ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
G霊夢「さて……八幡の魂の回収も各世界の異変も終わったことだし、もうここは……」
霊夢「宴会よね♪」
二人の霊夢がさも当然のように宴会の開始を宣言し始めた。
承太郎「まったく……幻想郷の霊夢はともかく、こっちの霊夢は原因のひとつだろうが……ヤレヤレだ」
G承太郎「まったくだな。しれっと宴会を始めようとするんじゃあない」
二人の承太郎さんが呆れている。その傍らで…
魔理沙「異変の解決の後は宴会。これは幻想郷の常識なんだぜ」
魔理沙をはじめとした幻想郷組はウンウンと頷いていた。
ヴァレンタイン「ふむ。せっかくこの世界に来たのだ。ただ八幡くんの復活を見届けるだけではつまらなかろう。なぁ、八幡くん?」
八幡「え………このパターンは…」
八幡が嫌そうな顔をする。ヴァレンタインは涼しい顔をしてD4Cで国旗をヴァサリと広げると、各種食材や調理器具が出てきた。
八幡「あなたのスタンドは青狸のポケットですかぁ!」
思わず突っ込む八幡。確かに最近の彼は便利アイテム取り寄せアイテムと化している。
Aいろは「トマトにチーズにオリーブオイルに……全部イタリアンの材料ですね」
Bいろは「それも日本人に受けそうなラインナップ。でも、何でイタリアンなんですか?それも食材だけ」
いろは「あ、このパターンは………」
八幡(コソコソ………)
八幡がさりげなく、されど気配を消しながら足音を立てずにこっそり外に出ようとするが…。その肩をがしっ!と掴むものがいた。
白良「ダメよ?八幡。みんなに感謝の気持ちを伝えるんでしょ?」
ザ・ワールド!全員の時が止まった。…………………
八幡「き、規格外の母ちゃん……確か比企谷白良さん!何でいるんだぁぁ!」
そう、どうやったのか全ての平行世界の全ての旅を見守って来たまったく別の世界の八幡の母、比企谷白良が人知れず逃げようとしていた八幡の肩を掴んでいた。
A八幡「親戚どころかまんま母ちゃんだった…」
小町「うちのお母さんとは名前が違うけどね…」
京華「あ、しーちゃん!昨日ぶりー!」
京華が白良に抱きつく。白良は八幡をいろはに渡し、京華を撫でる。
白良「あら?けーちゃん。あれから大丈夫だった?」
京華「うん!気が付いたら寝てた!」
実はこの比企谷白良、少なからず裏で動いていた。A八幡の世界ではサンタナを破壊し、ボーダーの世界では小町のルビーレーザーの影響をシステムダウン程度で抑えた上にカーズ戦では京華を耳打ちしてデュオロンを発動させ、幻想郷ではH・DIOによって消えかけていた八幡の魂を霊力を送ることで維持し、駒王ではオーフィスをアザゼルに引き渡し、ニセコイ界では雪ノ下や僕を味方の砲弾から救ったりとしていた。規格外にも程があると言える。
遥「え?この人がしーちゃんさん?この八幡くんのお母さんが……」
何故かB八幡とB小町と綾辻の顔が歪んできている。
B小町「お母さん……お母さぁぁぁぁん!」
タタタタタッ!抱き……
小町「ボーダーの小町………」
A小町「もしかして……ボーダーのお母さんって……そんなのないよ……」
B小町「お母さん!会いたかった……会いたかったよぉぉぉぉぉ!うわぁぁぁぁぁん!」
ボーダーの小町が白良に抱きつき号泣していた。
承一郎「ボーダーの八幡……君の母親は……」
B八幡「ああ……四年前の大規模侵略によって亡くなり、ブラックトリガーになってしまった…これがそうだ」
比企谷隊長がブラックトリガーを取り出す。袖の白雪と名付けられたブラックトリガーは比企谷隊長の母親が命と引き換えに息子に託した物だ。
それに共感したのは僕と幻想郷の承太郎だ。幼い頃に親を亡くす悲しみは耐え難いものだ。
G承太郎「そうか……俺だけじゃあ無かったんだな…家族を亡くしていたのは……」
おもいっきり泣くボーダーの小町を白良は優しい笑顔で撫でながら囁くように声をかける。
白良「よく頑張ったわね。小町………そして…いらっしゃい。ボーダーの八幡」
B八幡「!!」
白良は比企谷隊長を呼ぶ。
白良「私は別の世界のとはいえ、比企谷八幡の母よ?だからあなたも私の息子みたいなもの」
B八幡「母さん……」
ふらふらと白良の方に歩いていく比企谷隊長。気丈に振る舞ってはいても比企谷隊長はまだ高校生だ。
比企谷隊長はこらえきれなくなった涙を流しながらB小町の隣で白良に抱きつく。
白良「よく頑張ったわ。あなたは私の誇り……そのブラックトリガーの私もそう言っているわよ」
B八幡「う………違うってわかっているのに……母さん……俺はこれからも小町を守っていくよ……だけど、今だけは泣かせてくれ……うう……」
B小町「うわぁぁぁぁぁん!お母さぁぁぁぁん!」
ボーダーの比企谷兄妹は白良の胸の中でおもっいきり泣き始めた。
丈城「良かったじゃあねぇか……あの八幡もよ」
兵藤丈城はうっすらと感動の涙を流しながら二人のオーフィスの頭を撫でる。承太郎、僕も…そしてここに集まっている誰もが世界は違えど泣いているB比企谷兄妹に共感の微笑みを浮かべていた。
Aオーフィス「我、あの八幡も幸せになって欲しい。あとスタンド使いのドライク。我、そっちの我じゃない」
オーフィス「我も…」
八幡「だな。人をかじったクセに良い奴じゃあないか。オーフィス」
オーフィス「ん。我、八幡をふ菓子だと思った。ごめん」
表情が乏しいオーフィスだが、本当に悪かったと思っているようだ。
承一郎「母か……今回の事件の事があったから、どうしても感情移入してしまうな」
アームストロングは母殺しに関与していた。まだ、因縁は滅びきっていない。
ジョルノ「僕もだな…世の中色々な母がいるものだね」
徐倫「ジョルノ兄さん……」
ジョルノ兄さんは石となって眠りについた汐華冬乃を見る。
G承太郎「そうだな。ところでお前は?」
忍「異世界のDIOの息子よ。久し振りね?承一郎ちゃん?」
承一郎「お久しぶりです。藤崎さん」
sunny lightの店長、藤崎忍さんが僕に挨拶する。この人物も何気に様々な世界に存在していたりする。この人物も時計型通信機や、異世界のアーティファクトの調達などで影の功労者として今回の旅では大いに役に立っていたりする。
そして、僕の存在はスタンド使いの主人公達を驚かせていた。
G承太郎「DIOの息子だと?」
丈城「DIOの息子と言えば……四人しかいなかったんじゃあないのか?」
幻想郷の承太郎は驚いた表情でその内の一人、ジョルノ兄さんを見る。一方で丈城は八幡を見る。
基本世界のDIOの息子は四人しか確認されていない…。ジョルノ、ウンガロ、リキエル、ヴェルサスの四人だ。
八幡「俺は関係ない。あくまで承一郎の世界の話だ」
承一郎「僕の世界の父の息子はジョルノ兄さんも含めて5人いたんだ。この世界にも僕に該当する人物がいるけれど、僕とはまったく違う人物だよ」
A八幡「へえ…俺は四人と会ったけれど、更に他にもいたんだね」
承一郎「四人と?ウンガロ兄さん達とも会ったのか?そっちの八幡」
A八幡「ああ。3人ともジョルノさんに引き取られてイタリアに移住した」
ジョルノ「………そうか。良かった……世界は違えど、救われる未来もあるとわかっただけでも…」
承一郎「僕の世界もウンガロ兄さんやリキエル兄さんは灰人になってしまったし、ヴェルサス兄さんは亡くなってしまった……君達のお陰かな?」
僕が尋ねると、A八幡は首を横に振る。
A八幡「俺じゃない。陽乃や雪乃、戸塚や小町、材木座や風鈴、一色のお陰だ。もちろん、うちの世界のジョルノさんや仗助さんも頑張っていたけどな」
A八幡が言うと、僕とジョルノはアルス界の人々に深々と頭を下げた。
ジョルノ「ありがとう。今日は色々と驚かされる」
承一郎「この世界の陽乃さんや雪乃さんといい、本当に雪ノ下姉妹、小町姉さんやいろはには頭が上がらない」
小咲「一条くん……」
千棘「ぐす………良かったね。もやし」
A雪乃「新しい兄さん?」
A小町「年上の人に姉さんって言われても……」
A八幡「おいやめろ ふざけふな雪乃も小町も俺と陽乃の妹だ お前はどっかよそで妹を探せ でも二人が誉められるのは嬉しいからもっと誉めてあげろ」
承一郎「高速お断りが八幡にもあったとはびっくりしたよ……」
Bいろは「なんですか?口説いてるんですか?」
Aいろは「遠回しに高速お断りをしてもらいたいと言ってるんですか?」
いろは「それは声が似ている春ちゃんにもっとしてもらいたいと言ってるんですか?」
春「そうですか。実はお気に入りでしたか。わかりました今度からどんどんこれを採用していきたいところですがフラフラしているところが気にいらないんで全て清算してから出直してきて下さいごめんなさい」
僕はポカンと開いた口が塞がらなくなり、ジョルノ兄さんはトリプルいろはと春の高速お断りに満足そうな笑顔を浮かべている。本当にジョルノ兄さんは高速お断りが好きだ。
小猫「面白い。ギャーくんにも教えるべきです。先輩」
丈城「やめろ。新しい属性をあいつに加えるな。ただでさえ声がこの四人にそっくりなんだから」
ギャスパーを連れてこなくて正解だったと思う丈城やリアス。
文「案外、私とも声が似てるかも知れませんね♪」
G承太郎「何を言っているんだ?射命丸。中の人なんていない」
カオス具合が加速している。それはもうメイド・イン・ヘブンばりに。
丈城「そう言えば気になっていたんだけどよ、お前も承太郎じゃあないよな?」
G承太郎「ああ、俺はオリジナル承太郎とは違う。ジョースター家の末裔だ。そういうお前は?」
丈城「兵藤丈城。神様によってスタンド能力を得た赤龍帝だ」
忍「赤い龍の女王?まさかね……」
丈城「多分違うと思うぞ?」
G承太郎「赤い龍の女王…か。あのアーティファクトをオリジナル承太郎に届けた人間か」
承太郎「あれには助けられたな」
仗助「そう言えばよぉ、あの偽物の俺や堕天使の亡霊の黒幕は何だったんだ?」
リアス「そう言えば結局わからずじまいだったわね」
丈城の世界の元凶だけが結局はわからなかったらしい。A八幡の世界はプッチ、ボーダーの世界はカーズ、幻想郷はDIO、僕の世界はアームストロングとそれぞれの黒幕を倒したが、駒王の世界だけは黒幕が出てくることはついに無かったようだ。
丈城「それがまったく見当つかないんだよ。以前にも承太郎さんやジョルノさんの偽物が現れたんだけどさ…」
承太郎「俺の偽者?」
ジョセフ「そのうちワシや八幡の前世のジョナサン、徐倫や静も出てきたりのう?」
徐倫「おじいちゃん……シャレにならないから」
静「私はあり得ないかも。これを見る限り基本世界に関わる内容かもだし」
そう言って静は本を取り出す。
それは……
G承太郎「おい……静・ジョースター。それは俺の愛読書じゃあないか……いつの間にくすねて来た?」
そう、幻想郷の承太郎の
静「やばっ!話の流れでついつい出しちゃった!」
G承太郎「貴様か……悪霊」
八幡「相棒!バレたぞ!なにサクッとボロを出してるんだよ!」
仗助「返してやれ。まったく……」
いろは「やっぱりよその世界でもろくな事をしなかったんですね……ハチ君らしいというか……」
仗助さんといろはは呆れ、陽乃はゲラゲラと笑っていた。因みに同一人物達も白い目で二人を見る。
ジョセフ「盗みはいかんのう?静よ」
小町「ホントホント♪ポイント低いよ?」
ジョセフと小町はウンウンと頷く。
B八幡(何だろう……何故かイヤな予感がする)
白良の所から帰ってきていた比企谷隊長は汗をだらだらとかいていた。その内容については帰ってから判明したのだが。そう、実はこの二人、ボーダーのトリガーを返していないのである。魔理沙的に言えば本気で死ぬまで借りる…といった所だろう。
アーシア「あの……黒幕の話は……」
丈城「まぁ、ここで考えていても仕方ない。また現れた時にじっくり正体を探りゃあいいじゃあないか」
露伴「君達がそう言うのであれば多くは言わない」
ジョセフ「じゃが、心してかかる事じゃな。それよりも朱乃さんは朋子に声が似ておるのう?」
朱乃「あら?朋子さんと言うのはこの方ですか?」
朱乃はジョジョ原作の第4部のページを出して答える。
仗助「おいじじい。異世界人に俺の兄弟を作る真似はするなよ?」
ジョセフさんには前科があるのでその手の事には信用がまるでない。
朱乃「あらあら。仗助さん。その心配はありませんわよ?私と子供を作って良いのは一人だけですわ♪」
リアス「むむ……」
アーシア「む~………」
丈城「……………」
八幡「ヤレヤレだぜ」
A八幡「女性関係は早めに解決しろよ?」
B八幡「まったくだ……」
G承太郎&承一郎「「おい、DIO(八幡)。早く料理の準備をしてこい!」」
何故か反応する承太郎と僕。うっすらと額に汗を浮かべているのを八幡は見逃してはおらず、ニタニタとイヤらしい笑みを浮かべていた。
いろは「そうでした。厨房に行きますよ?ハチ君」
白良「手伝うわよ?八幡。あ、私の世界の八幡も呼ぼうかしら?」
八幡「これ以上のカオスは勘弁して下さい。白良さん」
白良「もう。この世界の私と同じように『母ちゃん』で良いのよ?八幡」
八幡「名前自体が違うので無理ですごめんなさい」
いろは×3「真似しないで下さいごめんなさい」
忍「ヤレヤレだわ」
6つの世界、7つの主人公(白良含めたら8人)やその周囲の宴はまだまだ続く。
<=to be continued=