魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons> 作:kakki-az
色々詰め込んでいたら6000字越えてしまった!
では、第八話どうぞ!
(...まさかこんな事が起こるなんて...)
達也との待ち合わせの場所に向かっている時
強力な魔法が行使されたシグナルを感じた瞬間、非常ベルが鳴り響く。深雪はこの火災の発生源と思われる場所に向かうと、燃え盛る炎の中心にひとりの男がいた。
「ハハハハハ!燃えろ!燃えろ!!見たか!これが俺の力だ!燃やすことしかできないとお前たちが馬鹿にした俺の魔法だ!!」
深雪は男を見ていて狂気じみた
(犯罪に魔法を利用するなんて...絶対に許せない!この火災私の力で止めて見せる!)
深雪が決意を固めてた同時刻、千翼達は深雪と同じように火の手が回っていない場所から男を視認できる場所にいた。
「いた!あそこだ!」
そこから見えたのは激しく燃えるエントランスの中心で高笑いをする男の姿だった。
「ひどい...何でこんな事をして笑っていられるの...おかしいよ!」
「ほのか、気持ちはわかるけど今は落ち着いて。それでどうなの千翼くん?」
「.....間違いない。あいつがアマゾンだ。」
千翼はそう答えるとリュックからベルトを取り出し装着する。今はほのかの魔法で光学迷彩がかかっているため奴には気づかれず、監視カメラにも三人の姿は映っていない。
チャンスと思った千翼が飛び出そうとした時、男の魔法が千翼達がいる場所に近い柱に偶然魔法を放った。千翼はいち早く察知し、二人を爆発から守る。その際に飛んできた瓦礫が千翼の頭に直撃する。
「グゥ!」
「千翼くん!」
「大丈夫だ!...クソッあの魔法が厄介だな。それにあいつの周りの火の勢いが増した。あれじゃ近づけない!」
「そうだね、おまけに監視カメラもある。カメラはどうにかなるけど、私たちの中にあの火を消す魔法を使える人はいない」
「それじゃあどうしたらいいの...」
三人で打開策を考えていたその時だった。
「!?馬鹿な!いったい何が...!?」
男も急に炎が消えたことに動揺を隠せないようだ。
「!誰だ!」
千翼は男の見る方を注視すると、男の近くに
「あの子は一体?」
「あ!あの子ってもしかして!?」
「知っているのかほのか」
「うん!入学試験の時に見たの。すごい魔法力を持っていたんだよ!」
「ということは...あの子が火を消したのか!?」
「そうだと思うよ」
千翼は雫の肯定を聞きながら彼女の方に目を見やる。
「貴方こそ何者です。魔法を使って放火するなど断じて許されることではありません!」
「何だとっ、誰が許さないと言うんだ!国か!軍か!それとも俺を見下した協会の奴らか!?」
男のあまりにも子供じみた問いに深雪は憐みの目を向けていた。
「俺を馬鹿にするな!見下すな!やめろ、そんな目で見るな。俺は出来損ないなんかじゃない!その証拠を見せてやる!」
男はCADを深雪に向かってかざし、魔法を発動させた。
しかし何も起こらなかった。
「何っ!...まさか、
男は上に後ろに、辺り一帯に魔法を放ったが、ただ体力を消耗するだけで何一つ起きなかった。
「馬鹿な...俺の魔法を完全に無効化している...」
上級魔法師と自分との圧倒的な差、それを悟った男は
「これだけの力を手に入れながら...今更手遅れですが...せめて自首してはどうですか?」
深雪は不用心に男に近づきながら男を忠告するが、男はほくそ笑んだ。
その瞬間、男の顔に黒い腫瘍が浮かび、体から蒸気が噴出した。深雪はすぐに距離を取りCADを構えた。そして蒸気が収まるとそこにはクワガタの怪物が佇んでいた。
一瞬驚いた深雪あったが、男の変化の過程が
「その姿はまさか...お兄様がおっしゃっていた...アマゾン!」
「ホウ?コレガナニカシッテルノカ。マアイイ、コノ姿ハ俺ガ新タニ手二シタチカラダ。コノ姿ノ俺ハ最強ダ!ハハハハハ!」
そう言ってクワガタアマゾンは多数の触手を生成すると、一斉に深雪に向けてけしかけた。
深雪は触手を魔法で凍らせて動きを封じていくが、凍らせきれなかった一本がCADを弾き飛ばす。
「!しまっ...!」
落としたCADに気を取られた隙を突かれ、深雪にクワガタアマゾンの触手が迫る。
(...申し訳ありません。お兄様...)
深雪は死を受け入れ、そっと目をつむったその時だった。
《Ne·o...!》
「アマゾンッ!」
「!!!」
「「千翼くん!?」」
「二人は何とかして監視カメラを頼む!北棟前で落ち合おう!」
「「!分かった(よ)!」」
そう二人に告げ、千翼は駆けだす。千翼はいてもたってもいられなかった。
二人に声をかけれただけマシな方だと千翼は思っている。
《Ne·o...!》
「アマゾンッ!」
そんな声が聞こえたと思ったら何かが上から来ているのを感じる。
「ハァッ!」
「何!グハァ!」
直後、気合いの声と共に打撃音と先程の男の苦悶の声が深雪の耳に入ってくる。
(一体何が...?)
深雪はゆっくりと目を開けると、そこには先ほどのアマゾンとは違う
「青い...アマゾン!?」
その声で青いアマゾンはその黄色い目をこちらに向けた。深雪はとっさに身構えたが、
「...大丈夫か?」
「!は、はい...」
「ならよかった。君は下がっててくれ」
「わ、分かりました」
見た目とは裏腹に、澄き通ったどこか優しさのある声に、深雪は少し動揺しながらも答え、彼の指示に従った。
彼はそれを見届けると、壁から出てきたアマゾンに向き合う。
「オ、オマエハ!オレトオナジ..ソ、
クワガタアマゾンは、千翼に顎を突き出すが、それを片手で受け止められ反撃のパンチを数打くらう。
「グアッ!」
反撃を受けてなお、攻撃を続けるクワガタアマゾンだったが、躱し、いなされ反撃を食らう。
倒れこんだ隙に千翼はベルトのインジェクターを押し込む。
《Blade·Loading...!》
すると、右腕のアーマーが展開しネオブレードを生成し、それを構える。
「バ、バカナ、俺以上ノチカラダト、ソンナコトガアッテタマルカァ!!」
「!マズイ!」
「え?」
クワガタアマゾンはCADをあろうことか惚けていた深雪に向けて魔法を放とうとした。
(クソッ、間に合わない!)
「ハハハハハ!死ネェ!!!」
「俺の妹に何をする」
「グアァァアァ!」
突然CADを持っていたアマゾンの腕が
「お兄様!」
「すまない深雪、どうにか間に合った」
(あの子のお兄さんか...。彼女を任せてよさそうだ)
「すまない彼女をたの-」
「動くな」
「!」
「お前は何者だ。もし深雪に危害を加えるつもりなら容赦はー」
「待ってくださいお兄様!」
「...深雪?」
「落ち着いてください。彼はわたしを助けてくださいました。彼に敵意はありません」
「...そうか、すまなかった」
「いやお前の気持ちもわかる。あとは任せてくれ」
「ガアァァァァァ!!」
クワガタアマゾンは先ほど切り落とされた腕を再生しきっていた。
「成程。あれがアマゾンの再生能力か」
「個体差はあるけどな...。ッツ!」
ネオはそう答えると、ベルトのスロットを一度下げて、再び上げる。
《Amazon·Break...!》
そして、ブレードを構え直す。
「ウオォォォォォォ!」
クワガタアマゾンに向かって駆け、その勢いのまま袈裟切りに切り込む。
「馬鹿メ、俺ノ皮膚ハ銃弾スラトオサナイ!」
クワガタアマゾンはそのまま受け止めようとした―
「でも足止めにはなるでしょ?」
「え!?」
「ナ、ナニッ!?」
ブレードは受け止められることはなく、腕ごと胴体を斜めに切り裂く。
「バ、馬鹿...ナ...」
体を微塵に切り裂かれた体は再生することなく茶色く変色した。死んだことを確認した千翼は二人の方に向く。
「君たちも早くここから離れた方がいい。それとアマゾンを知ることは危険が伴う、...これ以上アマゾンに関わるな...絶対に...」
《Claw·Loading...!》
千翼は右腕に《アマゾンネオクロー》を生成し、上に向かってクローを放出しフェンスに引っ掛け上昇すると、そこで姿を消した。
「あの姿...《ネオ》と呼ばれるアマゾンか」
「《ネオ》?それが彼の名前なのですか?」
「あぁ、でもこの話はまた今度だ、すぐに移動するぞ。非常事態とはいえ魔法協会支部のすぐ側でやりすぎだ。魔法に対する監視網の密度は都心の比じゃないんだぞ。」
「あっ」
深雪は先ほど自分がいた場所に視線を送る。
「急ぐぞ。プレゼントはさっき回収しておいた」
「!いつの間に...」
「話は後だ。監視システムの画像データを『分解』しておいた、行くぞ」
達也は深雪の手を取り、その場から走り出した。
一方、千翼は司波兄弟と別れた後、見つからないように変身を解き、前もって三人で待ち合わせしていた場所で合流した。
「千翼くん!」
「お疲れさま」
「ハァ...ハァ...そっちもな...ふう、なんとかなったな」
「うん。...でも大丈夫かなぁ」
「まあ、大丈夫だろ...と俺は思いたい」
「全然大丈夫じゃないよ!...何だか私不安になってきちゃった...」
「ほのか、いちいち気にしてたら身が持たないぞ。せっかく切り抜けたんだ、気持ちを切り替えなよ」
「そうだよほのか。気にしたら負け」
「そう簡単に言わないでよふたりとも~」
あんなことがあっても、三人はいつも通りだった。
「...ほのか、雫」
「「?」」
「...ありがとう。
千翼はふたりに感謝を述べる。二人は千翼の顔が赤くなっているのに気付き、顔を見合わせると微笑んだ。
「「どういたしまして!」」
千翼は笑みを浮かべると勢いよく立ち上がり、二人の方を向き、
「確かこの後は街を案内するはずだったよね。時間もないし早く行こう!」
そういって千翼は二人と手を繋ぎ歩き出した。
「ち、千翼くん!そんなに慌てなくても大丈夫だよ」
「そうだよ千翼くん」
「あれ、そうなの?」
「「そうだよ」」
「「「アハハハハ」」」
夕焼けに照らされる三人の笑顔はとても眩しいものであった。
...数日後 国立魔法大学付属第一高校 生徒会室
「こら真由美!この忙しい時に油を売ってるんじゃない!」
「忙しいのはリンちゃん達でしょ。野次馬の摩利にとやかく言われる筋合いはないわよ」
「いえ、まだ会長には見ていただく段階ではありませんので、この書類が上がったら精査していただけますか」
生徒会長の《
「はぁ...ところで何のニュースを見ていたんだ?ずいぶん熱心に読んでいたようだが」
「何々...。『魔法協会関東支部、正体不明の怪人に襲撃を受ける。怪人は謎の変死体で見つかる』?」
「ほら少し前に女性ばかりが狙われた猟奇殺人事件があったじゃない。その犯人も変死体で発見されたっていうし」
「確かにこれは物騒な話だな、しかしその割には楽しそうに読んでいたじゃないか」
「それはね...これよ!」
真由美はディスプレイを操作し、ある一面の記事を二つ出す。
「何々、勇気ある謎の美少女魔法師の活躍により......ほうなかなか骨のある奴がいたものだな」
「ちょっと無謀かなとは思うけど、この正義感は頼もしいわよね」
「そうだな、それともう一つの記事は何だ?...これは特集記事か、『都市伝説は本当だった!?ベイヒルズタワーに仮面ライダー現る!』...仮面ライダーとは何だ?」
「何でも魔法とは違う大きな力を持った素性不明の正義の味方と言われていて、世界中の犯罪組織をひとりで壊滅させたとか、人知れず世界を救った救世主とか言われているわ。...まぁあくまで都市伝説なんだけど」
「そうなのか。そんなのがいるなら会ってみたいものだ。それで先ほどの美少女魔法師の方は、素性はわからないのか?」
「それがね...」
そう言って真由美は再びディスプレイを操作し、一つの画像を映す。その画像はとても粗く、鮮明に映ってはいないがそこには一人の少女が写っていた。
「どういうわけかこれ以上鮮明な画像が一つもないのよね」
「粗い画像だな...んー...んん?おい真由美、これって...」
「摩利も気づいた?」
真由美はディスプレイから新入生のファイルを開き、1-Aの生徒の欄の中から
『司波 深雪 主席入学』とあるデータを見せる。
「あぁそうだ。こいつは今年の主席の新入生だ!...どうりで」
「ホント頼もしいわね。こういう子が当校に入学してくれるなんて」
「此奴は生徒会に入れるんだよな?」
「当然よ。なんて言っても主席なんだから。
「残念だ。そうじゃなきゃ風紀委員にスカウトしたいところだが」
「その割には全然残念そうに見えないけど?」
「当たり前だ。私が興味を引く奴は、無理矢理
ふたりは顔を見合うとニヤッと笑う。その前のディスプレイの生徒欄の中に
『鷹山 千翼』の姿もあった。
...とある廃工場...
ここに潜伏するある組織のリーダーが報告を聞いていた。だが内容はにわかには信じられないものだった。
「例の被験体が死んだだと?」
「はい、事実です」
(どういうことだ。
「報告を続けてもよろしいでしょうか」
「あ、あぁ...それで、他には」
「...報告を続けます。あの場にはもう一人いたみたいなのですがそちらは情報すら掴めませんでした。ですがもう一人は掴めました。仮面ライダーと呼ばれる別のアマゾンみたいなのです。そいつが被験体を倒したそうです」
「何だと!
「詳しい情報は何も...ですが、それらしき画像をいくつか入手しました」
部下はリーダーに画像を提示した。
「...画像が粗いが、こいつがそうか?」
「はい。それともう一つ画像が、それには先程の仮面ライダーの正体が写っています」
「見せろ」
「こちらです」
部下はもう一つの画像を提示した。そこには少し粗く、見えづらいが、一人の少年が写っていた。
「コイツか...コイツの素性は調べたのか?」
「はい、解析した結果コイツは、今年第一高校に入学する鷹山千翼という男です。ですが分かったのは名前とあの北山家の遠い親戚という事しか分かりませんでした」
「そうか...この件は私の弟と壬生紗耶香に任せる。もういいぞ下がれ」
「はっ」
部下が下がった後、男は再び画面に目をやる。
「コイツを味方に引き込めれば...フフフフフ、アハハハハハ!」
高らかに笑う男、その後ろに
千翼の知りえない所で着々と魔の手が忍び寄っていた。
―とある会社の一室
「ボス、『ブランシュ』の拠点を補足しました。潰しますか?」
一台のPCに腰かけている抽象的な見た目をしている人物が奥のボスと呼ばれた人物に問い掛ける。
「…いや、まだいいよ。彼等は少しキナ臭いからね、この際だし出すものだして貰ってから潰そうと思う」
「了解、…あの…今迅から司波兄妹とネオに接触したと報告がありました」
「へー……………え?」
「迅が勝手に対象に接触しました」
「あいつ何してるの!?滅は!?」
「滅からも来ました。先程ゼアからの緊急通信で迅が[今日だけ代わりたい]と指示が来たので監視を交代させたようです」
「ゼアから?こっちに連絡来てないぞ?」
「[貴方さっきまで隠れてサボってましたね、だから知らせませんでした。]と」
「あ」
「ついでに【雷】にも送っておいたそうです。既に此方に向かってますよ?」
「(深いため息)………終わった…」
「自業自得です、こってり叱られてください。あ、[正体はばれてないので安心して]と迅からです」
「いや、ばれてるぞって伝えておいて」
「?どうしてばれていると?」
「……
「いきなり何言ってるんですか?バグですか?」
「冗談だよ、冗談!本気にしちゃ駄目だろ?」
「今いらっとしたので雷に試作品を迅に無断であげたこと言っておきます」
「すみませんマジ勘弁してください」
See You The
NEXT TARGET
燃え尽きたぜ...真っ白にな.....。
ついに、ついに...
入学編、キターーーーーーーーーーー!!!(銀河)
kakki-az、お前(疲れ)にタイマン張らせて貰うゼ!!