ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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前回までの、ジョジョの奇妙な冒険!

億泰の父、万作に謝罪をした承一郎。

その後に杜王町の名物スポット巡りをするが、途中で千棘と承一郎は『振り返ってはいけない小道』に遭遇する。

そして千棘は鶫と共に小道の中へ入ってしまった!

承一郎は千棘を救えるのか⁉︎


第51話 振り返ってはいけない小道

振り返ってはいけない小道───

 

千棘「なんだろう、ここ…。何か奇妙ね…」

 

二人は小道のあまりの静けさから違和感を感じていた。

 

鶫「そうですね…その『この世』と『あの世』の境目という話も頷けるものかもしれませんね」

 

千棘「でも今振り返っても大丈夫じゃあないの」

 

だがまだ二人はポストの手前。二人はまだこの小道の恐ろしさを知らない。

 

 

承一郎「クソッ、間に合ってくれ…!」

 

承一郎は二人を止めるためにかなり急いで走っている。

 

承一郎は電話をかける。

 

康一『もしもし!承一郎君?』

 

承一郎「康一さん、振り返ってはいけない小道で振り返ってもあなたは無事に帰還出来た!それはどうやって⁉︎」

 

康一『えっとね、それは露伴先生のスタンド能力で大丈夫だったんだけど…』

 

承一郎「早く言って下さいッ!」

 

康一『…多分、出口までたどり着ければ脱出出来ると思う』

 

承一郎「…ありがとうございます!」

 

そのまま走り続ける。

 

JOJO(…ヤバイかもな…)

 

承一郎「なんの事だい?」

 

JOJO(前に情報網に引っかかったやつがあっただろう?杜王町で『爆弾スタンド』の殺人鬼が事故死したってヤツだ。その情報の後、この町の行方不明者数が激減した)

 

承一郎「つまりどういう事だい?」

 

JOJO(この小道を振り返ったら見る無数の手…それは多分この町で殺された人間達の『怨念』というか…『負』のパワーが極端に集まって具現化する場所なのかもしれない)

 

承一郎「だとしたら、その『怨念』は『道連れ』を望んでいるというのか…ッ!」

 

走る。走る。走る。

 

力の限りに走る。

 

承一郎「いたッ…!」

 

承一郎が千棘と鶫を見つけた時、千棘は…

 

後ろを振り返っていた(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

二人が異変に気付いたのは、ポストを越えたすぐだった。

 

ズギュゥゥゥン!

 

千棘・鶫「「!」」

 

千棘「い…今、ポストを越えるとき…」

 

鶫「何かが足の間を通り抜けて私の後ろに…!」ズギュン!

 

鶫は『TGE(ザ・グレイト・エスケープ)』の分裂体を一人だけ出して振り返らせた。

 

鶫「…うわぁあああぁぁ‼︎!」

 

次の瞬間、分裂体は消えて見るもおぞましい経験が鶫に蓄積された。

 

千棘「つぐみ、どうしたの?」

 

鶫「振り返っちゃあダメです!お嬢ッ!」

 

鶫は振り返ろうとする千棘を必死に制する。

 

千棘「…!」

 

鶫「ゆっくりと………落ち着いて歩いて下さい!」

 

千棘は鶫の必死な警告で只事ではないと知り、ゆっくりと歩いた。

 

ヒタリ、ヒタリ、ヒタリ……。

 

千棘「な…なにか後ろからつけて来ているわ。さっきまではいなかったというのに…!」

 

鶫「お嬢、気をつけて下さい。どうやらその小道の話、本当みたいです」

 

ゼハァァァ〜〜、ブバァァァ〜〜と後ろから吐息がかかる。

 

千棘「やっぱりなにかいる(・・・・・)わ、私の頭のすぐ後ろになにかいる(・・・・・)…!」

 

鶫「私の後ろにもいます。『なにか』が後ろを振り向かせようとしています。おそらく振り向かせないと…振り向かせて見させないと引きずりこむ事が出来ないようです。だから絶対に振り向いてはいけません」

 

鶫の指示に従い、ゆっくりと前を向いて歩いていく。

 

ピチョン…ピチョン…。

 

千棘「こ…今度は首筋に……なにか生温かい液体のようなものが…」

 

鶫「お嬢、光が見えてきました!多分あれが出口だと思います!」

 

千棘「少し急ぎましょ!」

 

鶫「お、お嬢!気をつけて下さい!」

 

千棘は足早に歩いて光へ進む。

 

鶫?「お嬢、もう大丈夫みたいですよ」

 

そこで不意に鶫の声が聞こえた。

 

千棘「そうなの?よかったぁ、ホントに恐かったわ」

 

鶫の言葉に安堵したのか、千棘は後ろを振り返ってしまった。

 

鶫「嘘ですッ!お嬢!今のは私の『声』ではありませんッ!」

 

千棘「え⁉︎」

 

鶫「こ…こんな事が…」

 

だが、すでに遅かった。

 

ドォォォォォォォォォォォォ!

 

次の瞬間、闇の中から無数の手が千棘に襲いかかる!

 

千棘「きゃあああああああああ‼︎‼︎」

 

その時、千棘の肩を後ろから引っぱる腕があった。

 

?「やれやれ、本当にお前は世話がやけるな」

 

その腕の正体は…

 

千棘「じよ、承一郎…⁉︎」

 

JOJO「待たせたな」

 

それは二人に追いついて、後ろを振り向いた(・・・・・)JOJOだった。

 

 

 

 

 

 

BB(ブラッディ・シャドウ)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ‼︎」ドゴドゴドゴドゴッ!

 

JOJOはブラッディ・シャドウで襲いかかってくる手をラッシュで一つ一つ正確に叩き込みながら千棘と鶫と共に出口まで走る。

 

JOJO「急げ!このまま走り抜けるぞッ!」

 

JOJOはブラッディ・シャドウの背中にある球体十個全てを一直線上に並べ、空間を繋げる。

 

三人はブラッディ・シャドウが作り出した空間から空間へ跳んで出口へ進む。

 

だが、道連れを望む無数の手のひらは三人を引きずりこもうとする。

 

仗助「来たぞ、億泰!」

 

億泰「おう、任せとけ!」

 

仗助と億泰が出口で待っていた。

 

億泰「『ザ・ハンド』‼︎」ズギュン!

 

億泰はスタンド、『ザ・ハンド』を発現して右手を大きく振りかぶる。

 

億泰「こっちに…来いッ!」ガオォン!

 

『ザ・ハンド』は右手で空間を削り取り、それが閉じる反動で承一郎達は瞬間移動する。

 

光が広がり、三人は無事帰還出来た。

 

承一郎「ハァ、ハァ、ハァ…」

 

千棘「ハァ、ハァ、ハァ…」ポロポロ…

 

鶫「ハァ、ハァ…危なかった…」

 

仗助「本当にヤバかったぜ、お前ら」

 

億泰「ああ、だがよくやったぜ承一郎。お前がいなかったらこの嬢ちゃん今ここにはいねぇぜ」

 

承一郎「ありがとうございます。億泰さんの『ザ・ハンド』がなければ脱出する事が出来ませんでしたよ」

 

千棘「あ…ありがとう承一郎…。アンタが来なかったら私…」

 

承一郎「礼はいらない。体が勝手に動いただけだ。それに…」

 

千棘「それに…?」

 

承一郎「僕が間に合わなくて助けられなかったら、僕の中に後味の悪いものを残す。ただそれだけだよ」

 

こうして、『振り返ってはいけない小道』を含めた杜王町の名物スポット巡りはひとまず終了した。




杜王町の名物スポット巡りは終了です。

いやぁ、一応小道の話はやっておきたかったんですけど難しいですね。

承一郎とJOJOが述べた『振り返ってはいけない小道』の話は、あくまで個人的な解釈なのでご了承下さい。

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