ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

147 / 192
第53話 11人の男達 その①

翌日、杜王駅───

 

小咲「色々あったけど、楽しかったね」

 

千棘「え、ええ、そうね…」←死にかけた人

 

鶫「そ、そうですね…」←死に(ry

 

万里花「?どうしたのですか?」

 

千棘「い、いやなんでも…」

 

承一郎「あはは…まぁ楽しかったね。お土産代がヤバかったけど…」

 

僕達は杜王駅で新幹線を待っていた。皆への土産が山積みだ。

 

承太郎さんは夏休み中は杜王町に少し滞在した後、アメリカに帰るようだ。

 

承一郎「それじゃあ承太郎さん。最後の『矢』の件、よろしくお願いします」

 

承太郎「分かった、私の方も調査しておこう。だが承一郎、一つ胸に刻んでおいてくれ」

 

承一郎「…『スタンド使いはスタンド使いと引かれ合う』…ですか?」

 

承太郎「そうだ。今、本海苔町は急激にスタンド使いが増えてくるはずだ。その事を充分注意してくれ」

 

承一郎「分かりました、安心して下さいよ。僕の能力(チカラ)は、大切なものを守るためにある」

 

承太郎「…その言葉で安心したよ」

 

ジョセフ「君はもうワシ達の家族じゃ。何かあったらいつでも連絡してくれ。SPW財団が総力を挙げて君を協力してくれるはずじゃ」

 

承一郎「ありがとうございます」

 

仗助「また来いよ、歓迎するぜ!」

 

承一郎「はい、また来ます」

 

徐倫「私も釈放されたらそっちに向かうからその時はよろしくね」

 

承一郎「分かりました」

 

向こうでは由花子さんが4人に何か話している。何を話していたか聞いてみたけど秘密らしい。

 

プシューーーーz_________ッ

 

SPW財団職員「承一郎様、そろそろ発車いたします」

 

承一郎「分かりました。…皆さん、さようなら!お元気で!」

 

千棘「さようならー!」

 

小咲「お世話になりました!」

 

鶫「ありがとうございました」

 

万里花「お世話になりましたわ」

 

仗助「また遊びに来いよなぁ~!」

 

静「また来て下さいね〜!」

 

徐倫「また会いましょう!」

 

ジョセフ「承一郎君、友達を大切にのぉ〜!」

 

億泰「今度来たらよぉ、連絡入れてくれよなぁ〜!」

 

由花子「皆頑張ってね!」

 

康一「皆元気でね〜!」

 

 

ガタンゴトン、ガタンゴトン……。

 

承一郎(僕が三年かけても調べられなかった事でも、SPW財団なら世界中の情報(インテリジェンス)をより深く探れるはず…)

 

JOJO(そこから母を殺したスタンド使いの情報が入ってくるはず。なんとしてでも手に入れてみせる、母を殺した奴の情報を…!)

 

承一郎とJOJOはそう考えていると、何かあったのか急に立ち上がった。

 

小咲「一条君、どうしたの?」

 

承一郎「ん?ちょっとトイレにね…」

 

千棘「早く済ませなさいよね。カラオケまたやるんだから」

 

承一郎「分かったよ」

 

そう言って承一郎は車両から移動した。

 

 

承一郎「あの…すみません」

 

承一郎は別の車両にいる男に声をかけた。

 

男「はい…なんでしょうか?」

 

承一郎「あなた…()ですか?(SPW財団職員)はどこにいるんですか?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

男「私ですか?私はSPW財団の職員ですが…」

 

承一郎「いや、彼はSPW財団の職員は自分1人だけと言っていた…。それに、波紋の生物探知では11人の反応(・・・・・)があったんだ」

 

男は黙って承一郎を見る。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

承一郎「しらばっくれないで下さい…つまり、あなたが敵だってバレてるんだよ!」

 

瞬間、男の懐から銃が取り出される。

 

承一郎「ハッ!」

 

承一郎は素早く男の銃の向きを手で変え、波紋を練った拳を男の顔面に叩き込む!

 

男「ブゲッ!」バチィ!

 

承一郎「動くな」スチャ!

 

うつ伏せに倒れた状態の男の背後に銃を構える。

 

男「うっ…」

 

承一郎「言っておくが僕は撃つのに躊躇しない。カラオケが置いてあるような車両だ。車両全てに防音効果が施されているはず。この車両で起こった事は桐崎さん達には聞こえない」

 

男「くっ!」スチャ!

 

男が銃をもう一丁懐から取り出す。

 

ダァン!

 

承一郎の銃弾が男の銃を持っていた手に穴を開ける。

 

男「がああああああああ‼︎」

 

承一郎「言っただろ?躊躇しないと。その眉間にも穴が開けられたいのなら動くといい」

 

男「がああああ!」

 

男はもう片方の手でナイフを承一郎に刺そうとする。

 

承一郎「リスキニハーデン・セイバー!」

 

シュパァァン、ゴトン……

 

承一郎の左腕の刃は男のナイフを切断、そして男の首をも切断した。

 

JOJO(殺してしまったか)

 

承一郎(いや、刺客は全部で11人はいた。残る10人の中から1人だけ残せば問題ない)

 

ズキッ…と左腕の肘から先の部分に鋭い痛みが走る。

 

承一郎「クソ…」

 

JOJO(またか痛むのか?承一郎)

 

承一郎(ああ、幻肢痛(ファントム・ペイン)だ。今こうやって吸血鬼の再生能力で生え治っているけど、まだ(うしな)った腕の感覚がある)

 

承一郎は男の死体を調べるが、武器はそれくらいしかない。

 

承一郎「それにしても…残りの10人はどこだ?生物探知には反応があるが、スタンド使いだとしたら奇妙だ」

 

JOJO(確かに…スタンド使いは自分の能力を他人に明かす事を嫌う。どっちかというと、DIOを倒した承太郎さん達は珍しい方だ)

 

承一郎「つまり…それほどまでに息が合っているチームのはずなのに1人で挑み掛かるのは不自然だ」

 

JOJO(なるほど、もしくはスタンド能力にその秘密があるのかもな…)

 

承一郎は男の死体を背に右手に銃、左手にナイフを取り出し、銃の銃把(グリップ)に逆手持ちのナイフの柄を添える。

 

CQC(近接戦闘)の構えだ。

 

承一郎「奴らの反応はここの車両の奥側からあった。ゆっくりと慎重に行こう」

 

足音を殺し、まわりに溶け込むように移動する。

 

別の車両へのドアに手をかける。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

その時、承一郎は見た。

 

死んだ男の背中の『模様』から出て来た、2人の男(・・・・)を。

 

承一郎「なっ…⁉」

 

ダァン!ダァン!

 

車両に、銃声が響く。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。