IS DESTINY ~蒼白の騎士~ 作:ELS@花園メルン
SIDE イチカ
今日は俺たちはザフト軍の軍事施設である【アーモリーワン】へ来ていた。
本来なら今日も座学や訓練なんだが、成績上位者10名のみザフト軍のモビルスーツの見学に来ていた。
成績上位者ということで参加したのは、俺、シン、ルナマリア、マユ、レイと他5名だった。
「今回は新型機開発の見学及び、モビルスーツの起動実験を行ってもらう。
まずは、新型機の方だ。そうだな・・・。何か所かあるから5人に分かれてもらおう。
その方が効率も良くなるだろうしな」
と、教官に言われ、俺たちは2グループに分かれたが自然といつものメンバーでグループを作ったので、
俺たちは教官についていった。
最初に入った工場では緑色の装甲が特徴の機体が並んでいた。
確かこれは、【ZGMF-600 ゲイツ】だったはずだ。
先のヤキンでの戦争にも用いられ、隊長機としても使われることがあったはずだ。
「ここにはゲイツが収納されているが、奥にその改修型がある。それを見てもらう」
教官に付いていき奥で見たものは、
姿形はゲイツとほとんど同じだが、武装が少し変わっているように見える。
「これは改修型の【ゲイツR】だ。
これまでのゲイツより軽量化され機動性、運動性は向上している。
その他、武装にも変化が加えられており、新兵でも扱いやすいように複合兵装防盾システムはクローからサーベルへとなり、扱いずらいロケットアンカーをレールガンへと変えている。
貴官らも、いずれは搭乗することになるかもしれない機体だ。
しっかり覚えておけ」
ゲイツの工場を出てその反対側へ行くと、そこにはゲイツとは打って変わって、これまでの戦争で姿を見せなかった新型の姿があった。
「これがザフト軍の次期量産機である【ニューミレニアムシリーズ】の【ZGMF-1000 ザクウォーリア】だ。
従来のGAT-Xシリーズの性能を上回る性能を出すことが可能であり、そのパイロットに合わせて武装を換装する【ウィザードシステム】が搭載されてある。
これがそのシステムの詳細だ」
と、教官が俺たちに端末を見せた。
なるほど、地球軍のモビルスーツ【ストライク】のストライカーシステムを用いたのか。
機動用、射撃用、格闘用に分けているのか。
それにウィザード無しでも充分に性能を発揮できるのか。既にスタイルが決まっている人には扱いやすそうだな
「場合によっては貴官らの配属が決まるころには正式配備されて、これらが貴官らの機体になる可能性もある。
なのでそれぞれが自分のスタイルを身に着けておくことだ」
すると、シンが教官へ質問した。
「あの、ここまでは新型ではありますが、いずれも量産機だったと思います。
それで、かつてのGATシリーズの様なエース機は開発されていないんでしょうか?」
「それに関しては次の工場にて説明する」
そして俺たちはもう一つのグループと合流し、最後の工場へと足を運んだ。
「ここには先ほどアスカ兄が質問してきたいわゆるエース機が開発されている。
さて、ここからは実際に乗っている奴から話してもらおう。
コートニー、リーカ、マーレ来てくれ」
と、教官が三人の人の名前を呼ぶと、赤いザフトのパイロットスーツを着た二人の男性と一人の女性がやってきた。
「【X24S カオス】のテストパイロット、【コートニー・ヒエロニムス】だ。
よろしく頼む」
「【X88S ガイア】のテストパイロットを勤める【リーカ・シェダー】よ」
「【マーレ・ストロード】【X31S アビス】のテストパイロットだ」
とそれぞれが自己紹介をしてくれた。
「さて、ここからは俺たちが説明しよう。
先ず、カオスは―――――」
と、ヒエロニムスさんが代表で新型三機の説明を資料、実物を元に説明してくれた。
「それと追加であと二機新型が開発されている。内一機は今、地球で飛行試験を行っているのでな、それに関しては省かせてもらおう。
それで、最後の一機が【X56S インパルス】だ。この機体は先の4機と比べて極めて特殊でな、次の資料を見てくれ。
このインパルスは先の変形機構を兼ね備えた機体と違い、分離及び合体を特徴とした機体なんだ。
インパルスは上半身、下半身、コックピットの役目を持つ戦闘機三機で構成されている。
それにより部位欠損というすぐに修理が必要な状態でも換装することですぐに戦場に復帰できるという利点がある。
それともう一つ、先に教官から説明されていたと思うが、ザクウォーリアのウィザードシステムに似た【シルエットシステム】というのも搭載されていて、これも戦闘機の形を模していてインパルスの背部に取りつけることが可能だ。
それにより母艦に戻らなくても換装できるというわけだ。
今現在では、高機動戦闘用の【フォース】、近接戦闘用の【ソード】、遠距離砲撃戦用の【ブラスト】の三種類のシルエットが開発されている。
しかし、この機体を用いれば戦闘の幅がさらに広がるから新たなるシルエットの開発も進んでいる」
と、最後の新型インパルスについて説明を受けた。
その後、俺たちはモビルスーツの起動実験に参加し、ザクウォーリアの起動実験を行った。
「基本システム、立ち上げ完了。
バッテリー正常稼働。
システムオールグリーン」
俺が機体のシステムを立ち上げると、コックピット内のモニターが外の状態を映した。
ザクウォーリアが横になった状態で起動したので、当然外の景色も横になったように映っていた。
『オリムラ、そのまま立ち上がらせてみろ』
と、教官の指示を受け俺はシミュレーションで行ったような手順で機体を動かした。
すると、機体はゆっくりとではあるが、体を起こし、そのまま立ち上がった。
おお!本当に動いた!!
と、実際にモビルスーツを動かしたのは初めてだったので、少し興奮してしまっていた。
『そのまま工場の外へ歩いてみろ。
ゆっくりで構わん』
「は、はい」
俺はモニターに映る景色を見ながらゆっくり機体を動かした。
なんていうか自分の身長が高くなったみたいだった。
工場へ出て、教官の指示を受け、移動したところで俺は機体を降りた。
「日々の訓練が活きているな。
スムーズな動きだったぞ」
と、教官からお褒めの言葉をいただいた。
それで起動実験は終了し、俺たちはまた士官学校へと戻った。
その後は士官学校にあるモビルスーツを使い、戦闘訓練や操縦の訓練を行い、あっという間に時が過ぎた。
今回は、アーモリーワン編です。
そろそろ原作舞台に突入しようと思います・・・。
色々と案を練って、頑張っていきます。