fate×メガテンもの(旧名・間桐慎二のデビルサマナー(短編)) 作:メガテニスト(偽)
始まりは中学校に上がったころだった。
なぜそれが落ちていたのかもわからない。ただ一つだけ言えるのは、
それを拾ったことによって僕の人生はどうしようもないほどに狂ってしまったということだけだ。
_______________________________________
「ん?なんだこれ?」
自分の部屋に戻る途中、廊下を歩いていると黒い板状のなにかを見つけた。
近くによって見てもそれが何なのかよくわからないそもそもなぜこんなものが家の中に落ちているのかもわからずとても怪しかった。
興味を惹かれてそれを拾い上げてしらべてみると、黒くてつるつるするほうが表だとすると横に数個のボタンのようなものと、表にも一つのボタンがついていた。試しに押してみてが何の反応もない。
ただのおもちゃかと思い興味が薄れ、ごみ箱にでも捨てておこうかと思い目を離した後、
「えっ・・・、うわっ!?」
起動したのかそれは目を開けていられないほどの光を放ち、そして、文字通り
目を開けて初めに感じたのは、まるで世界が変わってしまったかのような感覚だった。
ここは自分の住んでいる家だと断言できるはずなのに、どうしようもない違和感に襲われ、まるで幽霊でも出てきそうな不気味な雰囲気を醸し出していた。
不安が押し寄せてきた僕はいてもたってもいられなくなり、持っているものが光を放ったことを気にも留めず部屋に向かってあるき出そうとした。そのとき、それの輝きが増した。そこでようやく僕はそれを注視した。そこには、
「悪魔召喚プログラム・・・?なんだこれ?」
そこには悪魔召喚プログラムという文字ととても精密に書かれた魔法陣のようなものが表記されていた。
“この板状のものはとてつもなく小さなパソコンなのだろうか?”
そんなことを考えられないくらい混乱したまま画面を見ていると、魔法陣が動いていき、輝きを強めていた。
まるで儀式でも行われているみたいに何かが次々と処理されている。それを見ていると魔法陣が止まり、輝きが一層増してきた。
「お、おい・・・冗談だろ・・・悪魔なんて召喚されるはずないだろ…」
思わずそうつぶやいてるとまた目が開けられないほどの光がはなたれ、しばらくして目を開いたが、
そこにはなにもなかった。
「な、なんだよ驚かせやがって…」
思わずほっと息を吐くと、気が付いた。自分以外の息の漏れる音がすることに。
誰だと思い振り返ると
そいつの風貌はまるで骨と皮でできていて唯一腹だけが出ていた。どこかで見たことがある特徴に思えたが思い出せない。どこから入ってきたかもわからないそいつに
「お、おい、なんだお前!どこから入ってきたんだ!」
と声を震わせながら怒鳴った。そこでそいつはようやく僕に気が付いたようだった。
そいつはまるで恨めしそうな目でよだれを垂らしながらこちらをふりむいて近づいてきた。
「お、おい・・・なんだよ、言っておくが僕の家は魔術師なんだぞ!お、お前みたいなやつ父さんやおじい様がきたらあっという間なんだからな!」
そう虚勢をはりつつも後ずさりしていく。そして次の瞬間そいつは振りかぶってひっかいてきた。
「うわっ!?」
とっさに腕で防ぐと、衝撃と痛みとともに僕は弾き飛ばされ、しりもちをついた。
腕を見ると大きな切り傷ができていた。僕は目の前の何かに恐怖を感じ、
何とか立ち上がり走って逃げだした。
「はっ、はっ、な、なんだよあいつ・・・なんなんだよあいつ!」
しばらく走ったのち、適当な場所に隠れて追ってきてないか確認し、姿が確認できないことを確かめると息をついた。そして、手放していなかった板状の何かを見て、そこに、
幽鬼ガキLv.3:状態:未契約:召喚中
と書かれているのを発見した。ガキ?もしかしてさっきのやつか?ではやっぱりこれのせいで召喚されこんな目にあっているのか?と思いながらその下に
妖精ピクシーLv1:状態:未契約:非召喚
と書かれているのを発見した。もしかしてまたさっきのやつみたいに召喚されるんじゃ…と思ったが何も反応がない。そもそもどう動かすかもわからないまま恐る恐るさわってみると、
Error!問題が起きデータが初期化され再起動しました認証を開始します。
ホームボタンに指を数回タップしてください
と文字とともに持っているものを表した絵が表記された。
「ホームボタン…こ、これか?」
と書かれていることを実行した。すると、認証中と表記され、続いて認証が完了しました。と表記された。そして、バロウズ起動します と表記され、
「女性型オペレーティングシステムバロウズよ、初めまして、マスター。」
「う、うわあ!しゃ、しゃべった!?」
突如それはしゃべりだし、驚きのあまり声をあげてしまった。あわてて周囲を確認して
何もないことを確かめて、ため息をついた。正直もう何が何だかわからなかった。
「なんなんだよ・・・なにがおきているってんだよもう・・・」
「あら?どうかした?マスター」
「っ!?僕が言ったことに返事した!?おい!なんなんだおまえ!なにがおきてるのかしっているのか?!あのばけものはいったいなんなんだ!?」
「ちょっと待って、スキャンしてみるわ」
「す、スキャン?」
そういってまた黙り込んで何やらし始めたそれを黙ってみていると終わったのかしゃべり始めた。
「まず何が起きているかだけど端的に話すとここは異界化しているわ。そしてあなたが言ったバケモノは悪魔ね悪魔召喚プログラムが誤作動を起こし制御できないまま召喚されたみたい。」
「い、異界化?悪魔?」
「そう、悪魔というのは神や魔王といった超自然的な存在のこと。
そう説明を聞いていると現実感が薄れてきそうになる。まるで自分がゲームの中に入り込んだみたいだった。
唖然としているのもお構いなしに、
「そして異界というのは悪魔によって作られる現実とは異なる空間のことよ。作る悪魔によってどんなものかが違ってくるけど。この異界は作っている悪魔が低級なおかげで現実に近いわ。そのおかげで発生した現実の場所に近い構造になっているみたい。そしてここからが重要よ、その悪魔を倒さない限りここからは出られないわ。」
「なんだって!?うそだろおい!」
「事実よ。マスター。」
唐突にそんなことを告げられそんな言葉が出た。今さっき傷つけられたときのことを思い返し、恐怖がこみあげてくる。とても立ち向かおうという気になれなかった。
「ど、どうにかなんないのかよおい」
「てはあるわ。悪魔には悪魔。悪魔召喚プログラムの使用を推奨します。」
「つ、使っても大丈夫なのかよ。さっきのやつはそれで召喚されて襲い掛かってきたんだぞ。」
「契約を結んだ悪魔であれば問題ないわ。契約の仕方は未契約の悪魔に対して悪魔会話アプリを使用して交渉するの。使用の仕方は…」
何やら現実感が戻らないまま説明を聞いて操作していく。
「そう、そんなかんじよ。では、実際に使用してみましょうか。」
「し、使用するって言ったって・・・」
「悪魔召喚プログラムにピクシーが未契約のままいるわね?それを召喚して交渉して。召喚の仕方は・・・」
いわれるままピクシーのアイコンをタップすると“召喚しますか?”“はい”“いいえ”と、表示される。
僕はそれを迷った末に深呼吸して“はい”を押した。
そしてまたもガキが召喚された時と同じように魔法陣が構築され、光り輝いて、それは召喚された。
「ん~?ここどこー?おにいさんだあれ~?」
「で、できた・・・。ってアプリアプリ…」
召喚できたことに改めて驚きつつも会話アプリを起動させて(起動させずに会話すると精神を汚染されるらしい)目の前の小人と交渉を開始した。
「お兄さん会話したいの?いいよ!暇だししてあげる!」
「と、突然で悪いんだけどさ、仲間になってくれないか?ほしいものはできるだけあげるからさ。」
「あたしを仲魔にしたいの?う~ん、じゃあおいしいものがたべたい!」
「あ、ああいいぞここから出たらなんでもたべさせてやる。」
「じゃあ交渉成立ね、あたしピクシー、コンゴトモヨロシク!」
そういうとピクシーは近づいてきた。おもわずたじろぐととくすくすと笑ったあと、
光のような粒子状のものになって板状のものに吸い込まれていった。
「ホ、ほんとに契約できたのか?」
「ええ、おめでとうマスター契約成立よ。確認してみて。」
確認すると確かに
妖精ピクシーLv1:契約済み:非召喚:通常
となっていた。呼び出す場合はもう一回召喚した時と同じようにすればいいらしい。
「それと注意点があるわ。悪魔を召喚するときと召喚を維持している間は生体マグネタイトを消費するの。」
「生体マグネタイト?なんだそれ?」
「生体マグネタイトはそうね、知的活動、感情の強い発露、生命力の発露ともいえるエネルギーよ。悪魔は本来肉体を持たない生物。物質界では自らの肉体の実体化を維持するためにMAGを消費し続けるの。これの性質によって脳をもたないはずの悪魔が考えたり、動いたりできるの。」
それは魔力とは違うものなのだろうか本とかで学んだ魔力は生命力を変換したものであったはずだ。
「ええ、生体マグネタイトは
どういうことだろうか?本来この世界にない?
「まあ生体マグネタイトの残量には注意してということ。足りない場合維持できなくなってこのスマホに戻されるわ。やられた場合も。」
この板状のものはスマホというらしい。それはともかくとしてだんだん落ち着いてくるとピクシーの小ささに不安を感じてきた。あの大きさで対抗できるのだろうか一方的にやられるのではないだろうか。
「悪魔には魔界魔法を使うものもいるわピクシーもそのうちの一つね。」
「魔界魔法?魔術じゃないのか?」
魔法とはその文明ではなしえないことをなしえるもので6つしかないはずだ
「これもこの世界にはなかったものよ。それは置いといてピクシーは電撃を放つジオと傷をいやすディアがつかえるわ。見たところ怪我しているみたいだし癒してもらうことを推奨するわ。」
半信半疑ながらいわれたとおりにピクシーを召還し、ディアをお願いすると、了解され魔法が使用された。すると怪我していたところが熱くなり、怪我がみるみると治っていった。おおっ、と感嘆していると
「これで信じてもらえた?では行くわよ。」
「行くってどちらに?」
「決まってるでしょう異界化を起こしているガキを倒すのよ。」
あれを倒すといわれてまた不安に駆られたが、ピクシーを見て、いけるかもしれないと少し力が入った。
「何か身を守るものがあったほうがいいわね、マスター何かない?」
そういわれてあたりを見回したが丈夫そうな椅子くらいしかない
「ないよりはましねそれを持っていきましょう。」
椅子を持ち上げてガキを探しながら移動していくと、最初と同じ場所にガキはいた。
「いいか、合図したら前に出てジオをありったけ食らわせるんだ。」
「わかったー。」
能天気なかわいらしい声の返事が返ってくると、深呼吸をして気持ちを落ち着かせタイミングをはかる。そして、1,2の…
「3だ!」
「ジオ!」
その瞬間、まばゆい光とともに雷撃が走り同時に敵を打ち据えた。次々と放たれていく雷撃と雷鳴に気分が高揚していく。雷光や衝撃でほこりなどが舞いよく見えないが無事ではいられないでろうと思えるほどのものであった。
「や、やったか!?」
しかし雷撃がやんだ瞬間、骨と皮ばかりに見える手がぬうっと伸び・・・
「え?・・・あ・・・」
前のほうにいたピクシーの体が引き裂かれ何か生暖かいものが僕に降りかかってきた。それは血だった。ガキは所々が黒焦げになり消して少なくないダメージを受けてなお生きて反撃してきたのだ。そしてこちらをなおも憎しみで満ちた目でにらんでいる。
「ひっ」
死への恐怖がまた戻ってくる。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。殺される。あの爪に引き裂かれて。そう思うと恐怖で動けなくなった。
「しっかりなさい!あいつを今倒さなければあなたが殺されるだけよ!動きなさい!」
はっとなり、もう何が何だかわからないまま手に持っているものを振り上げガキを思いっきり殴りつけた。するとガキは吹き飛ばされ、踏ん張れずどおっと倒れた。ジオでかなりダメージを受けていたのだろう。そして僕は何度もガキに向かって椅子を振り下ろした。
何度も、何度も、何度も、何度も。
手に伝わってくる感触が気持ち悪かった。だけど振り下ろした。
顔についた何かの感触が気持ち悪かった。だけど振り下ろした。
もはやガキは動かなくなっていた。 だけど振り下ろした。
そしてもう持ち上げれなくなって地面に手をついて気持ちが悪くなって吐いた。
「ガキの消滅を確認。異界が消えていくわマスター。」
僕は返事もできずに気を失った。
_______________________________________
次に目が覚めた時にはベッドに横たわっていた。体を起こしてあたりを見ると、机の上にスマホが置いてあり、あれが夢ではなかったことを実感させた。
そしてドアが開き、父さんが入ってきた。
「大丈夫か慎二?なぜあんなところに倒れていたんだ?」
尋ねられた僕は気を失う前のことをありのままに話した。しかし、
「そんなことがあるわけないだろう。まだ寝ぼけているんじゃないか?」
と、言われ証拠としてスマホを起動しようとしたが起動しない。それでも必死に説明したが
「熱でもあるんじゃないか?もう休んでなさい。」
と言って父さんは出ていく。そして出て行ったあとスマホは起動した。そして開口一番バロウズは
「あまり私のことはしゃべらないほうがいいわ。悪魔のことも。」
なぜだ、神秘の秘匿か?と聞くと、この世界とは違う物理法則の世界から来たらしく、この世界の悪魔とそちらの世界の悪魔は名称が一緒のものでも出現の仕方が違うらしい。神秘の減衰などがなく、この出現の仕方が知られれば知られるほどこの方法による悪魔が出現がしやすくなるのだという。僕に知られている、この方法で召喚ができてしまっている時点でもはや出現は止められないができるだけ知られないに越したことはないという。
「じゃあ発生したときはどうするんだよ?」
「あなたが戦うのよ。」
冗談じゃない!もうあんな目に合うのはごめんだ!僕はやらないぞ!というと
「いいえそれは無理だわ。あなたはこの世界で初めてこの方式に触れた人間。そして一度悪魔にかかわったものは必然的に悪魔に目を付けられる。あなたが望む望まないにかかわらず悪魔はあなたを襲いに来るわ。」
嘘だと思いたかった。全部夢で寝て起きたら全部なかったことになってほしかった。だがあの肉と骨をたたきつける生々しい感触、あれが現実だと教えていた。
「それにあの方式の悪魔が展開する異界はこの世界ではこちらから乗り込む方法がまだないの。あなたしか戦えるひとはいないわ。このスマホに認証されたあなたしか。酷なことを言っている自覚はあるわ。だけど戦わなければあなたが死ぬだけよ。」
「戦わなければ…死ぬ…」
それは日本で平和に生きていた13歳にはあまりにも遠いことに思えた。
「今日は疲れているみたいでしょうし受け止めるには時間が必要だしこれくらいにしましょう。good night マスター。」
そういってスマホの電源が落ちた。そして僕も今日起こった出来事とかいろいろ考えながら眠りに落ちた。
そして僕がそれを受け入れる日はそう遠くなかった。そして僕はこの日常を歩んでいくことになる…
ちなみにこの時、考えていることとしては、なんやかんやあって、本来ありえないのに異世界の物理法則がこの世界の物理法則の一部として侵食してしまった感じ。
根源とは別のところからその法則が侵食してしまったのがこの世界。
型月世界に切り離されてあやふやな状態になって剪定事象みたいにリソースがいきわたらないようになって消滅するはずが慎二があれ拾って受け入れて、物理法則が定着安定して メガテン世界のほうからリソース受け取ってなんとか今はぎりぎり危機を乗り越えてる状態。