IS DESTINY ~蒼白の騎士~   作:ELS@花園メルン

4 / 45
今回はイチカがコズミック・イラへ転移してからの話になります。



アスカとの出会い

Side マユ

 

 

こんにちは、マユ・アスカと言います!

って、自己紹介なんてしてる場合じゃ無いんです!

今日、家族みんなでキャンプに来てて、お父さん達がバーベキューの準備をしてる間、お兄ちゃんと遊んでたら森の中に男の子が倒れてたんです!

 

 

「お、お兄ちゃん、あの人どうしたのかな?」

 

「そんなこと俺が分かるかよ。

マユ、父さんと母さん呼んできてくれ!」

 

「う、うん!」

 

 

そうして、私はお父さんとお母さんを呼びに森の中を走りました。

 

 

 

 

 

Side シン

 

 

シン・アスカ。

マユの兄だ。

 

マユに父さんたちを呼ぶように言ってから、俺は倒れている男の子の元に駆け寄り、その体を揺すった。

 

 

「おい、お前!大丈夫か!?」

 

 

何度も揺すりながら叫ぶと、

 

 

「う...ん...?」

 

 

倒れていた男の子がうっすらと目を開けた。

 

 

「良かった!

なあ、座ることって出来るか?」

 

 

と俺は聞いてみると、

軽く頷いたので、身体を俺が支えながら木にもたれ掛かるように座らせた。

 

 

「待っててくれ、もう少しで大人が来るから」

 

「シン!」

 

 

父さんの声が聞こえた。

 

 

「おーい、ここだ!父さ〜ん!」

 

 

と、場所が分かるように手を振りながら声を出す。

 

 

「この子が倒れていたっていう男の子か?」

 

「うん。でもさっき目を覚ましたから座らせてるんだ」

 

 

すると、父さんは男の子の元に近寄った。

 

 

「君、大丈夫かい?」

 

「...う、ん」

 

「これ何本か見えるかな?」

 

 

と、父さんは指を3本立てた。

 

 

「さ、んぼん」

 

「どこも痛いところとかは無いかい?」

 

 

すると、男の子は頷いた。

 

 

「良かった。

じゃあ、君の名前と何でここに居たのかって言えるかい?」

 

「織斑一夏、家に帰ってたら変な奴らに誘拐されて、薬を撃ち込まれて気づいたら...」

 

 

【オリムラ・イチカ】?

【イチカ・オリムラ】じゃなくて?

しかも、さっき誘拐されたって行ってたけど近くでそんな騒ぎがあったとか聞いてないしな。

 

すると、イチカはポケットからサイフらしきものを取り出した。

 

 

「この中に住所とか書いてます」

 

 

と、サイフから紙切れを取り出し、父さんに渡した。

 

 

「?日本?確か東アジア共和国に併合されていた国だったかな?」

 

「...え?」

 

 

ニホン?聞いたことないな...。

 

 

「確かC.E.(コズミック・イラ)38に併合されたような」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!?

コズミック・イラ?西暦では無いんですか?!」

 

「西暦とはまた随分と古い年号を使うんだね。

今では宇宙への進出が進み、コズミック・イラに変わったのに」

 

「あ、あの!じゃあ、インフィニット・ストラトスって知ってませんか!?」

 

 

インフィニット・ストラトス?

また知らない言葉だ。

 

 

「いや、聞いたことないね。

それは一体なんなんだい?イチカくん」

 

「インフィニット・ストラトスっていうのは――――」

 

 

イチカが簡単にインフィニット・ストラトスというものの説明をしたが、その話の中に出てきた言葉は俺達にはどれも聞き覚えのない言葉だった。

 

歴史の勉強を学校でしているが、【白騎士事件】なんてものは聞いたことも無いし、偉人の中にも【篠ノ之 束】なんて人は出てきてない。

 

父さんはイチカが出任せを言っているとは思っておらず、

しばらく考えると、

 

 

「君はもしかして、別の世界から来たのかも知れないね。

おとぎ話みたいな話だけどさ」

 

 

と言った。

別の世界なんて確かにおとぎ話のようだが、話の食い違いからイチカはどこか別のところから来たのかとは俺も思っていた。

 

それに対してイチカも驚いていた。

 

 

「そもそも、ここにはIS何ていうものは存在しないよ。

あるのは精々作業用のモビルワーカー程度さ。

さて、とりあえず僕達のキャンプ場に移動しようか」

 

 

父さんはイチカを抱えてキャンプ場に向けて歩き出した。

俺もその後をついて行った。

 

 

 

キャンプに戻ると炭火の匂いがしてきて、そこでは母さんがバーベキューの食材を焼いていた。

 

 

「母さん、この子にも食べ物を分けてあげられるかな?」

 

「いいわよ。その子、さっきマユが言ってた子よね?

ねえ、君?お父さんやお母さんはいないの?」

 

 

と、母さんはイチカに訊ねた。

 

 

「いません...。

千冬姉と2人っきりです」

 

 

親がいない?

姉と2人で暮らしてるのか?

 

 

「じゃあ、お姉さんの所に帰らないとね。

どこにお家があるか覚えてる?」

 

「そ、それなんだがな、母さん」

 

 

父さんはバツが悪そうにイチカのことを説明した。

 

 

「ええ!?違う世界から来た!?

...ねぇ、あなた?イチカ君はどうなるのかしら?」

 

「元の世界に戻るには何が必要なのか、っていう情報が不足しているからね...。

なあイチカ君、君さえ良ければだがうちに来ないかい?」

 

「「ええ!?」」

 

 

思わず俺も驚いて声を上げてしまった。

 

 

「な、なんで急にそんな?

俺、お金とか大した額も持ってないですし、そもそも使えるのか分かりませんけど」

 

「単純な善意って理由じゃダメかな?

路頭に迷ってしまう子供を放っておけないしね」

 

 

と、父さんは言っていた。

まあ、今の世の中じゃナチュラルとコーディネーターでの人種差別が活発化してきてるから子供を一人で、なんてしたら危ないか。

 

 

「あなたがそういうなら私は賛成よ。

マユもいいかしら?」

 

「うん!」

 

 

母さんも妹のマユもOKを出した。

 

 

「シンはどうだい?」

 

「別に構わないさ。

反対する理由も無いしさ。

でも、それだとお金がかかるんじゃないか?」

 

 

家の金銭面の話は俺はあまり詳しくないけど、4人家族から5人に増えるんだ。

暮らすのに必要なお金もそれなりにかかると思う。

 

 

「これでも結構な額は稼いでいるからね。

子供の一人くらいは賄えると思うよ」

 

 

確かに父さんも母さんも働いてて、父さんは国の企業で働いてるし給料とかは多いのかもな。

じゃあ、大丈夫なのかな?

 

 

 

 

それからイチカへのこっちの世界で暮らすための情報や俺たちの自己紹介なんかを終え、養子としてイチカ・オリムラは俺たちの家にやってきた。

 

 




本当はイチカ・アスカにしてもよかったんですが、今後の展開からもこの方がいいと思い、
イチカ・オリムラのままにしました。


次回から少しとばして本編の方へつないでいこうと思います。


アンケートの順位の途中経過

ヒロイン

1位 ルナマリア
2位 マユ、ミーア
4位 メイリン

専用機

1位 デスティニーインパルス
2位 ストライク系
3位 スターゲイザー


となっています。

アンケートは本編に入るころに締め切っていきます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。