ダンガンロンパ –救世主の偶像と絶望の高校生– 作:有楽 悠
言い訳は申しません
エリザも…イバラギンも…酒呑ちゃんも…否、シトナイでさえも……俺が守護らなければならぬ
と言うわけで物語が急変する第3話どうぞ
「これは……」
時は『少し』遡る。
希望ヶ峰学園74期生であった一ノ瀬志希は78期生のリストを見ていた。
その中の『誰か』を見た瞬間、志希は確実に何かを感じた。
「ふーん……」
一ノ瀬志希は見慣れた白衣を着ながら『とある人物』に電話を掛ける。
それは共に希望ヶ峰学園で一学期を過ごした友。
まぁ一学期だけで飽きてしまった志希はそれ以降あまり関わりがなかったのだが。
「久しぶりに会いたくなっちゃってさー、今から希望ヶ峰学園行っていい? 今先生してるんだよね?」
「え、いきなりね志希ちゃん…でも」
「ありがとー! すぐ行くね‼︎」
声を遮り電話を一方的に切ると、そのままの勢いで事務所を出る。
「プロデューサー、ちょっと大事な用事が出来ちゃったからレッスン休むね? …ま、今は営業だからいないけど♪」
一ノ瀬志希の暴走を止める者は今。
この事務所にはいない。
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入学式が終わった後、ボク達は視聴覚室に向かっていた。
モノクマから渡された『
「これで再生、と……」
直後、
二宮飛鳥の眼前に広がるは346プロダクション。
その事務所に他ならなかった
「おめでとう、飛鳥!」
「我が友よ、
「後ろにも事務所の皆…応援してくれていることは有難い。 ボクの輝きを……」
調子が戻り、いつものように言葉を紡ぎかけていたその時。
画面は暗転し、自体は急転する。
「皆が…いない…… ソファもボロボロだ……‼︎」
「さてここで問題です‼︎ 346プロダクションに一体何があったのでしょうか⁉︎ 乞うご期待‼︎」
正解は“卒業”の後という文字だけが画面に浮かび上がり、そのまま皆の姿が戻ってくることもなく光は落ちた。
「これが殺しの動機ってことか……」
確かにこんなものを見せられてしまえば外の世界のことを知りたくなってしまう。
そんな欲求を必死に抑えながら二宮飛鳥は自分の部屋に戻ろうとする。
が、その直線に倒れこむ者がいた。
「嫌ッ‼︎」
「大丈夫かい⁉︎ 舞園さん!」
絶望に直面し涙する彼女を
飛鳥はただ慰めることしかできなかった。
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「ちさちゃん久しぶりー♪」
一ノ瀬志希がブンブンと大きく手を振る。
その先にいるのは雪染ちさ。
同じ希望ヶ峰学園74期生の友であった。
「いきなり『会いたくなっちゃった』なんて……何かあったの?」
「ちさちゃんに隠し事は出来ないかー♪」
志希が無邪気に微笑むと、思わず雪染もつられて笑ってしまう。
「…それで、志希ちゃんは何しに来たの?」
「えーっとね……78期生に江ノ島盾子って子いる?」
「多分いるとは思うけど…ごめんなさいね、私は77期生の担任をしてるから深くは……」
「いたー♪」
気付くと一ノ瀬志希はもう目の前にはおらず。
雪染の遥か後ろで『江ノ島盾子』と思わしき人物に向かって手を振っていた。
「もう、ちょっと志希ちゃーん? 」
「ごめーん♪ ちょっと用事が出来ちゃったから近いうちにまた会おうねー♪」
それだけ言うと一ノ瀬志希は江ノ島盾子の手を握ってまた何処かへと消えていってしまった。
ちなみにシトナイは引き当てました。
今さら…アンタの霊基を引き当てたんだ………