IS DESTINY ~蒼白の騎士~ 作:ELS@花園メルン
結構、まきでやってますので雑な部分があるかもしれません
SIDE イチカ
カオス、ガイア、アビスの三機を追いかけ、アーモリーワンの外へ飛び出したシン、レイ、ルナマリアを追いかけ、敵の母艦を発見するためザフトの新造艦であるミネルバはアーモリーワンから発進した。
「近くに敵の母艦は?」
「約150の距離にて所属不明艦を確認」
「それがおそらく敵の母艦でしょうね。
以降、不明艦を【ボギーワン】と呼称。
インパルスとレイとルナマリアのザクは?」
「現在交戦中!
こちらからの通信は妨害によって不可能です!」
「なら敵の数は?」
「敵は――3機、内1機はモビルアーマーです!」
映像が映って、そこにはレイの白いザクファントムとインパルスがモビルアーマーと交戦していて、少し離れてルナマリアが二機の黒いモビルスーツと交戦していた。
「これより対艦戦闘を行う!
ブリッジ遮蔽、信号弾並びにアンチビーム爆雷発射用意!
アーサー!早く席について!」
「は、はい!」
これ以上は邪魔になると思い、俺とマユはブリッジから出て格納庫へと向かった。
調整不足で先の戦闘では途中離脱をせざるを得なかったのでその問題点を改善するため、ヴィーノ、ヨウランと共に戦闘データを元に新たな調整を行っていた。
しばらくすると、インパルスやザクが帰投してきた。
いきなりの実戦ということもあってか、シンとルナは疲れた様子だった。
俺はシンのもとに向かって話をしに行った。
「お疲れ、シン」
「…ああ、イチカ。
そっちは大丈夫だったか?」
「一応な。
お前やレイたちに追撃を任せて悪かったな」
「しょうがないだろ?
いきなりの実戦に最終チェック済んでないまま出てたんだからさ。
それより、ミネルバの中騒がしいけど何かあったのか?」
「アスハ代表とその護衛がミネルバにいるんだよ」
「アスハが!?」
「アーモリーワンで俺たちより先に戦ってたザクに乗ってたのがそうだったんだよ」
「なんで、アスハが船に・・・」
すると、エレベーターが開き、レイを先頭に議長、件のアスハ代表とその護衛のアレックスさんがモビルスーツデッキにきた。
議長が船に来たことでデッキにいた全員が議長に向け敬礼をすると、再び作業に戻っていった。
「なんでこんなところにまで・・・」
「あれじゃないか?
新型モビルスーツの確認。お前のインパルスについては議長も話してなかったからさ」
俺がそういうとシンは端末を開き、インパルスのデータを確認し始めた。
でも、アスハ代表から距離を取ろうとしなかったので、話に聞き耳でも立てようとしているようにも見えた。
「―――だが!今回の新型三機の為に貴国が被った被害の事はどうお考えか!」
「・・・代表!」
「だから力など持つべきではないと?」
急に話し声に怒気が混じった声が聞こえ、聞き耳を立てずとも、分かるようになった。
「大体!なぜ必要なのだ!そんなものが今更!
我々は誓ったはずだ!もうあのような悲劇は繰り返さない!互いに手を取って歩む道を選ぶと!」
その言葉を聞き、シンの溜まっていた感情が爆発しようとしていた。
「おい、シン。
少し落ち着けって」
俺はシンの肩を持って止めようとしたが、すでに遅かった。
「さ「さすが綺麗ごとはアスハのお家芸ですねッ!!」え?」
しかし、シンよりも早くアスハ代表に対して言葉をぶつけた人がいた。
「ちょ、マユ!?」
マユがアスハ代表に対して鋭く睨んでいた。
「マユ!」
レイが議長の元を飛び出してマユをいさめようとしにいった。
『コンディションレッド発令!パイロットは搭乗機にて待機せよ!』
その放送を聞き、マユはレイがマユの元へ向かう前にその場を離れ、ルナがマユを追いかけた。
他の聞いていた整備班なんかもすぐに持ち場に着き始めた。
「シン、俺たちも行くぞ!」
「あ、ああ」
NO SIDE
「申し訳ない、姫。
彼女とその兄弟はオーブからの移住者なもので。
よもやあんなことを言うとは…」
「オーブの・・・?」
SIDE イチカ
パイロットスーツに着替えた俺は自分のザクウォーリアにて待機していた。
『イチカ!お前のザクの調整まだ済んでないらしいから、今回激しい動きは出来ないぞ!』
と、ヴィーノからの通信を貰った。
「了解、じゃあ、今回はガナーで出る!
メイリン、今回の装備はガナーで頼む」
『了解!ザクウォーリアイチカ機、装備はガナーを装備します。
装備完了、発進どうぞ!』
「イチカ・オリムラ、ガナーザクウォーリア、出る!」
俺はミネルバのカタパルトから戦場となるデブリ帯へ飛び出した。
『イチカ、今回は艦周囲での護衛を!
貴方の機体はまだ本調子じゃないでしょ?』
「分かりました。
ミネルバの護衛を勤めます」
俺はミネルバのスペースに着地し、いつでも砲撃が行えるようにガナーウィザードのメイン武装であるオルトロスを構えた。
俺が出撃して少ししてシンのコアスプレンダーやルナのザク、ショーン、デイルのゲイツが発進してきた。
マユのザクも出撃し、俺と同じようにガナーウィザードを装備してミネルバに着地した。
「マユ、さっきのは」
「うん、分かってる。
私もカッとなり過ぎちゃって…」
よかった、マユも反省してるみたいだし。
「じゃあ、迎撃準備しとけよ。
右は俺がやるから、マユは左を」
「わかった。
にしても、敵艦の動きってまだないの?」
「艦長、ボギーワンは?もう、シンたちが到着するはずですが」
『分からないわ、でも警戒を続けてて。
…妙ね。シンたちの方はどうなの?』
『シグナル健在――いえ!ショーン機、シグナルロスト!!
並びにボギーワンのシグナルも途絶えました!!』
「何!?――艦長!後ろ!」
俺が後ろを確認するとそこには先ほどまで前方にいたボギーワンとそこから発進するモビルスーツが見えた。
『機関最大!右舷の小惑星を盾に回り込んで!
イチカ、マユ!ミサイルの迎撃並びにモビルスーツを寄せ付けないで!』
「「はい!」」
「マユ、モビルスーツは俺が叩く!
迎撃を任せた!」
「うん!」
ミサイルとは別方向から5機のモビルスーツが接近していたのを確認し、俺はオルトロスを放った。
「チィ!敵の策にはまったか・・・!」
オルトロスはデブリの残骸に当たり、敵MSには当たらなかった。
「イチカ!別方向からも!」
「何!?」
新たに二機のMSがミネルバに向けて砲撃を行っていた。
「メイリン!シンたちは!?」
『カオスたちと交戦中!デイルもやられてる!』
「くそっ!」
俺はグレネードでデブリに隠れている敵をデブリごと爆発させ、吹き飛ばしたところをオルトロスで撃ち抜いた。
「!ミサイル!ミネルバ!!」
ミネルバへ向かっていたミサイルが見えたので俺はオルトロスを照射してミサイルの迎撃を行った。
マユも同時に行ったが全てを迎撃することはできず、ミサイルはミネルバへと向かった。
「直撃コースじゃない・・・?
右側!小惑星から離れて!!」
『マリク!上昇!』
『ま、間に合いません!!』
小惑星に当たったミサイルの爆発で小惑星の一部が砕け、ミネルバ右舷に直撃、右舷スラスターに瓦礫がぶつかり破損してしまった。
すぐにレイも出撃し、増援の対処に向かった。
「くそっ!」
MSをオルトロスで撃ち抜くが、別のMSにガナーウィザードを破壊されてしまった。
「しまった!」
すぐに、パージしビーム突撃銃を構え、敵を追撃する。
『右舷のスラスターはいくつ残ってるんです?』
ミネルバブリッジとの通信が残っていたのでそんな声が聞こえた。
アレックスさんの声?
『六基よ!でもそんな状態で出てしまっては的にされるだけよ!』
艦長とアレックスさんが議論していた。
アレックスさんがいうには右舷の砲を一斉に撃ち、小惑星の残骸もろとも押し出し、一気に抜け出すということらしい。
でも、そんなことしたらミネルバもただじゃすまないかもしれない。
しかし、そのままいてもただ撃たれるだけだからこの方法に賭けるしかないかも知れない。
『今は状況を変えることを優先すべきです!…っ』
そうアレックスさんは言った後、急に黙った。
『やってみましょう。
マユ、イチカ、貴方たちにはミネルバに直撃するデブリを排除してもらうわ』
そういう指示を受け、俺たちはミネルバの直営に回り、迎撃に備えた。
ミネルバが作戦を実行し、激しい砲撃と共に、ミネルバは小惑星から離脱、俺は小さい物をビーム突撃銃で、大きい物をグレネードで破壊していき、マユはオルトロスを使って壊していった。
その後、ミネルバは艦主砲【タンホイザー】を撃ち、ボギーワンを攻撃した。
ボギーワンの損傷が激しく、敵は撤退。
ミネルバもかなりの被害を被ってしまったので、MSを回収し宙域を離脱し、安全なところで修理を始めた。
こうしてミネルバは2機のMSを失ったが、何とか生き延びることができた。
それにしても、アレックスさんって軍にでもいたのか?
ああいう作戦ってやっぱり普通に護衛だけじゃ思いつかないと思うんだが…。
俺はそう、考えながらパイロットスーツを着替えるため、更衣室へと向かった。