ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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はい、やっと一年の夏休み突入しました!季節が真逆…(汗)


第3章─奇妙な夏 Bizarre Summer in2012─
第45話 アルバイト


〜小咲side〜

 

七月、終業式が終わり高校最初の夏休み、公園の休憩所───

 

るり「…ったく、どうすんのよあんたは」

 

緑のカーテンがかかった休憩所でアイスを片手にるりちゃんが私に尋ねてきた。

 

るり「…もう夏休みだよ?結局一条君とは一切進展ナシで…。どうしてこう意気地が無いのかしら。あんなに手伝ってあんなにチャンスがあったのにそれでも進展0ってあんたは何?仏像か何か?」

 

小咲「…すみません」

 

るりちゃんに色々言われて、何も言えない私。

 

るり「たまには自分から誘ってみるとかさぁ、まぁ小咲にそんな事出来るとは思ってないけど。でもそんなんじゃあいつまでたってもねぇ…」

 

小咲「あ…あの〜るりちゃん…」

 

るり「…何?」

 

小咲「…その…実はね?明日、一条君がウチに来る約束になってるの」

 

るりちゃんの口があんぐり空いた。

 

〜小咲side out〜

 

 

何故承一郎が小咲の家に行く事になったのか?それは先日の終業式にまで遡る──

 

 

バイツァ・ダスト(負けて死ね)‼︎

 

 

先日、終業式の後、学校───

 

小咲「一条君!」

 

承一郎「や…やぁ小野寺君。どうしたんだい?(声かけられた…)」

 

小咲「ちょっといい?えー…とその…ね?あの…今度の週末って…予定とか…空いてないかな…」

 

承一郎(え……、え…ええぇーーーーーー‼︎?そっ…それはもしやデートのお誘…)

 

JOJO(ないな、だってお前一応桐崎の奴と恋人って事になってるし)

 

小咲「…実はね、バイト、お願いしたいんだけど…」

 

承一郎(…バイト?バイトって…もしかして小野寺君の実家の和菓子屋…⁉︎)

 

小咲「…実はウチの従業員さんが急用があって来られなくなっちゃって…。お母さんがね、なるべく料理が出来る人がいいって…。それで私…身近に料理が上手な人って一条君しか知らなくて。だからその…良かったら…」

 

返事はもちろんYes!こうして承一郎は小咲の家の和菓子屋のバイトをする事になったのだ。

 

ちなみに承太郎達の反応は、

 

承太郎「………フッ」

 

ジョルノ「…まぁ頑張って下さい」

 

ミスタ「そーかそーか!お前も罪な男だな!ケケケ!」

 

等の励ましの言葉だった(一部例外あり)。

 

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

週末───

 

承一郎(小野寺君の家でまさかのバイト…‼︎夏休みでしばらく小野寺君に会えないかと思ってたのにまさかこんな展開になるなんて…!ええ!希望とヤル気がムンムンと湧いてくるじゃあねーかッ!オイ!)←謎の蟹化

 

JOJO(何故蟹化するんだ…)

 

歩いていると、和菓子屋『おのでら』に着いた。

 

承一郎(…久々に来たな、和菓子屋“おのでら”。たまに父さんから客に出す茶菓子を買ってこいって言われて来た事はあったな)

 

承一郎「ごめんなさ〜…」

 

?「…んだとぉ〜〜‼︎?仕入れが一品も来ない〜〜‼︎?」

 

すごい大音量の声を聞いてビックリする承一郎。

 

承一郎「……⁇」

 

?「…そんな事私が知るか‼︎なんとかしてよそっちの仕事でしょ⁉︎」

 

中を覗くと何やら女性が電話相手に抗議しているようだ。

 

?「いい⁉︎夕方には絶対間に合わせて!後でそっち取りに行くから分かった⁉︎ったく‼︎」ガチャン‼︎

 

そう言って女性は電話を切った。美人だが、短気なのだろう。今の剣幕を見たら怖いという印象しかない。

 

?「…くっそ〜焼菓子はこれでいいとして、でも生菓子の方は…」ブツブツ

 

?「ん」

 

どうやらやっと承一郎に気付いたようだ。

 

?「…何見てんの。学生さんが和菓子屋(ウチ)に何の用…?子供はアメでもなめてな…‼︎」

 

承一郎「え…いや…そのぉ…」

 

女性の剣幕に押されてしまう承一郎。その時、すごい勢いで小咲がやってきた。

 

小咲「お母さん‼︎待って待って!その人だよ今日のバイトの人…‼︎」

 

菜々子「小咲…え…?」

 

承一郎(え?お母さん?嘘でしょこの若さで。姉でも通る若さじゃあないか?)

 

JOJO(容姿は母親似で性格は多分父親似なんだな)

 

そんな事を考えている承一郎に小咲が声をかける。

 

小咲「お…おはよう一条君。今日は…よろしく…」

 

承一郎「…よ…よろしく…(うわぁ…制服…‼︎売り子姿かわいい…)」

 

菜々子「…はぁ?バイトって…この子がぁ…?料理得意な人がいるって言うからどんな知り合いかと思ったら、あんたの同級生なの?それもこんなもやしみたいな…」

 

承一郎(最近ひどい言われようだね…。もやしって…)

 

JOJO(一応鍛えてるのにな、お前)

 

菜々子「…小咲、今日私が欲しかったのは曲り形にも調理場に入れる人なのよ…?本来調理場は職人の聖域…‼︎それをちょっと料理が出来る高校生に…」

 

小咲「‼︎…一条君はそんなんじゃあないもん…!一条君毎日家族のご飯一人で作ってるんだよ…⁉︎しかもすごく沢山…えーと…何十人分を一人でだよ…⁉︎」

 

菜々子「…うーん、そこまで言うなら。なんか作って貰おうか。使えるかどうかはこっちで判断するから。ダメなら今日は帰って貰うよ?」

 

承一郎(ええーーーっ‼︎いきなりすぎるんじゃあないか⁉︎…一応昨日和菓子について猛勉強はしてきたけど、そんなもの通用するわけが…)

 

小咲が承一郎に期待の眼差しを送っている。

 

承一郎(…まぁ、一生懸命やるけどさ)

 

そう思いながら承一郎は作業を始めた。付け焼き刃の知識だが、やるしかない。

 

菜々子(…ふーん、こまめに食器の水気をとってる…。和菓子の事はよく分かって無いようだけど、相当料理慣れしてるね)

 

承一郎「…えーと、出来ました」

 

承一郎がつくったのは大福だ。

 

菜々子「…ほーーー」

 

菜々子が大福を食べる。

 

菜々子「ほーーーーー」

 

かなり無表情で大福を食べる菜々子。正直顔の筋肉死んでるんじゃあないか?というぐらいだ。

 

菜々子「………えーーと…?君一条君とか言ったっけ…?」

 

承一郎「え…、あ、はい…!」

 

菜々子「よし、お前ウチにお婿に来なさい」

 

いきなりすぎる言葉に承一郎は思わず息をブー‼︎!と吐き出してしまう。小咲は顔が赤くなっている。

 

菜々子「いや〜最初はどうかと思ったけど、あんたも案外良い男連れてくるじゃあない」

 

小咲「‼︎…男って…一条君は別にそーいうのじゃあ…」

 

菜々子「あんたボーッとしてるから心配だったのよ。この子なら筋も良いし立派に家業を継いでくれそうじゃあない?」

 

小咲「だから違うってば‼︎」

 

菜々子「まぁそれはさておきこれなら少しは任せられそうね。小咲、一番簡単な奴とあん(・・)の作り方教えてやんな。私は午後まで店番するから。…しかしあんた男の前だとそんな顔するんだね〜?それにこのチャンスに男紹介するなんて…小咲ちゃんたらだ・い・た・ん♡」

 

小咲「お母さん‼︎!」

 

菜々子は笑いながら店から厨房から出た。

 

承一郎「…強烈なお母さんだね」

 

小咲「…ごめんね一条君、気にしないで」

 

承一郎(…う〜ん最初はどうなるかと思ったけど良かったお母さんにも認めて貰えたみたいだし。ええ!希望とヤル気が(ry )←本日2回目の蟹化

 

JOJO(蟹化しすぎだろ。まぁ分からんでもないが)

 

小咲「じゃあこっち来て、色々教えるから」

 

妙に「ハイ!」な承一郎に小咲は和菓子の作り方を教えてくれる。

 

小咲「…それでね?こっちの生地にザラメを足して…」

 

承一郎「…しかし小野寺君細かい手順までよく覚えてるね。やっぱり手伝いでこーゆーの作ったりするのかい?」

 

小咲「ううん、私は作る仕事は全然…。小さい頃から面白いなってずっと見てたからそれで…。試しに一度作らせて貰った事があるんだけど、食べた人がバタバタと倒れちゃって三日もお店を出せない状況に…」

 

承一郎(その才能はその頃からすでに…‼︎?)ゾクッ

 

承一郎は思わず戰慄してしまった。

 

小咲「…でも、仕上げの部分だけは褒められてそれをずっと手伝ってたらだんだん得意になっちゃって。…ほら」

 

小咲の手にあったのは、綺麗な花の形の和菓子だった。

 

承一郎「おーーー、すごい‼︎あ、僕も混ぜ終わったよ…。こんな感じかな…?」

 

小咲「あ!そんな感じ!すごい美味しそう!ふふっ!一条君が味をつけて私が形を整えたら、良い和菓子が出来そうだね」

 

承一郎(え…ええぇーー〜‼︎?何ソレ…‼︎今のはプロポーズ…‼︎?む…婿に来いって…‼︎?い…いやいや落ち着け僕…‼︎危うくハートを持って行かれてしまう所だった…‼︎)

 

そんな小咲の(自覚なし)の言葉に驚いてしまう。

 

JOJO(こいつら見てると面白いな、鈍感過ぎて)

 

承一郎達とは違い結構鋭いJOJOは面白がっている。

 

菜々子「小咲ー、ちょっと出てくるから店番よろしく」

 

小咲「はーい」

 

菜々子は店を後にした。

 

小咲「いらっしゃいませー」

 

おじいちゃん「おおーー!今日の店番は小咲ちゃんかい。こりゃツイとるの〜」

 

小咲「こんにちは、吉野さん。毎度ありがとうございます」

 

おじいちゃんの名前は吉野さんというらしい。

 

吉野「どうじゃ?良かったら今度わしとデートでも…」

 

小咲「もー、またまた〜」

 

色気づいた爺さんに承一郎は肩を掴んだ。

 

承一郎「…おつり615円になりまーす」バチィッ‼︎

 

吉野「お?おおどうも…?うおっ⁉︎足が勝手に⁉︎」ダッ‼︎

 

そのまま吉野は行ってしまった。無論、承一郎が波紋を流し込んで操ったのだ。

 

小咲「…一条君?」

 

承一郎「やれやれ、爺さんのクセに色気づいているからだよ」

 

小咲「あはは、あのお客さんいつもああだから…」

 

承一郎は涼しい顔で答える。小咲は思わず笑ってしまう。

 

小咲「…ねぇ、一条君はさ…今でも千棘ちゃんとデートとかするの?」

 

承一郎「んなっ…‼︎なんで僕が彼女と…」

 

小咲「え…なんでって…(今も恋人のフリしてるんだし…)」

 

承一郎「…あーいやー…、す…するよ?もちろんするよ?だって僕達恋人同士だし…(うう…悲しくなってきた…)」

 

小咲「え…え…⁇……え…えっと一条君…?もしかして聞いてないの?」

 

承一郎「え?」

 

小咲「私一条君達が本当の恋人じゃあないって知ってるよ?」

 

突然の事で承一郎の反応が遅れる。

 

承一郎「…ん?え?ホントに?」

 

小咲「うん、ホントだよ」

 

承一郎「え…ええ〜〜〜‼︎?」

 

小咲「やっぱり…!おかしいと思った…!」

 

承一郎「な…なんで…いつから…」

 

小咲「…結構前に千棘ちゃんから、てっきり一条君は知ってるものだと…」

 

承一郎(はぁ〜、桐崎さん小野寺君に教えてたのならちゃんと言って欲しいな…。まぁ僕もまだ集の事教えてないけど…)

 

小咲(…そっか、一条君ずっと知らなかったんだ。だから私と二人きりの時でも恋人みたいに…。でも…ならなんで一条君はあの写真を隠したんだろう…)

 

承一郎「ん?何か言ったかい?」

 

小咲「…ううん、なんでも」

 

承一郎(…しかし、やれやれだよ。小野寺君はずっと僕達が恋人じゃあないって知っていたのか。僕の今までの苦労は一体…)

 

承一郎(ん…?待てよ、という事は…今なら小野寺君に想いを告げても大丈夫って事なのかな…?僕達が恋人じゃあないって分かってくれてる今なら、邪魔する物は無いっていうか…)

 

JOJO(…いやいや待て、そんな簡単な話じゃあないだろう。もっとこう…タイミングというか…)

 

その時、急に風がなってきた。店の扉がガタガタ鳴っている。

 

小咲「…なんか、外風強くなってきたね」

 

承一郎「え?あ…ああ、そうだね。…そういえば、今台風が接近してるとかニュースで…」

 

やがて、雨が降り始めてきた。雨はだんだん強くなっていく。

 

小咲「…降ってきたね」

 

承一郎「結構強いね。小野寺君のお母さん大丈夫かな…」

 

プルルルル、と電話が鳴った。小咲が電話を取る。

 

小咲「はい、和菓子屋おのでらで…『あ!小咲⁉︎私私、お母さん‼︎』…お母さん?」

 

どうやら電話の相手は母親らしい。

 

小咲「……えっ‼︎?」

 

承一郎「…どうかしたのかい?」

 

小咲は電話を切って答えた。

 

小咲「…台風が凄くて危ないから帰れないって…。店番よろしくって…」

 

承一郎「そうか…。それは仕方ないね…」

 

小咲「…それと、…帰らせるの危ないから、一条君には泊まって貰えって」

 

承一郎(な…何だってーーーーーーッ‼︎‼︎)

 

外からは、ザァーーーー、と雨音が聞こえた。




JOJO(よし、押し倒せ‼︎男を見せろ‼︎)

承一郎(ふざけるな‼︎)

次回は原作とは外れて、お泊まりしようと思います!

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