IS DESTINY ~蒼白の騎士~   作:ELS@花園メルン

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こんばんは、ELSです。

この作品は前作のリメイクになります。
アドバイスを参考にところどころ作り替えて行きますのでこれからもゆるりとヨロシクお願いします。


コズミック・イラ編 前日譚
失踪する織斑一夏


IS【インフィニット・ストラトス】

宇宙空間での活動を想定して造られたマルチフォームスーツで稀代の天才【篠ノ之 束】が開発した歴史的発明だった。

しかし、【白騎士事件】と呼ばれる世界各国の軍事施設がハッキングを受け、日本に向け無数のミサイルが発射されるという世界的大事件が起き、最初のIS、機体名【白騎士】がそのミサイルの完全破壊を成し遂げ、宇宙開発のために造られたISは最新鋭の兵器として扱われてしまう。

更にISは女性にしか操れないという欠点があり、その結果、世界中で女尊男卑という風潮が広まってしまい、【篠ノ之 束】が目指した宇宙進出という夢は潰えてしまったのである。

 

 

そして、世界各国はISの軍事利用を禁止するため【アラスカ条約】を制定。

IS競技というスポーツの大会である【モンド・グロッソ】を開幕し、世界のIS乗りを競わせた。

その頂点に君臨したのが【織斑 千冬】。

篠ノ之 束の親友で織斑 一夏の姉である。

 

 

ISと女尊男卑の風潮により1人の少年は過酷な運命に立ち向かうことになる。

 

 

 

SIDE 一夏

 

 

俺【織斑 一夏】は学校帰りに後ろから取り押さえられ、何処かへ抵抗できずに運ばれてしまった。

 

 

「放せ!放せよっ!!」

 

 

俺は俺の両側からがっちり押さえつけている男たちにそう叫ぶ。

 

 

「うるさいガキだな。

おい、例の薬で眠らせろ!」

 

「はっ!」

 

「放—――がっ・・・!?」

 

 

首の後ろから何かを押し付けられ、プシュッという音と共に一気に俺の体の力が抜け、眠気に襲われてしまった。

 

 

 

――――――――――――――

 

 

「すごいな、これがブリュンヒルデの血族の遺伝子か」

 

「これは実にいいサンプルが取れたものだ」

 

 

一夏が眠らされ運ばれたのち、運ばれた先の研究所で一夏の身体情報を抜き取り、その情報に感嘆の声を漏らしていた。

 

 

「しかし何故弟から情報を得るんですか?」

 

「決まっているだろう。

ブリュンヒルデに対して単なる人間の我らが近づけるとでも?」

 

「それもそうですね――――あっ!?」

 

 

1人の科学者が悲鳴にも似た声を上げる。

 

 

「な!?お前、一体何を!?」

 

 

施設内にサイレンが響き渡り、警報ランプが赤く光り施設内を照らし出した。

 

 

「ふ、不注意で隣のボタンを...!」

 

「不注意にもほどがあるだろう!?

データを持ってすぐに逃げるぞ!!」

 

 

科学者のリーダーの様な男が全員にそう通達した。

 

 

「子供はどうしますか!?」

 

「データは取れたんだ!

もう用済みに決まってるだろう!」

 

 

そして、科学者全員が逃げ出し、たった1人ベッドに括りつけられたまま眠った状態の一夏だけが残されてしまい、

その後に一夏が眠らされていた施設は大爆発に包まれてしまった。

 

 

その爆発の後には何も残っていなかった。

一夏の姿やその死体さえも...

 

―――――――――――――――――――

 

 

SIDE 織斑千冬

 

 

一夏がいなくなったという知らせを受け、私はすぐさま家へと帰った。

 

家には警察と一夏の友人の1人である【凰 鈴音(ふぁん りんいん)】がおり、鈴は泣きながら警察に話をしていた。

 

 

「鈴!一夏がいなくなったというのは本当か!?」

 

「ち、ちふゆさん!」

 

「ええ、本当のようです。

先ほどこの子に話を聴いたのですが、学校帰りに別れた後からこの子がこの家に遊びに来るまでの間に失踪、誘拐された恐れがあります。

荷物はこの通り全て家の近くに散らばったように落ちていたそうで、それを見つけた彼女が我々に通報してくれました」

 

 

私は気が遠くなりそうだった。

だが、足を鈴に掴まれハッとなる。

 

 

「ぢぶゆざん、いぢがみづがりまずよね!?」

 

 

鈴の声は嗚咽や涙が色々と混じりひどいものだったが、私もこんな風に泣いてしまいたかった。

しかし、妹分の様な子の前というのもあり、涙を流すのは堪えることが出来た。

 

 

「っ...あ、ああ!きっと見つかる、安心しろ、鈴。

...何か情報は無いんですか?」

 

「今のところは何とも...。

近隣の方々に聴いても大した情報を得ることが出来ずに...」

 

 

警察はそう言うと一礼して部屋を出ていった。

バタンとドアが閉まる音と共に私は床に座り込んでしまった。

 

一夏...お前は...生きているのか...?

 

 

PPPPPP

 

と私の携帯が鳴り、画面を見ると、そこには【篠ノ之 束】と映っていて、画面をタッチし通話に出た。

 

 

「...束か...」

 

『ちーちゃん!大丈夫!?

いっくんが行方不明だって知らせを受けたみたいだけど!?』

 

「ああ...。

警察の方は手がかりが無さそうでな...。

束...何か分からないか?」

 

 

私の声には力が無い様に感じた。

 

 

『何故か巧妙に電波妨害がそこら辺一帯にされてたから追跡出来なかったんだよ、2時間ほど前なんだけどさ。

...束さんを出し抜くなんて、初めてだよ...。

でも、ちーちゃん!安心して!

いっくんはきっと生きてるよ!だってちーちゃんの!世界最強の弟なんだよ?だから束さんが探し出してみせるよ!』

 

 

束のその言葉は今の私には神の言葉の様に聞こえた。

 

 

「...ありがとう、束...」

 

 

そう言うと、私は電話を切った。

 

 

「鈴、一夏はきっと見つかる!

だから、安心しろ!」

 

 

束の言葉を借りる様にそう鈴に伝える。

 

 

「ち、ふゆさん?」

 

「何たってアイツは私の弟だ。

世界最強の弟だ、きっとすぐに帰ってきてくれるさ」

 

 

鈴にそう言い聞かせると、鈴は目をゴシゴシと擦り

 

 

「はい!」

 

 

いつものように活発とはいかないが先程より余程元気が出ていた。

 

 

それから私達はかろうじてではあるが普通の生活に戻ることができた。

しかし、束からの連絡は無く、一夏が生きているかどうかの報告はまだ無かった。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

たくさんのイチョウの葉が地面を埋め尽くしている森の中、1人の少年と少女が追いかけっこをしていた。

 

 

「待てっ!マユ!」

 

「やだよー!

捕まえられるなら捕まえてみてよ!お兄ちゃん!」

 

 

マユと呼ばれた少女は木の後ろに隠れ、それを追いかけた少年が回り込もうとすると、反対側からその後に回り込み、

 

 

「ワッ!」

 

「うわぁ!?」

 

「アハハ、お兄ちゃんビビりすぎだよ」

 

 

驚かしてまた逃げていく。

そして、少年もその後を再び追いかける。

 

 

そういった追いかけっこを繰り返して2人は少し広々とした空間に出た。

丁度、木が生えていなくその部分だけ光が差しているかのようであった。

 

その場所へ入った途端に少女は立ち止まる。

 

 

「...」

 

「よし、捕まえた!

...?マユ?どうかしたのか?」

 

「お兄ちゃん、あそこに」

 

 

少女が指さした先を少年が見ると、そこには1人の同い年くらいの少年が倒れていた。




簡単な時系列の紹介をします。

IS側:モンド・グロッソ第1回が終わり、世界一に千冬がなった後

種死:アスカ一家がまだ生きていて、キラもモビルスーツに関わってない


て、感じです。


ちなみにアンケートは
専用機がストライクノワール、デスティニーインパルス、スターゲイザー、ストライクがあがっており、
ヒロインはマユ・アスカ、ルナマリア・ホーク、ミーア・キャンベルとなっています。

1話を投稿してからしばらく時間を空けてアンケートの結果を待ってますので、どんどん来てください。
アンケートは8月上旬で締め切ろうと思います。

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