IS DESTINY ~蒼白の騎士~   作:ELS@花園メルン

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ユニウスセブンでの戦闘シーンです。

今回は少し再試やら体調不良やらで遅くなってしまって、ちょっと内容も薄いかもしれません。


世界の終わるとき

SIDE イチカ

 

 

ユニウスセブンに進路を向けてミネルバは進んでいた。

 

作戦の概要はユニウスセブンの破砕作業を行っているジュール隊の支援、援護だそうだ。

ユニウスセブン付近へ到着次第発進し、ジュール隊と合流、破砕作業専用装置【メテオブレイカー】の設置を支援するというのが今回の目的だ。

 

俺はふと、モニターに映るミネルバドッグを見ると、緑色のザクウォーリアに搭乗するアスランさんの姿が見えた。

 

 

「あの人...」

 

「艦長に頼んでアーモリーワンで乗ってたザクをそのまま貸してもらえたそうよ」

 

 

と、モニター越しにルナが教えてくれた。

俺はアスランさんの機体へチャンネルを合わせ、通信を行った。

 

 

「先ほどは俺の家族が失礼しました」

 

「君か。いや、こちらにも非はあったことだ。

…家族、ということは君の両親もその、オノゴロで?」

 

「実のって訳じゃないですけど、そうです」

 

「そうか…」

 

「さっきのシンやマユのような発言は多分、あの時を体験したほとんどのオーブ国民がしたいと思います。

俺だって、多少はそうですから。

だけど、いい方向へ持っていこうとしている人たちをただ突っぱねるだけじゃ駄目だと思うから、皆押しとどめてるんです。

今回だってシンもマユも全部が全部アスハ代表が悪いって思って無いはずなんです。

言い過ぎたって後悔してましたから」

 

「…そうだな、あの戦争を経験して家族を失って辛いのに、それをくだらないとあしらった俺も悪かった。

後で、彼らに会うように協力してくれないか?許してくれるかはわからないけど、せめて面と向かって謝罪したい」

 

 

と、アスランさんは俺に頼んできた。

 

 

「わかりました。

でもその前に目の前のことを何とかしましょう。

よろしくお願いします、アスランさん」

 

「ああ、こちらこそ、よろしく。えっと」

 

「イチカ。イチカ・オリムラです」

 

「よろしく、イチカ」

 

 

と、和解したのも束の間、艦内に放送が響き渡る。

 

 

 

『発進停止、状況変化!

ユニウスセブン付近にて破砕作業中のジュール隊がアンノウンとの交戦開始!

対モビルスーツ戦闘用の装備への換装を行ってください!』

 

「アンノウン!?」

 

『さらに、ボギーワンの反応を確認!

ブルー22デルタッ!』

 

「あの艦が…?」

 

 

すると、アスランさんがメイリンへ尋ねた。

 

 

「どういうことだ!」

 

『詳しいことは。

ですが、本作戦は依然ジュール隊の支援に変わりなしです!

換装が完了した機体から順に発進してください!』

 

 

俺の機体は換装する必要が無いので一番に出撃することになった。

 

 

「イチカ・オリムラ、ザクウォーリア、出る!」

 

 

俺の機体が発進し、同じく換装の必要が無いマユも発進し俺たちは換装を終えていないシンたちより先行してユニウスセブンへと向かった。

ユニウスセブンは地球への進路をとっており、地球へ落下するのも時間の問題だった。

 

ユニウスセブン付近で戦闘の光が見えた俺たちは、ジュール隊のチャンネルに合わせ、通信を行った。

 

 

「こちらミネルバ所属イチカ・オリムラです。

ジュール隊、これより援護します!」

 

「こちらはジュール隊、イザーク・ジュールだ。

援護を感謝する。所属不明のジン数機とカオス、ガイア、アビスが敵だ。

すまんが、貴様らには三機の相手を手伝ってもらうぞ。

ジンたちは俺の部隊が交戦中だ」

 

「了解です」

 

 

イザーク・ジュール…。

ヤキン・ドゥーエでの戦争にてザフト軍のエースパイロットとしてデュエルガンダムを駆って生き延びた人だ。

俺は受けた指示通りにアビスを相手にするため、そちらへ向かった。

マユはガイアへと向かっていった。

 

 

 

NO SIDE

 

 

イチカはアビスを発見し、ビーム突撃銃で攻撃を行った。

 

 

「見つけた、アビス!」

 

「おっ、あの時の青いヤツ!」

 

 

アウルのアビスは両肩のシールドの内側からビーム砲を発射した。

イチカはそれを横転してかわし、ビームサーベルを抜き、斬りかかった。

アウルはそれをビームランスで受ける。

 

 

「お前らのせいかよっ!コイツが動き出したのはっ!」

 

「違うっ!俺たちはこれを破壊しようと――」

 

「敵の言うことを信じられるかよっ!

オラぁ!!」

 

 

ザクとアビスでは力の差があり、イチカは押されてしまう。

 

 

「ぐっ!?」

 

「そらぁ!!」

 

 

アウルはビームランスをザクへ向けて振り下ろそうとした。

 

 

「やらせるかよっ!」

 

 

イチカはハンドグレネードを放り投げ、シールドを前に構える。

 

 

「何っ!?」

 

 

アウルもビームランスでの攻撃を中断し、爆発を防ぐためにシールドを構える。

グレネードは爆発し、イチカとアウルの間に距離が開いた。

 

 

「イチカ!」

 

「シン?」

 

 

イチカの元にフォースシルエットを装備したインパルスが近寄った。

 

 

「なんでこっちに来たんだよ!

破砕作業は!?」

 

「そっちはレイとアイツが行ってる!」

 

「アイツ?アスランさんか?」

 

「ああ!だから俺たちもこっちを早く終わらせて援護に行くんだよ!」

 

「わかった!」

 

 

「へっ、どっちも今日こそ落としてやるよ!!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そのころ、マユはガイアと交戦を開始していた。

 

 

「はぁぁぁ!」

 

「この機体っ!」

 

 

ガイアはユニウスセブンを足場にMA形態へ変形し、突進してマユのザクへ攻撃を行った。

マユはガイアの機動力に圧倒されて、ユニウスセブンに押し倒された。

 

 

「これで終わりね、紫色ッ!!」

 

「まだっ!」

 

 

ガイアが接近してくるのを横へ回転して回避し、起き上がりすぐに拳で殴り飛ばした。

 

 

「マユっ!援護するわ!」

 

「ルナマリア?」

 

 

ガナーウィザードを装備した赤いザクウォーリアがマユの元へ降下してきた。

 

 

「二人でやれば早く終わるわよ!」

 

「ありがとう」

 

 

 

二機も戦闘を開始した。

 

 

 

そのしばらく後、ユニウスセブンに突如亀裂が走り、巨大な隕石だったユニウスセブンは二つへ分離した。

 

 

「割れた!?」

 

「破砕作業に成功したの!?」

 

 

マユ、ルナマリアは割れたことで飛んでくる破片を避けるため、上へ退避した。

ガイアも同じように避け、二機との距離を取り、宙域から離脱していった。

 

 

「撤退していくの?」

 

「そろそろ、こっちも限界ですから下がった方が良いと思うけど」

 

「何でよ?」

 

 

と、ルナマリアがマユに尋ねる。

 

 

「このままだと私達も地球の重力で引きずられていくってこと」

 

「ヤバいじゃない、それ!」

 

「だから―――すみません、通信が、ってこれは?」

 

「何?私の方は来てないんだけど?」

 

 

マユの元へは通信文が届いたが、ルナマリアには来ておらず、マユへ尋ねた。

 

 

「ミネルバが艦主砲で地球へ落下してる破片を破砕するため、ユニウスセブンと共に降下するって」

 

「何ですって!?じ、じゃあ、急いで戻らないと」

 

「それと、私とイチカは【ボルテール】へ移乗する議長のシャトルを護衛、そのまま本国へ付き添えと」

 

「え、ホントに?」

 

「みたい」

 

 

マユとルナマリアはミネルバの方へ戻るが、ルナマリアは機体を収容するも、マユはミネルバ付近で待機していた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

アビスと交戦していたイチカとシンはアビスがユニウスセブンの方へ向かっていったのでそれを追いかけた。

しかし、追いかけた先でイザークが駆る【スラッシュザクファントム】とアスランの【ブレイズザクウォーリア】にカオス共々圧倒されていたアビスを見て、アスランとイザークの腕を見て止まってしまった。

 

 

「すごい…」

 

「これがヤキン・ドゥーエを生き残ったパイロットの力かよ」

 

 

「二人とも、何をしている?

作業はまだ終わってないんだぞ!」

 

 

レイに叱咤され、メテオブレイカーを運搬しているジュール隊の援護に向かった。

 

 

「あんな力を持ってる人が何で、オーブに…」

 

 

シンがそうつぶやいた。

 

 

「守りたいものがオーブにあったからなんじゃないか?」

 

「守りたいもの?」

 

「確か、アスランさんて、ヤキン・ドゥーエではオーブで戦ってたんだろ?

その時に大切なものを見つけたってことじゃないか?俺たちが守るために軍に入ったみたいにさ」

 

「…そっか…」

 

 

そして、ユニウスセブンへメテオブレイカーを設置、作動させドリルがユニウスセブンへと突き刺さった。

それによりユニウスセブンはひび割れ、二つへと分離した。

 

 

「やったか!?」

 

「まだだ、しかし俺たちはここまでが限界だ」

 

 

シンは成功したと期待したが、レイは否定した。

 

 

「撤退するってことか?

まだ、破砕しきれてないのに?」

 

「シンはともかく、俺たちの機体では高度に耐えきれるか分からんぞ?

それにイチカ、お前に指令が下っている」

 

「俺に?」

 

「議長の護衛だそうだ。

ミネルバへと戻ったらボルテールへ向かえと書かれている」

 

「分かった。

シン、戻るぞ!」

 

 

と、シン、イチカ、レイは撤退を開始した。

しかし、シンは未だにユニウスセブン付近で破砕作業を行っているアスランの乗るザクを発見し、そこへ向かった。

 

 

「シン!?」

 

「すぐに戻る!」

 

「…行くぞ」

 

 

その後、マユと合流したイチカはミネルバから発進したシャトルを護衛しながら、ボルテールへ向かった。

 

 




次回からはオリジナルというか、ミネルバ側での話ではありません

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