ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
彼女のスタンド能力は元から決めていたんですけどどうやって承一郎と闘わせるか悩んでしまって…汗
それではどうぞ!
夜、ある一角───
ある柱の上に、一人の少女が立っていた。
?「……
銀髪にヘアバンドをつけた少女の巻いてある赤く長いマフラーが風で揺れる。
?「…会いに来たわよ、『
少女は手に持つ携帯に映る顔を見る。
?「今度こそ、お前を…」
少女の名はポーラ・マッコイ。『
翌日、放課後の学校───
承一郎「…やぁ鶫さん」
鶫「…なんだ、何か用か?」
承一郎「ハニーがね、今日は先に帰っていいってさ。彼女宿題忘れてやり直し食らったんだとさ」
鶫「…貴様は?一緒に帰らんのか?」
承一郎「僕も今日は別々さ。スーパーでタイムセールがあるんだよ」
鶫(ふむ…では今日のお嬢の警護はクロード様に引き継ぐか…)
承一郎「あ、そうだ鶫さん。今日の小テスト、こないだ君に教えてもらった所が出て助かったよ。ありがとうね」
鶫「なっ…べっ…‼︎別に…‼︎その程度の事で礼を言われても嬉しくないがな…‼︎あれは…貴様のレベルが低すぎただけで…」
承一郎「……君も素直じゃあないよなぁ…」
鶫「…もし、今度また分からないところがあれば教えてやらんでもないが…」
承一郎「…ん?」
そこで承一郎は波紋の探知で異変に気づいた。
?「………」カチ…
承一郎・鶫「「‼︎」」
鶫「一条承一郎ッ‼︎」バッ‼︎
承一郎「分かっているッ‼︎」バッ‼︎
ドドドドッ!ドドン‼︎
二人が飛び退いた場所へ、次の瞬間銃弾の雨が降る!
ドン!ドン!ドン!
鶫が撃った相手に撃ち返すが、跳躍で回避される。
少女──ポーラ・マッコイは二丁の銃を持って軽やかな着地を決める。
鶫「!…貴様は…」
ポーラは鶫に接近する。鶫もそれに反応して、お互いの腕をぶつけ合う。
ポーラ「…会いたかったわ『
鶫「…なぜ貴様がここに…」
ポーラ「お前とは、話したい事がたくさんあるわ」
そこから二人は間合いを取り、銃撃戦が開始される。しかし、ここは放課後の学校。帰宅する生徒達も多数いるわけで…
男子「うおー‼︎なんだー⁉︎襲撃事件かー⁉︎」
先生「生徒の皆さんは校内に〜‼︎」
この通り、大混乱だ。どうやらこっちに弾丸が届かないように鶫が配慮してくれているようだが、目の前でこんな事が起きたら一大事。
承一郎「皆、早く中にッ!」
承一郎も先生達と協力して生徒を誘導する。
承一郎「コラー‼︎君達学校でなんてものブッ放してるんだ‼︎ケンカならよそのもっと安全な場所でやれッ‼︎」
そんな承一郎を無視し、二人の銃撃戦はさらに苛烈になっていく。
二人がもう一度ぶつかり合う。その一瞬を承一郎は見逃さなかった。
承一郎「あのさぁ…」
ガシッ!
鶫「なっ⁉︎」
ポーラ「えっ⁉︎」
一瞬で承一郎は二人の間合いに入り込み、両手で二人の腕を掴む。そして…
承一郎「人の話を聞いたらどうだッ‼︎」ブンッ!
ブン投げる。二人はそれぞれ別の方向に投げ飛ばされるが、空中でバランスを取り着地する。
ポーラ「ちょっとそこの!何すんのよ!」
承一郎「それはこっちの台詞だ…バカなのか⁉︎こんな場所で!君もだ鶫さんッ!」
鶫「し、しかし…」
ポーラ「邪魔をするなら容赦はしな『バラバラッ!』え…?」
ポーラが武器を構えるが、銃の先が無い。
ポーラ(
銃には分解方法が二つ存在する。特別な工具を使用せずに銃を分解する通常分解、特別な工具を使用する完全分解の二つである。
承一郎は一瞬でポーラの銃を判別し、投げ飛ばす際にスタンドで銃をバラバラに分解したのだ。
急いで武器を替えようとするが、その一瞬を見逃す程
承一郎「セイッ!」
ポーラ「カハッ!」
承一郎の
ガスッ!
承一郎はポーラの顔の近くの地面にナイフを突き立てる。
承一郎「これ以上やるなら容赦はしない。
ポーラ「…分かったわよ」
キング・クリムゾン‼︎
某アパート───
鶫「…まったく、銃撃戦に素手で割って入ろうなどと、バカか貴様は‼︎」
承一郎「それはこっちの台詞だよ!なんで学校の前でやる!よりによって学校の前でッ!皆を避難させるのにどれだけ大変だったか…
鶫「うっ…」
承一郎「それに、弾丸を食らったって僕は死なないのは君が知ってるハズだろう。…それにしても、ここは?」
鶫「…私が私用で借りているアパートだ。普段はお嬢の所に寝泊まりしているが、任務によってはこういう場所も必要になる」
承一郎(なるほど、僕にとってのマザーベースか)
そう納得して、承一郎は周りを見回す。基本的なものしかない質素で、生活感がない部屋だ。
承一郎(…僕と同じか…)
思い返すのはマザーベースの自分の部屋。銃がかけられ、ベッドしか置いてない部屋。
鶫「…ジロジロ見るな‼︎」
承一郎「…見てないよ」
ポーラ「…コホン!えーゴホン…!…それで?これは一体どういう事かしら?なぜお前の命を狙った私が家に上げてもらった挙句、お茶まで出されているわけ?『
鶫「…何を言っているのだ?話をしたいと言ったのは貴様の方だろう」
ポーラ「そういう事じゃあなくて…‼︎」
承一郎「『
ポーラ「…へぇ、知ってるようね」
『
その魔獣の如き仕事ぶりからついた異名が『
だがブラックタイガーとはウシエビというエビの別名でもあるのだが、そこはノーコメントだ。
承一郎「そういう君もヒットマンだね、『
ポーラ「あら、私の事も知っているのね」
承一郎「昔に少し仕事をしていたくらいさ」
鶫「彼女はポーラ・マッコイ、私の仕事仲間だ」
ポーラ「ポーラって呼ぶなぁ‼︎」
どうやら自分の名前にコンプレックスを持っているようだ。
鶫「本当に久しぶりだな、元気そうでなによりだ。どうだ?今から夕飯なんだが…」
ポーラ「ほのぼのするな‼︎私は馴れ合いに来たんじゃあないのよ。私はあなたとの決着をつけに来たのよ…!あの時…トップから引きずり降ろされてからというもの…私はあなたを目標にしてきた。でも正直今は失望してる…!」
そう話すポーラの目は真剣そのものだった。
ポーラ「この数日、あなたの事を監視させてもらったけど、緩んだ表情、緩んだ空気…‼︎のうのうと堕落した毎日を送る、まるでどこにでもいるような普通の娘のよう…!」
ジョニィ『…だからといって学校の前でいきなり発砲するのはな…』
鶫「…それは、今の私の任務がお嬢の警護だから…(…最近の視線はポーラのだったのか…)」
承一郎(最近の視線は彼女の(ry )
ポーラ「…本当にそれだけかしら?今のあなたには、あの頃の鋭さが全くない…‼︎まさに牙をもがれた虎だわ…!何があったの…?どこか故障でもした…?それとも戦場が怖くなってしまったのかしら?ああそれとも男でも出来て平和ボケしたのかしら?たとえばそこの男とか…「それは断じて無い」えっ、あ、そう…?なんかゴメン」
ポーラ「…とにかく、あなたにそうフヌケてもらっちゃあ困るのよ!あの頃のあなたを越えなければ意味がないのに…」
鶫「…どうしてそんなに私に固執するのだ?目指すべき人物なら上にいくらでもいるだろう…」
ポーラ「…忘れたとは言わせないわよ?」
鶫「⁉︎」
ポーラ「あれは忘れもしない…私が初めてあなたとチームを組んだ時…」
ポーラ『…あなたが「
鶫『…貴様、男なのか?全く胸がないな』←すでに自分には少しある
ポーラ「てめぇには言われたかねぇんだよ‼︎何さ、あんたこそ男みたいな顔しちゃってさ‼︎初対面でそんな事言うか普通‼︎」ぶわっ‼︎
大号泣するポーラ。よほど気にしていたのだろう。
ポーラ「あれ以来何度かも任務を共にするけど、美味しい所は全部持っていかれて…とにかく…!私はあなたを許さないって決めたの‼︎いずれ必ずギャフンと…」
ポーラは振り向きながら左手の人差し指で鶫を指差そうとするが、
ポヨン…!と鶫の母性の塊に触れた。
ポーラ「くぅ…‼︎くふぅ…‼︎」
そして撃沈した。
鶫「…おい、何も泣く事ないだろう」
ポーラ「…これで勝ったと思うなよ…‼︎」グズ…
鶫「号泣‼︎?」
ポーラ「…こうなったら、もはや実力行使…‼︎覚悟しろ
ポーラはマントの裏側から大量の銃と手榴弾を出す。対して鶫は
コト…と料理の乗った深皿をテーブルに置く。
鶫「まぁ待て、貴様夕飯もまだだろう。まずは食べてから…」
ポーラ「わぁい、肉じゃがだ美味しそう!…私のシリアスを返せ!」
承一郎「…君、料理出来るんだ」
鶫「…一応な」
ポーラ「ぐう…‼︎何よ肉じゃがって…何この家庭的な感じ…。昔のお前は
鶫「してないしてない‼︎」
それはどちらかというと承一郎の方だった。紛い物とはいえ吸血鬼特有の吸血衝動を存分に発散事来るし、なにより
今では自分の体を研究した結果、少しの血と食事で衝動を抑える事が出来る。
承一郎「…ねぇ、そんなに違うのかい?昔の鶫さんって」
承一郎はポーラと同じテーブルに座る。
ポーラ「全然違うわよ!あの子が三年前にある組織を一人で壊滅させた時なんて…その筋の人間は戦慄したものよ。ビーハイブがとんでもない番犬を飼ってるってね」
承一郎「…それって、千棘さんがチンピラに絡まれた時の話じゃあ…」
鶫「んなっ‼︎?なぜ貴様がその話を…‼︎」
ポーラ「当時のこの子にはそんな伝説がいくつもあるの。この子とは何度も仕事をしたけれど、他の奴とは明らかに別格…!私は、
承一郎「………」
ポーラ「…それがどうしてこんなぬるい人間になってしまったのか。あ、おいし」
承一郎「ん」
コト…と承一郎にも肉じゃがの乗った深皿が渡される。
承一郎「…いいのかい?」
鶫「…ただのついでだ。いらないなら食べるな」
そう言われて肉じゃがを食べる承一郎。
承一郎「うおっ⁉︎なんだコレ、すごい美味いよ!へぇー、大したものだ、いい味してるよ。正直ハニーは全く料理とか出来ないから心配だったけど、レシピ教えて欲しいくらいだ…!」
肉じゃがに舌鼓をうつ承一郎。いつも組員達の食事を作るが、どうやらこの味を再現するは難しいらしい。
鶫「……そ…そうか…?」
承一郎「ああ!鶫さんはいい嫁さんになりそうだね!」
鶫「‼︎なっ…誰が貴様の嫁になどなるかぁ‼︎」
承一郎「えぇ⁉︎いや僕のなんて言ってな…‼︎」
そんなドタバタ騒いでいる二人を見て、ポーラは悪巧みを思いつく。
ポーラ「ねぇ
承一郎「……おい……!」
鶫「なるほど、いいだろう。ただし勝負というなら私は手を抜かないぞ?ならばどんな勝負をする?
ポーラ「…制限時間は一時間、フィールドはこの街全体。勝負条件は……」
ポーラは承一郎に近づき、
ポーラ「この男の、唇を先に奪った方が勝ち♡」
承一郎「え」
鶫「え」
ジョニィ『』
承一郎・鶫「「ええええええええっ‼︎?」」