ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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すみません、今回はかなり長くなってしまいました。

後にシリアスを入れて見ようとしたら、長くなってしまって…(汗)

前半と後半で分けようにもちょっとタイミングが分からなくて…(大汗)


第44話 一条承一郎!警視総監に会う

とある日、学校───

 

万里花「…というわけで承一郎様、明日父に会って頂けますか?」

 

万里花はいきなり切り出してきた。

 

承一郎「……え?」

 

万里花「…ですから、一度は挨拶においで頂かないと。結納の日取りなど決めなくてはなりませんし」

 

承一郎「いやいやどういうわけだい⁉︎だいたいその…許嫁の話だって僕は知らなかったってちゃんと話しただろう…⁉︎」

 

万里花「ええ…それは存じておりますが…。ですがだからと言って私と承一郎様の婚約が解消されたわけではありませんわ。それに夫婦になって初めて互いの良さに気付くということもあるかもしれませんし!」

 

承一郎「…僕まだ結婚出来る歳じゃあ…」

 

千棘「…ちょっと橘さん?さっきから図々し過ぎるんじゃあありません?人の恋人を前に…」

 

万里花「あら、これは気付きませんでした桐崎さん。主人がいつもお世話になっております」

 

承一郎・千棘「「誰が主人だ‼︎」」

 

千棘「だいたいダーリンはその婚約を了承してなかったんでしょ?だったらそんなもの無効よ…!」

 

万里花「あら、そんな事ありませんわ。昔から親の間でのみ婚約が交わされる事なんてよくある話。どうしても不服なら父に直接申し立てて貰うしか…」

 

その言葉を聞いた瞬間、千棘が承一郎を睨みつけた。

 

キング・クリムゾン‼︎

 

翌日、街の中───

 

承一郎は万里花と一緒に万里花の家に向かっていた。

 

承一郎(はぁ…なんでまたこんな事に…)

 

承一郎は昨日の千棘の言葉を思い出していた。

 

 

千棘『いい⁉︎そのお父さんにビシッと言って許嫁の話を取り消して貰うのよ…⁉︎』

 

 

承一郎(…そんなに上手く行くかい?しかし最近の彼女の演技って迫真だよね…)

 

JOJO(…こいつ鈍過ぎるだろ…)

 

万里花「さぁ承一郎様。ここが私の家ですよ」

 

万里花の家はものすごく高い高層マンションだった。

 

万里花「このマンションの最上階の1フロアが私の家なんです」

 

承一郎(1フロアって…)

 

やはり警視総監という事だろう。かなりビッグな人だ。

 

承一郎「…ところで橘さん」

 

万里花「まぁ橘さんだなんて。どうか万里花とお呼び下さい!」

 

承一郎「…橘さんの親父さんってどんな人なんだい?確か警視総監なんだよね?やっぱり恐い人なのかい…?」

 

万里花「まぁ!とんでもありませんわ。父はとっても優しい方ですよ?私の事をいつも『マリー』と呼んでいつも私の事を心配して下さるんです。きっと承一郎様も父を気に入ると思いますよ…!」

 

承一郎(…ホッ、良かった。少し気楽に…)

 

キング・クリムゾン‼︎

 

マンション最上階───

 

巌「おう、帰ったかマリー。早かったな」

 

承太郎と同じ195cmの顔に傷がついている男、橘(げん)がそう言う。

 

承一郎(…と思っていた時期が僕にもありました…)

 

万里花「あらお父様。ちょうど呼びに行こうと思ってた所です」

 

承一郎(…親父さん顔恐ッッ‼︎!一瞬ヤクザかと思ってしまった…‼︎というかむしろヤクザよりも凄みがあるような…)

 

万里花「お父様、この方が私の婚約者の一条承一郎様ですわ」

 

承一郎「‼︎…え…は、はい。あの…どうも始めまして、僕は…」

 

巌「ほう…君があの一条のせがれか…大きくなったな。親にだいぶ似てきたんじゃあないか…?」ゴゴゴゴゴ

 

なんかすごい凄みを出しながら承一郎に話しかける厳。

 

巌「まぁ座りなさい、ゆっくり話そう。親父さんは元気かい…?」

 

承一郎「は…はい…まぁ…」

 

そう言い、承一郎はソファに座った。

 

巌「…この傷」ボソッ

 

承一郎「え…ええと…?カ…カッコイイですね…。お仕事中に受けたんですか?」

 

巌「うむ…こいつは昔君の親父さんにつけられた傷でなぁ。父親に似てきた君を見てるとつい疼いてきてしまってね」ゴゴゴゴゴ

 

承一郎・JOJO((あ…あの(親父)何をしてるんだぁあーーッ‼︎!))

 

巌「あの時の事は忘れもしない…。まぁその時にオレ達の互いの力を認め合って立場は違えど男の盃を交わす仲になったわけだが、オレの夢は今でもあのヤロウをムショにブチ込む事なんだよ」

 

承一郎(こ…恐っ…‼︎恐過ぎるこのお父さん…‼︎ウチのヤクザ全然ヤクザっぽいじゃあないか…‼︎こんな人相手に婚約の取り消しなんて絶対言えないよ‼︎!)

 

巌「…そんなつまらん事はいいんだ。早いもんだな、万里花ももう結婚出来る歳になったか。君も長いこと万里花の事を大切に想ってきてくれたと思うが…」

 

承一郎「‼︎…あの…それがその…」

 

万里花「承一郎様は私の事は忘れてしまわれたそうですけど」

 

承一郎「ちょっ…ちょっと君ーーー‼︎」

 

巌「…忘れてた?おい…そいはどがん言う事と…?」ゴゴゴゴゴ

 

承一郎(ヤ、ヤバイ…‼︎)

 

キング・クリムゾン‼︎

 

巌「…なるほど、それで君は婚約の話を知らされてなかったわけか…」

 

巌は承一郎の説明でやっと納得したようた。

 

巌「〜あんのクソヤロウ…男と男の約束をよくも…。今度会ったらタダじゃあおかねぇ…」

 

承一郎はすごいハラハラしている。

 

巌「…しかし、そうなると一つ気がかりが…。君はまさか、今他に好きな子などいるんじゃあないないだろうね」

 

承一郎「え…、いやそれは…」

 

万里花「彼女がいますわ」

 

まさかのカミングアウト。

 

承一郎「ちょっと橘さんッ⁉︎」

 

巌「…彼女…?わいは彼女ばおる身でこげん所挨拶に来よっとか…」ゴゴゴゴゴ

 

承一郎「わーー‼︎待って待って待って‼︎」

 

万里花「お父様落ち着いて。承一郎様が悪いわけではありませんわ。…それに私はそれでも構わないと思ってるんです」

 

万里花「私はその彼女から承一郎様を奪ってみせると決めたのです。そうしなければ承一郎様と結ばれる資格などありませんわ」

 

巌「……フン、お前がそう言うのなら構わんが。…ところで君はいつもそうやって娘とくっついているのかね?」

 

承一郎「え⁉︎いやこれは…橘さんが一方的に…。ご…ご安心して下さい!僕らは清廉潔白な関係で…」

 

万里花「まぁ!承一郎様ったら照れなくてもよろしいのに…。せっかくキスも済ませましたのに(頰に)」

 

承一郎「だからそう言う事を〜‼︎」

 

巌「…君ィ…そがんことはもう少しお互いば理解してからすっべきなんじゃあなかとか…?」ゴゴゴゴゴ

 

承一郎(うおおおおお‼︎!)

 

万里花「!あら、いけませんわ。私とした事がお茶も出さずに。すぐご用意しますわ」

 

そう言って部屋を後にする万里花。

 

承一郎(え…ええーーー‼︎?ま…待ってくれ‼︎一人にしないでくれ〜〜…‼︎)

 

ゴホン…‼︎という厳の咳にビクッ‼︎とビビってしまう承一郎。

 

承一郎(や…ヤバイ、どうしよう…‼︎状況は最悪ッ…‼︎なんとかこの場だけでも凌がないと…!何か…上手い言い訳は…‼︎)ダラダラ

 

巌「…あの子は、万里花はね、10年経った今でもたまに昔の君の自慢話をする」

 

承一郎「…?」

 

汗がダラダラ流していた承一郎に、厳は万里花の話をした。

 

巌「やれこんな事があった、やれこんな話をしたと、たわいも無い事を今でもね。昔君があの子の病室に置いていったガラクタも、今でも大切に持っているんだ」

 

巌「…まぁ、本人はそれで幸せそうなんだが」

 

承一郎(…あの時の事、今でも…?そんなに…)

 

 

万里花『これからの私は、もう忘れさせませんよ?』

 

 

承一郎「……すみませんお父さん…僕…、僕には今好きな女の子がいるんです。万里花さんでは無く…。…万里花さんが嫌なわけじゃあないんです…。ただ…僕は…その子の事をずっと…」

 

承一郎「だから…本当にすみません…」

 

承一郎は何を言われてもしょうがないと覚悟を決めた。

 

巌「……クッ…!…良か、ようやっと腹ば割りよったか」

 

厳の答えは、了承だった。

 

巌「まだ若いとにそう割り切れるもんでもなかやろし、そういう遠回りも今は必要なハズばい」

 

巌「…その子がその彼女かね?」

 

承一郎「え…いや…それが実は…」

 

巌「あぁ?そいじゃあ何か?わいは女で遊びよると…?」ゴゴゴゴゴ

 

承一郎「違います違います‼︎これには大変複雑な事情が…‼︎」

 

巌「…フン、まぁえぇわい。…しかし約束は約束、いずれは娘を幸せにして貰うけん。覚悟ばしとけ、…マリーは手強か女ぞ」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

承一郎(…やれやれ、これで良かったんだろうか…)

 

万里花「どうでしたか?父と話してみて」

 

承一郎「…良い親父さんだね。君の事がどれだけ大事か伝わってきた。…ちょっと恐いけど」

 

万里花「フフ…!気に入って下さった様で嬉しいですわ。いずれ承一郎様のお父様になるかもしれませんし」

 

万里花の言葉にブッ‼︎と息を吐き出してしまう。

 

承一郎「…ホント、よくそんなグイグイ来れるね。素直に感心するよ(どうして僕なんかにそこまで…)」

 

万里花「まぁ!そんなの当然ではありませんか。自分から動かないで手に入る物などありません。恋愛だって攻めあるのみです」

 

承一郎「!(…まるで自分の事を言われてるようだ…)」

 

万里花「…私に出来るのは想いを伝える努力と、変わる努力だけです」

 

万里花「承一郎様!改めて教えて下さい、承一郎様は今どんな女の子が好きですか?私は承一郎様の為ならどんな風にも変われます…!どうぞなんなりと♡」

 

承一郎「…いや別に、今のままで橘さんは充分かわいいと思うけど?」

 

承一郎「橘さんがその…色々頑張ってくれてるのは素直に嬉しいし、すごいと思う。誰にでも出来る事じゃあない」

 

承一郎「それに僕は髪の長い君も短い君も、今のしゃべり方も昔のしゃべり方も、どっちもかわいいと思うよ?(…どっちでも普通にモテるだろーし)」

 

承一郎「…ん?」

 

万里花の顔は真っ赤っかだった。

 

万里花「…急にそがん事言われたら、困るばい…」

 

承一郎「……え?」

 

万里花「やっ…その…こっ…こっち見んでくれんね…!」

 

九州弁を出してしまい、顔がさらに赤くなった。

 

承一郎「え…え…?」

 

万里花「見んでくれんね〜〜〜‼︎」ドヒュン‼︎

 

承一郎(ええーーーーーーー‼︎?)

 

承一郎「ちょ…ちょっとぉ⁉︎君…急に別人…!もしかして照れてるのかい…⁉︎」

 

万里花「照れてないけん…‼︎こっちば来んといて〜〜〜‼︎」

 

そして、『矢』の件から始まったこの奇妙な高校生活の一学期は、幕を閉じたのであった。




巌(…しかし、あの坊主も大きくなったな…)


承一郎『…一つ…質問してもいいですか…?』

巌『…別に構わないが…』

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

JOJO『俺の母は…殺された(・・・・)のか?』

目が紅く染まり、JOJOが出て来た。その瞳の奥には、漆黒の炎が燃えていた。

巌『……ああ、その可能性がある(・・・・・・・・)

厳は意を決し、答えた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

JOJO『ッ……‼︎』

巌『あの時は証拠不十分で事故死扱いになってしまったんだ。君の母はそんな事をされる覚えがない事は、君自身がよく知っているだろう』

JOJO『…やはり、そうだったのか…』

JOJOの拳は怒りに震えていた。

巌『君も色々調べたんだろう。自動車の運転中の事故なのに体に(・・)弾痕(・・)人の腕ぐらい(・・・・・・)の大きさの穴が(・・・・・・・)空いてたら(・・・・・)、誰だって不思議に思うからな』

普通ではありえない。だが、それを可能にする能力を承一郎は知っている。

JOJO(では、やはり母を殺した奴は…)

承一郎(“スタンド使い(・・・・・・)”……‼︎)

巌『…君は、それを知ってどうするつもりだ?』

承一郎『…あなたが知る必要はないですよ』

そう言い、承一郎は部屋を後にした。


巌(あの目は、人殺しの目だ…。目的の為には人間性を捨て去る事の出来る目をしていた…)

厳は承一郎の目を思い出していた。

巌(私は見守るしかない…彼の運命を…)


<= to be continued=

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