魔法科高校の劣等生<The Legend of Amazons> 作:kakki-az
遅くなりましたがこれからもぼちぼちやっていくので
よろしくお願いします。
それでは、どうぞ!
午前の授業見学が終わり、昼休みとなった。深雪も食堂に行くらしく、折角だから一緒に行かないかと深雪に提案し、深雪も快く承諾して一緒に食堂に向かうが、何故か森崎達も付いて来ていた。
食堂に入って深雪はすぐに達也たちを見つけ駆け寄る。
「深雪―っこっちだよー!」
「エリカ!美月!お兄様!(あとひとりは、どなたかしら?)」
「達也、この子は?」
「そういえばレオには話してなかったな、俺の妹だ」
「成程」
レオという男が納得しているのを遠くから見ていた千翼は、深雪は達也達と一緒に居させる方がいいと思い、
「ほのか、雫、俺たちは邪魔になるかもしれないから、別の席にしよう」
「うん、その方がいいと思う」
「私も賛成」
二人の了承も得たので、千翼達はそこから離れることにした。
「深雪、俺達はここで-」
「君たち、ここの席を譲ってくれないか」
「!?」
千翼が言い切る前に森崎達に割り込まれた。
「
「そうだ!自重しろよウィード!」
「僕たちは親睦を深めないといけないんだ!」
千翼は耳を疑った。森崎達の言葉はあまりにも暴論すぎるからだ。
「(あいつら...!)おい、お前らいい加減に-」
「分かった、俺はもう済んだから先に行くよ」
「...!」
「アホらし、あたしたちも行こう」
「ああ」
達也に続いて、他の二科生も一緒に食堂から出ていく。
深雪は達也と一緒になれずがっかりしていたが、森崎達は気付かずに深雪に席を勧めていた。
千翼は我慢ならず深雪に近づき声をかけていた。
「深雪、俺達と一緒に食べないか?」
「司波さーん、こっちが空いてますよー!」
「!...はい!今そちらに、この席は皆さんでお使いください。それでは」
深雪は一礼して千翼達の方へ駆け寄る。
「(良かった、少し元気を取り戻したか。女の子は笑顔が一番だよな......ん?)」
「...おい、またあいつだ」
「何で司波さんの事呼び捨てにしてるんだ」
「私たちでもあんな態度取らないのに」
「チッ、調子乗りすぎだろあいつ」
後ろで森崎と一緒にいる何人かが千翼に陰口をたたいているのが聞こえたが、千翼は気にせず深雪の後ろを歩く。その背中を森崎は恨みを込めて睨んでいた。
放課後―
「ですから何度も申し上げている通り...ですからわたしは...わたしはお兄様と帰る予定なんです」
「ハァー...またか」
「うん、司波さん困ってる」
千翼達は先に行った深雪より後に教室を出たのだが、校門前でまた達也以外の二科生と森崎達一科生がもめていた。
「おい!お前ら、深雪が困ってるだろ」
「千翼くん!」
「...またお前か。お前には関係ない、それに司波さんは僕たちと一緒にいるべきだ。
それに合わせて他の一科生もそうだと言い始めた。
千翼は既に我慢の限界だった。
「お前ら...!いい加減に-」
「いい加減にしてください!!!」
「!?」
千翼がキレかけたのと同じタイミングで美月と呼ばれていた少女が声を荒げた。突然の事に千翼は驚いて美月の方を見る。
「深雪さんはお兄さんと帰るって言ってるんです!!何の権利があってふたりの仲を引き裂こうっていうんですか!!」
「み、美月ったら一体何をっ、何を勘違いしているの!?」
「...何焦ってるんだ深雪?」
「えっ!?ち、千翼くん!べ、別に焦っていませんよ?」
「語尾が疑問形になってるぞ...」
美月のおかげで冷静になった千翼だったが、辺りの空気がみるみる悪化していた。
「これは1-Aの問題だ!他のクラスましてや
「同じ新入生なのに今の時点でどれだけ優れているっていうんですか!?」
「...どれだけ優れているか知りたいか?」
「面白れぇ是非とも教えてもらおうじゃねえか」
「!(この流れはマズイ!)」
「いいだろう、だったら教えてやる...これが」
森崎からサイオンが発生し、森崎は攻撃重視の特化型CADを素早く取り出し、レオと呼ばれていた男子生徒に向け構えた。
「才能の差だ!!」
「うおぉぉぉぉぉ!」
レオは走って近づき森崎のCADに手を伸ばす。しかし森崎はもう起動式を展開し、魔法構築も完了していた。
「間に合えっ!」
「千翼くん!?」
千翼も走り出し、森崎を取り押さえるべく
キンッ!
千翼が森崎に迫る寸前、エリカと呼ばれていた赤髪の少女が既に森崎に接近しており、警棒で森崎のCADを打ち払っていた。
レオは叩かれる寸前で手を引っ込めており、千翼は弾かれた森崎の手首を空中でキャッチして、落下の反動を利用し、森崎を抑え込む。
「グアッ!」
森崎は地面に押さえつけられ、苦しそうにする。
「「この間合いなら身体動かした方が速いんだ(のよね)」」
エリカは警棒を肩に掛け、千翼は森崎の拘束を解きながらまったく同じセリフを言った。
「...それは同感だが、オメェ今俺の手ごとぶっ叩くつもりだったろ!」
「あら、そんなことしないわよ。おほほほほ...」
「誤魔化すんじゃねぇ!」
確かに笑ってすまされる事では無いなと思った千翼だったが、今はそれどころではなくなっていた。
「この!
「なめるな!」
一連の出来事を傍観していた他の一科生数名が魔法を発動しようとしていた。
「!みんなだめっ!!」
とっさにほのかが閃光魔法の起動式を展開した、千翼はほのかがどういう魔法かわかっているので、この場を収めるには最適な魔法だと思っていた時だった。
パリンッ
「キャアッ!」
「!ほのか!」
突然ほのかの起動式が吹き飛ばされた。体勢を崩したほのかを雫が支える。
「止めなさい!自衛目的以外の魔法による対人攻撃は犯罪行為ですよ!」
声のした方を向くと、そこには七草会長ともう一人女性が居て、その女性の腕には〔風紀委員〕とある腕章をつけていて、魔法を展開していた。
「風紀委員長の渡辺摩利だ!事情を聴きます、全員ついてきなさい!」
ふたりの登場にその場が静まり返ってしまった。
このままではまずいと思い、千翼は一歩前に出る。
「すみませんでした。これは俺の勘違いが招いたことです」
「勘違い?」
「彼が勘違いするのも無理ありません。森崎一門の『
「!...そうです。そんな事情があるとは知らず、現場を見た俺には彼が真に迫っているように見えたので止めるために手を出してしまいました」
「ほう?...ではそこの女子が攻撃性の魔法を発動しようとしていたのはどうしてだ?」
「彼女は閃光魔法を放とうとしていただけです」
「彼の言う通りです。それにかなり威力も抑えられていました」
ふたりの話を聞いた摩利は、展開していた魔法をキャンセルした。
「どうやらニ科の君は展開した起動式を読み取ることが出来るらしいな」
「実技は苦手ですが分析は得意です」
「......誤魔化すのも得意なようだな」
「摩利、もういいじゃない」
「真由美!?」
突如三人の間に真由美が割り込み、ふたりに向き直る。
「達也くんと君、
そう言いながらこっちに向けてウインクをした。彼女はすべて見透かしたうえで無かった事にしようとしてくれていると千翼は理解した。
「「...はい」」
ふたりが返事を返すと、摩利はやれやれと言った感じで溜息をついた後、咳払いをして気を引き締めた。
「会長がこう仰られているからな、今回の事は不問にします。以後気を付けるように」
何とか大事にならずに済んで千翼はほっとした。
「っとそうだ、君たち!名前は?」
ふたりはその場を去ろうとしたが、不意に摩利が立ちどまり達也と千翼の方を見て名前を訪ねてくる。
「1-A、鷹山千翼です」
「1-E、司波達也です」
「...覚えておこう」
何か意味深に微笑んだ摩利は校舎へと戻っていった。
「...借りだなんて思ってないからな」
二人が去ったあと、森崎が達也と千翼に向かってそう言った。
「思ってないから安心しろ」
「同じく」
「僕は森崎駿。森崎家に名を連なる者だ」
森崎は二人を指さす。
「鷹山千翼、司波達也、僕はお前たちを認めない。司波さんは
それだけを言って、他の一科生と共に去っていった。
「...フーッ...悪いな達也、こんな事に付き合わせて」
「別にお前が悪いわけじゃないだろ」
「いや、そうは言っても...」
達也が大丈夫だというので、千翼はそれ以上は口にしなかった。そこに深雪が近づいてくる。
「お兄様、そろそろ帰りませんか?」
「そうだな、じゃあみんなで...「あっ、ちょっと待ってくれ」」
千翼はほのか達の所に向かい、ふたりを連れてくる。
「達也、ほのかの弁護をしてくれただろ?ほのかもお礼言いたいだろうから連れてきた」
「もう、千翼くん!恥ずかしいから言わないでよ~」
「そう言わずに、ほら」
千翼はほのかを達也の前に立たせる。
「君は、さっきの...」
「あ、あの、み、光井ほのかです。さっきはありがとうございました」
「北山雫です。大事に至らなかったのは千翼君とお兄さんのお陰です」
「これでも同じ一年なんだ。達也でいいからお兄さんはやめてくれ」
「「分かりました(分かった)」」
「へぇ~、達也君の言ってた千翼って君の事だったんだ」
ふと声をかけられそっちを見ると、他の二科生達がこちらに近づいておりこちらに声をかけていた。
「達也から聞いてると思うけど改めて、鷹山千翼だ、よろしく」
「よろしく、あたしは《
「《
「《
千翼は新しい友達が出来たことに少しばかり嬉しく思っていた。
See You The
NEXT TARGET
いかがだったでしょうか?
皆さんは劣等生のブルーレイ、DVDは買いましたか?
自分は発売当日に即買わせていただきました(笑)