ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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ようこそマザーベースへ

精神世界───

 

僕とジョニィ、そして八幡は僕達の精神世界の中で向き合っていた。

 

承一郎「…まさか、そんな事になっているとは…」

 

ジョニィ「…なんで、オレ達を呼ばなかったんだ?八幡」

 

八幡「…お前らに迷惑がかかると思ったんだ。前は無理矢理あっちの世界に連れて来られたし、それに…俺の運命は決まっていたからな」

 

ジョニィ「……」グイッ!

 

ジョニィはそう言った八幡の胸倉を掴む。

 

承一郎「おいジョニィ…!」

 

ジョニィ「ふざけるなよ、八幡。これはあの時小町義姉さんに言った事だが…覚悟の意味を履き違えるな!」

 

八幡「ぐっ…!」

 

承一郎「おいジョニィ…!八幡が苦しがってるだろう…!」

 

ジョニィ「……フン。オレ達はお前(・・)には勝ったが、お前達(・・・)には負けた。その意味をよく考えるんだな」

 

そう言ってジョニィは八幡から手を離した。

 

承一郎「八幡…僕も悲しかったよ。わずか数日の旅だったけど、僕達も水晶十字軍(クリスタル・クルセイダーズ)の仲間だろう?少しは頼ってくれ、共にあの死闘を乗り越えた仲間なんだから…」

 

八幡「…すまない」

 

そうして、僕は目覚めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

承一郎「ここは…僕の部ぼぐぉぉっ⁉︎」

 

僕が起きた瞬間、強烈な右ストレートが顔面に直撃する!

 

千棘「このバカもやし!心配したじゃあないのッ!」

 

承一郎「心配している人の態度と行動じゃあないでせうが…」

 

千棘「うるさい!」

 

小咲「一条君…大丈夫?」

 

承一郎「あ、ああ、大丈夫だよ。…千棘さんに殴られた分を除けば」ボソッ

 

万里花「承一郎様!ご無事でなによりです!」ギュッ!

 

鶫「貴様!お嬢という人がありながら!」ジャキッ!

 

承一郎「君には常識というものは無いのか⁉︎」

 

ジョルノ「承一郎、大丈夫かい?」

 

ジョルノ兄さんが僕が起きたのに気づいてやって来た。

 

承一郎「兄さん。すみません、急に倒れちゃって」

 

ジョルノ「いいんだ、それより承一郎…」

 

承太郎「お前が倒れる前に言った事…あれは何なんだ?」

 

承一郎「それは…」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

承一郎「…という事です」

 

承太郎「…なるほど、この前急にいなくなったのはそれが理由か」

 

ジョルノ「並行世界を行き来する事が出来るなんてね…」

 

承一郎「はい、感想欄でもしょっちゅうちょっかいしてくるし…一番酷かったのは露伴先生と静さんによる浮気偽装か…」メメタァ!

 

千棘「ああ、なんかいつもとは違うなと思ってたけど、並行世界の方の静・ジョースターだったのね?」

 

もうメタイのは気にするな!←by作者

 

それが一番メタイと(ry

 

小咲「あの時はごめんね、一条君」

 

承一郎「う、うん」

 

余談だけど、あの時僕は彼女達を怒らせないようにしようと誓った。

 

承太郎「…で承一郎、お前の体に入り込んだあの左足は…」

 

承一郎「はい、並行世界で共に戦ったジョナサン・ジョースターとDIOの転生者、比企ヶ谷八幡という少年の魂の一部です。多分これで分かります」ズギュン!

 

僕はスタンドを発現させる。

 

千棘「あれ?これって…」

 

小咲「一条君の『ブラッディ・シャドウ』に似てるけど、色が違うね」

 

承太郎「これは…『世界(ザ・ワールド)』!」

 

承一郎「あれ?おかしいな…『原石(ザ・ジェムストーン)』は確か水色…『隠者の紫水晶(ハーミット・アメジスト)』!」

 

次に僕は『ザ・ジェムストーン』から『ハーミット・アメジスト』を出そうと思ったけど、

 

承一郎「あれ?『ザ・ワールド』が消えて…」

 

手から『ハーミット・アメジスト』が出たが、そのかわり『ザ・ワールド』が消えてしまっていた。

 

ジョニィ(スタンドが二つに分かれているのか?)

 

承一郎「う〜ん…八幡のスタンドは一つになったスタンドじゃあなかったのかな…?」

 

そんな話をしていると

 

承一郎・承太郎・ジョルノ「「‼︎!」」

 

また、ここにいる三人とは別の肉体の波長が感じ取られた。

 

千棘「?…どうしたのよ、急に黙っちゃって」

 

ジョルノ「これは…」

 

承一郎「この肉体の波長…まさか、八幡の世界から誰かが来たのか…?」

 

僕はすぐに空間を繋げる。場所は波長が感じ取れた場所だ。

 

千棘「ちょ、ちょっと承一郎⁉︎」

 

承一郎「ごめん、ちょっと野暮用があるんだ!」

 

僕はそう言って空間の中に入り、波長が導く場所へ飛ぶ。

 

 

僕が空間で着いた先には、ジョルノ兄さんとトリッシュさん、ミスタさん、そして陽乃さんと妹の雪乃さん。確か八幡の記憶では留美ちゃん──あのブチャラティさんの転生者だったハズ──がいた。

 

承一郎「やはりあなた達ですか。久し振りですね。八幡の世界のジョルノ兄さん、ミスタさん、陽乃、雪乃。そっちの子は初めてましてかな?」

 

雪乃「お久し振りです。一条承一郎さん」

 

承一郎「うん。久し振り。エンジェル・ダストの雪乃さん。静さんのイタズラに付き合わされて以来だね。あの時は大変だったよ」

 

いやぁ、あの時はすごい焦ってしまった。何か悪い事したかな?って凹んでしまって…概念を凍らせるとはまた面倒な能力だ。

 

そんな事を考えていると、僕の携帯が鳴る。

 

カズ『ボス、今CIA(カンパニー)の方からある非公式の依頼があった』

 

承一郎「…CIAだと…?」

 

怒りが強くなる。母を殺したであろう組織。それがその殺した女の息子に依頼を寄越すとは。

 

いつの間にか僕の額には白い角が生えていた。それに気づき、少し深呼吸をすると角は元に戻っていった。

 

承一郎「…一旦マザーベース(そっち)に戻る。話はその後にしよう。何人か客人を招待するから、もてなす準備をしておいてくれ」

 

カズ『分かった、それじゃあ後でな』

 

承一郎「…さて、兄さん達、ここでは話しづらいので場所を変えましょう。僕達の基地(マザーベース)に招待しますよ?」

 

ジョルノ「…基地…?」

 

承一郎「前に自己紹介したじゃあないですか。学生兼傭兵だって。僕の暗号名(コードネーム)は『毒蛇(ヴァイパー)』、裏の世界では結構有名ですよ?」

 

僕は空間を繋ぐ。行先はマザーベース、僕達『水晶の牙(クリスタル・ファング)』の拠点となる海上プラントだ。

 

承一郎「今まではヘリで向かっていたけど、この能力があると一瞬で行けるんです。兄さん達、おそらく戦いが終わったすぐ後にこの世界にやって来たでしょう?」

 

僕は皆の状態を波紋で探知、こっちの世界へ来る前の状況を把握した。

 

承一郎「スタンドは精神エネルギーが生み出す(パワー)ある(ヴィジョン)。休息を取らないと悪影響ですよ。ウチ(集英組)だとこの世界の兄さん達がいて面倒ですし、どうします?」

 

ジョルノ「…そうだね。ならお言葉に甘えようか」

 

承一郎「分かりました。ではこの空間の中へ。あっという間に着きますよ」

 

ジョルノ兄さん、トリッシュさん、ミスタさん、留美ちゃん、陽乃さん、雪乃さん、最後に僕とDDの順番で空間の中へ入っていく。

 

次に全員が感じたのは、海風だった。

 

ジョルノ「こ…これは…ッ!」

 

トリッシュ「こ…こんなのって…!」

 

ミスタ「で…デッケェ〜〜ッ!」

 

留美「これは…パッショーネと同じ…いや、それ以上の規模だ…!」

 

陽乃「す…すごい…」

 

雪乃「…なんて大きいの…」

 

さらに全員が見たもの、それは海上に浮かぶ建物の群れ。その光景に圧倒されている。

 

承一郎「ようこそ…僕達のマザーベース…『水晶の牙(クリスタル・ファング)』へ!」

 

僕はそう皆に言った。

 

 

スタッフ達「「お帰りなさい、ボス!」」

 

承一郎「ああ、ありがとう」

 

スタッフ達の挨拶と敬礼に答えながら、僕と兄さん達は歩いていく。目的地はマザーベースの司令部、カズやオセロットのいる場所だ。

 

ジョルノ「驚いた…これほどの組織を作っていたなんて…」

 

承一郎「スタッフ達は実を言うと僕が戦場から優秀だと思った人間をフルトン回収して集めているんです。後は説得してウチで雇う。たまに志願兵も来て今は1000人はいますよ?」

 

ミスタ「せ、1000人⁉︎」

 

承一郎「そうです。ではどうぞ」ガチャ!

 

僕はドアを開けて皆を中に通す。

 

カズ「ボス!待っていたぞ!ん?そいつらが客人か?綺麗なお嬢さん達がいるじゃあないか!」

 

承一郎「カズ、手は出さないように。兄さんの奥さんとその親戚の人達なんだ」

 

オセロット「ボス、後で寿司…よろしく頼むぞ」

 

中ではカズとオセロット、そして司令部のスタッフ達が『I love DD』と描かれたマグカップでコーヒーを飲んでいた。

 

承一郎「ああ、しょうがない。スタッフ達のモチベーションを上げるためと考えればマシか…。カズ、さっきの話詳しく頼む」

 

カズ「了解だボス」

 

 

カズ「最近南米の方で麻薬組織が勢力を拡大していてな、その組織を潰してくれというのが依頼だ」

 

カズが僕に依頼の要旨説明(ブリーフィング)を説明する。オセロットは連れて来たDDと遊んでいる。

 

承一郎「自分達の兵士達にやらせればいいじゃあないか。なぜ僕達に?」

 

カズ「最近、その組織をあるPMCのサイボーグ兵士が守っているんだ」

 

承一郎「サイボーグだって?ウチにも何人かいるが…」

 

カズ「全員がサイボーグなんだ。PMCの名前は『デスペラード(無法者)・エンフォースンメント』、紛争への介入だけでなく麻薬の取引、人身売買などにも手を染めているらしい」

 

承一郎「文字通りの無法者(デスペラード)というわけか…」

 

カズ「だがおかしいんだ」

 

承一郎「おかしい?」

 

カズ「ああ、大量のサイボーグを雇ったり高価な最新装備を持つなど、単なる無法者とは思えない豊富な資金を有しているんだ」

 

承一郎「なるほど、何か裏があるというわけか…」

 

カズ「そうだ。それとボス、そのPMCの幹部メンバーの一人にあの男(・・・)がいるらしい」

 

承一郎「‼︎」

 

承一郎はその言葉に驚いた。

 

承一郎「…そうか、ついに見つけたのか」

 

カズ「ああ、サムエル・ホドリゲス…またの名を『ジェットストリーム(烈風)・サム』。かつてあんたの左腕を斬り落とした男だ」

 

 

<= to be continued=


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