IS DESTINY ~蒼白の騎士~ 作:ELS@花園メルン
ちなみに戦闘はオリジナルです
SIDE イチカ
俺はアビスに向かってデファイアントビームジャベリンを振り下ろす。
が、その攻撃は肩のシールド兼兵装によって防がれてしまい、また接続通信が入ってきた。
『青いの!お前は俺が落としてやるよぉ!!』
「チィ、落ちろぉ!!」
俺はバラエーナプラズマ収束ビーム砲を放ち、アビスの両肩のビーム砲を破壊し、怯んだところを狙ってビームランスを切り落とした。
「はぁぁぁ!!」
『避けろ、イチカ!』
俺がアビスに止めを刺そうとしたが、シンから通信が入り咄嗟に後ろへ避けると何処かからミサイルが飛んできて俺とアビスの間を通り抜けた。
そしてMA状態のカオスがアビスを掴み、撤退していった。
「待て!!」
『イチカ!ミネルバが!』
シンにそう言われてミネルバを見ると、多数のオーブのMSの攻撃により、被弾箇所が増えていた。
「フリーダムは」
乱入し、マユを被弾させたフリーダムはどこで戦っているのか?
と俺は、ミネルバへ戻りながら周囲を確認した。
すると、浅瀬付近にてセイバーとグフがガイア、フリーダムの相手をしていたのが見えた。
あの二人なら大丈夫だと、安堵し俺はミネルバを援護すべく、機体を進ませた。
SIDE アスラン
「キラ!なぜお前が今になって出てきた!」
俺は小さいころからの友人だった【キラ・ヤマト】に呼びかけた。
フリーダムの動きからして、パイロットはアイツだと思ったからだ。
『アスラン!?君か!』
「今すぐカガリを連れて下がれ!」
『…それはできないよ。
僕たちはこの戦いを止めにきたんだ』
お前ならそう言うと思ったよ、キラ…
「だが、お前たちが戦場に来たことで起こったことは何だ!?
ただ闇雲に戦火を増やしているだけだろう!」
『けど、あの攻撃を止めていなければ、オーブへの被害が…!』
「ふざけるな!その考えの結果がこれだと言っている!
確かに、被害が出るかもしれない――が、ならお前はミネルバに、俺たちに沈めと言いたいのか!?」
『そうじゃない!僕は――』
「もういい。
どの道お前は俺たちの敵だというのに変わりは無いんだ。
カガリを連れて退くつもりが無いというのならば――俺がお前たちを無理矢理にでも下がらせてやる!」
俺は自分の中のリミッターを外すように意識し、SEEDを発動させた。
「キラァァァ!!」
『くっ、アスラン…』
フリーダムの動きも急に変化し、ビームサーベルを抜いて俺に切りかかってきた。
俺はそれをシールドで受け止め、もう片方の腕でビームサーベルを抜き、斬りかかった。
しかし、それは同じようにシールドで防がれ、鍔迫り合いになっていた。
俺はその状態から脱出のためにCIWSを目くらましの為に放ち、一気に押し切ろうとしたが、
フリーダムの腰に備え付けられていたレール砲が撃たれ、それに直撃してしまう。
VPS装甲のおかげで大したダメージにはなっていないが、代わりにエネルギーを多く消耗してしまっていた。
俺は減ってしまったエネルギーの事も考え、一度MA形態に変形し、射撃で牽制しつつハイネに対して通信を行った。
「ハイネ、すまない、手を貸してほしい」
『お?何だアスラン?しょうがねぇなぁ――って言いたいところだが、俺もガイアたちを相手にしててな、そっちもキツイと思うが纏めて相手にするんだったら構わないぜ?』
「それでいい。
向こうは敵同士なんだ。
こっちの方が遥かに連携を取りやすい」
『なら敵を引き寄せつつ、合流するぜ』
通信を切った俺は、フリーダムを合流地点に少しでも近づけるため、アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲をフリーダムより上から放ち、海面へと追い込む。
すると、フリーダムの背後から敵を何機か引き連れたハイネのグフがその手に近接ブレードを持ちながら、フリーダムへフィンガーキャノンを放っていた。
『よりにもよって、フリーダムが相手かよ…。
まあ、見せてやるぜ、ザクとは違うってことをなぁ!!』
しかし、フリーダムにグフが切り付けようとしたところでフリーダムが宙返りを行い、グフの背後に回り込みビームライフルを放とうとするが、
『甘いんだよ!』
ハイネはそう動くのを読んでいたのか、すぐに後ろを向きグフのスレイヤーウィップをフリーダムへ伸ばし、そのビームライフルを奪い、海へ捨て去る。
流石はFAITHの称号を持つ者と言ったところだろう。
俺はハイネの動きに感心すると同時に、ハイネを追いかけてきていたオーブのムラサメ、ガイアに対してビームライフルとアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲で襲撃を掛けた。
それによりムラサメを何機か落とすことに成功し、ガイアは後ろへ後退していった。
「次は!」
俺はハイネに任せていたフリーダムへ向き直り、そちらへビームライフルを放つ。
しかし、フリーダムは振り向き様にシールドで防ぎ、翼にある二門のビーム砲を放ってきた。
『後ろががら空きだっての!』
ハイネがグフのフィンガーキャノンを放つが、それをフリーダムは軽々と避け、ビームサーベルでグフの腕を素早く切り捨てた。
『なんて出鱈目な動きだよ!?』
「ハイネ!」
俺はグフからフリーダムを引き離すべく、セイバーの射撃武装をフリーダムへ放ち続け、フリーダムを引き離した。
すると、ガイアがMA形態で背中のビームブレイドを展開したまま突進をかけてきたので俺とハイネはそれを躱し、フリーダムへガイアは攻撃を行った。
しかし、そんなことをキラが許すはずも無く、ガイアは頭部を蹴られ海面にたたきつけられた。
「クソッ、攻めきれないッ!」
すると、ミネルバに多くの敵機体が向かっていくのが見え思わず動きを止めてしまった。
それはハイネやキラも同じだった。
『おいおい、ちょっとヤベェんじゃないか?』
「…キラ、これがお前のやりたかったことなのか?
地球軍やオーブに味方し、ミネルバを落とすことが…。
俺たちは足止めをされていたと、そういうことか?」
『――アスラン』
「行くぞ、ハイネ。
ミネルバを援護しないと!」
『おう、分かってるさ――アスラン!避けろ!』
ハイネの声で気づいたが海中からガイアが再び突進してきていた。
しかも、フリーダムを狙ってだ。
だが、その間に俺がいたこともあり、ガイアは俺もろともフリーダムを切り裂こうとしてきていた。
「しまっ・・・!」
『アスランッ!――――ウガァァァァ!?』
「…え?」
ハイネのグフが俺とガイアの間に割り込み、身を挺してガイアのビームブレイドを防いでいた。
『ミネルバを…助けろォ、いけぇ、アスラン!!』
「ハイネ、ハイネェェェ」
俺の呼びかけも虚しく、グフは爆発し近くにいたガイアと俺は吹き飛ばされてしまった。