魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons>   作:kakki-az

24 / 27
お待たせしました。第二十三話です。
パソコンの調子が悪くなって修理に出すなど大変でしたが、なんとか投稿出来ました。

今回は優等生のネタを自分なりにアレンジしました。
それでは、どうぞ!


第二十三話《謀略》

―放課後

 

千翼は、一昨日、紗耶香と話したカフェにいた。

一昨日、答えられなかった千翼の質問の答えがまとまったから聞いてほしいと呼び出され、今は紗耶香をが来るのを待っている。

待っている際、千翼は一昨日紗耶香が飲んでいたジュースを注文して飲んでいた。

それから少したって、紗耶香が現れた。

 

「鷹山君!ごめん!待ったでしょう!」

「いえ、大丈夫です」

「本当?よかった・・・・・」

 

紗耶香は大袈裟に胸を撫で下ろす。

今日も「可愛らしい女の子」だが、いざ席に座ると真剣な顔になり、本題を切り出す。

 

「一昨日の話なんだけど・・・・・、最初は学校側にあたしたちのの考えを伝えるだけで、良いと思ってた」

 

そう言って紗耶香は、テーブルの下で(こぶし)を握り締める。

 

「でも、それだけじゃダメだって分かったの。あたしたちは、学校側に待遇改善を要求したいと思う」

「(踏み込んできたな・・・)改善って、一体何を改善したいんですか?」

「それは・・・・・あたしたちの待遇全般よ」

「例えば、授業ですか?それともクラブ活動?でも、剣道部と剣術部は同じペースで割り当ては平等になっているはずです」

 

これは昨日、達也と一緒に調べた結果である。

 

「それとも予算ですか?確かに魔法競技系には多く割り当てられていますが、・・・でも、それに応じた配分は当然です」

「それは・・・・・そうだけど・・・・・。」

 

案の定、紗耶香の返答は歯切れの悪いものだった。

 

「じゃあ、鷹山君は不満じゃないの?自分の友達が実技の成績が悪いだけで、ウィードなんて見下されて、それでいいの!」

「・・・・・いいわけがない。友達を見下すのは絶対に許せないです」

「じゃあ!」

「でも、達也はそんなこと気にしていません」

「えっ?」

「達也は、あいつは、そんなことでどうこう言うやつじゃない。それに、結局は自分たちの心の問題です、自分がそれに気づくかどうかなんです」

「・・・・・」

 

紗耶香には、自らの満たされない想いを()()の所為にしようしている自分たちの弱さを責めているように感じた。

 

「残念ですが、先輩と主義主張を共有できないみたいです」

 

そう言って、千翼は一礼して席を立つ。

 

「待って・・・・・待って!」

 

紗耶香は蒼い顔で、すがりつく様な眼差しで千翼を見上げていた。

 

「何故、そこまで割り切れるの?鷹山君は何を支えにしているの?」

「俺は、・・・・・これからも生きるためです」

「生きる?・・・たった、それだけ?」

「別に分かってもらおうと思っていません。・・・・・でも、俺にとっては十分な理由です」

 

千翼はそれ以上紗耶香に構わず、背を向けた。

紗耶香は千翼の背中を見ることしかできなかった。

千翼が去った後、紗耶香の携帯端末が鳴り響く。

紗耶香は携帯端末の画面を見る。すると、紗耶香は焦りを感じた。

 

 

 

 

 

―とある廃工場

 

「・・・・・以上が、壬生からの連絡です」

「そうか、ご苦労」

 

第一高校の生徒と(おぼ)しき人物から報告を聞き、メガネの男はどうしたものかと考えていた。

 

「すみません・・・・・」

「お前が謝る事ではない。ヤツはなかなか尻尾を掴ませることはできないようだ」

「せめて、鷹山千翼がその力を使わせる状況にあればいいんですが・・・・・」

「・・・・・まて」

 

メガネの男は何かを思いつき、ニヤッと不気味に笑う。

 

「確かヤツと交流している者たちがいたな」

「ええ、彼と同じクラスの光井ほのかと北山雫ですね。彼女達が?」

「その二人を利用すれば・・・・・」

 

 

 

―翌日の放課後

 

風紀委員は非番でクラブも休みなので、千翼はほのかと雫と一緒に下校することになった。

 

「なんだか三人一緒って久しぶりだね」

「うん。千翼くんが風紀委員で頑張ってるから」

「事務作業のほうが多いけど」

 

何気ない話をしながら校門を出たとき、千翼が立ち止まる。

 

「千翼くん?」

「どうしたの?」

 

急に立ち止まった千翼にほのかと雫は振り返った。

 

「・・・・・アマゾンだ」

「「!!」」

「町の方からだ。二人とも。」

「もちろん、行くよ」

 

ほのかが力強く答え、雫もうんっと頷く。

 

「ありがとう。急ごう」

 

千翼はアマゾンの気配を頼りに走りだす。ほのかと雫も後からついていく。

 

 

 

 

 

町を行き行く人たちが、呆然としていた。

その視線の先には、容姿端麗な少女、深雪が歩いていた。

 

「お店はこちらでいいのかしら」

 

深雪は携帯端末に表示された地図に印された店に向かっていた。

 

 

 

―数十分前

 

「はわー!発注ミス!次の配達は週明けだし・・・・・しかもネットじゃ売ってないし・・・・・どうすれば・・・・・」

「それなら、わたしが買いに行ってきますが・・・・・」

「本当ですか!すいません、すいません」

 

注文して取り寄せたものが違っていたらしく、慌てるあずさに物凄く頭を下げられながら、深雪が代わりに買い出しに出かけ、今に至る。

 

「中条先輩ったら・・・・・」

 

深雪はその時のことを思い出し、クスッとしていた。そして、探していた店の前に差し掛かった時、

 

「あら?あれは・・・・・」

 

向こうの道で、千翼とほのか、雫が走って行くのが見えた。

 

(千翼くん達だわ、どうしたのかしら?)

 

一瞬だが千翼の顔が険しい顔になっているのが見えた。

 

(少し胸騒ぎがする。何も起きなければいいけど・・・・・)

 

 

 

 

 

千翼たちはアマゾンの気配がする場所に向かっていると、千翼が突然立ち止まった。その先に一高の生徒がいて路地裏へ入っていた。その路地裏にアマゾンの気配がしていた。

 

「くそ!」

「千翼くん、どうしたの?」

「あの路地裏にアマゾンがいる。・・・けど、さっき一高の生徒が入っていた」

「ええ!」

「急ごう!」

 

千翼はリュックからベルトとインジェクターを取り出し、急いで路地裏に入る。ほのかと雫も急いで千翼の後を追った。

 

 

 

 

 

「はい、所定の位置に着きました。そろそろ・・・・・」

 

男子生徒は携帯端末で誰かに連絡し終えると、千翼が姿を現す。

 

「おい!その先は危険だ。早く戻れ!」

 

千翼はその生徒に警告しようとしたが、男子生徒はさらに奥に走って行く。

 

「あ、おい!くそ!」

 

千翼は男子生徒を追いかける。やがて、広い空間に出るが、男子生徒の姿はそこになかった。

 

「・・・いない?」

「ハア、ハア、千翼くん、さっきの、人は?」

「ここに出た途端、居なくなった。いったいどこに・・・」

 

千翼が辺り一帯を見渡していた。

その時―

 

「ウウウウウッ」

「アアアアアッ」

 

まるで待ち伏せしていたかのように、二体のアマゾン《カマキリアマゾン》《サイアマゾン》がゆっくりと千翼たちの前に現れた。

 

「アマゾン!」

 

千翼はベルトを腰に装着し、ほのかと雫はCADのスイッチを入れて構える。

 

『ほのか、俺が合図したら閃光魔法を・・・・・』

 

ほのかはコクッと頷き、閃光魔法の起動式を準備する。千翼は二匹のアマゾンを動きを見てタイミングを計る。と、

 

「コイツカ?」

「アア、マチガイナイ」

「オイ、キサマ!ワレワレトイッショニキテモラウカ」

 

サイアマゾンが千翼に手を伸ばした。

 

「今だ!!」

 

千翼の掛け声を出し、ほのかは閃光魔法を相手に向けて放った。

 

「!?メガッ・・・!」

 

閃光魔法によって二匹のアマゾンは視界をやられる。その隙に千翼はベルトにインジェクターをセット、スロットを上げる、ほのか達が後ろに下がったのを確認し、インジェクターを押し込む。

 

《Ne·o...》

「アマゾン!」

 

全身から炎が吹き出し、アマゾンネオに変身し、インジェクターをもう一度押し込む。

 

《Blade·Loading》

 

右腕のアーマーからアマゾンネオブレードを出し、カマキリアマゾンの首に目掛けて斜めに降り下ろす。

カマキリアマゾンの首はゆっくりとずれ落ち、黒い液体を出しながら身体が変色する。次にネオは身体を回転させ、サイアマゾンの横腹にブレードを斬りつける。

 

「グッ!」

 

サイアマゾンはブレードによる激痛で一瞬動きが鈍くなる。その後、ネオはサイアマゾンに蹴りを喰らわせる。

 

「ガッ!」

 

蹴りを喰らい後ろに下がるサイアマゾン。ネオはつかさずスロットを下げ、もう一度上げる。

 

《Amazon·Slash...》

 

ブレードを仕舞い、右腕を上げてサイアマゾンに駆け寄る。そして、腕部の刃・アームカッターをサイアマゾンの左肩に食い込ませる。

 

「ハアアアアーーーー」

 

ネオはそのままサイアマゾンの左肩から胴体にかけて切り落とした。サイアマゾンは真っ二つに切り裂かれ、上半身は地面に落ち、下半身は崩れ落ちながら変色した。

 

「ハア、ハア・・・、卑怯で悪いが手っ取り早くさせてもらった」

「千翼くん、大丈夫?」

「大丈夫だ。それよりここから早く立ち去ろう」

「「うん!」」

 

ほのかと雫は同時に頷いた。

その瞬間、二人の背後から先程とは別のアマゾンが二体現れた。

 

 

 

 

 

See You The

NEXT TARGET




いかかだったでしょうか。
仮面ライダージオウもオーズ編に入り、ついに映司が出ましたね。
・・・ていうか!何で檀黎斗がアナザーオーズ何だよ!!
・・・というツッコミを心から入れました。

次の話でお会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。