ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
サニーのお陰でRLVを借りて、僕達はパキスタンシャバッザバード空軍基地へ辿り着く事が出来た。
カズ『何か異常は?』
承一郎「いや。本当にこの基地なのか?」
カズ『この警備はワールド・マーシャルが契約している。間違いない』
承一郎「そうか…行ってみよう」
ウルフは僕達より先に基地の偵察を行うために駆け下りた。
パァン!パァン!パァン!
ミスタさんが放った弾丸がサイボーグに命中する。そして…
承一郎「刺し穿て、『クリスタル・ボーン』」
僕の骨で作った弾丸がサイボーグのボディを内側から破壊する。こんなのは朝飯前だ。
承一郎「見たか?奴ら、
カズ『この基地の警備はワールド・マーシャルに委託されてた。だがサイボーグの
承一郎「なるほどな。ワールド・マーシャルが配備したサイボーグで基地を乗っ取りデスペラード社の仕業に見せようってわけか」
パキスタンのテロリストに雇われたデスペラード社がサイボーグをハッキングしたという筋書きだろう。マスコミは都合の悪い事実を報道しない。デスペラード社とワールド・マーシャル社の関係は闇に葬られる。
カズ『サイボーグ達がこの基地を制圧したとすると、生身の兵士達は寝返ったか、殺されたんだろう。外部と連絡する可能性がある人間はブレインハックされたのかもしれない』
承一郎「ああ…外部と連絡する人間は限られているし、ブレインハックでも短時間なら誤魔化せる。着陸の時間や使用する空港については報道規制がかかっているしね」
カズ『
承一郎「ひとまずは管制塔を目指す。通信アンテナでもブッ壊してやれば、米軍も異変に気付くだろう」
カズ『そうだな、気をつけてくれ』
承一郎「もう『
僕達は隠密行動で管制塔を目指していたが、近くにサイボーグ達がいない。周囲を警戒していると…
バチッ!バチッ!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ボロボロになって火花を散らしてるウルフが!
承一郎「…ウルフ⁉︎」
僕は空間移動でウルフの元に飛び、そしてウルフを連れて戻る。
狙撃か⁉︎いや、あの跡は…
まるで、
すると地面が揺れ始めた!
雪乃「こ、これは…⁉︎」
陽乃「じ、地震…⁉︎」
いや、そういうものじゃあない!
基地の奥から地割れが起きて岩盤を突き破り、巨大な穴が開いた。アスファルトの地面や戦車が次々と穴の中に落ちていく。
その穴の中にから、何かガシャン!ガシャンッ!と音が聞こえてくる。
それは、
そして、その六本の脚が巨大な機体の本体を支えていた。
承一郎「なんだアレは…」
カズ『ボス、大変だ!』
承一郎「どうしたんだカズ!」
カズ『あの機体…俺の「TOKYO通信」で調べたところ、名前は「エクセルサス」、アメリカ軍部が大統領に報告せずに造らせた大型多脚歩行戦車、メタルギアの亜種だ!』
承一郎「クソッ、なんでこんな面倒なものをッ!こんなものを出したら周囲が更地になるのは予想出来るハズだ!」
カズ『それがボス、このエクセルサス、民家への被害は「戦闘機が誤って民家を爆破してもアメリカ国民がさして気にしなかった」ことから「民家をすべて踏み潰して踏破しても誰も気にしないだろう」として、市街地の人命に関しても「こんなデカい機械が迫ってきたら民間人は逃げるだろう。残っている人間はよく訓練されたゲリラだ、遠慮なく踏み潰せ。」という狂気の発想で生み出されている兵器なんだ!』byピクシブ百科事典
承一郎「なんだとッ⁉︎」
そんな事よく考えたものだ。その軍部の連中は全員マッドサイエンティストなのか⁉︎
承一郎「カズ、後でそいつらの名前のリストを作っておいてくれ。後で殺る。問題は…まずこいつをどうにかしなければ…ッ!」
大型多脚歩行戦車、二足歩行戦車である『RAY』よりも遥かに上回る大きさだ。おそらく既存の大きさの二足歩行兵器だとサイボーグには勝てないから逆に大きくしようという逆の発想から蹂躙型として造られたものなのだろう。
承一郎(だからといってコレはデカすぎるだろ…‼︎)
しかしそれでも大きすぎる。ハッキリ言って東京ドームよりも大きい。よくもまぁ発想の逆転を通り越したゴリ押し脳筋みたいな別の次元の考えを持ったものだと呆れてしまう。
こんなのをどうにかするのが最優先だ。
承一郎「カズ、オセロット!君達の能力でヤツを乗っ取れないのかい⁉︎」
カズ『ボス、こいつは有人型だ!俺の能力では介入出来ない!』
オセロット『ボス、俺もだ。こいつはデカすぎる。この巨大では制御は不可能だ』
情報と制御、この二大能力を持つ二人でも無理なのか…!
そんな事を考えていると、後部の腹にあたる部から何か黒い球体のようなものが出てきた。あれは、もしかしてコックピットか?カズは有人型と言っていたし、誰かが操縦しているのか…?
扉が開き、コックピットから登場した人物とは…
アームストロング「遅かったじゃあないか、承一郎」
葉巻を吸い、黒のスーツを着たアームストロングだった。うん、知ってた。どうせ来ると思ってたよ。
アームストロング「だが悪くないタイミングだ」
アームストロングは自分の腕時計を見て言った。
承一郎「あんたは…地球の裏までそんなものに乗りに来たのか?だがもう終わりだ」
アームストロング「ハッハッハ…何がだ?俺の計画はすでに成功を収めた。SNSを見ろ、情報弱者め」
承一郎「…なんだと⁉︎」
カズ『ボス!大統領専用機が引き返した!』
承一郎「どういう事だ?」
カズ『基地の写真がネットに公開されている。世界中が大騒ぎだ!』
承一郎「バカな!」ブォン!
僕はiDROIDで情報を空中に投影する。
承一郎「これは…⁉︎」
『パキスタンの空軍基地にて大規模テロ』『駐留していた米軍兵士40人以上が死亡』『ヴァレンタイン大統領の殺害が目的か』
承一郎「情報が漏れた…?問題は解決したのか…?」
カズ『バカを言え!コメントを見てみろ!世論は奴らの思惑通りに展開している!』
『パキスタン政府がテロリストを匿っていた件』『アメリカはパキスタンに鉄槌を下せ‼︎』『パキスタンこそ悪の枢軸だ!』
承一郎「大統領は無事のはずだ…」
アームストロング「だが我が国の兵士は犠牲になった」
承一郎「自作自演だ!第一、それだけで大規模な派兵の理由になるというのか?」
アームストロング「必要なのは民意だけだ。アメリカは国際法を超えた存在だ。そして我が国民が戦争を望んでいる。今は『奴』がなりを潜めているとはいえ、国民の規範は変わらん」
『奴』…母を殺した黒幕の事か!
承一郎「規範…」
アームストロング「『奴』が潜んだが規範は残った。拝金主義、全体主義、もちろん愛国心も。『奴』が広めたミームは自らの信念を持たぬ者には好都合だった。国家と自己を同一化すれば自己研鑽は無用となり、米国民というだけで自らを誇れる」
アームストロング「金銭のみを価値判断の基準とすれば思考を停止して経済活動に専念出来る。どうだ?素晴らしい規範だろう?」
承一郎「バカな…」
アームストロング「ひとたびそのミームに感染した市民は自らそれを拡散してくれた。今やアメリカの善良なる市民こそが…まさに、
アームストロングは両手を広げて言った。規範だと…?そんなもの、規範でも何でもない!
アームストロング「だが近年『戦争経済』が落ち着き始め、国民は不況に苦しんでいる。彼らの誇りを取り戻すために、今こそアメリカが必要だ!」
承一郎「誰が軍事費を負担する?『戦争経済』で得をするのはお前らだけだ」
アームストロング「資本主義を理解していないようだな。PMCも兵器産業も雇用を創出する。我々の勝利がアメリカの
承一郎「そのために他国を土足で踏み躙るわけか?」
僕は『村雨』を突きつける。こいつは愛国者と言う名を語るただの侵略者だ!こいつをこのまま野放しには出来ない!
アームストロング「安心しろ承一郎、これは対テロ戦争だ。民間人を殺すつもりはない。敵はテロリストと雇われた
野郎…組んでいたデスペラード社に自分達の罪をなすりつけるつもりか…どこまでも腐ってやがる!
アームストロング「だがお前達には死んでもらう。ここにいられては情報戦の邪魔だからな!」
アームストロングは葉巻を捨てながら言った。
アームストロング「『堕ちた英雄』と『創られた出来損ないの吸血鬼』。ザ・ボスとお前は我が国の負の遺産だ。この場で俺が直々に始末してやろう」
奴はコックピットに戻って行った。僕にとっての
……殺す。絶対に殺す。でも今僕は自分でも驚くほど落ち着いている。
メタルギア・エクセルサスが再起動する。その全身が軋み、恐竜のような咆哮を上げる。
承一郎「…あんたがペチャクチャ喋ってくれたおかげでこっちは時間を稼げたよ。だって、これほどの規模のものは
ブワァッ!と僕の影が世界を塗りつぶすが如く広がっていく。
その影から出て来たものは…バラバラバラ…!というローター音。影から戦闘用ヘリが二機飛び出してきた。
次に聞こえるは…ザッ!ザッ!と一糸乱れぬ足音だ。その影から出て来たのは我が無双の戦士達。
承一郎「『ブラッディ・シャドウ』…マザーベースへ空間を直接繋げた。普段は結構疲れるんだけど…あんたへの怒りでスタンドパワーは絶好調さ」
僕は軍隊を文字通り常に保有している。僕を慕ってくれる仲間達を距離を繋いで呼び出せる。『ブラッディ・シャドウ』の真の能力は…影の世界を創り出し、絆を繋げる事にある。
カズ『ボス、
オセロット「ボス、お待たせしました…!」
承一郎「カズ、オセロット…!」
アームストロング『オセロット…貴様、やはり我が国を裏切っていたか!』
オセロット「私がお前達に忠誠を誓った事などない!私が忠誠を誓ったのはただ一人、断じてお前達じゃあないッ!」
オセロットが怒りを露わにしている。こういうのは珍しい。それほどに、さっきの奴の言葉が許せなかったようだ。
陽乃「それじゃあ承一郎君、君が号令を…」
承一郎「いや、陽乃さん。それをやるべきなのは僕ではなく…」
ジョルノ「君だ。八幡君を救い出す旅の締めくくりの戦い。号令を出すのは聖痕を持つ君だ」
ミスタ「良いんじゃね?やれよ陽乃。お前だって旧クリスタル・クルセイダーズのメンバーだ。たまにはお前が号令を出しても良いだろ?」
雪乃「やって、姉さん!今回、魚を取るのは姉さんよ!」
陽乃「ジョルノ兄さん…ミスタさん…雪乃ちゃん…わかったわ!みんな!最後を飾って八幡君を助けるのよ!アーシス、スクランブル!」
アヌビス神を掲げ、号令する陽乃さんにそれぞれの台詞で沸き立つアーシス。
カズ『熱いねぇ、ボス』
ピークォド『たまにはこう言うのも良いんじゃあないですか?』
オセロット「熱いのを1つ、お願いしますよ?ボス」
エヴァ「ジョジョ!お願い!」
ジョニィ『やろうぜ、承一郎』
承一郎「そうだな、ジョニィ…。僕たちもアーシスに倣おう。クリスタル・ファング…」
ジョニィ「スクランブル!」
村雨を掲げて号令する僕とジョニィ。沸き立つクリスタル・ファングの面々。
そして、2つの刀をクロスさせる僕と陽乃さん。
承一郎&ジョニィ&陽乃「「新生クリスタル・クルセイダーズ、スクランブル!」」
BGM『Collective Consciousness』
アームストロング『これがアメリカの力だ!』
エクセルサスの巨大なブレードが大きく振りかぶる。
承一郎「全員、退避ッ!」
近くにいたスタッフ達は早急に退避する。振り下ろされたブレードはズガァァァン…ッ!と大地を揺るがす。
承一郎「雪乃さんはエクセルサスの脚部を凍結、、トリッシュさんはその脚元の地面を柔らかくして脚部を沈めて機動力を削いで下さい!ジョルノ兄さんは脚部を樹木に変えて根を地面に縫いつけて下さい!コブラ部隊、全力で援護を!」
雪乃・トリッシュ・ジョルノ・コブラ部隊「「了解!」」
承一郎「ミスタさんは機動力を削いだ後に僕の骨弾を思い切りブチ込んで下さい!オセロットはパトリオットだ!」
ミスタ・オセロット「「了解!」」
僕はエクセルサスに対する作戦の指示を構築し、すぐさま伝える。伊達に今まで戦場を生き延びてはいない。
承一郎「陽乃さん、これを!」スッ
陽乃「これは…高周波ブレード?」
承一郎「はい。二刀流…見せて下さいよ」
陽乃「…ええ、使わせてもらうわ!」
承一郎「僕達二人であの脚部を切断します。波紋は習得していますよね?それなら大丈夫、僕の『ブラッディ・シャドウ』でカバーします」
陽乃「了解!」
承一郎「ピークォドとクィークェグは時折支援攻撃を!他の皆は距離を取ってデカブツがバランスを崩したら一斉にブチ込むぞ!」
スタッフ達「「了解!」」
アームストロング『フン、「
エクセルサスは再びブレードを振るうが僕と陽乃さんはそれを避ける。そして振り下ろされたブレードを攻撃する。
陽乃「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
承一郎「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
陽乃さんの内側と外側を斬り刻む斬撃と僕の水圧チェンソーのような削る斬撃がブレードの根元部分を襲う!
陽乃「くっ…!やっぱり硬いわね…!」
ピークォド『こちらピークォド、これからクィークェグと支援攻撃を開始します。離れて下さい!』
クィークェグ『支援攻撃、開始!』
僕達は『ブラッディ・シャドウ』の空間移動で退避する。次の瞬間にピークォドとクィークェグによる支援攻撃が開始された。
アームストロング『我が国民のために死ね、承一郎!』
エクセルサスの脚が僕を踏みつけようとするのを僕は避け、
承一郎「我らの
懐から仲間達の遺灰から生み出したダイヤモンドを取り出す。『クリスタル・ボーン』の力が発揮され、巨大な骨の杭に変化して打ち込まれる!
陽乃「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
骨の杭を打ち込まれて動かせない脚を陽乃さんが駆け登り、装甲を二刀流の連撃で破壊する!
カズ『ボス、その脚部の弱点はもっと奥の接続部だ!』
さらに僕がその奥の接続部へ走り抜ける。
承一郎「斬ッ!」
そして、僕はエクセルサスの脚を切断する!
脚を一本切断されエクセルサスはバランスを取ろうとするが、すでに六本のうち二本がジョルノ兄さん達のおかげで動けずに頭部が前倒しになる。
承一郎「今だッ!総員、撃って撃って撃ちまくれェッ!」
ズダドドドドドォォォォン……ッ‼︎
RPGなど重火器を装備したスタッフ達が一斉に攻撃を開始する。僕はそれを空間移動でエクセルサスに全弾当たるように誘導する。
バックファイヤーだって?そんなの空間繋げてデカブツに浴びせるようにすれば問題なしッ!
アームストロング『脚の一本くらいくれてやる』
頭部にたんまりと攻撃を食らってようやくエクセルサスは起き上がる。
すると次は岩盤を突き破ってできた大穴から月光の群れが現れる。そしてエクセルサスは胴体上部に装備しているものにエネルギーを充電する。あれは…RAYと同じようなプラズマ砲か!
アームストロング『正義の炎に焼かれろ!』
プラズマ砲が放たれ、地面を焦がす。僕はそれを避けて周りにいた月光に
他の月光達はミスタさんやオセロット達に任せて、僕はエクセルサスの脚部に骨の弾丸を撃ち込む。そしてそれが内側から突き破り、足場を作る。
承一郎「今だ、陽乃さんッ!」
陽乃「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
つい見とれてしまいそうな二刀流の連撃で陽乃さんはエクセルサスの脚を切断する!
承一郎「よし、いくぞッ!僕に力を!」
再びダイヤモンドが『クリスタル・ボーン』の能力で変形して地面から巨腕のように生えて僕と一緒にエクセルサスのブレードを掴む。
承一郎「今だ、雪乃さんッ!」
雪乃「『エンジェル・ダスト』ッ!『重さ』の概念を凍られたッ!」
そう、これこそこの勝負を決める一手。
承一郎「うっ…
ズガァァァァァァン……ッ‼︎!
重さとらいう概念を凍られされたエクセルサスは骨の巨腕で補強させた僕の力で背負い投げされた!
承一郎「まだまだァッ!」
さらに僕は投げの反動と膂力を利用して、
承一郎「無駄ァッ!」
僕は陽乃さんと一緒に根元にダメージを蓄積させたブレードを
ベキィッ!
ともぎ取った。
アームストロング『そろそろ終わりだ…せめて派手に殺してやる!』
エクセルサスが残ったブレードを振りかぶる。僕はもぎ取ったブレードを振るい、弾き返す!
承一郎「ハァッ!」
若干血管と筋繊維が千切れてるが問題ない。そのまま第二撃もブレードをぶつけて弾き返す。
第三撃がぶつかり合い、火花が散る。
承一郎「ぐっ…うおおおおォォーーーーッ‼︎」
僕はそれを吹っ飛ばし、
承一郎「
もぎ取ったブレードをエクセルサスの頭部に叩き込んだ!
そろそろ時間だ。僕はスタッフ達をマザーベースに戻す。ここから先は僕達の問題だ。
僕は頭部がひしゃげ、最低限の原形をとどめるエクセルサスの上に空間移動する。
胴体部から黒い球体のようなコックピットが出てきて、その中からアームストロングが出てきた。
アームストロング「すばしこいガキめ、俺が直接ブチのめしてやる」
アームストロングは急に片足を上げて、振り下ろす。これは…相撲や空手の四股立ちか…?
アームストロング「うう…うおおおおォォーーーーーーーーッ‼︎」
承一郎「何をする気だ?」
アームストロングが叫ぶと、
ドバァッ!とエクセルサスから巨大な電線が飛び出してアームストロングを囲む。アームストロングは緑色に光りながらから光合成の如く電力を吸収した。
一層筋肉を脹れあがらせた。マジで筋肉モリモリマッチョマンの変態だな。←中の人は同じ
アームストロング「行くぞ!」
承一郎「武器も持たずに…!」
ところが僕は失念していた。この筋肉モリモリ(ryがスタンド使いであるという可能性を。
アームストロングは超高速タックルで僕の体を吹っ飛ばす。そして僕の顔を両手で抱える。
アームストロング「俺のタックルはどうだ?」
承一郎「あんた、ただの上院議員じゃあ…」
アームストロングの頭突きが炸裂し、骨の鎧にヒビが入る。そこを両手でこじ開け、強烈な右ストレートが僕の顔面に当たる。
承一郎「ぐぅっ…!」
僕はすぐに態勢を整えてもう一発の拳を躱し、『村雨』を振るう。
しかし奴は黒く変色した素手で『村雨』を捌ききる!
アームストロングの突きを避け、『村雨』で突きを放つが避けられて逆に手元を腕と脇を締めて固定される。突きを打ってくるのを躱すが、喉元を掴まれてしまう。
アームストロング「俺はスポーツマンだ、そこらの政治家と鍛え方が違う。一緒にされちゃあ困るな」
僕は左足の蹴りを仕掛けるが、アームストロングは喉元を掴んでいた手を一度話して蹴りを掬い上げるように左手を掴んで身動きを封じる。
アームストロング「俺がその気になれば、大統領だってぶっ飛ばせる」ブォン!
僕はアームストロングに高く投げ飛ばされた!
承一郎「うおおッ!」
アームストロング「上院議員をなめんじゃあねぇ!」
僕が落ちてきたところでアームストロングは蹴りをブチ込む。なぜか歓声の幻聴が流れながら僕はコックピットの外壁にぶつかった。
承一郎「何者だ、あんた?」
アームストロング「驚くのはこれからだ。来な、肉弾戦で負けるつもりはねぇ」
立ち上がりながら僕は『村雨』の連撃を仕掛けるが、アームストロングはそれを食らいながらも顔色一つ変えずに殴りにかかる。
八幡『バカな…高周波ブレードだぞ…⁉︎』
八幡が驚くのも無理はない。高周波ブレードは世界で一番敵を『斬る』事を目的として生み出された武器だ。
この『村雨』は高周波ブレードの中でトップの斬れ味を誇る。さっきエクセルサスの脚を斬った事で証明されている。
それを防ぐなんて、単なる技術テクニックではありえない。明らかにこの上院議員、スタンド使いだ!
僕はすぐに『村雨』で防御するも、圧倒的なパワーで手が痺れる。続く二発目を回避し『村雨』で斬りかかるも、
ドグォォォォンッ…!とアームストロングから強烈な衝撃波が発生して吹き飛ばされる!
承一郎「ぐぅっ…!」
アームストロング「フン、他愛もない。こんなものか、お前の力は?所詮お前はDIOにはるかに劣る贋作よ。ザ・ボスがなぜお前を譲ろうとしなかったのか理解に苦しむな」
承一郎「貴様ッ…!」
アームストロング「お前だって理解しているはずだ。お前はDIOを再現するために創られた模造品。そんな『ニセモノ』に固執したザ・ボスは愚かだよ、まったく」
承一郎「…野郎ッ!」
最大限まで伸びたゴムが放されるような瞬発力で懐に潜り込み、『村雨』をアームストロングに振り下ろすが、
ギィィィィンッ…!
承一郎「なっ…」
僕の振るった『村雨』は、アームストロングの首を跳ね飛ばそうとしたハズ。しかし、それは黒く色が変わったアームストロングが掴んだ手で止まるのみだった。
アームストロング「なまくらが!」
アームストロングは『村雨』の刃を掴んだ手で、あろう事かベキィッ!とへし折った!
承一郎「なっ…⁉︎」
…折れ…た……?『村雨』…が…?信乃の…形見が…?彼の…
──プチンッ──
何かが、一瞬で、呆気なく、壊れていく感覚が、僕の体を埋め尽くす。
そして──
〜ジョニィside〜
『村雨』が…信乃の形見が…折れてしまった…。
高周波ブレードは『斬る』凶器の中では最高峰の威力を持っている。だがそれだけだ。ただ高周波を流しただけ、それ以外は普通の刀と同じなのだ。
ここまでほぼ全ての戦いを『村雨』で潜り抜けてきた。何度大型無人機に匹敵するサイボーグの攻撃を『村雨』でガードし続けてきた?
だが感傷に浸っていられない。すぐに態勢を整えて奴の攻撃を回避しなければ!
ジョニィ『承一郎、気持ちは分かるが今は奴の攻撃を…!』
承一郎『………』
八幡『おい、承一郎!』
八幡も必死に呼び掛ける。当然だ、承一郎はただ
アームストロングの拳が承一郎の顔面に炸裂する。吹っ飛ばされて身動き一つ起こさない承一郎。この目は…
ジョニィ『八幡、俺が代わる!』
八幡『劉備は倒れ、呂布は曹操を指名してきた。孫策の出る幕じゃあない』
ジョニィ『な……に……』
八幡『ディオの名を出されたなら、俺の出番だ』
八幡は強く俺を睨む。殺気に満ちた、鋭利な瞳で。
ジョニィ『く……八幡、俺が代わる!奉仕部の理念は何だ!承一郎は終わっても、まだ俺が残ってる!』
八幡に呑まれながらもまだ動く…それに、奉仕部を出していく。八幡は更に強く睨み、殺気を色濃くする。
八幡『承一郎の汚名を返上できるんだろうな?これ以上、俺を失望させたらわかってるんだろうな?』
ジョニィ『ああ……今は俺が飢えた人だ。だから、魚を取るべきは俺だ……俺にやらせてくれ!八幡!』
承一郎の
俺はアームストロングの拳を両手で受け止める。
ジョニィ「確かに強いな…だがな、それだけだ」
アームストロング「なんだと?」
ジョニィ「何が国民の誇りだ、何が強いアメリカだ」
俺は奴の拳を押し返す。
ジョニィ「経済が悪化したのは『戦争経済』が緩和したからじゃあないッ!」
俺はアームストロングの中段の攻撃を防ぎながらの裏拳を叩き込む。続けて蹴りを蹴りで相殺した後に腹を蹴り込む!
ジョニィ「お前達1%が富を独占しているからだッ!」
雷を帯びた拳はアームストロングが両手をクロスして防ぐ。
ジョニィ「お前の目的は結局金だ。それから支持率ッ!」
俺はアームストロングの肩を掴んでからの膝蹴り、そして足払いで吹っ飛ばす。
ジョニィ「お前など何の信念もない、クソにたかるウジ虫野郎だ!」
アームストロング「…ほぅ、言うじゃあねぇか。ならばいいことを教えてやる」
野郎は起き上がりながら言う。
アームストロング「確かに支持率は欲しい、資金は必要だ。だがな…俺には夢がある!」
ジョニィ「夢…?」
なんだこいつ、キング牧師の真似事か?
アームストロング「確かに国民の誇りも強いアメリカもくだらねぇ。俺が求めるのは真の自由だ」
アームストロングは指を空高く突き上げる。
アームストロング「力を行使する自由…法の庇護など必要はない」
アームストロングの拳を躱し、両手で防御するが弾かれてまた喉元を掴まれてしまう。
アームストロング「もちろん誰もが力を行使すれば闘争は生じる。だがそれでいい。それこそが俺の望む国家だ。真の闘争の世界だ!」
俺は喉元を掴み返すが奴はその手を引き剥がし、お互い両手を掴み合った状態で押し込まれてしまう。そして、
ズガァァンッ!
お互いの頭をぶつけ合う。野郎、なんて頭だ!付け直した骨の鎧にまたヒビが…
アームストロング「この俺が、ぬるま湯に浸かった国民の目を覚まさせてやる!」
奴は左手を蹴りで弾いてそこから拳を放つ!
アームストロング「何が愛国心だ!何がアメリカの誇りだ!そんなもんは豚に食わせろ!」
そこから頭を掴まれ、エクセルサスの胴体部に叩きつけられる。そして無理矢理起こされ、
アームストロング「気に入らない奴はブン殴る!」
拳が顔面にブチ当たる。
アームストロング「それが俺の目指すアメリカだ!」
さらに腹に蹴りをブチ込まれて吹っ飛ばされてしまう。
アームストロング「俺が当選したら腐った社会をブッ潰してやる!セコく儲けてる柔なインテリだの、セレブだの
駄目押しと言わんばかりに奴はブン殴って俺を胴体部に叩きつける。
アームストロング「弱者は駆逐される、強い者だけが残る。俺達は西部開拓時代の混沌を、古き良きアメリカ、人間が本来あるべき姿を取り戻すってわけだ!」
野郎…俺を足蹴にしやがって…。
ジョニィ「どうやって…そんな…」
アームストロング「『奴』のミームだか知らんが、アメリカの規範は腐り果てた!」
ジョニィ「ぐぁっ!」
奴の蹴りが俺の腹にブチ当たる。
アームストロング「今や戦争も暴力も全てビジネスだ。だが、そんな戦争も最後だ。俺がこのくだらねぇ社会システムを、規範化された暴力を解体してやる!拳で語り合う個人の闘争を取り戻す!」
奴の蹴りのラッシュを俺は次から次へ骨の鎧を作り続けて防ぐ。なんてパワーだ…八幡達が知っている『ザ・オーガ』はこいつと同じタイプのスタンドらしいが、これはヤバい…!
アームストロング「どうだ?俺の政策は?」
奴は新しい葉巻にライターで火をつけて一服した後に言った。
ジョニィ「あんたホントに…政治家かよ…」
アームストロング「俺の演説に感動したか?お前達も国家や企業のためではなく、己の理想のために戦う日がくる」
ジョニィ「俺はあんたを誤解していたようだ…」
俺はゆっくりと起き上がりながら言う。
アームストロング「わかってくれたか?私もつまらない戦争をなくしたいんだ」
野郎は満面の笑みを浮かべながら俺を助け起こし、体の埃を払落する。そして、片手を差し出す。
ジョニィ「よくわかったよ」
俺は奴の手を取り握手握手と共に熱く抱擁──
ジョニィ「お前が本物のクズだって事が!」
──した直後に俺は野郎を巴投げする。
筋肉モリモリ(ryオッさんの股くぱぁなんて誰得だよ…。
某花京院の転生者「ジョジョハチ、キマシタワー!」
…今、ものすごい悪寒を感じたが無視しておこう。というか今までなりを潜めてたのがおかしかったんだ。
アームストロング「この社会には変革が必要だ、だが変革には犠牲を伴う!」
ジョニィ「犠牲になるのはいつも弱者だ。古き良きアメリカだと?ふざけるな!金にも体力にも恵まれて不自由なく育った奴に虐げられた弱者の痛みがわかるか!」
そう、それは弱者だった自分。母を、親友を守れなかった愚かな自分。今の強さなんて所詮は後の積み重ねた結果だ。
アームストロング「何が弱者だ!お前は力で敵を黙らせ生き延びてきた人間だ!わかるはずだ、俺の理想が!」
確かにこいつの理想は理解出来る。元々俺が掲げてきた『
奴が唱える理想には共感できるが、計画によってもたらされた無数の被害者達も同時に見てきた。だから奴を許す事は出来ない。
互いが互いを認められない。
ジョニィ「……次はお前を黙らせるッ!」
──故に、俺はお前の理想を壊す。