ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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こんにちは、コラボ第二話です。

今回は億泰とミスタ、二人の覚悟が見どころなのでこのサブタイトルにしました。

サブタイトルの由来は小説『OVER HEAVEN』からです。

では、どうぞ!


『覚悟』した者は美しい

ホル・ホース「チビっ子スタンドのパス遊びは終わりかぁい?カモォン、ミスターくぅん」

 

時代遅れのカウボーイ、ホル・ホースはミスタさんを廃ビルに誘い込んで撃ち合いを始めた。

 

やはり拳銃(のスタンド)使い同士の戦いは実に素晴らしいものだ。相手の弾丸を避け、撃つ。それだけだが西部劇のような白熱した勝負だ。

 

と、弾丸がホル・ホースに当たりそうになるが、

 

承一郎「『ブラッディ・シャドウ』!」

 

空間を作り出して弾丸の軌道をずらす。

 

ホル・ホース「すまねぇな、恩に着るぜ」

 

JOJO「集中してくれ。ミスタさんはスタンドを得る前からとてつもない銃の才能と集中力があったらしい。それに俺はスカルズ兵達を操作するのに手一杯だ。二つの戦況を同時に扱うのは難しい」

 

ホル・ホース「分かってるぜ」

 

JOJO「今リロード中だ。肩を狙えるぞ」

 

俺が空間を繋いでミスタさんの状況を教える。

 

ホル・ホース「了解!」ダァン!

 

ホル・ホースの銃弾はミスタさんの肩に命中した。俺の指示があるとはいえさすがホル・ホース。見事な腕前だ。

 

ホル・ホース「おやおやぁ?リロードが必要ってのはやっぱり不便でしょうがねぇなぁ?それに引き換え、俺のエンペラーは違う。俺のエンペラーは銃も弾丸もスタンドだぁ。分かるかなぁ?ミスミスくぅん?おや、以前にも今のパッショーネにいるポルナレフにポルポルくんと呼んでやった記憶があるぜぇ」

 

ホル・ホースがミスタさんの前に立つ。あのバカ、お前のスタンドは中距離からの暗殺に向いているスタンドだろう。みすみす相手の前に立つか?

 

だが俺はスカル兵達の操作でそれどころではない。

 

ホル・ホース「ミスミスくぅんか、良いねぇその響き。兄ちゃんのトロクセェリロードのミスが弾丸を受ける原因なんだからなぁ。そもそも、銃を相棒に選んだのも、ミスだったんじゃあねぇのかぁ?日本じゃあ、失敗したって言うのをmissったって言うじゃあねぇの。兄ちゃんの名前、日本にちなんでミスッタって名前に変えちまったらどうだ?お似合いだぜぇ?ポルポルくんそっくりなミスッタくぅん?」

 

あのバカ、何調子に乗っているんだ。『相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している』、ジョセフ・ジョースターさんの言葉だ。戦いの年季によってその言葉に納得せざるを得ない。全くその通りだ。

 

ホル・ホース「ほれカモォン、ミスッタくぅん?」

 

ミスタさんは確かに昔のポルナレフさんと似ているが、実は違う。表情や口調とは裏腹に、いつも冷静な人だ。

 

それをホル・ホースは知らない。ミスタさんが芯が強い人物だというのを知らない。

 

ホル・ホース「ほらよっ!ミスッタくぅん!頭に血が昇って突っ込んで来るかと思ったが、どぉやらそれ以前に怖気付いちまったようだなぁ?トドメだ!」ダダダン‼︎

 

ホル・ホースが弾丸を撃つが、ミスタさんはなんと弾丸を避けた。恐らく、ホル・ホースのあらゆる動きを読み、自分はホル・ホースだったら、というものを考えてその圧倒的な集中力で近距離からの弾丸を躱したのだろう。

 

逆にミスタさんは弾丸をホル・ホースの左肩、脇腹、右耳に命中させた。

 

ホル・ホースは見誤ってしまったのだ。グイード・ミスタという男の真の強さを。

 

ホル・ホース「イテェ!テメェ!ミスッタぁ!」

 

ホル・ホースは逆上し、冷静さを失ってしまった。これでは勝てる勝負も勝てなくなってしまう。ホル・ホースが弾丸を発射する。だが、

 

No.1「モラッタ!パァス!」

 

No.2〜7「「パスパスパァス!」」

 

ピストルズのNo.1〜7の6人(No.4はいない)のうちのNo.1が蹴り上げ、他のピストルズ達でパス回しをする。

 

ホル・ホース「な、何ぃ!」

 

ミスタ「さっきの俺の攻撃はよう!テメェの体を削るだけが目的じゃあ無かったんだぜぇ!ピストルズを近寄らせるのが本命だったんだぜぇ!そのクソッタレの汚ねぇ銃に潜ませるためになぁ!」

 

さすがミスタさんというべきか、近距離から確実に倒す為にピストルズを近づけさせる伏線として銃弾を放ったのか。素晴らしい冷静さだ。

 

ミスタ「テメェは銃も弾丸もスタンドである事を自慢してたみてぇだがよう!テメェのスタンドにはこんな使い道はねぇよなぁ!自分の弾丸でよう!脳天ぶちまけちまえよなぁ!」

 

ピストルズの連携でホル・ホースの脳天に弾丸が当たりそうになるが、俺はスカル兵の一体をホル・ホースの前に滑り込ませ、弾丸を庇うように操作する。

 

頭の骨で作り出したヘルメットが砕け散るが、まぁ良しとしよう。

 

ホル・ホース「助かったぜぇ、ボーイ。それじゃあ、ここは一旦引かせてもらうぜぇ。あばよっ!ミスッタくぅん?俺の耳の借りは必ず返してやるから、覚悟しておくんだなぁ!」

 

ホル・ホースは覚悟の真の意味を理解していないようだ。覚悟を重んじるパッショーネにその言葉を言ってしまう。

 

ミスタ「とりあえず、この脳天に銃弾を受けても死なねぇコイツから始末しねぇとなぁ」

 

ミスタさんは銃を構えるが、俺はスカル兵を素早く弾道から外すと、ミスタさんを殴る。

 

ミスタ「ぐわぁ!はえぇ!つえぇ!何だコイツはよぉ!」

 

ミスタさんはガラスをぶち破り、外に吹っ飛ばしてしまった。加減はしてあるのだが、かなりのパワーであるのは確かなのだからしょうがないのだが。

 

スカル兵「WRYYYYYY!」

 

スカル兵はミスタさんを追ってビルから出てきたが、ヘルメットを失ったスカル兵は太陽の光で灰になって消えてしまった。

 

ミスタ「助かったのか…むき出しの部分に太陽を浴びせれば、何とか倒せるようだがよう」

 

ホル・ホースを追わせないように別のスカル兵を差し向ける。

 

スカル兵「WRYYYYYY!」

 

ミスタ「マジかよ!何体いるんだよぉ!こいつはよぉ!」

 

ミスタさんはホル・ホースを追う事を断念したようだ。

 

 

 

ホル・ホースがミスタさんを相手にしてる間、俺はスカル兵達を操作して億泰さんに襲いかからせていた。

 

億泰さんはスカル兵達を相手に3体も倒した。さすがは殺人鬼を相手に戦ったスタンド使いといったところだろう。

 

一体目はザ・ハンドの能力で削り取り、二、三体目は攻撃を当て、骨の鎧を剥がして太陽の光で消滅してしまった。

 

男性「う、うわぁぁぁ!」

 

間髪入れずに攻撃を仕掛けようとした新たなスカル兵の進路方向に一般市民が腰を抜かしてしまっていた。

 

やってしまった、と思い、すぐさま進路方向を変えさせようとしていると、

 

億泰「もうウダウダ考えるのはやめだ!こっちに来い!」ガオォン‼︎

 

俺は驚いた。ザ・ハンドの能力で空間を削り取り、スカル兵を億泰さん自身の方に引き寄せたのだから。

 

そのままスカル兵は億泰に噛み付いた。

 

億泰「があぁぁぁ!」

 

ミスタ「億泰!バカ野郎、自分を犠牲にしやがったな!」ダァン!

 

丁度他のスカル兵から逃げてきたミスタさんがスカル兵の鎧を銃弾で剥がし、太陽の光で消滅させる。

 

億泰「俺は馬鹿だからよぉ!そこの人を助けるにはよぉ、こうするしか思い付かなくてよぉ!」

 

ミスタ「覚悟とは自分を犠牲にする事じゃあねぇんだよ!それが分かってんのか億泰ぅ!」

 

億泰「分からねぇよ!けどよぉ、バカな俺にだって、曲げちゃあならねぇ事はあるんだよぉ!」

 

かなりの負傷をしているはずなのに痛みを堪えて、叫ぶ。

 

億泰「俺達が戦いで負けて結果的に死んじまうのは仕方がねぇ!そんな覚悟をもって戦ってるんだからよぉ!けど、何にも知らねぇ奴らが戦いに巻き込まれて俺の目の前でやられるくらいなら、俺は自分がどうなろうと身を差し出してやるぜ!それが俺の覚悟だ!文句あっかコラァ!」

 

これほどの覚悟。気高く、力強いその精神。やはりこの世界でも、億泰さん達は変わらない『黄金の精神』を持っている。

 

億泰「テメェらが無関係な奴等を平気で巻き込むっつぅならよぉ!このオトコ虹村億泰がよぉ、いくらでも防いでやるぜぇ!ドンドン来やがれゴラァ!」

 

見事な覚悟だ…。『覚悟』した者は美しい──父の言葉だが、まさにその通りだと思う。誇り高い覚悟は、何よりも美しいし、尊敬すべきものだ。

 

億泰「な、何だぁ?」

 

だから、俺はスカルズ達を退がらせた。彼の『覚悟』に敬意を払って。

 

ミスタ「オメェの魂の叫びが、あの骨ゾンビどもの親玉に届いたんじゃあねぇのか?だとしたら、オメェの信念の勝ちって奴だ。もう良い歳こいて青臭くて見てらんねぇがよ」

 

ミスタさんが億泰さんの肩を担ぐ。

 

ミスタ「青クセェがよぉ、俺はああいうのはキレーじゃあねぇんだぜ?いい覚悟を見せて貰ったぜぇ、億泰」

 

全くその通りだ。実に見事な覚悟だった。

 

だが、水を差す者が一人。

 

ホル・ホース「感動だねぇ、じゃあその曲げちゃあならねぇ信念ってヤツを見せてもらおうかねぇ」

 

さっきのホル・ホースだ。彼はさっき億泰さんが助けた男の両足を撃ち抜き、そして頭に銃口を向けて立っていた。

 

ホル・ホース「チッ!あのクソガキ、ほだされやがったか…でもよぉ、これで俺の分け前は上がったぜぇ。チェックメイトだお二人さん。ここで何もしなけりゃあ、オメェ達に死んでもらうが、この男は助けてやるよ」

 

……堕ちたな。堕ちてはいけないところまで。そう思った俺はブラッディ・シャドウの空間からスカル兵達を出した。

 

スカル兵(JO)「…『覚悟』した者は美しい…だが、あんたは堕ちてしまったようだな。堕ちてはいけないところまで。残念だよ、ホル・ホース」

 

俺はスカル兵を操り俺の声で奴に話しかける。そして、億泰さん達に向けて言う。

 

スカル兵(JO)「済まない、お二人さん。俺は一般人を巻き込むつもりはなかったんだが…、俺のミスだ。申し訳ない。その誇り高き覚悟に敬意を払う」

 

俺はスカル兵でホル・ホースの腕を捻り上げ、他のスカル兵達に男性を俺の空間に入らせた。

 

ミスタ「どうやらよぉ、テメェは仲間に見捨てられたらしいなぁ。かつて俺の仲間が言っていた事だけどよぉ、下衆に成り下がったヤツってのはよぉ、何をやってもしくじるらしいぜ?」

 

ミスタさんはリボルバーを構える。

 

ミスタ「あばよ下衆野郎。最後に今は亡くなってしまったよぉ、その仲間の代わりに俺がテメェに言ってやるぜ

 

 

 

 

 

 

 

アリアリアリアリアリアリ!」

 

ミスタさんはホル・ホースに弾丸をひたすら叩き込む。

 

ミスタ「アリーヴェデルチ(さよならだ)

 

こと切れたホル・ホースに、さよならの言葉を言った。

 

 

 

絢斗「何故、屍生人を消した?何故、ホル・ホースを裏切った?」

 

空間の中で男性の体を治療し、解放した俺に絢斗はそう言った。

 

一応、妨害は成功した。これなら大統領も満足するだろう。だが、まだ妨害は続くのだろう。

 

JOJO「…『覚悟』した者は美しい…。俺は、彼等の覚悟に敬意を払っただけだ」

 

飄々とした態度で俺は言った。

 

絢斗「次はないぞ?一条承一郎」

 

JOJO「分かった分かった、あんたが大将だ。好きにしな。やれやれだ」

 

ホル・ホース『皇帝』、死亡、再起不能(リタイア)

 

 

<= to be continued=




はい、第二話いかがでしょうか?

覚悟した者は美しい、まさにその通りだと思います。この名言作った荒木先生はマジ神ですね!

覚悟は絶望を吹き飛ばす、プッチ神父の言った事ですが、これも正しい事だと思っています。

それでは、次はコラボ第三話目で!

本城凛さん、次もお願いします!

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