ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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文化祭本番は二回に分けます!


第68話 波乱の文化祭 その①

千棘(この気持ちになんて名前を付ければいいだろう───…)

 

『開演5分前───…!』

 

千棘(ううん…本当はもう知っている───…)

 

男子「おい!ジュリエットはまだかよ⁉︎」

 

ジョニィ「オレが知るか!あいつ今着替えて…」

 

千棘が出て来ると、ジョニィはボーッとなった。

 

千棘「……何よ、ボーッとしちゃって。ほら、もう本番よ?」

 

ジョニィ「え?いや…おう…(綺麗で息を呑んでいたなんて言えない…)」

 

ジョニィ「…お前は大丈夫か?その…緊張とかセリフとか」

 

千棘「大丈夫、要所はもう覚えたから」

 

ジョニィ「…良かった」

 

千棘「何?」

 

ジョニィ「いや…小野寺と一緒にやれなかったのは残念だけど…お前と一緒にやれて良かったと思ってる」

 

ジョニィは自分の気持ちを正直に言う。

 

千棘「……行こ?始まるわ」

 

『ビーーーーーーーーー‼︎』

 

『…大変お待たせ致しました。続いての出し物は1年C組による演劇───』

 

ジョニィ(オレは…その笑顔が見たかった…)

 

『「ロミオとジュリエット」です…‼︎』

 

劇が始まる。

 

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

集『…これから語られますは、悲しい恋の物語───血を血で洗う争いを続ける二つの家、モンタギューとキャピュレット。そこに生まれついたロミオとジュリエットは、皮肉にも恋に落ちてしまうのでした───…』

 

集のナレーションから物語が始まった。

 

千棘「……ああロミオ、なぜ私達の両親は憎しみ合い、争うのでしょう。本当ならきっと私達のように手を取り合い、想い合う事も出来るというのに」

 

千棘「私のロミオ様を想う気持ちの半分でも理解して貰えたなら、きっと…」

 

さっき読んだ程度でセリフをスラスラと言う千棘。

 

ジョニィ(………すごいな、さっき少し台本読んだだけなのに。やっぱりこいつは…)

 

千棘「…あれ?次のセリフ何だっけロミオ様」

 

その言葉に全員がずっこける。

 

ジョニィ「…おいジュリエット‼︎そこは大事なところだろうが‼︎」

 

千棘「しょうがないでしょ⁉︎出だしからこんなまどろっこしいセリフ覚えらんないわよ‼︎」

 

ジョニィ「シナリオにケチをつけるな!」

 

どっ!と周りから笑いが生まれた。

 

観客1「えーー⁉︎何コレ、いーの?こんな事言って」

 

観客2「でもちょっと面白いかも!」

 

男子1「…おお⁉︎結構ウケてる⁉︎」

 

集「意外とイケるかも⁉︎」

 

竜「いいぞ坊っちゃーん‼︎」

 

ギャング「お嬢頑張ってーー‼︎」

 

ジョニィ・千棘「「げっ」」

 

二人が観客席の方を見ると…

 

ギャング「すげぇ!主役じゃあねぇか‼︎」

 

竜「坊っちゃんカックイー‼︎」

 

カズ「ビデオ回してるぞボスゥー‼︎」

 

オセロット「ボス…いいセンスだ」

 

MB(マザーベース)スタッフ達「おい、ボスが主役だぞ!」「ああ、すげぇカッコイイな!」「ボスー!頑張って下さい!」

 

ミスタ「おい見ろよジョルノ、承一郎が主役だぜ!」

 

ジョルノ「そうだねミスタ」

 

承太郎「なかなか似合ってるじゃあねぇか…」

 

集英組やビーハイブ、それに水晶の牙(クリスタル・ファング)のスタッフ達に兄さん達が声を上げる。カズが完全にオカンになっているのは気のせいだ。

 

ジョニィ(兄さん達はまだしもあいつら…観に来るなと言ったのに…。くそっ!この劇ますます失敗出来ん…!)

 

ジョニィ「よ…よ〜しジュリエット、緊張してるのは分かったからまた一から頑張ろう!な?」

 

千棘「もっ!もちろん!バッチ来いってもんよ!」

 

ジョニィ「ジュリエットそんな事言う娘じゃあないぞ‼︎」

 

またどっ‼︎笑いが生まれた。

 

小咲(………頑張って…二人とも…)

 

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

男子1「…イケる!イケるぞ…‼︎」

 

集「よ〜し、ノってきた〜‼︎」

 

劇は進み、千棘は塔のバルコニーに立っている。

 

集『…屋敷から抜け出そうとするロミオ。召使いの制止も聞かずジュリエットの元へ行こうとします』

 

鶫「…本当に行ってしまうのですか?キャピュレット家の者があなたの命を狙っています(棒読み)」

 

ジョニィ「…たとえどれ程危険でも、私は行かねばならないのだ。今も彼女はあのバルコニーで待っている…!」

 

ジョニィは召使いである鶫の棒読みは無視してセリフを言い、バルコニーへ向かおうとする。

 

集『…止まらないロミオ。しかしここで召使いはある決意をするのです』

 

ジョニィ・鶫「「………ん?」」

 

集『実はこの召使いはロミオに恋をしていたのです』

 

ジョニィ・鶫「「はぁ⁉︎」」

 

集『召使いはこれが今生の別れになると思い、愛の告白をするのであった(笑)』

 

鶫「おい‼︎?そんなの台本に無いぞ⁉︎」

 

ジョニィ(集の奴…)

 

鶫(…あの男〜〜‼︎)

 

ジョニィ「…おい、鶫鶫…!」

 

鶫は観客席を見渡し、視線が自分に集中しているのに気づいた。

 

鶫「あ…あの…。ロミオ様、実は私…ずっと前からロミオ様の事が……好……好……好……」

 

鶫が言いかけるが…

 

鶫「…って言えるかバカ者ーーー‼︎」

 

鶫はカツラを取ってステージに叩きつけた。またどっ!と笑いが起こる。

 

集『ああっとー‼︎告白失敗‼︎召使いは存外恥ずかしがり屋さんだったようです‼︎そうこうする内にロミオはジュリエットの元へ!皆さん勇気を出した召使いに拍手を!』

 

鶫はクラスの皆から抑えられ、ワイヤーで吊り上げられ退場した。パチパチと拍手が起こる。

 

ジョニィ(…集の奴、余計な事を…)

 

?「お待ち下さいロミオ様‼︎」

 

ジョニィ「…ん⁉︎」

 

突然声が聞こえて風邪を引いて休んでいたハズの万里花が登場した。

 

集『おお⁉︎なんとここで謎の女性が乱入ーー‼︎?この女性は何者なのかー‼︎?』

 

万里花「私の名は…えーと…ジョセフィーヌ!私はロミオ様の…本当の恋人ですわ‼︎」

 

ちょっと今名前を考えていたのは気にしないでおこう。だがこれはこれで面倒な状況だ。

 

集『なんと〜〜‼︎?ここでまさかのロミオ二股疑惑〜〜⁉︎』

 

ジョニィ(橘…!お前確か風邪じゃあ…‼︎)

 

集『なんと言う事でしょう!これが事実なら純愛どころではありません‼︎まさに女の敵‼︎ロミオ最低です‼︎』

 

ロミオ(ジョニィ)へのブーイングの嵐が巻き起こる。

 

ジョニィ「やかましいッ!勝手にボロクソ言うんじゃあないぞッ‼︎」

 

ジョニィの一喝によって観客は静まりかえった。

 

ジョニィ「えーと…ジョセフィーヌ?君は何か誤解してるようだが…」

 

万里花「まぁ!まさか忘れたとおっしゃるの⁉︎私にあんな事までしておいえ…結婚して下さるというのもウソだったのですか?」

 

万里花は面倒な設定をブチ込んできた。

 

集『思った以上に二人の関係は発展していたーーーーー‼︎これはどう責任を取ってくれるのかロミオ…‼︎あんな事って一体どんな事なのでしょーかー‼︎』

 

ジョニィ(…くそ、あれこれ勝手に設定を足しやがって…!)

 

そこでジョニィはある事を思いつく。

 

ジョニィ「…やれやれジョセフィーヌ。君はそうやって昔から僕を困らせてばかり。結婚なんて出来るわけないだろう?」

 

ジョニィ「だって僕らは、血の繋がった兄妹なんだから…‼︎」

 

集『衝撃の事実‼︎二人は実の兄妹だったーーーー‼︎?衝撃の事実が連発です‼︎しかしこれでは確かに結婚は出来な〜い‼︎』

 

ジョニィはしてやったりというような顔をする。

 

万里花「でも愛にそんなものは関係ありませんわ‼︎結婚しましょうロミオ兄様‼︎」

 

集『それでもジョセフィーヌは止まらな〜〜〜〜〜い‼︎兄を健気に慕う妹ジョセフィーヌ‼︎一体ロミオはどうするのか‼︎』

 

ジョニィ「…分かってくれジョセフィーヌ。僕の進む道は両家を巻き込む茨の道だ。そんな物に体の弱いかわいい妹を巻き込みたくないんだ…」

 

ジョニィは万里花の手を掴み、自分でも歯がガタガタ言うようなセリフを吐いた。

 

万里花「え…」

 

万里花(そんな…ロミオ様は私の体を気遣って…。ああ、私のロミオ…承一郎様…。やっぱり…大…好…き…)

 

風邪のせいか万里花は倒れるが、お付きの人である本田によって運ばれた。

 

集『おおっとーー‼︎体の弱いジョセフィーヌがここで退場ーー‼︎ロミオ思わぬ刺客を振り切ったー‼︎』

 

承一郎(ごめん橘さん…後で見舞い行くから…)

 

集『ロミオ、ジュリエットの元へ向かいます‼︎』

 

ジョニィ(やれやれ…)

 

?「待ちたまえロミオ‼︎」

 

ジョニィ「またかよ⁉︎」

 

登場したのは…

 

クロード「…君をジュリエットに会わせるわけにはいかない。私はジュリエットの兄…‼︎フリードリヒ…‼︎」

 

面倒くさい奴が出て来た。

 

承一郎(というかこのステージの警備甘くないか⁉︎)




次回はメガネをヘシ折ってやりましょう!

えっ?武器持ってるって?知らんな。

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