第2話です。よろしくお願いします
始まりは中国。
発光する赤児が生まれたというニュースだった。
なんでそんな子供が生まれたのか、原因は不明でその赤児の誕生以降、各地で超常の力が発見されていった。
原因究明のため世界の科学者たちが思考を凝らすも、結局その原因は判明されないまま時は流れる。
いつしか超常は日常に。架空は現実に。
今となっては世界の総人口の約八割が有している《個性》と名づけられた超常の力。
超人社会と言われる現在で、ある職業が脚光を浴びていた。
《個性》を悪用し社会を混乱に陥れる《ヴィラン》と呼ばれる悪の集団。
《個性》を用いての強盗や殺人などの非人道的な行為をする
そんな彼等の名は、
世の中は、その新たな職業を、何て事はないように受け入れている。
そしてそんな世界に転生を果たした僕こと、
「よりにもよってアニメの1話しか知らない『ヒロアカ』の世界・・・」
そう、僕は転生の何よりの味方『原作知識』がここに無惨に消えた。
前世で友達にオススメされたこの作品、丁度アニメがやると言われアニメの第1話をちょっと観ただけだったのだから。
まあ、前知識として登場人物はしっかりと頭に入れてはいたが・・・
まあそんなことを気にせず過ごした今日はなんと!高校の入学試験の日だ!
何?小さい頃の話はしないのかって?うーん特にする話がないので却下するよ。
まっ、そんな僕の目の前には、デカデカとある建物が建っていた。
──国立雄英高等学校
目の前に広がるマンモス校を見て、改めて実感する。
この世界には《ヒーロー》という職業があり、世の中には社会を乱す《ヴィラン》という悪がいる。俺はそんな世界に《個性》として《言霊使い》を持って転生した。この15年間、テレビをつければ《ヴィラン》を対峙し捕まえる《ヒーロー》達の姿が必ず映っている。
その事実を実感した僕はこの世界で《ヒーロー》になるために知識を増やしたり、この個性は喉を使うので喉を鍛えるためいろんな事したり、
そしてこの容姿のお陰で男子からも女子からも告白沢山されたな。
紫がかった黒髪はショートカットにして、頭のてっぺんには一房のアホ毛。目は相手を威圧する事のない少し垂れた目と空色の瞳。身長は女子にしたら少し高いぐらい。胸は大きくはないけど小さくもない。出るとこ出てて引っ込んでるとこは引っ込んでいる、いわゆるモデル体型だった。そんな中性的な容姿のお陰で毎日凄かった。
今はそんなことより、試験の事を考えなくては。
まあ、筆記試験は特典の一つ完全記憶能力のお陰で楽勝だろう。それよりも問題は実技試験の方だ。なんとかなるだろうか。
そんなことを考えていると視界の隅に緑色のモジャモジャした髪の毛が目に入った、彼は確か
『受験生のリスナー達ー!今日は俺のライヴにようこそー!Everybody Say Hey!! 』
「ようこそっ!!」
『サンキュー、受験番号4518のリスナー!!! 彼女の熱い返答に応えて、受験生のリスナーに実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!! Are you ready!?』
「Yeahhh!!!」
ボイスヒーロー『プレゼント・マイク』の場違いな言葉のノリに、たった一人だけ反応する受験生。それこそ言紡 葉由良その人だった。回りに座っていた人は困惑していたがそんなことはどこ吹く風だった。
『入試要項通り!
リスナーにはこの後、10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!! 持ち込みは自由! プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!! OK!?』
「OK!!」
演習場には三種の《仮想
勿論、他人への妨害行為などのアンチヒーローな行為はご法度だ。
そして、入試要項に書かれている《仮想
それは攻略難易度に応じ《仮想
―お邪魔は避けるのが無難、だけどやれるならやりたいよなぁ
葉由良がそんなことを考えているうちにプレゼント・マイクの内容の説明は終わり、最後に彼は一つ言葉を残した。
『俺からは以上だ!!
最後にリスナーへ我が校の〝校訓〟をプレゼントしようっ!
──かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った。真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と。
―
それでは皆、良い受難を!』
最後にそう締めくくって、プレゼント・マイクの実技試験の説明は終わった。
説明終了後、演習場まで距離があるらしくバス移動だったので僕ら受験生はバスに乗り込んで移動していた。
会場に着いた僕がまず驚いたのはその会場の大きさだった。
「都市じゃん!これサイズが後何個あるんだろうか・・・」
個性を使っても大丈夫なようにだろうか?そんなことを考えていたが、いくら考えたところで無駄なので気持ちを切り替える。
ちなみに私の今の格好は動きやすい黒のジャージを来ていた。持ち込みOKらしいから他の受験生もそんな服装だった。他にも道具を持っている人もいた。周りを見つつ準備運動をしていたすると、
『はい、スタート!』
プレゼント・マイクの始まりの合図を聞いた僕は個性を発動する。
「“ショートカット”バイク!!」
僕の身体に青白い電気のようなものが走ると道路にスポーツタイプのバイクが出現した。私はそのままバイクに乗りエンジンを噴かせて走り出す。勿論免許は個性を使う上ですべて取っている。いや、本当にしんどかった。特に飛行機、あれはヤバい。
そんなことを考えていると目の前に4体の仮想
「ブッコワス!!」
「「コワス!コワス!」」
「クタバレ!ヒーロー!」
色々な事を言っているが僕の耳には入ってこない。僕はバイクに乗ったまま次の物を呼び出す。まずは小手調べに!
「“ショートカット”FN P90!」
FN P90正式名、《ファブリックナショナル プロジェクト ナインティー》は、ベルギーのFN社が開発した
まあ形状が好きなので出したのだが、まあそんなことはおいといて。
僕はバイクに乗ったまま右手にFN P90を構え、フルオートでマガジンに入っている弾をばら蒔いていった。だが仮想
「“ショートカット”――」
そして、当然操縦士を失なったバイクはそのまま仮想
僕は仮想
「―ヘカートⅡ!」
PGM-ウルティマラティオ・ヘカートⅡ、フランスのPGMプレシジョン社が開発・発売している対物狙撃銃《アンチマテリアル・ライフル》というカテゴリに属される銃。
これは前世で読んでいた、あの某デスゲームラノベで出るマフラーを巻いていた一番好きなキャラが使っていた完全に趣味に走った銃だった。また話が脱線したね。
僕は受け身を取り片膝を立ててバイクに照準を合わせ引き金を引いた。打ち出された銃弾はバイクを撃ち抜き仮想
よしポイントゲットと、この分だと
僕は武器を変えながら仮想
「“ショートカット”ショットガン」
ショットガンを呼び出す。指定せずに呼び出したので色々なショットガンが出てくる。仮想
『残り3分だぞー!』
プレゼント・マイクが残り時間を知らせた。僕は焦らずいよう。ポイントは沢山あるからね。他の受験生は、
「やべぇ!まだ全然ポイントが―」
「おい!そいつは俺の獲物だぞ!」
「知るか!」
うわぁ、殺伐としてるなぁ。そういえばお邪魔
そんなことを考えていると赤髪ツンツン頭をした男の子が仮想
「ほら、危ないよ!」
「――って、うぉ!? 急に後ろに立つなよ、びっくりすんじゃねぇか!!」
「ごめんね。でも、僕が来なかったら、危なかったみたいだよ?」
ようやく周囲の仮想敵を倒して葉由良の存在に気付き驚く少年に、葉由良は「失礼だね!」と言わんばかりの不機嫌顔で頭のアホ毛をブンブンと振りながら、自分が倒した仮想
「えっと、助けてくれてサンキューな!俺は切島ってんだ! よろしく!!」
「うん!僕の名前は言紡 葉由良!よろしくね切島くん!」
「おう!」
僕の返しに満足したのか彼、切島くんは笑顔で握手を求めてきたので僕も笑顔で彼の手を握り返した。
「じゃあしばらくの間ヨロシクね?切島くん!」
「任せろ言紡!」
そして、ちょっとした相棒ができた。
彼はノリの分かるいい人だ。
この実技試験は限られた時間と広大な敷地の中で、位置情報や戦力を伝えられていない仮想
仮想
モニタールームで実技試験の様子を見ていたヒーローたちは、二人の受験生が映るモニターを見て盛り上がっていた。
「凄いな彼。《個性》は勿論だが、あのタフさは称賛に
一人は派手な《個性》で仮想
「いやいや、彼女も負けてないぞ。
もう一人は《個性》で様々な物を呼び出し、仮想
モニタールームではどちらの受験生が凄いか、その話題で持ちきりである。
「(ったく、わいわいと騒がしい)」
そんな状況に彼、相澤 消汰は嘆いていた。
イレイザーヘッドという名で活動する彼は紛れもないトップヒーローの一人で、一見気だるそうに見えてその観察眼は人一倍良い。
そんな相澤から見ても、周りのヒーローたちが言うようにこの二人は逸材だと感じていた。磨けば光る原石、それこそ他の受験生たちとは既に一線を駕している。
「(金髪は見た目にそぐわず自分の《個性》をしっかり把握してる。感情的なのが玉に瑕だが、それを差し引いてもあれは金の卵だ。ウチで育てればあれはカクジツニ化ける)」
対して、と相澤は仮想
「(黒紫髪は《個性》を十分理解しつつうまく立ち回っている。さらには色んな得物を使いこなしている。金髪と違って既に完成されてる印象だ。まぁ、それは裏を返せばこれから成長しないとも取れるが……まぁ、それはアイツ次第か)」
周りが騒いでるのを意にも返さず、相澤は他にも際立ってる受験者を見つけ出してはその考察に没頭する。
「さて、受験生の真価が問われるのはここからだ!」
残り時間が2分に差し掛かろうとしたタイミングを見計らって、0Pの仮想
ヒーローの大前提、圧倒的脅威に晒され、それを目の前にした彼らがどう動くのか。動けるのかはたまた動けなくなるのか、逃げるのか、助けるのか。彼等にその勇気があるのかそれを確かめるために、圧倒的脅威が試験会場に出現する。
戦闘難しいです。
がんばります。よろしくお願いします。