ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
〜鶫side〜
私はポーラと一条承一郎を探すために街の中を走り回っていた。
鶫「…ハァ、ハァ…!」
…ダメだ、完全に見失ってしまった…。どうしよう…負けたら私はまたアメリカに…またお嬢と離れ離れになってしまう…。でも…一体どうすれば…今頃は…もう…。
…どうしてこんな気持ちになるんだ、どうしてこんなに不安になるんだ。なぜだか分からないが、どうしようもなく嫌なんだ…‼︎あいつの唇を誰かが奪うと思うと、なぜだかとても嫌なんだ…‼︎
鶫(私は…どうすれば…)
…嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ
ピキッ…!
私の中で、そんな音がしたような気がした。
〜鶫side out〜
某廃工場───
〜承一郎side〜
当初はポーラの能力に苦戦していた僕だったが、すぐに状況はひっくり返された。
ポーラ「『
僕はポーラの銃撃を回避する。
ポーラ「避けてばかりじゃあ私を倒せないわよ!」
承一郎「そうか…なら少し攻めるか」
僕は一気に間合いを詰めてポーラに接近して拳を叩き込んだ。
ポーラ「ぐっ…!」
承一郎「動きが単調なものばかりだぞ。だから鶫さんに負けるんだ」
ポーラ「くっ…バカに…するなぁっ‼︎」
ポーラは拳を叩き込もうとするが僕に躱され、
承一郎「そこが甘いんだ」
逆に蹴りを叩き込まれる。
ポーラ「うっ…!」
承一郎「君の攻撃…確かに最初くらった時は対処しきれなかったが、要は防御が出来ないだけだろう?なら回避に徹すればいい」
ポーラ「ッ!このッ…!」
承一郎「そして運動の優先度が上がるという事は自分に向かう攻撃の衝撃は内側に
僕はポーラの拳を躱し、そこから腹へねじ込む様なカウンターを叩き込む!
そう、運動の優先度が上がった状態で他の攻撃を受けた時、本人が解除するか動きを変えない限り衝撃はくらった時に体が受け流す力すら働かず留まってしまうのだ。つまり、防御が不可能なら回避するかカウンターを仕掛ければ対処出来るのだ。
ポーラ「かはぁっ…‼︎」
ポーラは吹き飛ぶ事も出来ずに苦痛に顔を歪めた。
ポーラ(クソッ、なんでこんなのに圧倒されるの⁉︎しかもスタンドすら使っていないなんて…!)
そして、僕はスタンドを使っていない。徒手空拳で挑んでいるのだ。
それは、ポーラにはスタンドを使わずとも勝てるという自信の表れだ。確かに強力な能力だけど、能力のネタがバレたらいくらでも対処出来る。スタンドバトルの基本だ。
承一郎「君のような能力のみを頼りにしている人間を相手にするのはそう難しい事じゃあない。特に
ポーラ「くっ…なら…くらってみなさいッ‼︎」バッ!
ポーラは一つの手榴弾を投げた。
ポーラ(私専用のBB弾グレネード!三百発のBB弾が私の能力で弾の起こす運動の優先度を上げられて爆発的な威力を生む!)
バァァンッ‼︎
手榴弾の中から大量のBB弾が僕に襲いかかり、ブッ飛んだ。
ポーラ「…あんた、ホントに人間なの…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
しかし僕はあらゆる防御を無視する強力無比の弾をくらっても立っていた。
承一郎「これくらいの事は想定内だ。『暗殺教室』知らないのかい?最初の回でBB弾グレネードが出てるんだぜ?」
僕は骨の鎧を纏ってわざと後ろに飛んでBB弾と同じ運動方向に移動し、ダメージを最小限に抑えたのだ。
承一郎「さて、もう少し踊ってもらおう……いや、そろそろか」
僕がそう呟いた瞬間、
ドゴォォォンッ…‼︎
壁が粉砕される。
ポーラ「…⁉︎…まさか、発見された…⁉︎これだけの距離があって…⁉︎」
承一郎「もう少し遅く来ると思っていたが、なかなかに速いな」
ポーラ「…!あれは…!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
その姿はまさに魔獣。顔がなんか四本目に突入した九尾状態のナル○みたいになってるけど?
承一郎「…確かに魔獣だな」
ポーラ「…なるほど、ようやく本気を出してくれたのね…。その姿、懐かしいわ。…嬉しいわね、
ポーラ「これでようやく楽しく…」ジャキン!
ポーラは二丁の拳銃を鶫さんに向けるが、肝心の鶫さんは消えていた。
ポーラ(なっ…いない…?)
ヒュッ…‼︎ズドン‼︎ビシビシバキ…‼︎
鶫さんは次の瞬間にはポーラの背後にまわり、近くの柱を蹴った。
承一郎「へぇ…」
ポーラ「………」
ガラガラガラァッ‼︎
鶫さんが蹴った柱はあっけなくヘシ折れ、瓦礫の塊が出来上がった。
ポーラ(………‼︎!ただの足蹴りでコンクリートの柱を…何それ‼︎?)
承一郎(なるほど、パワーもスピードもあの時以上。さらにスタンド能力で地面を
確かに見えた。一人のパワーもさる事ながら、それが分裂されてもパワーが分散させる事がないから威力が跳ね上がっているんだ。
ポーラ(桁外れじゃあない…‼︎スピードもパワーも…‼︎衰えるどころか、こんなの…昔より遥かに…)
鶫「ポーラ」
ポーラ「はひィ‼︎?」ビクゥッ‼︎
鶫「…抵抗するな、いいな」
ポーラ「は…はい…」ガクガクブルブル
ポーラは鶫さんにビビって動かない。
鶫「一条承一郎」
承一郎「………」スッ
僕は拳を構えた。あの時は出さなかった彼女の本気を知る為に。
鶫「そうか…なら本気で行くぞ」
バッ‼︎
鶫さんは瞬間的に
承一郎「(速い!)だが、動きは見えるぞッ!」
僕は鶫が向かってくる方向へ向かって攻撃を繰り出そうとするが、
鶫3〜6「「ハァッ!」」
鶫さんの分裂した二人はそれぞれ一人ずつ分裂体の蹴りに乗るような形で飛び、続けてその蹴り飛ばした二人もさらに二人の背を踏み台にして飛びかかり、拳を叩き込んだ後に体にしがみついた!
承一郎「なっ…⁉︎」
僕はその一連の流れに驚いた。そしてそのまま残りの二人は片方を拳に乗せて飛ばした!
鶫「ハァァッ…‼︎」
承一郎「なるほど、これが…
ベキィッ‼︎
承一郎「ぐぅぅっ…‼︎」
ドッゴォォォーーーーーーz____________ンッ‼︎
僕は廃工場の壁にブチ当たった。
鶫「ハァ…ハァ…まだ意識があるとはな…人間離れしているな」
承一郎「いや、かなり追い詰められたさ。僕もだいぶ鈍ったもんだな」
僕は殴られる一瞬に『
両手両足を抑えられていた状態だったが、そこから『骨爪弾』の回転による斬撃は数メートルまで届く。鶫さんの分裂体を消滅させてその間に骨の鎧を纏いクロスガードしてなんとか防いだのだ。
だけど瞬間的にスタンドパワーを使い過ぎて今はヘトヘトで動けない。まったく歳をとるのが早過ぎる。
鶫「それでブランクがあるというのか…やはり化け物じみてるな」
承一郎「そう言われるのは慣れているさ。…ところで、もうこの辺にして後時間終了まで待つってのは「…喋るな」アッハイ」
鶫さんは僕に顔を近づけて、
チュッ!パッ…!
自分の唇に指をつけ、その指を僕の唇につけた。いわゆる『間接キス』だ。
鶫「…よーーし、これでこいつの唇は奪ったぞ。私の勝ちだなポーラ」
ポーラ「えっ…えええ〜〜‼︎?ちょっ…何よ今の…!そんなのキスって言わないでしょ〜⁉︎」
鶫「何を言うか、貴様はこいつの『唇を奪え』と言ったのだぞ?なら形上これでも構うまい。それでも文句でもあるのか?」
ポーラ「全くありませんゴメンナサイ…」
ポーラは鶫さんにビビって答えてしまう。
ポーラ「〜〜〜、くっ…」
鶫「……ただ…私を襲った時とこいつを連れ去った時の動き、あれは見事だったぞ…?」ギュッ…!
鶫さんはポーラを抱きしめた。
鶫「…強くなったのだな、私も嬉しい」
ポーラ「…うわぁあぁああぁあぁあん、わあぁあぁぁああぁぁああぁあん…」
ポーラは今まで溜めていたものを抑えきれず泣いた。
ポーラ「ひっぐ……どうして、えぐ…いきなり消えたんだよバカ〜〜…」
鶫「…すまない、急な呼び出しで。お前も任務中だったから…」
…まぁ、これで一件落着か。やれやれだ。
〜承一郎side out〜
キング・クリムゾン‼︎
ポーラ「……それじゃあ、私は約束通り帰るけどいつかまたちゃんとアメリカに来てよね
鶫「ああ…」
承一郎「…それじゃあ、僕は帰らせてもらうよ。…やれやれ大変な目に合ったよまったく」
鶫「…文句でもあるのか?」
承一郎「…別に」
ポーラ「…それで?これからどうするの
鶫「…何がだ?」
ポーラ「あいつ、お嬢の恋人なんでしょ?このままでいいの…?」
鶫「はて、何の話かな…?」
ポーラ「…まったく、お子様なんだから」
ポーラ(ん…?何か忘れているような…何だっけ?)
承一郎(ふぅ…催眠術が間に合って良かった。いかに鶫さんより弱いとしてもギャングのヒットマンをスタンド無しで軽くあしらうなんて事があのメガネにバレたら厄介だからね)
ジョニィ(今はまだバレるわけにはいかないな。『聖なる遺体』の件もあるしな。あいつらを出来るだけ巻き込みたくない)
承一郎(だけど一人…『遺体』の所持者には心当たりがある)
ジョニィ(橘か…)
承一郎(準備をしとくに越した事はない。遠からず…
この街は戦場になる)
<=to be continued=
はい、色々と悩んだ結果ポーラは承一郎に軽くあしらわらる事に。ポーラファンの人すみません。
ポーラのBB弾グレネードはマジで『暗殺教室』の最初の回ネタですね。
それではまた次回!