ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
承一郎は驚くべきものを見た。
数人の男達によって連れ去られる千棘だ。千棘には何か嗅がされたのか、抵抗はなく、男達によって運ばれている。
承一郎「ち、千棘さん⁉︎」
男1「いくぞお前ら!」
男2・3「「ヘイ‼︎」」バタン!
男達は車に乗り込み、アクセルを全開にした。
ギュルルルルルル‼︎とタイヤが音を立てて走って行く。
承一郎「……てめーら…」
プッツーーーーーーーーz__________ンと何かが切れる音がして、
ジョニィ「待ちやがれェッ‼︎」ダッ!
承一郎と入れ替わったジョニィは、全走力で車へ走る。
ジョニィ「クソッ…!(能力を使ってもいいんだが、転移先が移動し続けていると精度が下がる!しかもこのままだと車が暴走して一般人に被害が出てしまう…!)」
そこでジョニィは投球フォームをとり、
ジョニィ「このッ…
プロ野球選手顔負けの投球をした。ピタッ!とジョニィが投げた発信機は車のバンパーにくっついた。
ジョニィ「一応あの車に発信機は取り付けたが…どうするか」
ジョニィはとりあえず鶫に電話した。
ジョニィ「鶫、承一郎だ」
鶫『なんだ一条承一郎、私は今お嬢を…』
ジョニィ「千棘は攫われた」
鶫『な、なんだと⁉︎』
ジョニィ「おそらく以前オレとお前で潰した麻薬組織の残党だ。タバコの煙を操るスタンド使いを覚えているか?」
鶫『ああ』
ジョニィ「どうやら爪が甘かったらしい。多分オレが千棘と恋人だって事を知って、報復するために誘拐したみたいだ」
鶫『…分かった。私はクロード様にこの事を…』
ジョニィ「待て鶫、早まるな」
鶫『なんだ一条承一郎!早くしないとお嬢が…!』
ジョニィ「落ちつけ鶫!いいか?ビーハイブ総動員で千棘を攫った奴らの所に突撃してみろ、千棘を人質に取られるのは確実だ』
鶫『ッ……だったらどうすればいいんだ⁉︎』
ジョニィ「オレがやる。もともとオレの仕事だからな。きっちりと後始末をしてやる。それに隠密行動はオレの十八番だ」
鶫『だが、お前だけでは絶対に無理だ!もっと人を集めなければ…』
ジョニィ「…鶫……」
鶫『なんだ⁉︎』
ジョニィ「腸が煮えくり返っているのがてめーだけだと思うなよ…‼︎」
鶫『ッ……‼︎』
電話越しからでも分かる程の、怒気が含まれた声。鶫は一瞬マジでビビった。
ジョニィ「オレの…!目の前で…!攫われたんだ…‼︎オレが直々に落とし前をつけてやる…‼︎」
鶫『…分かった。だが…』
ジョニィ「心配はいらない。ウチの中でも選りすぐりの精兵達を呼んだ。お前の方にももうすぐ来るハズだ」
鶫『もうすぐ来る…?うわっ‼︎』
キィィィーーッ‼︎
いきなり黒塗りの車が鶫の前でドリフトして急停車した。かなりのテクニックだ。
?「あなたが鶫さんでよろしいですか?」
鶫「あ、ああ…。そういうあなたは…」
ジョニィ『ピークォド!鶫を回収したらすぐに
ピークォド「了解です、ボス!それでは鶫さん、急いで下さい!」
鶫「は、はぁ…」
ジョニィ『いいか鶫、その車に乗れ!場所は近くの廃工場だ!そこに千棘は捕らえられている!その付近で合流するぞ!』
鶫「分かった、すぐにそっちに向かう!」
ジョニィ『ピークォド!大至急だ!急げ!』
ピークォド「了解です、ボス!鶫さん、捕まって下さい!飛ばしますよ!」
廃工場前───
鶫はピークォドから降りて、ジョニィと合流した。
ジョニィ「来たか鶫」
鶫「ああ、だが…あのピークォドという名前は…」
ジョニィ「ハーマン・メルヴィルの長編小説『白鯨』の捕鯨船の名前だ。まぁ、ピークォドは役割としてのコードネームだ。気にするな。それより、そろそろ来るぞ」
鶫「そろそろだと…?」
キィィィィィィッ!バタンッ!
もう一台来た車から、それぞれ個性的な迷彩服を着た二人の男達が現れた。
?1「お待たせしました、ボス」
?2「ボス、待たせたの」
ジョニィ「来たかザ・ペイン、そしてジ・エンド」
鶫「こ、この二人は…?」
ジョニィ「紹介しよう。こっちの爺さんがジ・エンド。もう一人はザ・ペインだ。こっちはビーハイブの
ジ・エンド「ほぅ、このお嬢さんがかのぉ?」
ザ・ペイン「いつもボスがお世話になっています」ペコッ
鶫「は、はぁ…」
ジョニィ「それより、千棘の救出を優先するぞ」
ジョニィの一言で、全員の顔が真剣な顔つきになる。
ジョニィ「廃工場の内部の構造はすでにカズが調べてくれた。端末に送るぞ」
『TOKYO通信』の能力でカズが手に入れた廃工場の内部図を全員の端末に送る。
ジ・エンド「さすがはカズヒラじゃの。良い手際じゃ」
鶫「これがあの工場の内部図か…」
ジョニィ「オレの能力で調べてみたところ、中には三十人、外には見張りとして三人いる…。まずは見張りから片付けるぞ。ジ・エンド」
ジ・エンド「分かったボス。すぐに終わらせるかの」ズギュン!
ジ・エンドはボルトアクション式小銃の形をしたスタンドを発現させて、高年齢とは思えないほどに機敏な動きで狙撃ポイントへ移動した。
鶫「こ、これはッ…!」
ジョニィ「『
鶫「なるほど、銃の形をしたスタンドか…」
シュパン!シュパン!シュパン!スタンドの銃なので発砲音も聞かれず見張りの男達はジ・エンドの弾丸によって気絶した。
ジョニィ「早いな、さすがジ・エンドだ。よし、行くぞ。オレと鶫、ザ・ペインとジ・エンドの
ザ・ペイン「了解!ではボス、これを」
ザ・ペインはダンボールをジョニィに渡した。
ジョニィ「すまんな」
ザ・ペイン「それでは私とジ・エンドはポジションに移動します!」シュタ!
ジョニィ「オレ達も行くぞ」
鶫「ああ」
ロミオの衣装から黒のコートに着替えたジョニィと鶫(鶫はまだ劇の服を着てなかった)は廃工場の裏口に到着した。
ジョニィ「鶫、お前は退路を確保していてくれ。荒っぽい事はオレ達がやる」
鶫「分かった」
ジョニィは耳元の無線を繋げる。
ジ・エンド『こちら「真実の終焉」、ポジションに到着したぞい』
ザ・ペイン『こちら「至高の痛み」、こっちもポジションに到着しました。ミラー副司令は後数分で戦闘班を引き連れて来るらしいです』
ジョニィ「こちら『毒蛇』了解、こっちもポジションに到着した。ザ・ペイン、頼むぞ」
ザ・ペイン『了解しました。「
ブゥゥゥン…ブゥゥゥン……
男1「な…なんだ⁉︎」
男2「気をつけろ!蜂の大群だァーーッ‼︎」
ジョニィ「…さて、誰の女に手を出したか教えてやるか!」
毒蛇はその毒牙を敵を向け、笑みを浮かべる。
おまけ
ゴソゴソ!ゴソゴソ!とダンボールの中に入ったジョニィはダンボールを揺らし、
パカッ!と崩れたダンボールから黒のコートを着たジョニィが。
ジョニィ「良し…」
鶫「何故ダンボールの中に入るんだ…?」
ジョニィ「何言ってるんだ。ダンボールとは入る物だろう?」
鶫「そ、そうか…」