魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons> 作:kakki-az
今回は前後編に分かれてお送りします。
それではどうぞ!!( っ・∀・)っ
千翼の編入試験から一週間が過ぎた。
「千翼君。これどこに置いたらいい?」
「それはまだ決めてないからそのままにして」
「分かった。『千翼君ー。これはどうするのー?』」
「ちょっと待ってて。今そっちに行くから」
千翼達は現在千翼の住んでいる部屋にいた。
一週間前に受けた試験は見事合格。その通知が届いた時は三人でとても喜んだ。
それを潮に合格した事を告げると、そのお祝いとして家具や生活用品などを送ってきてくれたので、三人で手分けして家具の設置と生活用品の整理を一緒にしている。
本当に潮には頭が上がらないくらいに感謝している。いつかこの恩を返していこうと改めて千翼は心に決めた。
.....それから二時間後
「これをこうして...よし、これで終わり!」
「出来たぁぁぁ」
「お疲れさま二人共、紅茶入れてきた」
「「ありがとう(~)、雫(~)」」
部屋のリフォームが終わり、雫が入れてきてくれた紅茶で三人は一息つく。
「さて、二人共これからどうする?昼飯には早いし...」
その言葉を聞いて二人は互いの顔をみて頷き合うと、千翼に向き直して
「それじゃあ、千翼君!一緒に出かけようよ!」
「うん、それにこの辺りの地理を知っておくと色々便利だよ」
「それもそうだな、よし、それじゃあ行こうか。」
「「うん!」」
千翼はベルトを入れたリュックを持つと、部屋を出るふたりに続いた。
―同時刻・横浜
「♪~」
深雪は小さな袋を見つめながらとても嬉しそうに達也の隣を歩いていた。
「深雪、前を見てないと危ないぞ」
「!すみませんつい...」
横浜の街中を歩く司波兄妹は横浜ベイヒルズタワーに向かっていた。
道行く人が深雪を見て見とれてしまうほどに深雪の微笑は可憐だった。
「こんなに素敵なプレゼントを頂けて、深雪はとても幸せですお兄様」
そう言って深雪は手に抱えている小さな袋を抱えなおした。
今日3月25日は深雪の誕生日である為、二人で外出することになり、その道中に素敵な細工の髪飾りを見つけ、達也が深雪にプレゼントしたのだ。
「気に入ってもらえたようでなによりだ。だけど遠慮はいらないぞ。これはおまけみたいなものだ。」
「おまけだなんて...嬉しいです本当に」
プレゼントも嬉しかったが、深雪は誰よりも敬愛する兄に
「そういえばお兄様、何故この髪飾りに目を留められたのですか?」
確かに綺麗なデザインで細工も丁寧であったが、それだけで達也の目を留める理由にはならない。
「よく考えられたデザインだと思ってね、設計者に興味がわいた」
「設計者...ですか?」
「あぁ、この飾りの部分は六芒星魔法陣の基本を忠実に踏まえそれでいながら余計な属性効果を発生させないよう注意深くバランスを取っている。魔法師が使うことを前提としたものじゃなくて『魔除け』の類なんだろうけど魔工師としても十分やっていける腕じゃないかな。」
「もしかしたら魔工師がアルバイトでデザインしたものなのかもしれないな」
「そうなのですか?」
深雪は達也がそこまで言うほどの腕を持っているのなら目に留まったのも納得だと思っていた。
「見たところ魔法の力は感じられませんが」
「飾り自体に魔法を発動させる力は無いよ。...魔法とはそう簡単に使えるものじゃない」
「.....そうですね」
達也の言葉に深雪は暗くなってしまうが、達也は深雪の頭を優しく撫でる。
「この話はここまでだ、せっかくの深雪の誕生日が台無しになってしまう」
「お兄様...そうですね」
達也の気遣い深雪は沈んでいた気持ちを切り替え,二人だけの時間を楽しむことにした。
ー同時刻・横浜ベイヒルズタワー東棟 とある飲食店内
「二人共今日はありがとう。ここは奢るから好きなの頼んでくれ」
「それはいいけど。千翼君お金は大丈夫なの?」
「あぁ、潮さんに小遣いを貰ってるから」
そう言いながら財布を見せた。だが財布を見たほのかが苦笑いしていた。
「...へ、へぇ~!そ、そうなんだぁ~...」
「? どうしたんだほのか」
「お父さんほのかを娘みたいに可愛がってるから、会うたびにお小遣い攻めしてるの」
「...そうだったのか」
千翼もこれまでの潮のほのかに接し方を思い出していた。
(確かに潮さんは優しい人だけど凄くひょうきんな人なんだよなぁ)
初めて会った時もなぜか軍服姿をしていたので、後で雫に潮さんは軍人なのかと聞いたら、よく分からないと言われた。何でもたまにああいうコスプレをする時があるのだそうだ。
試験があった日も三人の姿が見えなくなるまで満面の笑みで手を振り続けていたのだ。
「と、とりあえず何か注文するか!」
これ以上触れてはいけないと本能的に察した千翼は話題を切り替えようとした。ほのかも自分を気遣ってくれたと気づき、明るい笑顔が戻った。
千翼はその笑顔に一瞬ドキッとしたが、それがばれないようにメニュー表を穴が開くほど見つめていた。
―同時刻・横浜ベイヒルズタワー内
♪~♪~♪~♪~
「はい...」
達也は携帯を取り出して、通話をしていると達也の顔色が少し変わった。
「いえ、今日は.........分かりました」
「どうかされたのですか?」
「
「四葉の...!?」
「
今日一日深雪と一緒にいると約束したのにと悔やむ達也だったが、
「お兄様、私は大丈夫ですから、気にせず行ってください」
そんな達也の心中を察したのか、深雪は達也に声をかける。
「...すまない、すぐに戻るよ」
「はいお待ちしております」
達也はそんな深雪の頭をなでると深雪は嬉しそうに目を細めた。
「では、行ってらっしゃいませお兄様」
「ああ、行ってくる」
達也は関東支部に向かうべく深雪の頭から手を放し、支部へと向かった。深雪は達也の手が離れた時、少しだけ名残惜しそうにしていた。
その頃、千翼達は昼食を食べ終え、タワー内を散策していた。
「ねえ千翼君。次はどこに行く?」
「...そうだな、...遊園地かな?」
「遊園地?へぇ~意外と子供っぽいね」
「い、いいだろ別に///」
「わ、私はいいと思うよ!」
「...冗談。私も賛成。」
「からかうなよ雫...。じゃあ(ゾワッ)!!!」
千翼は
ジリリリリリリリリリリッ!
突如火災ベルが鳴り響いた。
【当ビル内にて火災が発生しました。壁面の避難経路に従って速やかに退出してください。繰り返します当ビル内にて...】
アナウンスが流れると同時に壁に避難経路が表示される。
「火事!?ビルの中で!?何で急に!?」
「分からない。火事が発生したならこのビルのスプリンクラーが作動するはず。それが作動しないなんて」
雫の言葉に疑問を抱いた千翼は避難経路の案内を見直すと、そこには〔スプリンクラーは熱で故障しているため作動しません〕と表示されていた。
「熱で故障!?スプリンクラーは耐熱性の素材で出来ている筈だ!それが作動しないって事は」
「雫、もしかしてこの火災って...」
「間違いない。この火災は魔法師が起こしたもの」
「それで間違いなさそうだ。それにベルが鳴る少し前に微かにだけどアマゾンの気配を感じたんだ。もしかしたらここにアマゾンもいるかもしれない」
「そんな!?」
「まだそう決まった訳じゃないけれどもしそうなら.....俺が狩る!」
「千翼君、私にも手伝わせて!」
「ほのか!?でも...!」
「でもじゃないよ!千翼君の事だから『ここから避難して』って考えるでしょ!千翼君がひとりで危ない場所に向かうのに逃げるなんてできないよ!だから私にも手伝わせて!」
「私もほのかと同じ。それに...ほのかは一度決めたら絶対に曲げない」
「(二人共...)...分かった!二人共一緒に来てくれ!ただし!危険と判断したらすぐに逃げてくれ!それだけは守ってくれ。」
二人が頷くのを確認した千翼は火災の中心に向かって走り出した。
「―やれやれ、折角滅と変わってもらったのにアマゾンが出るなんて、僕ってばついてる♪」
フードを深く被り、にこやかに笑う青年の手には
See You The
NEXT TARGET
今回はここまでです!
次回は戦闘回です!
カードキーの様なものを握る青年とは!?
がんばるぞー[_(´・ω・`)_ ]フンスッ!