へとたどり着く。

そして指令を出していく。

 

「フロストとヴィヴィアンは川の水を全力で凍らせろ!そしてデイノーは金縛りの魔眼をデュラハンに!動きを10秒だけでも止めるんだ!そしてタマモは強化魔法で

僕のパワーを強化!」

 

指示を聞いてフロストは川を凍らせ始めた。そして、デュラハンが突進してきたのに

合わせて、デイノーが金縛りで動きを封じた。

そして僕は水を凍らせた氷をあいつの上に投げつけた!

 

「いまだ!リッパーとニスロクは氷を細かく解体して、ランタンとニスロクは氷を

 とかせ!」

 

言われたとおりに仲間が行動する。そして、溶けた大量の氷は、水となって、

デュラハンの周りに降り注ぐ。すると、デュラハンの乗っている馬、

コシュタ・バワーは動きを止めた。

よし!作戦成功!前にデュラハンと戦った時、

コシュタ・バワーのことを聞いていたのだ。

この前に戦ったデュラハンはあまり動かなかったので楽に倒せたが、

こいつは積極的に動いてきたのでかなり強かった。

だけど厄介な機動力を封じれば…!

 

その後は囲んでふくろだた…げふんげふんにして、倒した。

相手は魔法も使ってきたし、もともとのパワーもすごかったので少し苦戦したが、

無事に倒せた。消滅した後、持っていた剣が落ちていた。ちょうどいい、

もらっていこう。

 

その後、森の木にかけてあったアザラシの皮を取り返して、セルキーに渡した。

 

「ああ!これよ!ありがとう!私もう帰れないかと思ったわ!」

 

そうか、それはよかった。ところで僕たちは向こう側にわたりたいんだ。

何かいい方法ないかな?

 

「それなら私が連れて行ってあげるわ!」

 

僕はひとまず仲間をスマホに戻し、セルキーにつかまって、川を渡った。

 

「本当にありがとう!これはお礼よ!チュッ!じゃあね!」

 

そういってセルキーは頬にキスをして何か渡して海へ帰っていった。

こ、こんなことほんとにあるんだなぁ。ちょっとどきどきした。

 

「うぶですねぇ。」

 

うるさいぞ!

それはそうとして、何を渡していったんだ?

 

「これはテトラジャストーンね。一度だけ呪いなどによる味方の即死を

 防いでくれるわ!とってもいいものよ。」

 

すごいじゃないか!使うことになる場面が来ないのが一番だけど。

 

「ま、そうね。それじゃ、先を急ぎましょ。」

 

そうやってまた進んでいくと、また広い草原に出た。

…ん?なんだ?激しい音が聞こえる。いってみよう!

音のする方向へ急ぐと、誰かが20体ものヤギの頭をした悪魔に襲われている!

誰かは、20体を相手に一歩も引いていないが、苦戦している。

あっ、持っている槍が折れた!

 

「ゲイボルクの反応はあの戦っている子に対してだわ!

 データ解析…あれはセタンタ、クーフーリンの幼名よ!

 そして戦っている悪魔はフォーモリア。アイルランド神話に登場する巨人族よ!」

 

あれがクーフーリンか!よし、みんな!助けに行くぞ!

 

セタンタは徒手での戦いを余儀なくされ、いよいよ追い詰められてきている。

 

そこへ、まず魔法で奇襲を仕掛けた。いきなり魔法で攻撃されたフォーモリアたちは

混乱し、そこへ新しく手に入れた剣をもって突っ込んでゆく。

進む先にいるフォーモリアたちを斬りながら進み、セタンタの元へとたどり着く。

 

「大丈夫か、加勢する!」

 

「誰だか知らないが、ありがてぇ!感謝するぜ!」

 

そして、槍をなくしているセタンタに、持っていたゲイボルクを渡した。

 

「これは奪われてた俺の槍!取り返してくれたのか、二重に感謝するぜ!

 さあ、てめえら、覚悟はいいか!」

 

本来の得物を取り返したセタンタの姿が変わり、成長した姿になった。

そこからは鬼神のごとき働きで、フォーモリアを倒してゆく。

…なんだ?剣から不思議な力を感じる…その力を使おうとすると、

体からマグネタイトが剣に吸収され、体が勝手に動いた。

そして、目のまえにいたフォーモリア数体を一撃で倒してしまった。

これは…リッパーが使うようなスキル?この剣の力か?

…っと、まだ戦いは終わっていない。集中しなくては!

そして、クーフーリンが半数近く討ち取って敵をせん滅した。

 

殲滅し終わって、クーフーリンが話しかけてきた。

 

「よう。さっきはあぶねぇところを助けられちまったな。あらためて感謝するぜ。

 俺はクーフーリンってんだ。よろしくな。」

 

よろしく。ところでなんでクーフーリンはあいつらと戦ってたんだ?

 

「しらねぇな、あいつらがいきなり襲ってきやがったんだ。

 あいつらは一人の王のもとで動いている。そいつの名はバロール。

 俺の父ルーが倒したはずの俺のひい爺さんだ。」

 

「バロール。魔眼のバロールの異名を持つ悪魔ね。バロールの片方の目は、視線で相手を殺すことができる魔眼といわれているわ。通常は閉じられており、戦場では4人がかりで取っ手を回し、瞼を押し上げると言われているの。この他にも魔力で嵐を起こし、海を炎の海にすることが出来るらしいわ。」

 

なんだそれ!無茶苦茶強いじゃないか!そいつがこの異界の主なのかよ!

くそっ、でもやるしかないか…。

 

「なんだ、お前らバロールを倒しに来たのかよ。よし、それじゃ俺が

 仲間になってやる。あいつらには借りはたっぷりとあるしな。」

 

それはかなり心強いぞ!これなら勝てるかもしれない!

俄然希望が湧いてきた。

 

「よし。それじゃいくぞ。」

 

いくぞ、ってどこにだよ。

 

「決まってんじゃねえか、ボウズ。バロールの居城だよ。」

 

ちょっ、ちょっと待てよまだ契約してないぞ!

 

「あん?契約だ?」

 

僕は契約のことを話した。

 

「なるほどな。いいぜ契約してやる。我が名はクーフーリン!

 この槍、お前に預ける。」

「幻魔Lv36クーフーリン。物理攻撃が得意でかなり強力よ。ルーン魔術も扱えるわ。」

 

Lv36!?僕のレベルより9は高いじゃないか!

とんでもないな…

 

「まあ、さっきまで弱体化してたんだがな。ほら話は終わったろ、

 さっさと行くぞ。」

 

ちょっと待てよ!さっきまで苦戦してただろ!少し休んで回復しよう。

万全の状態で挑んだほうがいい。それにやみくもに突撃するよりかは作戦を立てた

ほうがいい。食事でもしながら作戦を立てるぞ。

 

「あん?ま、いいや。コゾウ…いや、えーっと、何て呼べばいいんだ?」

 

サマナーでいい。

 

「サマナーに従うとしますかね。」

 

よし、決まったな。それじゃあ、移動するぞ。あ、アイテムも回収していこう。

トパーズと、傷薬?それと、…黒ヤギの頭か、まあいいや、持っていこう。

 

そうして移動した先で、ニスロクに黒ヤギの頭を料理してもらった。

まあ、うまいかもしれないし…。そして実際にうまかった。

 

「おーっ、こりゃうめえ!あんた凄腕だな!」

 

そうだろうそうだろう。

 

「なんでサマナーが誇らしげなんですか…。」

 

とタマモが言った。

 

マグネタイトを全員に十分に供給しつつ、話始める。

 

敵の居城のことと、バロールへの対処、それと周りにいるであろうフォーモリアの

対処の3つを話した。

 

「できるだけ見つからないように潜入しよう。見つかったら数で踏みつぶされる。

 それと、バロールと戦っている間、邪魔が入らないように陽動できたら

 いいんだが…。」

 

そこでクーフーリンが、

 

「ではその役目、俺が担おう。サマナーたちは潜入してバロールを倒せ。」

 

確かにクーフーリンであるならばやられずにフォーモリアたちを引き付けておけるだろう。これ以上の適任はいなかった。

 

作戦を決めて、敵の居城へ向かった。

 

「それでは俺は行ってくる。奴らが俺に向かってきてる隙に忍び込め。」

 

そういってクーフーリンは敵の居城の正面に進むと、

 

「我が名はクーフーリン!借りを返しに来たぞ!バロール!」

 

「ふん。まだ死んでいなかったか死にぞこないめが。愚かにも一人で向かってくる

 勇気を称えて褒美をやろう。」

 

「へえ、何をくれるっていうんだ?」

 

「貴様の死だ!」

 

「上等だ、俺の命貴様らにとれるか?」

 

次々とフォーモリアたちがクーフーリンに殺到していく。

いまならば手薄なはずだ。僕たちは裏手からこっそりと侵入した。

 

そして、瞬く間にバロールのいるところにたどり着いた。

 

「ほう。クーフーリン一人だけかと思えば仲間がいたか。だがそれも無意味だ。

 なぜならば貴様らはここで死ぬからな。」

 

「ほざけってんですよ!やられるつもりはありません!」

 

僕たちがお前を倒しちゃうかもよ?

 

「ほう、ほざいたな。ならば死ね!」

 

そうして戦闘が始まった。

 

「タマモ、強化と回復に専念しろ!リッパーはかく乱!他は魔法で攻撃だ!」

 

指示を出して、バロールへと向かう。

 

「ほい!タルカジャ!スクカジャ!ラクカジャ!」

 

強化魔法がかかって、体が軽くなる。勢いよくバロールに飛びかかった。

 

「むっ、なかなかはやい!」

 

攻撃はバロールの体をかすめただけでかわされてしまった。

そしてバロールが腕で薙ぎ払ってきたのを後ろへ跳んで回避する。

 

「ふん、なかなかやるではないか。ではこれでどうだ?

 マハラギオン!マハザンマ!」

 

そういうと今度は広範囲にわたって強力な威力を持つ魔法を放ってきた。

とっさに回避したが、これでは近づけない!

 

「ふん、手も足も出ないか。…む?」

 

あいつがマハラギオンを放ってきたのに合わせてフロストにブフーラを放たせる。

魔法がぶつかり、相殺されたところに突っ込んで接近。

今度は剣に力を注ぎこんで…!

 

「くらえ!デスバウンド!」

 

放った攻撃は正確にバロールをとらえ、複数回当たってバロールを吹き飛ばした。

 

「どんなもんだい!ざまあみろ!」

 

「どうやら我を本気にさせてしまったようだな…!むん!」

 

今度はさっきと桁違いの威力の魔法が放たれる。くそっ今までは手加減していたのか!

そしてあることに気が付く。バロールの目が少しづつ開いている…!

まずいぞ、目が完全に開かれたらおしまいだ!

 

しかし、桁違いの威力の魔法に近づくこともできない。くそっ何とかする方法は…!

 

「「サマナー。」」

 

ジャックフロストとジャックランタンが話しかけてくる。

 

「「オイラたちを悪魔合体してほしいホ。」」

 

何を…それをしたらお前たちは!

 

「このままじゃみんなやられちゃうホ。

 オイラたち、サマナーに生きててほしいんだホ。

 お願いだホ!」

 

……………………わかった。バロウズ!

 

「了解!合体プログラム起動!」

 

そして、ジャックフロストとジャックランタンが檻のようなものに包まれる。

 

「じゃあね、サマナー。元気でね。」

 

そうして2体は概念へと分解され、抽出されたより高純度の概念がかけ合わさり、

一つになっていく!

 

そして生まれた悪魔がバロールへと向かってゆく。

バロールの魔法を突破して、バロールに接近。吹き飛ばした。

 

「ヒーホー!オイラはジャアクフロスト!こんごとも、よろしく・・・。」

 

「ふん。小癪なあ!」

 

バロールは即座に復帰し、ジャアクフロストに攻撃を仕掛ける。

 

「無駄だホ!オイラには炎は効かないホ!」

 

「ならばこれはどうだ!」

 

バロールはジャアクフロストに殴り掛かった。ジャアクフロストは、それを受け止め、

反撃を加える。

 

「ぬうぅ!」

 

よし、効いてるぞ!僕もバロールに向かって攻撃を仕掛けていく。

 

「ふんっ!まだまだぁ!」

 

しかし、バロールは倒れない。その間にもどんどん目は開いていく。

まずいまずいまずいまずい…!!!

 

焦りから前へ出て攻撃を加えたところをバロールに反撃される。

攻撃が直撃し、僕は地面にものすごい勢いでたたきつけられた。

 

「がはっ・・・あぁ!?」

 

「「「「サマナー!」」」」

 

痛い。とてつもなく痛い。全身が激痛に襲われ、意識が遠のきそうになる。

まだだっ…!動いてくれっボクの体!

 

何とか体を動かそうともがくが、動いてくれない。

その間にバロールの目が開かれた。

 

「これで終わりだ…死ねい!」

 

くそっこんなところで死ぬのかよ…!仲魔を犠牲にしてまで…!

 

悔しい。悔しくてしょうがない。

 

…その時、手に何か当たった。僕はそれをとっさに力を籠め、投げた。

 

そして、魔眼が力を発揮し、絶対的な死をもたらさんとしたときに、

投げたものは破裂し粉々に砕け、僕らを守った。

 

「なに…?!」

 

そう、投げたのはセルキーにもらったテトラジャの石だ。

それは即死させる呪いを一度だけ防いでくれる。

 

「小癪な。たかが少し寿命が延びただけだ。」

 

確かにそうだ。いまも体は満足に動けない。どうしようもない。

だがそのとき、何かの接近を感じた。これは…!

 

契約したパスを通じてジャアクフロストに指示を送る。

ジャアクフロストはまっすぐバロールに突っ込んだ。

そして、バロールに組み付き動きを抑える。

 

「ぬうう、まだ動けたか!だが…、ふん!」

 

「ヒホッ!」

 

ジャアクフロストが至近距離で衝撃魔法を食らい吹っ飛ぶ。

 

「ふん。我をここまでてこずらせた礼だ。せめて魔眼で葬ってやろう。」

 

 

 

 

 

 

「―()()()()()()()()()()()

 

バロールの後方から声が聞こえる。

 

「なにっ!?」

 

僕はありったけのマグネタイトをその存在にたたきつけた!

 

「その心臓貰い受ける! 『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』!」

 

因果逆転の槍がバロールの心臓目掛け、かけていく。

そしてそれは、バロールを貫いた。

 

「ぐふぅ!?」

 

心臓を貫かれたバロールの体が崩れ落ちた。そして、消滅した。

 

「いよう。サマナー、危ないところだったな?」

 

ああ。助かったよクーフーリン。

 

「今回復します!」

 

タマモに回復魔法をかけてもらいようやく動ける程度にはなった。

 

「バロール消滅確認。お疲れさま。マスター。」

 

ああ、本当にやばかった。

バロールが消滅したところを見ると、何やら赤い水晶のようなものが落ちていた。

これは・・・?

 

「解析中…だめね、さっぱりわからないわ。今のアプリじゃ解析できない。」

 

そうか。とりあえずは持っていこう。それにしてもまずいぞ。

早くゲートまで戻らないと!

 

「マスター、異界の崩壊が始まったわ!急いで!」

 

そういわれて焦る。しかしようやく動かせる程度で満足に動けるわけじゃない。

そこへヴィヴィアンが、

 

「仲魔を全員戻して私につかまって!」

 

といった。何をするつもりなんだ…?しかし他に手はない。

いうとおりにすると、

 

「行くわよ…!トラエスト!」

 

体を不思議な感覚が襲った。次の瞬間、現実世界に戻ってきていた。

ここはどうやらゲートを開いた場所のようだ。いまのは?

 

「魔法よ。瞬間移動の。どうやらもどってこれたみたいね。」

 

ああ。助かった。ありがとう。

何とか体を起こして動き始め、自転車のある所まで戻り、這う這うの体で帰る。

もちろん幻術をかけてもらうのも忘れずに。

 

…ところでなんか忘れてる気がするけどなんだっけ?

まあ、いいやとりあえずしばらく学校休むことになるかもしれない。

それとバロールが残したものが気がかりだ。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

それはいきなり出現した。領地の森に。しかもとても傷ついた状態で。

そして動き始め、外にあった自転車に乗り、帰っていった。

 

外にあった自転車に乗ったということはあれはそれのものであるのだろう。

しかしなぜ置いてあったのか、なぜ突如出現したのか、なぜ傷ついていたのかが

わからない。とても怪しいそれを調べることにした。

 

 

 




セタンタとは出会った。セタンタがすぐに進化しないとは言っていない。
……すいませんでした。セタンタだと幼名だからゲイボルク使えないやんって
気づいて慌てて修正したのがこれだよ!これだから見切り発車は!


バロールの魔眼
ゲーム的には3ターンごとに開いて即死+ダメージ+ステータスダウン
もっと強力なのにしようかとも思いましたがそれはちょっとって思った。

宝具は使わせたかったから使わせました。後悔はしていない。

バロールのキャラはこんなんにしちゃったけどテンプレ&テンプレで薄味だなあ。
濃いキャラクター書くのって難しい。

兄貴再現できてるかな(´・ω・`)?


ちなみにバロールこれ分霊です。
本体のほうはこんなの比じゃないほど強いです。

兄貴も今の状態は割と弱体化してます。サーヴァント状態より弱いんじゃないかな?

分霊とはいえ倒したのでバロール召喚解禁!

あとスコットランドとか書いてますけど、
海水の川が海を表してます。つまり川を渡ってアイルランドの方向に行ったということですね。

兄貴はフォーモリアの群れの半数くらいぼこぼこにした後、
パスを通じて危険を感知、救援に向かいました。

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