魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons> 作:kakki-az
「ん、んんっ......」
少年が目を覚まし辺りを見渡すと、少年は見知らぬ部屋にいた。
「ここ、どこだ?」
と疑問に感じながらも体を起こし、受けた傷の具合を確かめて大丈夫なのを確認して服を着直した。
服を着終わったタイミングでガチャ!と部屋のドアが開き、ふたりの少女が入ってきた。
「よかった。ほのか、あの人起きてる」
「あ、ほんとだ。よかった~」
入ってきたふたりを見て少年は思い出す。
「君たちはあの時の...そっか俺...あの後気を失ったのか」
「うん。それで私が家に連絡して、ここまで運んでもらったの」
「急に倒れたらびっくりしましたよ。でも元気でなによりです」
ほのかの元気いっぱいの笑顔を見て、少年は少しドキッとした。
「そ、それで君たちは?」
少年は照れ隠しするように話題を変えた。
「そういえば、まだ自己紹介していませんでした。私は光井ほのかです」
「私は北山雫、ほのかとは幼馴染。あなたは?」
「俺?...俺は...」
少年は少し間をあけて名乗った。
「ちひろ。...俺の名前は《
「千翼...千翼くんですね。素敵な名前です。」
「...」
「どうしたの?」
「いや、名前を褒められたことがなかったからちょっとうれしいんだ」
「そうなんですか?何だかかわいいですね」
「かっ、かわいいって」
「うん、今の反応もかわいかった」
「かっ、からかうなよ/// そっ、それはそうと君たちのことは何て呼べばいいんだ?」
「千翼くんの好きにしてかまいません」
「それじゃあ、ほのかと雫って呼んでいいかな?」
「それでかまいませんよ。わたしはそのまま千翼くんと呼びますね」
「私もほのかと一緒でいい?」
「あぁ。かまわないよ」
自己紹介を終えて、三人の間にしばしの沈黙が流れる。
「「「あの...」」」
どちらからともなく声をかける。
「そちらからどうぞ」
千翼はふたりに質問を譲る。
「それじゃあ、千翼くん。昨日の怪物はいったい何?」
「あと、千翼くんのあの姿はいったい?」
「...本当は話したくない。俺の話はたぶんふたりにとって信じられないことだし、とても残酷だ。それに昨日のようにふたりに危険が及ぶかもしれない。それでも知りたいかい?」
千翼はまっすぐふたりの眼を見つめ、問う。
ふたりは千翼の雰囲気が変わったことに少し驚きながらも頷いた。
「わかったよ。それじゃ(グウゥゥゥゥゥゥ...)」
千翼が話し始めようとしたタイミングでお腹が鳴った。
「「「.....」」」
部屋の中が静かになる。
「プッ!」
「フフッ」
「アハハ!」
三人ともそれがおかしくなり、つい笑ってしまう。
「大きな音だね」
「ごめん!話はご飯を食べてからでもいいかな」
「じゃあ、千翼くんの分も用意するね」
「え?」
「あ、私も手伝うよ雫」
「い、いやそれは流石に無r……って、あれ?」
(俺…何で食事に抵抗無いんだ……?)
「「?」どうしたの?」
「な、なんでもないよ!ありがとう雫、ほのか」
「いえ、こちらこそ!」
「いいよ。私達は千翼くんに助けてもらったからこれくらいはね。でも」
「でも?」
「お風呂に入ってきたら?だいぶ汚れているから」
「え?」
そういわれて自分の姿を見てみると、確かに服はボロボロで体中土だらけで汚れていた。
「たしかにそうだね。ならお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「じゃあ、案内するね。ほのか、お父さんの部屋から服を持ってきて」
「うん、わかった。あの部屋だったよね。じゃあ先に行ってて!」
そういってほのかはふたりのもとを離れる。千翼はそのほのかの背を見つめる。
「千翼くん、いくよ」
「あ、あぁ
....どういうことだ?」
「なにかいった?」
「いや!何も!」 「?」
千翼はふたりのやさしさに感謝しながら、雫の後を追うのだった。
「気になることがある」
『急にどうした?こっちは死にそうなんだよ!助けてくれ!』
「ネオは食事ができるのか?」
『………おい、いま何て言った?』
「ネオが共に食事をすることになった」
『そんなことあるはずがない!何考えてるんだ!トラウマがあるんだぞあいつは!千翼は…!!』
「落ち着け」
『…スマン、取り乱した』
「暴走したりしたらお前でも容赦はないぞ」
『…分かってる、でも何でだ?』
「それはわからないが、仮死状態の間に何かあったと見るべきだな」
『わかった、【亡】に調査を頼むと伝えてくれ』
『了解』
「千翼……」
男は窓から見える輝きを見つめた、その眼は何処か寂しく思えた。
See You The
NEXT TARGET
今回はだいぶ短めです。
早く入学編に入りたい(´;ω;`)