Fate/curious tale 緑の勇者と白い魔王   作:天々

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感想をもらえると嬉しいものですね。エタら無いように頑張ります。
これで後はセイバー陣営のみ、ようやく全てのサーヴァントが出揃います。
8/11細かいところを修正


六話 騎士

『マスター、サーヴァントの気配を見つけたがどうする?』

「気配は一騎だけ?」

『そうだが、仕掛けるのか?』

 己のサーヴァント、ランサーからの報告を受けて彼女、樋口神奈(ひぐちかんな)はふむ、と黙考した。

 気配が一騎のみであるならば混戦にはならない。ならばここは様子見で一線交えてみるのも悪くはないはずだ。幸い今夜は他の場所でもサーヴァント戦が起きている。ならば、こちらへの注目度は下がるだろう。警戒すべきアサシンも先に開戦しているそちらの戦場にいる可能性が高い。

「いいわ、あなたの実力見せて頂戴ね、ランサー」

 仕掛けるなら今だ、と神奈は決断しランサーに攻撃の許可を出す。、

『了解した。この槍に誓って、マスターに聖杯を捧げてみせよう』

「ええ、楽しみにしてるわ」

 気障に返すランサーの言葉に、クスリと笑みを浮かべながら神奈は念話を打ち切った。

 彼女が呼んだ英霊は槍の英雄としてはかなりの知名度を持つ英霊であった。

 高い機動力と白兵戦能力に加えて、簡易な魔術も修め、さらに、これは神奈自身持っているとは予想していなかったが、低級の竜種を使役し騎乗する能力を持っていた。

 白兵戦に加え、竜に騎乗しての空中戦をもこなすその能力はもはやランサーとライダーのハイブリッドと言っても過言ではない。

 その伝説において多少不穏な所はあったが、その原因はそもそも彼の人間関係やその数奇な巡りあわせにあったと考えると聖杯戦争においては大した障害にはならないと考えられる。

 事実彼の伝説ではむしろ誇りある騎士として、恩義ある相手に対しても悪を悪として見逃さぬ正義漢として描かれていた。

「さて、こっちはどうなってるかしらね」

 念話を切った神奈は、そう呟いて目の前の卓上においてある水盆を眺める。

 そこにはバーサーカーらしき巨漢と白いコートを羽織ったサーヴァントの戦いが映し出されていた。

「多分こっちはバーサーカーよね…。白いのはセイバーとかライダーって感じでもないしアーチャーかキャスターかしら?バーサーカーと渡り合えるんだからアーチャーよねきっと」

 ぶつぶつと呟きながらサーヴァントのクラスを予想する神奈。まあ、今回のキャスターは白兵戦が得意と豪語する変わり種なのだがそれは彼女の知るところではない。

 そんな彼女の予想はこの後弓を扱う緑衣のサーヴァントが現れた事で修正を余儀なくされ、その後クラス名が判明した際に軽くキレる事となるのだが、それはまた別の話である。

 

 

「お前か、俺をここに呼んだのは」

 住宅街の一角にある広々とした空地、ランサーがサーヴァントの気配を追ってたどり着いた場所に立つのは黒衣に身を包んだ一人の男であった。

 この土地には巨大マンションが建つ予定であるが、今はまだ更地となっている。仮囲いもされており、サーヴァントが立ち会う上では絶好の場所であった。

 黒い甲冑に身を包んだランサーはその手に愛用の槍を呼び出すと、油断なく目の前の相手を睨めつけた。

「ほう、ランサーか。あちらにも楽しんでいる連中がいるみたいだからな。折角だ、こちらも楽しまないと損だとは思わないか?」

 そう言って、人好きのする笑顔を浮かべる黒衣のサーヴァント。その手にはいつの間にやら長剣が握られている。

「戦闘狂め。その剣、セイバーだな。まあいいさ、どうせサーヴァントを倒さなければ勝利できないのには変わりない。ここで潰させて貰うぞ!」

 そう宣言して槍を構え、ランサーは突進する。

 そしてその勢いのままに一撃を放つと思われたその瞬間、ランサーの姿はセイバーの眼前で唐突に掻き消えた。

「何⁉」

 咄嗟に前方へとその身を踊らせるセイバー、その残像を上空から急降下したランサーが刺し貫く。

「ちぃっ!」

 振り向きざまに放たれたセイバーの横薙ぎは、しかしランサーの下からの切り上げによって阻まれた。

 金属音がけたたましく鳴り響き、火花が舞い散る。セイバーはランサーの一撃を受け止めながら、その反動を利用して大きく後方へと飛び退った。

「今のを凌ぐとは流石だな、セイバー。流石に最優、そう簡単には奪れはしないか」

「流石に今のはヒヤリとしたぞ。最速のクラスに偽りはないということか」

 互いに互いを讃えながら、しかしその相手を討つべく得物を構えて駆け出す。

 7つのクラスの中でとりわけ白兵戦に長じた二騎の戦いはまだ始まったばかりであった。

 

 




【CLASS】ランサー
【マスター】樋口神奈
【真名】不明
【身長・体重】183cm・63kg
【イメージカラー】黒
【属性】秩序・善
【性別】男性
【特技】槍術
【好きなもの】???
【嫌いなもの】自分
【天敵】不明
【ステータス】 筋力A 耐久B 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具A

『保有スキル』

<クラス保有スキル>
・対魔力(C)

<固有スキル>
・騎乗(A++)
・竜騎跳躍(A)
・竜使役(B)
・魔術(D)

【解説】
・対魔力
 術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

・騎乗
 竜種を含むすべての獣、乗り物を乗りこなすことができる。

・竜騎跳躍
 天高く跳ぶ驚異的な跳躍力。壁や障害物を蹴っての空中機動も可能である。

・竜使役
 竜と心を通わせ使役する才能。彼は特にこの才能に秀でていたとされる。
 さらに自らの乗騎として低級の飛竜を一体召喚可能。 

・魔術
 簡易な魔術を使用できる。
 治癒の術と自己強化、妨害の魔術を使用可能。



 <所有宝具>

不明
ランク:?
種別:?
レンジ:?
最大補足:?
由来:?
彼の所有する槍。詳細不明。

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