魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons>   作:kakki-az

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お待たせしました。最新話です!
ついに激動(千翼)の勧誘期間の始まりです!
今回は少し短いです。



第十七話《新歓》

―翌日 昼休み

 

千翼はほのかと雫と一緒に食堂で昼食を食べていた。

 

「千翼君、放課後に風紀委員の所に行くんでしょ」

「ああ。一度会議をして、それから巡回に入るから」

「だったら、待ち合わせしておいた方がいいかも」

「それじゃあ、教室の前で千翼君を待ってるから」

「わかった、教室前だな」

 

待ち合わせ場所が決まり、三人は昼休みが終わるまでどんな部活があるか話し合った。

 

 

 

 

 

―放課後 風紀委員会本部室

 

「な、何故お前たちがここにいる!」

 

千翼と達也は辰巳と沢木に風紀委員での話を聞いていた。

そこへ森崎が入って来て、千翼たちを見るなり驚いた様子で声を荒らげる。

 

「はぁ...、森崎、いくらなんでも非常識だろ?ここにいる意味くらい理解しなよ」

「なにぃ!」

「千翼の言う通りだ。いいから席についたらどうだ」

「非常識なのはお前達の方だ司波、鷹山―!」

「やかましいぞ、新入り」

 

そこへ摩利が現れ、一喝された森崎は慌てて口をつぐみ、さらに直立状態で固まった。

 

「この集まりは風紀委員の業務会議だ。風紀委員の会議に風紀委員以外いる訳ないだろう。その程度のことは弁えたまえ」

「も、申し訳ありません!」

「...まぁいい、座れ」

 

そう言われ、森崎が腰を下ろしたのは千翼の正面であった。二人としては望まない配置であったが下級生で一番下っ端である以上仕方がなかった。

千翼の隣に座っている達也もそう思っている。

その後、二人の三年生が入ってきて九人になったところで摩利が立ち上がった。

 

「全員揃ったな?さて、今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやって来た。風紀委員にとって新年度最初の山場となる。今年も処分者を出さずに済むように、気を引き締めて当たってもらう。いいか、くれぐれも風紀委員が率先して騒ぎを起こすような真似はするなよ」

 

一人ならず首をすくめるのを見て、トラブル巻き込まれ体質の自覚がある達也は同じ(てつ)を踏むまいと自らを戒めた。

そして、千翼もトラブルに突っかかるのは気を付けようと思っていた。

 

「今年は幸い、卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう、立て」

 

いきなりの展開ではあったが三人とも難なくすぐさまたちあがった。

 

「1-Aの森崎駿と鷹山千翼、そして、1-Eの司波達也だ。今日から早速、パトロールに加わってもらう」

 

達也のクラス名を聞いた途端、ざわめきが生じた。

 

「誰と組ませるんですか?」

 

二年生の風紀委員が手を挙げて質問する。

 

「前回も説明した通り、各自単独で巡回する。新入りであっても例外じゃない」

「役に立つんですか」

「ああ、三人とも使える。司波の腕前はこの目で見ているし、森崎のデバイス操作もなかなかのもので、鷹山は状況判断と身体能力も私と引けを取らない。もし不安なら自分で確かめるか?」

「…やめておきます」

「他には?」

 

摩利の問いに誰も答えなかった。

 

「よろしい、では早速行動に移ってくれ。司波、鷹山、森崎の三名については私から説明をする。他の者は出動!」

 

全員が一斉に立ち上がり、(きびす)を揃えて握りこんだ右手で左胸を叩いた。

摩利、千翼、達也、森崎を除いた五名が次々と本部室を出ていき、四人になったのを確認した摩利は三人に声を掛けた。

 

「まずこれを渡しておこう」

 

横並びに整列した三人へ、摩利が腕章と薄型のビデオレコーダーを手渡す。

 

「巡回の時は常にその二つを身に着けておくこと。レコーダーは胸ポケットに入れておけ。スイッチは右側面のボタンだ」

 

言われた通り胸ポケットに入れてみると、そのまま撮影できるサイズになっていた。

 

「違反行為を見つけたらすぐにスイッチを入れろ。それと三人供、携帯端末を出せ」

 

言われた通り、携帯端末を取り出す。

 

「委員会用の通信コードを送信する......よし、確認してくれ」

 

三人は確認して、正常に受信されたこと旨を報告する。

 

「報告の際は必ずこのコードを使用すること。こちらから指示を出す際もこのコードを使うから必ず確認しろ。最後はCADについてだ。風紀委員は学内でのCAD携行を許可されている。使用についてもいちいち誰かの指示を仰ぐ必要はない。だが、不正使用が判明した場合は委員会除名の上、一般生徒より厳重な罰が課せられるから甘く考えないことだ」

「質問があります」

 

ここで達也が質問してきた。

 

「許可する」

「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

達也の意外な質問に千翼は不思議に思い、摩利は少し答えを返すのが遅れた。

 

「.....構わないが、あれは旧式だぞ?」

 

それを聞いて、達也はフッと笑みを浮かべる。

 

「確かに旧式ですが、エキスパート仕様の高級品ですよ、あれは」

「.....そうなのか?」

「ええ、あれは一部の人に熱烈的に支持されている機種で、結構な値段が付くほどです」

「...あれ?そんなに凄い物だったら中条先輩がそのCADのこと知っていそうな感じがするけど...」

「中条は怖がって、この部屋に下りてこない」

「「あぁ...」」

 

顔を見合わせて苦笑する三人。そこで摩利は、蚊帳の外になっている森崎の気づく。

 

「コホン。そういうことなら、好きに使ってくれ。どうせ埃をかぶっていた代物だ」

「では・・・・・この二機をお借りします」

 

そう言って達也は二つのCADを左右の腕に装着した。

 

「二機?本当に面白いな、君は」

 

そう言って摩利はニヤリと笑みを浮かべていて、森崎は皮肉げに口を歪めた。

 

 

 

 

 

摩利は一度部活連本部に行って巡回に行くというので本部室の前で別れる。

千翼はほのか達との待ち合わせ場所に向かう際、達也もエリカと待ち合わせしていると聞いたので途中まで一緒に行くことになり、移動をしようとした時。

 

「おい」

 

背後から森崎に呼び止められる。

恐らく達也にだろうと思った千翼だが、達也と一緒に森崎の方に振り向く。

 

「ハッタリが得意ようだが、両手にCADを装着すればサイオン波の干渉で両方使えなくなるのがオチだ」

「アドバイスのつもりか、余裕だな」

「ハッ!僕はお前らとは違う。一昨日は不意をつかれたが、()はもう油断しない。格の違いを見せてやる」

 

言い捨てて立ち去る森崎。その背中を見て千翼は昔を思い出していた。

 

(森崎...もしあれが()()()()()()()()()()()()()()()んだぞ...)

 

そう思いながら、拳を強く握りしめていた。

 

 

 

 

 

「お待たせ」

 

千翼は待ち合わせの場所まで急いで来た。二人はちゃんと待っててくれていた。

 

「ごめん。少し待たせたかな?」

「ううん。大丈夫だよ」

「時間はまだあるから」

「そっか」

 

千翼はほのか達と合流したあと、校庭の方を見る。窓から見る限り校舎から校舎の間の通路まで埋め尽くした観のあるテントの群れは、さながら縁日の露店のようだった。

 

「うわぁ・・・噂には聞いていたけど、ホントにすごいね」

「これで問題が起こるんだからな、とりあえずゆっくり回って行くか」

「うん、どこから行く?」

 

三人はいつもの会話で校庭へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――が。校庭に出てものの数秒、千翼が少し離れたとたんに、ほのかと雫にクラブ勧誘が群がり二人の争奪戦が始まっていた。

 

「ちょ・・・ちょっと」

「ん・・・っ」

「イタッ、引っ張らないで」

(なるほど、これは問題が起こるわけだ・・・)

 

千翼は一人納得していたが、ほのかと雫の争奪戦が徐々にヒートアップしていった。

 

「これはいくらなんでもシャレにならない!」

 

千翼はすぐさま自分のCADを起動させた。

 

 

 

 

 

See You The

NEXT TARGET




第十七話いかがだったでしょうか?
先週土曜日についにアマゾンの映画が公開になりましたね!
本当に待ち遠しかったです!自分はもう見に行きました!
映画のお陰でインスピレーションが溜まりました!
これからは投稿ペースを少し上げていきます。
ではまた次回!


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