ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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三重スパイ(トリプルクロス)

集英組の無縁塚に佇む墓石の前に、承一郎は立っていた。

 

その墓石には『犬塚信乃』の名が刻まれていた。そう、一条承一郎のかつての戦友で親友だった少年。『村雨』の本来の持ち主の墓だ。

 

承一郎はアームストロングを始末し、皆の仇を取った事を報告しに墓所に訪れたのだ。

 

承一郎「…やっぱり慣れないな。仲間の墓へ花を手向けるのは」

 

承一郎は葉巻に火をつけて煙を吐き出す。いつもやらせない気持ちを抑えるためのルーティーンに近い行動だ。

 

承一郎「…次は鶫にも来させよう。初恋の女の子が来てくれたら…君も嬉しいだろう?」

 

煙を吸って、吐き出す。

 

承一郎「…『星は砕けてもいつかは光り輝く』……なら僕は進もう。君に、皆に胸を張れるように力強く、皆を導ける(スター)に」

 

これ以上は限界だと墓を背を向けて歩き出した。

 

一人の剣士の魂は、見えなくなるまで承一郎を見送っていた。

 

 

承一郎「そっちはどうだいカズ?」

 

カズ『相変わらずだ。科学の平和利用もいいが、それだけじゃあ世の中は回らない』

 

承一郎「ワールド・マーシャルは買い手を探しているらしいな」

 

カズ『お前のせいでずいぶん赤字を出したらしい。強い(物理)リーダーもいなくなったしな。だがあの規模の会社は簡単には消滅しない。いずれどこかの資本に組み込まれる。戦争の需要がなくならない限りPMCもなくならない』

 

承一郎「だろうね。需要をなくすためにはやはり奴のように…」

 

カズ『どうした?』

 

承一郎「いや、気にしないでくれ」

 

カズ『それにしても、やはり戻るつもりはないか?』

 

承一郎「前に八幡に言われたとおり、僕には傭兵としての才能はないんだ。これでいいのさ、それに…」

 

千棘「おーい!もやしー!」

 

小咲「一条君ー!」

 

承一郎「ああ、すぐ行く!…すまんなカズ。僕は、大切な人達のために戦うよ」

 

僕は声に応えて、カズにそう告げた。

 

 

 

オセロット「…はい、私です。アームストロングは死にました。あなたの望み通りの結果になりましたね」

 

オセロットは電話である番号をかけた。その番号は、ある国の極秘機密(トップシークレット)への番号。承一郎が命を賭しても殺すと決意した相手だった。

 

オセロット「…そうですか、()が動きましたか。それは面白いですね…さすがは世界を支配した吸血鬼の血を引く者達といったところでしょうか。正直、承一郎が『テクムセ作戦』の全容を知ってあなたに連絡するのを阻止する時はヒヤヒヤしましたよ。急いで『愛国者達の銃(ガンズ・オブ・ザ・パトリオット)』で急いで阻止したのですから」

 

オセロット「ここ最近アームストロングはあなたに対して少し不信感を抱いていたようですが…今となってはどうでもいい事です」

 

オセロット「それぞれの異なる世界(・・・・・)の『聖なる遺体』をその身に宿すというのはかなりのレアケースでした。このデータは我らの祖国の繁栄のために役立たれるかと」

 

オセロット「それではまた…■■■」

 

オセロットは電話を切った後、さらに別の番号をかける。それは彼だけが今だけ(・・・)知っている番号。

 

オセロット「…はい、私です。アームストロングは死にました。これで()の打倒に一歩近づきました」

 

オセロット「…ええ、ザ・ボスの息子(ジュニア)がトドメを…彼は自分の命を懸けてでも、あなたの仇を取るつもりです。それほどまでにあなたの事を愛しています。愛情と憎悪は表裏一体…愛憎とはよく言ったものですね」

 

オセロット「承一郎には私は黒幕(・・)を探るための二重スパイ、()には私は承一郎の遺体を奪うためのスパイ…誰も私が真に忠を尽くすと誓った者を知る者はいません。そう、私が三重スパイ…トリプルクロスだとは」

 

オセロット「それと、ジョニィ・ジョースターの肉体(・・)が死闘の時に動いたと報告が…ええ、人格(・・)の方はこれには気付いていないようです」

 

オセロット「レス・エンファントス・テレブレス……『恐るべき子供達』…。あの時、あなたは一人しか助けられなかった。だからせめてもう一人の人格だけでもと、承一郎にジョニィの人格の移植(・・・・・)を…彼らにとっても、それは救いだったでしょう。あんな経験、並の人間では耐えられない…」

 

オセロット「サム・ホドリゲスに左腕を切断された時に私が彼に宿らせた左腕(・・)は…彼をさらなる高みに到達させた。音速の動きを可能にするほどに」

 

オセロット「…そろそろ、私は再びあなたが生きている(・・・・・)という事を忘れます(・・・・)。あなたの生存という事実は意識にも上らせない。二重思考(ダブルシンク)です」

 

オセロット「……では、■■(・・)…いえ、■■■■(■■■ ■■■■)

 

■■『…また頼むわ、アダムスカ』

 

 

<= to be continued=




後半はMGS恒例の無線ネタからです。

サムは本編でも登場させる予定ですが 、結構後の方になりそうです汗

とりあえず幕間前の回は終了!本編頑張ります!

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